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目ざめよ! 1970
目70 7/22 13–15ページ

カトリック教会を二分する産児制限問題

カトリック教徒の多くは長年,人為的な産児制限に関する教会の禁制の緩和を願ってきました。貧困,また人口“爆発”に伴う飢えなどの問題をかかえている世の指導者たちもそうした改革を望んでいました。そのうえ,教皇の設置した委員会の大多数もこの問題に関する改革を進言しました。

ところが1968年7月に出した回勅「人間の生命について」の中で教皇パウロ6世は教会の従来の立場を再確認しました。同回勅は,経口避妊薬を含め,人為的な産児調節をいっさい禁じてこう述べました。「結婚の行為すべては,生命の伝達が自由に行なわれるものでなければならない」。

広範にわたった反応

これはまさに爆弾宣言となり,深刻な衝撃を与えました。ニューヨーク・ポスト紙は,「あらしを呼ぶ教皇の勅令」と題する記事を第一面に掲げました。また,サンフランシスコ・サンデー・イグザミナー・アンド・クロニクル紙はこう評しました。

「公会議を用いて教会を改革の海に就航させたのは教皇ヨハネス23世であったが,あらしがいよいよつのってきた過去5年余の間,そのかじをにぎらねばならなかったのは教皇パウロ6世であった。……

「しかし産児制限に関する同教皇の回勅が出されたため,そのかじは……教皇の手から奪われたも同然である。

「サン・ピエトロ号とも呼ばれるカトリック教会は,いまや司祭と一般信徒双方の反対の大波に翻ろうされている」。

あらゆる場所のカトリック教徒の多くが衝撃を受け,怒りました。これほど多くの信徒がこれほど強硬に異議を表明したことはめったにありません。アメリカのカトリック教徒のある母親は言いました。「私たちの寝室の事柄に干渉する権利が教皇にあるのでしょうか」。4人の子どもを持つフランスのある父親は,「教皇はまちがっています。私は教皇の禁令を無視します」と言明しました。

ブラジルのマンチェテ誌の行なった調査によれば,出産年齢の婦人の大多数はこの問題で教皇に反対していることがわかりました。50歳以上の婦人の52%の人々さえ,教皇が誤っていると述べ,84%が,家族計画は個人の責任に属しており,教会が指示すべきことではないとの見方を示しました。

アメリカではカトリック教徒の婦人の約70%が避妊用具類を用いているとされており,教皇の回勅で考えを変えた人はほとんどいません。このことは,シカゴ,ロヨラ大学の司祭ロバート・フォックスの次の率直なことばからもわかります。「『あなたは罪を犯している』と教皇から言われていると考えられる人が何百万人もいる。……彼らは,『私たちはいま地獄にいるのだ』とやり返している」。ロスアンジェルスの,会員800人で成る一般信徒協会の宣言は次のように述べて,こうした態度を表明しています。「われわれは産児制限に関する教皇パウロ6世の禁令を絶対に認めず,かつ同様の態度を取るよう円熟したカトリック教徒すべてに要請する」。

教皇の回勅は多数の僧職者からも激しい反対を受けました。カトリック神学者ジョン・G・ミルヘイブンはニューヨークのフォーダム大学に集まった大ぜいの聴衆に語りました。「私は教皇のこの教えを正しいものとして受け入れることができない。私の同僚,また45歳以下のカトリック教徒の大多数,そして45歳以上の信徒の多くも同様である」。この発言に,司祭および修道女300人を含む聴衆は盛んな拍手を送りました。

オランダ,デンボスシュの司教ジャン・ブルイセンは,「私はこの回勅に同意できない」と直言しました。フランスの司教たちも回勅をそのまま受け入れることはできないとの態度を示し,ヒューストン・クロニクル紙はこう報じました。「フランスのローマ・カトリック教会は,信者間の人為的な産児制限は『必ずしも罪』ではない,との判断を下した。フランスの司教120人は金曜日,宣言を発表し,教皇パウロ6世の禁令には関係なく,避妊用具の使用は信者個人個人が決定すべきであると語った」。

しかしこの禁令に対する反対を唱えた司祭たちは,保守的な司教から懲戒処分を受け,僧職を追われたところもあります。

影響

したがってカトリック僧職者の中にはこの禁令を退けた者もいれば,その内容を曲げようとした者もおり,一方,保守派は禁令を支持しました。これら神学者は公に,またしばしば憤りをいだいて,互いに対立しました。その結果,いっそうの混乱がもたらされたのは当然です。こうして教会に対する一般信徒の信頼はいっそう揺らぎ,さらに幾千人もの人々がうんざりして教会を去りました。

教会の権威筋は,この禁令のためにカトリック教徒と教階制度とのへだたりが大きくなったことを認めています。また,それが,多数の司祭や修道女にその勤めを放棄させるものとなるばかりでなく,若い人々に修道生活を敬遠させるものであることを認めています。

教会の見解に生じたこうした分裂は重大な混乱を引き起こしただけでなく,教皇の権威そのものを痛烈な批判にさらすことになりました。この点についてマンチェスター・ガーディアン・ウィークリー誌は述べました。

「教皇の回勅が教皇の道義上の権威およびローマ・カトリック教会の教えに対する敬意を長年にわたって弱めるものであることは明白である。衝撃が消え去ったのちには……指導者層が教会に負わせた新たな傷跡が残るであろう。……

「多数のカトリック教徒にとって最近のこの宣言は少なくとも…ガリレオの有罪宣告を思い起こさせる悲痛なものである」。

こうしてカトリック教会は,産児制限問題で激しく分裂しているため,神のみことば聖書の述べる,真のクリスチャン会衆に不可欠な一致とはほど遠い状態にあります。―コリント前 1:10。

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