神の民の顕著な大会
キリストより15世紀以上の昔,シナイ山のふもとにおいて,ヱホバ崇拝者たちの忘れることのできない大会が開かれました。200万にあまる大群衆が,そこで1年近くも集まつていたのです。神は驚嘆した民の目の前に,おどろくべき方法によつて御自身の臨在を示されました。『三日の朝にいたりて雷といなびかりおよび密雲山の上にありまたらつぱの声ありて甚だ高かり営にある民みな震う。モーセ営より民を引いでて神にあわしむ民山のふもとに立つ。シナイ山すべて煙を出せりヱホバ火の中にありてその上に下りたまえばなりその煙かまどの煙のこどく立のぼり山すべて震う。』― 出エジプト 19:16-18。
この偉大な大会は,ヱホバの臨在が啓示されたのみでなく,神が直接人々に与えられた戒めによつて記憶すべきものとなりました。神は彼らと通信され,細部にわたつた律法さえ与えられたのです。この大会はまさに顕著な大会でありました。
それから何世紀もの後,エルサレムでもう一つの記憶すべき集まりが行われました。それは,ソロモンが完成した宮を献納した時です。この大会でも,神は目に見える方法で御自分の臨在を啓示されました。『雲その家すなわちヱホバの家に充てり。祭司は雲の故をもて立ちて奉事をなすことを得ざりきヱホバの栄光(真の)神の室に充ちたればなり。』(歴代志下 5:13)この忘れ得ない集まりは,15日間続きました。
西暦33年には,それよりずつと小さいものですが,非常に注目すべき集まりが行われました。これは,ペンテコストの日に,二階の室で行われたキリストの弟子たちの集まりです。神の活動力が,火の舌のような目に見えるさまで現れたのは,この小さな集まりが行われている時でした。『突然,激しい風が吹いてきたような音が天から起つてきて,一同がすわつていた家いつぱいに響きわたつた。また,舌のようなものが,炎のように分れて現れ,ひとりびとりの上にとどまつた。すると,一同は聖霊に満たされ,御霊が語らせるままに,いろいろの他国の言葉で語り出した。』― 使行 2:2-4,新口。
弟子たちは,奇蹟的な能力を与えられたので,ペンテコストのいわいのためエルサレムに集まつていた多くの人々の生れ故郷の国語で,神の御国とその王に関する良いたよりを伝えることができました。神の御力の驚くべき現れによつて,この集まりは忘れることのできないものとなりました。
昔の集まりの時のように,恐るべき方法で神の御力は啓示されませんでしたが,現代のヱホバ神の崇拝者たちも,忘れることのできない多くの大会を開きました。たとえば,1922年に,オハイオ州シダーポイントで,9日間にわたる大会がありました。神の御霊が,王キリスト・イエスと御国を全世界に宣べ伝えるように,人々の心を湧き立たせたのはこの大会の時でした。今日では,70万以上の熱心な証者たちがこの良いたよりを宣べ伝えています。
ヱホバの証者の最初の大きな国際大会は,1946年オハイオ州クリーブランドで開催されました。この大会は後に来る,ヱホバの民の大きな集まりの模型となり,1950年と1953年にニューヨーク市で行われた二つの大きな大会をあらかじめ味わうものでした。10万以上の出席者を数えたこのニューヨーク大会は実にすばらしいものでした。
ヱホバの証者が新世界訳聖書翻訳委員会の出版したクリスチャン・ギリシヤ語聖書の新しい翻訳に心を躍らせたのは,1950年の大会の時でした。1953年の大会は,現代のヱホバの証者の最大の大会でした。この大会では,世界最大の集団浸礼が行われ,4600人以上の人々が,水の洗礼によつて神への奉仕に対する献身を象徴しました。この二つの大会は非常に大きなものでしたが,この夏に計画されている大会は,もつと大きく,ニューヨーク市で行われる第3番目の国際大会となるでしよう。そして,神の民の記憶すべき大会の歴史に画期的な一頁を加えることは疑いありません。
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ニユーヨーク国際大会につづいて,8月28日~31日まで神戸市において開かれる日本の地域大会に,すべての善意者の出席を心から歓迎します。