ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目71 9/22 5–9ページ
  • 西側に対する共産主義の挑戦

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 西側に対する共産主義の挑戦
  • 目ざめよ! 1971
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 共産主義が明白にしている目標
  • 勢力の均衡は移行しているか
  • いろいろな傾向の集合
  • 核攻撃力
  • ほかの面における戦力の増大
  • 工業と農業
  • 結末はどうなる
  • 移り変わる世界勢力の均衡 ― それが意味するもの
    目ざめよ! 1975
  • 聖書は現代の支配権をめぐる闘争を予告していましたか
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1981
  • ソ連における宗教の未来
    目ざめよ! 1973
  • 支配権をめぐる闘争 ― どのような結末を迎えるか
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1981
もっと見る
目ざめよ! 1971
目71 9/22 5–9ページ

西側に対する共産主義の挑戦

「もし現在の傾向が続くならば,アメリカの地位は数年のうちに第2位に落ち,ソビエトが世界最強の国になるのは明らかである」。

これはソビエトの政治家の自慢話ではない。アメリカのリチャード・ニクソン大統領が,1970年,立法府の指導者たちに語ったことばである。

世界勢力の均衡は実際に変わりはじめているのだろうか。特に,ソ連はアメリカに追いついているのだろうか。世界制覇の闘争においてどんなことが展開しているのか。どんな結末を迎えようとしているのだろうか。

共産主義が明白にしている目標

共産主義諸国の間には強い意見の相違があるが,一つのことに関しては一致している。つまり彼らはみなアメリカの勢力が滅びるのを願っている。彼らの窮極の目標は,共産主義が全世界を制覇することである。

この世界支配の目標は,知名な共産主義の指導的立場にある人たちによって長いあいだ擁護されてきた。現代共産主義の『父』カール・マルクスは,資本主義社会,すなわち西の社会の衰微を予言した。フリードリッヒ・エンゲルス,V・I・レーニン,ジョセフ・スターリンなどの共産主義の指導者たちも同じことを言ってきた。

ニキタ・フルシチョフは,「われわれは君たちを葬り去るであろう」と警告した。中華人民共和国の毛沢東は,「最後には社会主義体制が資本主義体制にとって代わるであろう……おそかれ早かれ革命が生じ,必ずや勝利を収めるであろう」と言った。毛沢東の後継者と目される林彪は,「帝国主義は全面的な崩壊に向かっており,社会主義は全世界で勝利を収める道を前進している」と述べた。

共産主義は自分が明らかに打ち出した世界支配というこの目標に向かって,どれほどの前進を遂げただろうか。1848年,マルクスとエンゲルスが,彼らの思想を要約した「共産党宣言」を発表したとき,共産主義は地球のどの部分をも支配していなかった。しかし今日では,地球の住民の約3分の1,ゆうに10億を越える人々を支配しており,現在,ヨーロッパやアジア大陸の多くの部分が共産主義者の支配下にある。そのため,1970年のワールド・ブック百科事典は,「共産主義は世界最強の勢力の一つになった」と述べている。

なるほど共産主義は,かつてそう見えたような一枚岩ではない。すべての共産主義国がソ連式共産主義を奉じているわけではない。それぞれの国は自国の必要に応じて共産主義を取り入れているので,それらの国で優勢なのは,国家主義的な種類の共産主義である。しかしながら,ロンドンのレナード・シャピロ教授は,「どたんばになると,あらゆる共産党はソ連にくみし,アメリカに敵対するであろう」と述べている。

勢力の均衡は移行しているか

アメリカは英国と提携して,何十年ものあいだ世界最強の政治連合としての地位を占めていた。それが現在,共産主義,とくにソ連に有利に事態は変化しているであろうか。

一部の人たちは,1962年をこの問題における決定的な年として指摘する。なぜ1962年だろうか。この年にアメリカは,ソ連がキューバに設置した核ミサイルを強制的に撤去させた。ソ連にとってそれは屈辱的な退却であった。しかしそのとき,ソ連の交渉者ワシリ・クズネツォフは,アメリカ側の交渉相手に対し,「あなたがたアメリカ人がわれわれに対してこうしたことをなしうるのはこれが最後である」と言ったと伝えられている。

