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目ざめよ! 1976
目76 6/8 24–27ページ

アフリカの“隠れたスイス”へおいでください!

ザイールの「目ざめよ!」通信員

アフリカ中心部の高地には,この大陸でも非常に美しい湖,興味尽きない山々,青々とした谷間など,眺めのすばらしいところがあります。そこはまさに“熱帯のスイス”と呼ぶにふさわしい地域です。

しかし,その地域はアフリカでも探検家が訪れた最後の場所の一つで,それはわずか百年ほど前のことでした。そして今日でもそこは主だった観光周遊地には含まれていません。しかし驚くには当たりません。この美しい国は,海洋から少なくとも千㌔近くも離れており,密林や沼地,そして伝染病流行地域に囲まれているからです。しかし,こうした自然の障害を乗り越え,危険を冒して進む少数の人たちは,豊かに報われます。この地域で,それら少数の人たちは,アフリカ全土で一番背の高い種族と一番背の低い種族に出会います。また,数多くの動物や豊富な作物,それに噴火中の火山や温泉も見られます。そして,マッターホルンほど高い,雪をいただいた峰々,美しい滝,大きな湖,青々とした谷間,そして急な斜面にくっついているかに見える,絵のように美しい村々などはまるでスイスを連想させる印象的な景色です。

この隠れた“スイス”は,ウガンダの南部,ルワンダとブルンジの国々,そして東ザイールのキブ州の隣接する地域にまたがっています。

旅の始まり

現在でもこの地域を旅行するのは容易ではありません。そのことを一言注意しておきましょう。どこへ行くにも,ひどく揺れる乗り物,のろい旅を予期しなければなりません。

わたしたちの胸を躍らせるような旅の最初の行程はカバレからキソロまでです。古ぼけたバスは,60人余りの乗客で満員になり,さらに屋根の上には自転車,家具,様々な竹かご,食糧の束や袋,生きた動物などの重い荷物を積んでいます。

荷物を積み終えたバスはようやく出発します。二,三の村を通り,曲がりくねった山道を上って行くうちに,空気はさわやかになり,高く上るほど湿度が低くなります。やがて,わたしたちは真珠のようなブニオン湖を見ることができます。その湖は,フィヨルドの末端に似ていると言ったほうがよいかもしれません。熱帯の太陽と青々と茂った草木を背景とし,曲線を描く湖岸線でへり取りされ,その中央には美しい島があるのです。さらに上って行くと,眺めは一層良くなり山腹に点在するアフリカの炎の木の赤色は美しい眺めを引き立てています。反対側の深い谷間には,耕された山腹とそこにへばりついているかのような小さな村々がはるか遠くに見えます。バスは一人か二人の人を降ろすためあちこちで止まります。降りる人は,自分の持ち物を持って降りますが,袋,ビン,鶏,かご,腰掛け,はちなどどんな物でもバスの屋根から降ろしてもらいます。

ところで,ご覧ください。左測にはカバレの町が見えます。ほら,あそこがわたしたちの出発地点だったのです。曲がりくねった山道をほぼ五時間かかって80㌔ほども進みましたが,カバレから直線距離にしてわずか15㌔ほどの地点に達したにすぎません。全く驚くべきことです。

さて,わたしたちは,道がトンネルの中にあるように思えるほど,うっそうと茂った竹林の中を通ってゆきます。すると,突然,すばらしい光景が目前に開けます。ここが有名なカナバ峡谷です。ここからは,ウガンダ,ルワンダ,そしてザイールの三つの国にまたがっているビルンガ火山が見えます。一番近い火山の斜面には,野生のゴリラの最後の生息地の一つがあります。

ルワンダへ

この“千の丘の国”― ついでながらこれはかなり控え目な数 ― での旅は,もっとゆったりとしているようですが,眺めが劣るわけではありません。他よりずば抜けて高いカリシンビ山は,標高約4,500㍍もあり,ビルンガ山脈の中で最も高い火山です。その南には,広大なバナナの栽培地で囲まれたルヘンゲリ山があります。ここでは,溶岩のれんがでできた美しい家を見かけます。れんがとれんがの間のモルタルは,白く塗られていて人目を引きます。ここにはまた,ブレラ湖とルホンド湖があり,美しいブニオニ湖を思い出させます。

ここは農業国です。良さそうな土地はすべて,コーヒー,じゃがいも,きび,豆,ナンキン豆,とうもろこし,カサバ,その他の作物を栽培するために利用されており,約45度の傾斜面に栽培されていることもあります。あちこちで,典型的なかまどのあるれんが工場の前を通りますが,そのかまどでは,グレー,黄,赤など様々な色のれんがが作られています。

しかし間もなく,わたしたちは2,100㍍余りの高さにまで,再び上ってゆきます。もう何十㌔も山の背の上を進んでいるような気がします。田園地帯に照りつける,赤道直下の太陽は,緑の様々な色合いに一層輝きを与えます。ユーカリの木に混じって多くのもみの木があります。ユーカリの木には,蜜蜂の住みかとなる,あしのかごが取り付けられています。

バスの中のだれかが,首都キガリに近付いたと言います。そうだとすると,130㌔余りの土ぼこりの道を四時間半で,進みましたし,今朝の40㌔を加えれば,この間の旅はかなり順調だったと言えます。

最後の160㌔ほどの道のりで印象的だったのは,家が十軒ぐらいしかない小さな村を一,二見ただけで,大きな村を全然見かけなかったということです。しかし,人口400万の小さな国ルワンダではこれが典型的であることを思い知らされます。この国の人口密度はヨーロッパのそれに匹敵するものですが,ほとんどの人々はいなかに四散している一戸建ての家に住んでいるのです。しかし,市場を通ったときには,人の多いのにすぐ気付きました。

