世界展望
東京は一番安全か
◆ 世界の大都市の中で東京は一番安全だと思っている人は少なくない。しかし東京大学の一研究者はこれは必ずしも真実ではないと述べている。同研究者は,東京の住民を無作為に調査したところ,警察の統計の記録の平均37倍もの犯罪の生じていることが明らかになった,と説明し,「警察官が忙しすぎて,報告された事件を記録できなかった場合がある」と述べている。その調査は,警察の記録の54倍の暴行事件,31倍の自転車盗難,23.7倍の万引があったことを示している。
“第三世界”の攻撃の的
◆ 米国ネブラスカ州,オマハ市のワールド・ヘラルド紙の論説は次のように述べている。「いわゆる第三世界における生活の不運な一面は,政治組織が自らの権力を乱用し始める時,多くの場合まっ先に踏みつけられるグループの中に,全くそのいわれのないエホバの証人が含まれていることである。……彼らは聖書を政治的な生活への参加を禁じるものとみなしている。マラウィで彼らは政府が義務づけた政治的な身分証明書を買うことも携帯することも拒んだため迫害されている。アルゼンチンでは自分たちの信仰の信条に従うがゆえに現在迫害されている。……
「エホバの証人がどの政治体制に対しても何らかの脅威になっていると考えるのは,がんこで,偏執病的な妄想だ。彼らは宗教団体の中でもこの上なく非破壊的で平和を愛する。そしてただ自分たちの方法で自分たちの信仰を追求させて欲しいと願っているだけである。……彼らはその重荷のいくらかを取り除くことのできる機関や団体に助けを求めようとはしない。それどころか静かにかつ勇敢に重荷を背負い,啓発され同情心を抱く世論が何らかの助けになることを望んでいるのである」。
地球への帰還
◆ 140日間もの長きにわたり宇宙内で生活したソ連の二人の宇宙飛行士が,地球の重力に順応するためにどれくらいの時間がかかっただろうか。ソ連宇宙計画の医学部長の述べるところによれば,彼らが重力の甚大な影響を受けたのは地球に帰還した最初の日だけだったという。事実,戻ってから二日目に二人は公園を散歩したが,これは医学的に予定されていた日より四日早かった。しかし彼らが再び重力にすっかり順応するためには約10日が必要だったと医学専門家は述べている。
アルゼンチンの弾圧に対する反応
◆ 米国大統領官邸はエホバの証人へのアルゼンチンの敵対行為に関する一般の反応を察知している。US・ニューズ・アンド・ワールドリポート誌はこう述べている。最近の一週間で,「インフレに関する手紙は第七位に落ち,私立学校の税制,アルゼンチンのエホバの証人に対する扱い,ニカラグアに対する援助などの項目を扱った手紙が増えている」。
的外れの災害援助
◆ ロンドンに本部を置く国際災害救助協会は,災害援助の従来の見方に異論を申し立てている。ロンドン・タイムズのレスリー・プロマーは次のように述べている。「南欧諸国は決まったように大量の食物,毛布,ワクチン,プレハブ住宅の資材を飛行機で送っている。しかし一般に被災地で食物の供給が断たれるということはなく,衣服も大体問題ない。疫病の発生はまれなのでワクチンは必ずしも効果的ではない。しかも国連の計算によれば,家を失った少数の人々も一日か二日もすればまた家を得るかどこかに収容されている」。同協会の調査の示すところによれば,災害を生き残った人々は,無為に外国の援助を待つのではなく,「立ち直るために敏速かつ実際的な反応を示す」。
的外れの救援活動は時折有害なこともある。グアテマラの地震のあとに幾千㌧もの食糧が送られたが,それは「グアテマラのとうもろこし価格を暴落させ,同国の農家の人々の新たな心痛の種を増し加えることになった」とプロマーは語っている。不要と思われる多量の物資を機械的にその地域に送り込むより,各被災地で実際に必要とされるものを送る方が,合理的な取り組み方ではないかと思われる。
悪習を断ち切る
◆ 吸うたばこの本数を徐々に減らすというのは禁煙の正しい方法だろうか。サイエンス・ニューズ紙は次のような解答を与えている。「広く信じられている事柄とは違い,[カリフォルニア大学の]研究者たちの報告によれば,半分ないしはそれ以上ずつ徐々に喫煙量を減らしてゆくことは,実際には『彼らの欲求と喫煙行動を断続的に強化することになるので,彼ら[喫煙者たち]の苦痛を長引かせる。大ざっぱに言って,禁煙をだらだらと延ばしていると,また逆戻りすることになる。……たばこへの渇望が喫煙になり,喫煙がまた欲求をつのらせる。これは互いに依存関係にある循環である』」。
中立の立場で知られる
◆ 米国イリノイ州,レイク郡の郡職員たちは,投票所の会場を確保する問題に直面した。同郡の女性事務官は,乗り気でない所が多かったため,教会や他の免税の土地にその建物の供出を義務づける法律の制定を要求し,こう述べている。「エホバの証人が,自分たちの教会は貸せないというなら話は分かる。彼らは政治と宗教を混合しないということを私は知っている。……でもこの辺の他の教会はそうではない」― 1978年9月29日付,ザ・ニュース・サン。
当惑させる質問
