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目ざめよ! 1979
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コンピューター化社会 ― 空想科学小説か,現実か

英国諸島の「目ざめよ!」通信員

空想科学小説の作家は,巨大なコンピューター群に政治や商工業がコントロールされている世界を描くことがよくあります。さらに,これらの小説家は,ボタンに触れるだけで家庭を切り盛りし,あらゆる事柄に関する知識や情報やアドバイスを与えてくれるコンピューターが各家に備えつけられる時代の到来を夢見ています。そうした世界はあなたにとって魅力的ですか。はたして,それは現実のものとなるのでしょうか。

ここ四半世紀の間に,コンピューターを使用する産業は,新奇な産業から超ドル箱産業へと大きく成長しました。20年前には,世界中にわずか100台ほどのコンピューターしかありませんでしたが,今日では30万台ほどに達しており,今後20年間に,その数は幾千万台にも達するものとみられています。こうした成長を考えると,次のように問うのは当を得ています: コンピューターは何を行なっているのですか。どんな進歩が見られるでしょうか。また,より重要なことと思われますが,こうした進歩は何をもたらしつつあるでしょうか。

コンピューターの“ハードウェア”における進歩

過去20年間に,コンピューターの“ハードウェア”つまり機械を構成している部品に関連した技術に長足の進歩が見られました。多くの場合,革命的な技術の進歩が相次ぎ,以前よりはるかにすぐれた性能が得られるようになりました。その好例が回路の小型化に見られます。

20年前には,二進数になおした情報のわずか一桁を記憶するのに,必要な配線の付された,標準のトランプカード大のプリント回路板が用いられました。つまり,この一枚の板に0か1のいずれかの数値が記憶されます。アルファベットの一文字を記憶するには,こうした回路が最低六個必要でした。技術面で四ないし五段階の進歩を遂げた後の今日では,ビットと呼ばれるこうした二進数の一桁を1万6,000も記憶することのできる回路が,親指のつめより小さな“集積回路”に収まっています。それは,このページ中のすべての情報が,そうした集積回路の中に簡単に収録されてしまうことを意味しています。

コンピューターの処理速度の向上には目を見張るものがあります。旧型のコンピューターが一秒間に処理できた命令は3万から4万だったのに対し,現代の機械は同一時間内に300万から400万の命令を処理する能力を有しています。二数間の算術演算(加減算や掛け算など)はほとんどどんなものでも一つの命令で行なえることを考えると,現代のコンピューターの性能をある程度は握できます。コンピューターが“計算機”と呼ばれてきたゆえんがお分かりでしょう。

コンピューターには“作動中の記憶装置”(集積回路に記憶された情報やデータ)の外に,二次記憶装置として知られているものがあります。これは,直接使用しないデータを収めた大容量の記憶装置で,必要が生じるまで書物を収蔵しておく図書館の書だなのような働きをします。この種の記憶装置は,テープレコーダーと全く同じ原理を用いて磁気録音した,テープ,ディスクもしくはドラムでできているのが普通です。この分野でも,劇的な進歩が見られました。一インチ(2.5㌢)につき500字であった記録密度は6,000字を超すまでになりました。この密度で記録した磁気テープを使用する大容量の記憶装置は,2,000億字を超す記憶容量があります。これは,聖書を5万冊記憶することに匹敵します。

そして,最後に,わたしたち人間が情報をコンピューターに入れたり,出したりする装置があります。以前,これは鑚孔カードや鑚孔紙テープ,および結果の印字された用紙(プリントアウトの名でよく知られている)を使用する装置に限られていました。使用者は,カードを機械に入れ,印字された用紙を受け取るために,コンピューターのある場所にいなければなりませんでした。今日では,これに代わる様々な方法が採用されています。おそらく,最も広く使用されているのは,テレビ端末器として知られる装置でしょう。これはテレビに似た装置で,文字をタイプする鍵盤が取り付けられています。使用者が情報をタイプすると,それが画面に映し出され,その同じ情報をコンピューターが読み取ります。次いで,コンピューターは,答えとなる情報を同じ画面に映し出し,使用者がそれを読みます。この種の端末装置を用いることによって,コンピューターとの交信は,二者間で会話を行なう時のような対話式になりつつあります。しかも,これらの端末装置はコンピューターの設置場所に置いておかねばならないわけではありません。電話回線や人工衛星を経由して,幾百㌔,いや幾千㌔も離れた所にある事務所や研究室,教室,家庭に設置することができます。