このことばを著述家のチャールズ・J・マーフィは次のように評した。「そのような状況にもかかわらず,これは明らかに冷然とした威嚇であり,次回の対決においては,戦略的軍事力が劣るゆえに身をひくのはソ連ではない,と言っているようなものである。その危険は不気味にも今,われわれの周囲で急速に実現しつつある。キューバでの失敗後,ソ連の計画者たちは重大な決定をした。つまり軍事的優位を目ざしてまい進することであった。それ以来,ソ連の軍事技術は爆発的な進歩を見せた」。

どんな結果が生まれただろうか。1971年3月1日,米統合参謀本部のトマス・ムーア元帥は次のように言った。「公平に言って,総合的に見た戦略上の均衡は,過去5,6年のあいだにソ連のほうが大幅に有利になったと私は信ずる」。

政治評論家のスチュアート・アルソップは,ニューズウィーク誌でこう評している。「ソ連は,実際に,勢力の真の均衡が自分に優利な方向へ大きく傾いたかのようにふるまってきた。むろん,まさにそのとおりのことが生じたのである」。

武器の販売の促進に既得利権を有する人々の宣伝を考量してみても,証拠はこれらの評価を支持しているようである。といってもこれは,総力においてソ連がアメリカにとって代わったというのではない。しかし戦略上の力においては,アメリカの絶対的な優勢は事実上終わった。

いろいろな傾向の集合

分析者たちはこの事態が真実であることの証拠として,いろいろな主要な傾向の集合を指摘する。そのうち普通にあげられるのは次のものである。

(1)ソ連は大陸間ミサイルの保有量でアメリカを追い抜いた。この点ではすでに大幅にアメリカをリードしており,その差は増大しつづけている。一方アメリカは,性能の改善や破壊力の増大に努めているとはいえ,現在の保有量を維持することで満足している。

(2)ソ連とその同盟諸国の陸海空総兵力は,西側の観測者たちが「上げ潮」と呼ぶまでに増大した。

(3)ソ連が武器の量産と質の向上に投入する人力,物資,金銭,製産などは増大しているが,アメリカのほうは静止状態に近い。

(4)他のいくつかの国においては,共産国により友好的な『左翼』型の政府を望む傾向が見られる。

(5)アメリカ大衆の広い層にわたって,外国の戦争への介入および『軍産複合体』に対する悪感情が募っている。

核攻撃力

こうした傾向のうち,戦力の推移を最も明らかに示すものはどれだろうか。それは核弾頭をつけた大陸間弾道弾(ICBM)を有する,ソ連の巨大な,そして増大しつつある戦略核兵器である。

ニューヨーク・タイムズ紙は次のように伝えている。「アメリカのミサイル1,054発にくらべて,ソ連の戦略用大陸間弾道弾の数は,[1971年の]半ばまでに1,500発に達するものとみられている」。またレアード国防長官は,「これだけですでに,アメリカの大都市全部を破壊してあまりある力である」と警告した。

この兵器庫の中にソ連はSS-9と呼ばれる巨大なミサイルをもっている。アメリカにはこれに対応するものはない。SS-9は25メガトン,すなわちTNT2,500万トンに等しい爆発力を持つ核頭部を運ぶことができる。これは,広島を破壊した爆弾の千倍以上の力である。

SS-9の数は現在約300とみられており,それらについてUS・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌は,「ソ連のSS-9ICBM兵力だけで,アメリカの全ICBMおよび潜水艦搭載弾道ミサイル兵力のそれの数倍メガトンもの核弾道を運ぶ能力がある」と述べている。

アメリカはこの脅威に対抗するために,ミサイルの総数をふやすことはしていないが,地対地ミサイルや潜水艦搭載ミサイルに多角弾頭をつけはじめた。しかし,もとよりソ連も同様のことができる。もっとも彼らがこの方面でどの程度の進歩を遂げたかは明確には知られていない。いずれにせよ,彼らにはやろうと思えばそれをするだけの技術があることは認められている。

ほかの面における戦力の増大

ソビエトの力は他の分野においても増大している。「ジェーンス・ファイティング・シップス」の編集者は,「アメリカは海軍を大幅に削減してきたが……ソ連の海軍力拡充は……1970年代にその絶頂に達する観がある」。