◆ 米国の二人の研究者が最近,宇宙のバックグラウンド放射線を発見した功績により,ノーベル物理学賞を受賞したが,その放射線は宇宙が最初“火の玉”として現われたことを証明するものだと研究者たちは主張している。米航空宇宙局内ゴダード宇宙研究協会の会長ロバート・ジャストロー氏は次のように記している。「これは創造の業を決定的に証しする科学的証拠だ。天文学者たちは奇異なほどろうばいしている。世界が突然に始まったという証拠が発見されるなどとは予想だにしなかったからである。[この発見は]科学者たちに幾多の問題を提起する。……何が原因でこうした結果が生じたのか,物質とエネルギーを守宙に生じさせたのはだれ,また何か,という問題だ」。
方向探知に用いられた犬
◆ 探険家植村直己氏は,犬ぞりによる北極単独行に際し,飛行機からの投下によって物資の供給を受けた。(「目ざめよ!」1978年10月8日号31ページをご覧ください)しかし飛行機の操縦士は下の果てしない白一色の中から,どのように植村氏を探すことができたのだろうか。スミソニアン誌は最近次のように報じている。「[操縦士は無線方向探知機を持っていたが,それは飛行中ほとんどいつも電波をキャッチした。そして操縦士が比較的植村氏に近付くと,人間の耳にはまだ遠すぎて聞こえないが植村氏の何頭もの犬は飛行機の方角に向く。犬が方向を定め,“情報を察知”したことが明らかになると植村氏は[操縦士]を自分の携帯無線送信機で呼び出し,『左へ曲がれ』というようなことを伝える。するとすぐに植村氏の耳にも飛行機の音が聞こえてくる」。
誕生前に死刑宣告
◆ 20代初めの人々が心臓病で死ぬことに心を痛めたデンマークの心臓専門女医は,考えうる一つの原因を調査した。同女医は,たばこを吸う母親から生まれる子供の血管中にはすでに病気の徴候や心臓病と関連のある閉そくが見られるが,たばこを吸わない母親から生まれた子供たちはそうではないことを発見した。コペンハーゲン大学での研究で,その心臓医は喫煙量の最も多い女性の赤ちゃんが,最悪の症状を示すことも発見した。シカゴ・トリビューン紙に携載された報告はこう述べている。「最新の研究が示すところによれば,喫煙者がたとえ妊娠期間中に禁煙するとしても,その子供は依然として何かの血管の病気を持って生まれて来るであろう。その病気は子供が成長するにつれて進行しうるものである」。
テロリスト狩りの副産物
◆ テロリストを追跡している西ドイツ警察は,「この国のカサノバ[漁色家]たちの間に広くろうばいを生じさせた」とトゥー・ザ・ポイント・インターナショナル誌は伝えている。例えばジュッセルドルフのしゃれた動物園地区にある多くの愛の巣は,テロリストのかくれがとみなされて[襲撃]された。このような不倫な関係にある人々がアパートに住み続ける時に示す用心深さは,テロリストの示す用心深さに似ている。それで建物の管理人は疑惑を抱き,警察に通報する。
異教がヨーロッパに侵入
◆ AP通信は,元々米国で育った異宗教の多くの“分派集団”がヨーロッパに侵入していると伝えている。そのうちの数グループは通りで物乞いをする活動で知られている。そのお金はどこへ行くのだろうか。同通信は次のように述べている。「ヘア・クリシュナの10人の僧侶は,実際には同派の根じろへ流れ込むお金を,インドのひもじい子供たちのために使うと偽って,120万㌦(約2億4,000万円)をだまし取ったかどで去年の四月,西ドイツのフランクフルトで重い罰金を課された」。西ドイツの青年家庭保健省はドイツの若者に与えた警告の中で,「西ドイツにおけるこれらのグループの共通した目的は,力と金銭の追求である。……指導者たちは自らの唱道する考えをほとんど信じていない」と述べている。
原子の動きを観察する
◆ 原子の“カラー映画”が,シカゴ大学の二人の物理学者によって初めて撮影されたと伝えられている。原子は微小で普通の光では見ることができないため,彼らはその形を捕らえるために自然光ではなく電子光線を用いる走査電子顕微鏡を採用した。原子核は光の最短波長よりも小さいため,実際に色がついているわけではない。そのため科学者たちは工夫をこらし,ある原子の運動と他のものとを区別する助けとして,着色を施した。
“家庭破壊者”となる独身司祭
◆ 結婚のために司祭の職を去った後,復帰を願うカトリックの司祭に対し,バチカンはどんな立場を取っているだろうか。教皇庁12聖省のモンシニョール・ヒラリー・フラスコは最近,このような数多くの司祭たちは「活発な聖職に,言ってみれば更生させられている」と述べた。しかし彼らの妻や子供についてはどうだろうか。「当人にもし妻がいるなら,国の法にのっとった離婚が行なわれねばならず,子供たちには保護が与えられねばなるまい……そしてもし当人がいわば悔悛の徴候を示すなら,我々はその人を更生させる」。ナショナル・カトリック・リポータによれば,これらの声明は「当地のそう明なカトリック教徒の多くにショックを与えたと同時に,非カトリック教徒の人々の気をもませ,……教会は家庭の破壊者であるという印象を抱かせた」。
最初の言葉
◆ 男の赤ちゃんと女の赤ちゃんでは,どちらが先に言葉を覚えるのだろうか。「発達心理学」と題する雑誌は,最初に言葉を覚えるのは女の子の方であると述べている。この面で性差はないと唱える最近の幾つかの研究に反して,コロンビア大学の調査団は,従来のテスト法より精度が高いと彼らの力説するいわゆる“発音の平均時間”において,女の赤ちゃんが一歩先んじていることを発見した。