研究生の家族全員を初めから助ける
1 結婚と家族生活の創始者はエホバ神です。それゆえわたしたちは研究生の家族全員がエホバの賛美者になるように助けたいと願っています。(ヨシュア 24:15後半)家族全員が真理に入るよう初めから援助するなら,家族の一致のきずなは強化されます。また子供の訓練に対する意見が夫婦の間で分裂することがないので,一貫して聖書の原則を当てはめることができ,子供の霊的成長に資することになります。さらに家族からの反対が少なくなり,集会や大会に出席しやすくなるので,進歩が促進されます。これほど多くの益があるのですから,家族の他の成員(特に夫)に知られるなら研究ができなくなるといった消極的な考えを除き,むしろ積極的に以下の提案を活用して家族全員を導くように努力したいものです。
2 ある兄弟が述べた次の経験には家族を援助する際の優れた方法が示唆されています。「家族全員の興味を引き起こすということを私たち夫婦の目標としました。再訪問をしてみると初めに興味を示した人がおらず,別の人が出てくることがよくあります。私たちは出てきた人の関心を高めることに努めました。その人に話すことによって,先に関心を抱いた人をも励まし,私たちが他の人を助けることにどれほど心を配っているかを知らせることができます。聖書を信じていないその家の主人の関心を高めるために研究の初めに時間をとって,『なぜわたしたちは聖書を信じるか』というテーマで直接話しました。過去と現在における数々の聖書の預言の成就,そうした預言の成就には否定する余地がないこと,それゆえ聖書の他の部分にも確信が持てることをはっきりさせました。その家の主人は研究を始めました。
3 「しかしこの家族には第三の人,12歳になる男の子がいました。初めのころ,男の子は自分は興味がないとばかりに外へ出て行きました。この子供の関心をどうやって高めたらよいでしょうか。翌週男の子に会い,『この前は君に関係のあることを話さなかったけれども,きょうは君も喜ぶものを持ってきたから一緒にこの本を見てごらん』,と言いました。私は男の子に,『科学者は確かにすばらしいことを数々成し遂げたね』と話しかけ,ロケットや人工衛星について話しました。関心を払ったこと,節を読んでもらったこと,聖句を探してもらったことなどすべてがこの子供の興味を引くのに役立ちました。まもなくこの家族の全員が勉強に参加するようになりました」。
4 上記の経験を分析してみると,まず目標を掲げて励んでいることに気づきます。つまり奉仕者の側が家族全員を真理に導くことの益を認識し,意欲的に取り組むことが大切です。家族の他の成員に会う努力を払い,会ったときにはその人に真の関心を示し,自由に話し合うことができます。研究生を通してその人の関心事を前もって知るようにし,適切な話題や資料を準備しておくなら,一層良い成果を収めることができるでしょう。その家族にとって最も励みになると思われるふさわしい奉仕者と共に訪問して,家族と親しくなるとともに,真理に対する関心を高め,家族の他の成員との研究を取り決めるよう努力できます。研究以外の時にも親しく交わる機会を設けて成功している人もいます。研究生の家族を食事に招待したり,ちょっとした物をプレゼントするなどして家族同士で親しく知り合うようにし,ごく自然に家族全員で学ぶように援助できます。研究を断わられたとしてもすぐにあきらめることなく,時々訪問して親しい関係を保つならば,やがて研究に応じることでしょう。家族から強い反対を受けている研究生の家族と接するときには,いつ,どのように会うかなど研究生とよく話し合って,巧みさと分別を示すことが求められます。
5 家族そろって学ぶことの益を認識するように研究生を助けるなら,研究生は学んだ良い事柄を巧みに家族に話したり,早速生活に当てはめて,真理が生活に及ぼす益を示したりするに違いありません。さらには旅行する監督の食事への招待や,家族の他の成員を集会に誘う面でも積極的になることでしょう。それで研究生と時間を取って家族全員が学ぶことの益について話し合い,どんなことをどのように家族に話せるかを援助するようにお勧めします。研究生の家族からもてなしを受けたある兄弟は感謝の表明として「見よ!」や「家族生活」などの出版物をまだ真理を学んでいない家族にプレゼントし,それをきっかけにして研究を取り決めています。
6 特別な集まりに研究生の家族を招待することも家族全員が学ぶきっかけになります。記念式,各種の大会,特別講演,スライド講演,会衆の野外集会などです。これらの機会に研究生と協力してまだ真理を学んでいない家族を招待し,招きに応じる人を皆で温かく歓迎し,くつろいで楽しめるように配慮を払うことができるでしょう。集まりの前後にあいさつをするだけでなくよく知り合うようにしたり,同じような立場の人を紹介して友人を作れるようにしてあげたりすることも大切です。そして関心がさめないうちにそうした人々をできるだけ早く訪問して,研究を取り決めることができます。たとえすぐに研究に応じないとしても,エホバの証人とはどのような人たちなのかがある程度分かり,自分の家族が学ぶことに理解を示すようになるかもしれません。
7 最初から家族全員が一緒に研究できれば最善ですが,それが難しい場合,関心を示した人から順次研究することになるかもしれません。それぞれの研究が軌道に乗り,資料や年齢などを考慮し,ふさわしい時期に家族全員がそろって学ぶように取り決めることができます。
8 これらは主に研究生の家族を援助する際に役立つ提案ですが,未信者の家族を持つ証人たちにも活用できます。それで未信者の家族を導くことに関しても,これまで以上に積極的に取り組んでいくことができます。家族全員がエホバの賛美者になることの数々の益を考え,家族の「できるだけ多くの人をかち得るために」あらゆる努力を払い続けてください。―コリント第一 9:19,22,23。