科学者は警鐘を鳴らす
「人間と自然界はこのまま進めば必ず衝突する。……向こうわずか二,三十年で,[環境への]脅威を回避する機会は失われるであろう」。
UCS(憂慮する科学者同盟)のこの警告を伝えたのは,カナダの医学雑誌「アナルズ」です。その記事はさらに,もし人間の生活を脅かす活動が続くならば,そのために「世界はすっかり変わり,我々の知っているような仕方で生命を維持することはできなくなるかもしれない」と述べています。
取り組まねばならない緊急な問題として列挙された事柄には,オゾンの減少,水質汚濁,森林伐採,地力の低下,種の絶滅などが含まれており,現存する種全体の3分の1が2100年までに絶滅するかもしれないとされています。そして,UCSは,「我々は生命の複雑極まりない相互依存の仕組みをいじくっているが,生物学的体系の動態を完全に理解しているわけではないので,その体系の崩壊を含め,広範囲に影響を及ぼす事態を引き起こすおそれがある」と述べています。
ノーベル賞受賞者104人を含め,世界の1,600人の科学者も,UCSの憂慮している事柄を認めています。そして,UCSによれば,「世界の科学界のこれら先輩格の成員が全人類に対して,もし人類が大惨事を回避したいのであれば,我々は地球の管理の仕方を変えなければならないと警告している」のです。
聖書は,確かに人間が「地を破滅させている」ことを認めています。(啓示 11:18)聖書はまた,世界の管理方法を変える必要があることをも認めています。(エレミヤ 10:23。ダニエル 2:44)事実,聖書は,そのような変化が人間の努力によってではなく,天の政府である神の王国によってもたらされることを約束しています。イエスはその王国を祈り求めることをご自分の追随者たちに教えられたのです。―詩編 145:16。イザヤ 11:1-9。マタイ 6:9,10。
[31ページの図版のクレジット]
写真提供: Godo-Foto