コンピューターの“ソフトウェア”における進歩

コンピューターの“ソフトウェア”つまりコンピューターの働きを制御するプログラムの面でも際立った進歩がありました。以前は,コンピューターに何かの仕事をしてもらおうと思えば,その要求をコード化して,コンピューター言語に直すことが必要でした。こうした“プログラミング”は多大の時間と労力を要する複雑な仕事です。プログラマーは,コンピューターの構造に関する詳細な知識を持っていることが必要です。そのため,従来,コンピューターを扱う業務にはその分野の専門家しか携われませんでした。しかし,今日では事情が違います。ここ10年ほどの間に,コンピューターを“管理”して,より使いやすくする制御プログラムつまり“オペレーティング・システム”が進歩しました。これによって,使用者は,人間の使用する言語で直接コンピューターに必要な指示を与えることができるようになりました。医師,科学者,学生,教師,主婦など ― 事実,コンピューターの働きに関する知識の全くない人まで ― が英文に近い簡単な表現形式の指令を与えて,コンピューターを操作することができます。さらに,制御プログラムを用いて,“時間分割方式”の処理を行なわせることもできます。つまり,これらの制御プログラムによって,多数の使用者にコンピューターの使用時間を割り振り,多くの人が同時に大容量の情報を使えるようにするのです。

次に,膨大な量の情報を有用な仕方で蓄積する問題があります。大きな図書館で働いている館員の仕事について考えたことのある人は,多量の情報を蓄積する際に細心の注意が必要なことをご存じでしょう。コンピューターは,図書館員と同じような仕事をする制御プログラムを有しています。この制御プログラムは情報を“データベース”と呼ばれる場所に整理する働きをするのです。これらのデータベースは,個々のデータの記録を一秒の何分の一かで取り出せるように配列されています。これは,使用者がほぼ瞬時に多量の情報を手にできることを意味しています。

ソフトウェアにおけるもう一つの非常に重要な進歩は,電話回線を利用したコンピューター通信です。近年では,端末機器とコンピューターの間でコード化された情報を伝達するのに,電話回線網が使用されています。この種の活動が増大しているため,各国の電話事業の当局者が国際的に協力して,コンピューター情報の伝送にのみ用いる専用通信網の開発が進められています。公共の電話回線網とは違って,これらの“データ通信網”では,機械相互間の多重対話が可能になるものと思われます。

こうした通信網を交換手が扱う場合の仕事を想像できますか。しかし,この迅速に機能する装置は電話交換手によっては取り扱われません。コンピューターが端末装置や他のコンピューターと瞬時に情報を交換できるようにする制御プログラムが開発されています。こうした通信網に接続するコンピューターは,成すべき仕事を分割して行なうことができます。これは“分散処理”と呼ばれています。例えば,あるコンピューターが多量の医学情報を収めたデータベースを有しているなら,この一台のコンピューターで,その通信網を通して送られてくるあらゆる医学上の質問を処理することが可能です。

ハードウェアにおける進歩はコンピューターをいっそう強力なものにしてきましたが,ソフトウェアにおける進歩はその利用価値を高めてきました。現在,コンピューターは初期の時代よりずっと使用しやすくなっているため,製造業者は初めて,個人の目的にかなったコンピューターを作ることができるようになりました。

コンピューターの使用と誤用

こうした進歩のすべてから見て,コンピューターを使用するひん度が日ごとに増大していることは容易に理解できます。大規模な組織ではコンピューターをあらゆる分野に活用しています。管理や会計,情報の蓄積や取り出し,教育など,その使用範囲は枚挙にいとまがありません。このように,コンピューターが大規模に用いられている所では,分散処理を行なう通信回線が組織内にくまなく通じ,管理者や技術者,学生などの机の上にコンピューター装置の設置されていることが少なくありません。