多くの専門家は,商船を除く海軍力の均衡をふつう次のように示す。

米国 ソ連

戦闘艦 390 290

補助艦 550 1,900

これらの艦艇のうちにアメリカは約14隻の航空母艦をもつ。ソ連にはヘリコプター母艦以外の航空母艦はない。一方ソ連は,アメリカの141隻に対し,360から380隻の潜水艦をもっている。このうちアメリカは,おのおの16発の核ミサイルを発射できる潜水艦を41隻有し,ソ連はその種の潜水艦を30隻以上を完成したか,または建造中と言われており,その手をゆるめる気配は見られない。現在のところアメリカは,ミサイル潜水艦の兵力を拡充する計画を発表していない。

また米海軍の艦艇の約半分は20年かそれ以上たっているが,ソ連の艦隊のうちそのように古いのはわずか1%と言われている。そういうわけで,現代のソ連艦隊は今,史上かつてないほど広く,世界中の海を,そして重要な常用航路を巡回している。

この海軍力に加えて,ソ連は今急ピッチで商船の建造を行ない,その大幅な拡充に努めている。その数は現在世界で6位を占め,しかも約75%は1962年以降に建造されたものであるために最新式である。アメリカの商船は現在のところソ連より多いが,しかしその規模は年々縮小しており,しかも非常に古いものが多い。大半が第二次世界大戦ごろのもので,今は川や湾につながれたまま使われもせず,その価値のほども疑わしいさびゆく予備船隊である。

今すでに巨大なソ連の地上兵力は,依然として力を増しつづけている。ある予測によると,ソ連は1975年までに,アメリカの3倍,そしてアメリカとそのヨーロッパ同盟諸国とを合わせた数の2倍以上の戦車を保有するようになるということだ。

ソ連の空軍力は現在すでに優位にあり,しかもそのギャップは将来大きくなることが予想されている。また一部の専門家の主張によると,アメリカがソ連の防空力に匹敵するだけの力を備えるには,努力したとしても6年から10年かかる。

ヨーロッパにおいてソ連は,ワルシャワ条約として知られている共産主義同盟をつくりあげた。ブルガリア,チェコスロバキア,東ドイツ,ハンガリー,ポーランド,ルーマニア,ソ連がこれに含まれる。北大西洋条約機構(NATO)軍の司令官である,アメリカのアンドリュー・グードパスター元帥のことばによると,ワルシャワ条約は「今までに前例を見ない規模の兵力を集結」させた。

ところがこれには,中共のような他の共産国は含まれていない。中共はこの点比較的に弱いとはいえ,莫大な人力を有している。その増大しつつある兵器庫には核兵器もあれば,すでに人工衛星を打ち上げたミサイルもある。

このように,軍事的な優位を勝ち取ろうとする共産諸国のひたむきな決意は,西側にとってきわめて不利な結果を生みだした。しかもこの状態は,アメリカが社会的,経済的難問をかかえていて,軍事予算をこれ以上ふやせない時に起こっているのである。

工業と農業

アメリカは世界の指導的な工業国である。ところがこの地位もとくに重要な部門においてソ連の挑戦にあっている。

軍資と関係の深い基幹重工業品目のあるものの,1970年度生産高に注目してみよう。数字は概数で,単位は百万米トン。

米国 ソ連

セメント 73 105

石炭 590 688

鉄鉱石 96 195

石油 522 389

鋼鉄 131 128

むろん消費財の総生産量はアメリカのほうがずっと高い。しかしその理由の一つをU・S・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌は次のように示している。「クレムリンは,消費分野には生活水準をごく徐々に上げていくにかろうじて足るだけの出資しかしない。ところが,ほかのものはすべて軍と軍関係の製産に投入している」。

農業の面ではアメリカは長いあいだ世界の「パンかご」と考えられてきた。とくにトウモロコシはソ連よりもはるかに多く生産する。しかし,1968-1969収穫年度の他の基本産物の生産量を考えてみよう。単位は百万トン。