それに多種多様な人々がいることに驚かされます。2㍍前後のワツシ族の背丈の人々もいれば,非常に背の低い人々もかなりの数います。といっても,その人たちはバツワピグミーではありません。彼らはここから相当離れた山の中に住んでいるからです。しかし,背丈に関係なく,ほとんどの人は靴をはいていません。はいていたのは,わたしたちが数えた百人のうちわずか七人ほどにすぎませんでした。

わたしたちは旅を続けねばなりません。ここから先には,ルワンダの南西地方に通じる曲がりくねった道が150㌔ほど続きます。

ナイル川の水源地

少しずつ上ってきたわたしたちは,今度は広大な森林に入りました。ここでは人も家も田畑も見かけません。ここは,花を咲かせる樹木,銀色に輝く葉,しだなどが道沿いに見られる,熱帯植物の豊富な処女林なのです。一時間余り上ったところで,ぼつぼつ森林のはずれ近くまで来たのではないかと思ったのですが,バスの中の他の人たちは,森林の中心に近づいているところだと言うのです。

さらに上って行くと,高さ約2,400㍍の地点にまで達します。これほど高いところでは,山地の植物である黄,緑,赤そして茶色のこけが枝から垂れ下がっているのが見られます。左側にある,少し色あせて地面に傾きかけた小さな標識は,わたしたちの渡る細い小川が,地中海から約6,600㌔も離れたナイル川の上流,アカゲラ川の水源に通じていることを示しています。

美しいキブ湖

ようやくわたしたちは山を下って行きます。すると,遠くに,沈んでいく太陽の下に,西の谷間の真珠とも言える,美しいキブ湖が,その南端のブカブという町と共に見えてきます。ここでわたしたちの目に入ったものは,すみれ色の花をつけた除虫菊の畑,茶,コーヒー,さとうきび,キナの栽培場,そしてそびえ立つ絶壁でした。中には湖の上方約2,000㍍もそびえ立っている岩もあります。すでにキゲジで見た,大きな角を持つアンコレ野牛が,ここザイールにもいます。これらの野牛は,山腹の真っ赤な炎の木々と,黄色のカシヤの木の間で,緑の草を十分見付けようとしています。

景色は絶えず変わり,青い湖の入江からは,いくつもの半島や険しい傾斜面を背にした海岸線,また水面に点在する島々が見えます。別の方角には,高山の深い谷が見え,山腹の中ほどには,あちこちに滝が見られます。

何㌔にもわたって,しばらくの時間バナナの栽培地を次々に通って行きます。大きなひょうたんを入れたかごを,背負って運んでいる婦人が大勢見られます。そのかごは額にかけた帯で支えられているのです。その辺りにはアルコールのにおいが充満していますが,それは,ひょうたんの中に,市場へ持って行く途中のバナナのビールが入っているからです。

北部の湖岸の眺めは,趣を異にしています。噴出してからまだ30年もたっていない硬くて黒っぽい溶岩が,ニャムラギラ火山からこの湖まで何㌔にも及んでいるのです。でこぼこした表面は植物により覆われつつあります。さらに進んで行くと,二番目の活火山で,雲に達するほどのニイラゴンゴが見えます。夜になると,その頂上は燃える炎のように赤く見えます。旅を続けるにつれ,今度はビルンガ山脈をザイールの側から,もう一度見られるのはうれしい限りです。これらの山頂が,有名なマッターホルンとほぼ同じ高さであるとは信じ難いことです。

ビルンガ公園

火山山脈を後にして,さらに進んで行くと,間もなく別のすばらしい景色が眺められます。それは,多数のかもしか,象,その他の動物が,鳥獣保護区域でのんびりと草を食べている草原の景色です。ここで心に浮かぶのは,“パラダイス”という言葉です。岸にやしの木がはえている川が何本も北方のナイル川に向かって曲がりくねって流れ,幾百頭ものかばが,川岸や浅瀬のあちこちに,横たわっています。遠方には,別の湖が銀色に輝いています。

わたしたちがブカブから南に進むころ,後方の高い雲は,約5,100㍍にも達する“月の山”,ルウェンゾリを隠していたに違いありません。

わたしたちは,ルシジ渓谷を通って下って行きますが,下る途中,左側にブルンジが見えてきます。タンガニーカ湖に近づく際に気付いた綿の栽培地を除いて,ブルンジと,ルワンダには多くの類似点があるように思われます。

どちらの側にも山脈のある,なんと美しい湖なのでしょう。わたしたちは,有名な探検家リビングストーンとスタンレーがわずか百年ほど前,アフリカの“隠れたスイス”をかいま見たのはこの辺りだったと教えられました。しかし,二人はそこに秘められているすべてのものを知ることはできなかったはずです。確かに,このような山々を通る,あの曲がりくねったでこぼこ道のどれにも,人の関心を呼び起こす,おびただしい数の驚異が秘められているのです。しかし,そのすべてを探究するには何年もかかることでしょう。

ちょうど今,わたしたちの船がゆっくりとタンガニーカ湖を南に向けて動いていく間,友好的な人々が桟橋に立って,スワヒリ語で“さようなら”を意味する“クワ ヘリ”と言いながら手を振っています。アフリカのまさに中心部にある,創造によるこの美しい場所,“隠れたスイス”での旅の貴重な思い出をいつまでも大切にしたいものです。

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