その良い例が銀行に見られます。個人の詳細な会計記録は一台のコンピューターに保持されていて,それに通じる端末装置が支店に置かれています。このコンピューター自体も分散処理方式の通信網の一部であって,その通信網が国内全域を網羅し,膨大な銀行業務を秩序立った方法で管理できるようになっている場合もあります。

また,大きなデパートやスーパーマーケットの中には,ミニコンピューターに接続する金銭登録器を使用しているところがあります。このコンピューターの各々は二,三の店舗を扱うだけですが,それ自体,全国に散る全系列店を結ぶ通信網の一部を成しています。

考えてみてください。銀行と小売店が通信網で結ばれれば,現金やキャッシュカードを使わずに,品物を購入し,銀行口座の残高を確認して,代金を引き落とすことができるのです。さらに,この同じ通信網が個人の家に通じれば,店に行く必要さえなくなるでしょう。カタログを見て買いたい物を選び,品物を注文し,その代金を支払いますが,そのすべてをコンピューター用の通信網を通して行なえるのです。これは遠い将来の夢ではありません。

1980年代には,毎年,1,300万冊の科学文書が出版されるものと推定されています。これは,今日収蔵されている科学文献の総量に匹敵します。膨大な量の情報を処理できるコンピューターがなければ,科学者や技術者は仕事を行なうことができなくなるでしょう。

コンピューターは教育の分野でも盛んに使用されています。大規模な組織では,職員の訓練にコンピューターを使用しています。また,同じ技術が学校や大学でも使用されています。コンピューターを教師にすることによって,教える側が忍耐に欠けるといった問題はなくなりますから,学生は自分のペースで学んでいくことができます。

ここ三年間に,自立型のミニコンピューターの売れ行きも大幅に増大しました。これらのコンピューターは概して事務所の机より小さいとはいえ,小規模に使う場合には,優れた計算能力を発揮します。これは,親類関係にある大型コンピューターと同じように使用します。もっとも,記憶容量や利用できる人の数にはおのずと限度があります。

他の新製品が開発される場合と同様に,コンピューターの開発にも問題が伴いました。例えば,新種の犯罪が発生するようになりました。コンピューターを利用した500件を超す犯罪が記録されています。この種の犯罪によって米国の実業家が被る損失は,現在でも年間約600億円に上っています。

また,プライバシーの問題もあります。わたしたちは“情報爆発”と呼ばれるものの中に生活しています。そして,その情報のすべてはコンピューターによって処理されています。人間では処理しきれないほどの情報があるわけですから,それは当然のことです。しかし,こうした情報の大半は内密のものであるため,それが悪行者の手に渡って,社会の最善の益に反する目的に使用されることが危ぐされています。“情報を制する者が権力を得る”と言われており,コンピューター化社会をこの面から憂慮する人も多くなっています。

こうした傾向の社会的意味についても,取り沙汰されています。こうした科学技術を開発する技術者や科学者は,仕事の技術的側面だけに気を奪われており,その社会的意味について十分関心を払っていないと感じている人がいます。コンピューターおよび通信業界は,その業務の及ぼす社会的影響よりも,自己の利益の追求にいっそうの注意を向けているのではないかとの懸念もあります。わたしたちが情報の洪水におぼれるばかりになり,情報なしにはやっていけなくなっている背後には,こうした傾向が関係しているとする意見があります。

また,将来はどうでしょうか。これまでに考慮した事柄から明らかなように,コンピューターの使用が,電気やガスや電話と同じく,公益事業となる道具立ては整っています。すでに現在の技術をもってすれば,各事務所や家庭で,教育を施したり情報を提供したりする広範な国際コンピューター通信網を利用することも可能でしょう。ある権威者は,1985年までに米国の全勤労者の70%がコンピューターを使用して仕事を行なうようになっているであろうと予測しています。さらに,コンピューターや通信の分野の専門家は,過去25年間に見られた革命的な進歩はこれからも続くであろうと予告しています。ですから,コンピューター化社会は全くの作り事であるというわけではありません。しかし,それは望ましいものでしょうか。その答えを得るには時の経過を待たねばなりません。

[22ページの図版]

銀行業務はコンピューターの導入によって助けられている

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