米国 ソ連

大麦 9 22

ばれいしょ 13 102

ライ麦 0.6 13

小麦 43 79

軍事力および工業や農業の生産量の面でのソ連の全面的な挑戦は増大している。これは西側を大いに憂慮させる原因となっている。

結末はどうなる

そこで最大の関心事は,世界支配のこの闘争がどんな結末をみるかということである。共産主義はますます強力になり,そのためいっそう攻撃的になるであろうし,さらに,現在の傾向からすれば,より多くの国が『左』に傾くように思われる,という人もいる。たとえばヘンリー・ワルリックは,「なんとかしてこの傾向を変えなければならない。われわれの多くがまだ生きているうちに,アメリカは共産主義に変更したラテン・アメリカと顔をつき合わせることになるかもしれない」とニューズウィーク誌で述べている。

しかしこのことは,共産主義が西側への挑戦に成功して,世界の覇権をにぎることを意味するだろうか。人間は将来を正確に予言することはできない。しかし聖書にはそれができる。聖書の預言は,現代のこの世界制覇をめぐる闘争とその結末に関してほんとうに光を投げかけているだろうか。証拠を考えてみよう。

ダニエル書 11章は,敵対する二つの勢力「北の王」と「南の王」の間の闘争を預言的に述べている。この預言の出発点が古代にあることは事実である。(ダニエル 11:1-5)しかし問題の敵対勢力間の進退にかんするその描写は,歴史をくだって「終の時」に至るまで続いている。(ダニエル 11:3-5,40)預言の終わりのほうに示されている場面と,この記事でとりあげた現代の状況とを比較してみよう。

ダニエルの預言は,象徴的な「北の王」がこの最後的な時期に,あらゆる古い崇拝形式をその地位からおろし,もしくは格下げし,「神々の神」たるものに向かって大言を吐くことさえすると説明している。この「王」は,おのれを高くし,「先祖等の識ざりし」「軍神」を崇め,そのために金銀その他の貴重なものを使う。―ダニエル 11:36-39。

今日,世界のあるきわめて強力な国がそのとおりのことをしているのを見てはいないだろうか,と自分に尋ねてみよう。世界共産主義,特にソ連が,現存する宗教の崇拝を劣位に追いやり,その代わりに現代の科学的軍事政策,つまり「軍神」をほめたたえているのは事実ではないだろうか,そしてそのために,ばく大な富をつぎ込んでこなかっただろうか。

しかしそれだけではない。預言はさらに,二人の王の押し合いで北の王が怒りをいだき,『軍備と多くの船とをもって国々に攻め入って潮のようにみなぎりわたり』,あまたの宝を手に入れ,多くの国々を自己の勢力下におくことを予告している。―ダニエル 11:40-43。

わたしたちはこれについても,とりわけ第二次世界大戦以降,(英国を最も近い同盟国とする)優勢な世界強国アメリカと,これにつぐ強国ソ連との激しい競争を見てこなかっただろうか。共産主義連合の軍事力が,「上げ潮」と現代の観測者たちによばれるまでに強化されるのを見なかっただろうか。また,このことによって共産主義の勢力はいよいよ多くの国にめざましい勢いで広がり,西側の勢力の経済的利益は危険にさらされはしなかっただろうか。

窮極の結果はどうなるか。預言は,「北の王」が「南の王」をその支配的な地位から倒すと述べているだろうか。そうは言っていない。預言によると,「北の王」には,『その終りにいたり,それを助ける者はいない』と述べられている。そうかといって,彼がその敵である「南の王」によって滅ぼされるとは預言は述べていない。(ダニエル 11:44,45)これはどういう意味であろうか。

聖書の他の預言が示すところによると,この預言されていた「終の時」は,大小を問わずすべての国家が,彼らの連合戦力よりもはるかに優勢なある力に出くわすときである。その力は神の権能であって,神ご自身のみ子キリスト・イエスによって現わされる。キリストは神より任命を受けて,すべての国家に,彼らが地上で行なってきたことに対する責任を問うのである。黙示録はこの任命された世界支配者キリスト・イエスが,「諸国の民をうち,鉄の杖をもってこれを治め」ることを示して,ダニエルの預言の描画を完結させている。この破壊によってキリストは,世界支配をめぐる政治闘争とそれがもたらした経済的圧迫と流血とを完全に終わらせるのである。それは,どの国の軍事力にも頼らず,ただキリストの正しい政府,すなわちその王国にのみ信頼をおく人々すべてにとって,なんと祝福された解放となることだろう。―黙示 19:11-16。

[7ページの図版]

推測によると,アメリカが1,054発のICBMを保有しているのに比べて,ロシアの保有数は1,500発である

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする