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目ざめよ! 1971
目71 9/22 13–15ページ

生物に備わっている驚くべき時計

あなたは生物がすばらしい時間の感覚をもっていることにお気づきですか。毎年,植物は予定どおりに発芽し,生長し,花を咲かせます。全部の花が同じ予定に従って咲くわけではなく,ある花は春に咲き,他の花は夏に,さらにほかの花は秋や冬の初めに咲きます。しかしどの種類の植物もおのおのさまざまな活動を営むべき正しい時を知っています。

動物の場合も同じです。正確な時間表にでも従っているかのように,子を生み,繁殖し,冬眠や移動をするなど,いろいろな働きをします。冬をダイアポーズとよばれる休眠状態で過ごすこん虫のことを考えてごらんなさい。夏が終わりに近づくと,気候はまだ暖かいのに,せわしく食べることや生殖活動などをやめ,休眠状態にはいりはじめます。冬の近いことがなぜわかるのでしょうか。

また冬を熱帯地方で過ごすために移動する鳥がいます。北のほうに春が訪れると,それらの鳥はふるさとに向かいます。熱帯地方の気温は,鳥が来たときとほとんど同じなのに,ふるさとの気候が暖かくなっているのがどうしてわかるのでしょうか。多くの人はこういう疑問をもっています。あなたはいかがですか。

すばらしい時計

生物の主要な時計は光であると信じられています。かつては,季節の気温の変化が,植物や動物に種々の反応を起こさせると考えられていました。しかし気温は変わりやすく,毎年同じではありません。それにくらべて光は信用できます。一年のうちのどの日をとっても,日照時間の長さは毎年同じです。これは変わることがありません。そのために生物は,季節の進行にかんする正確な情報をそれに基づいて得ることができます。

といっても,気温その他の要素が,植物や動物の季節のリズムに影響しないというのではありません。それらも影響するようです。しかし主要な時計の働きをするのは日照時間の長さのようです。生物の諸活動がこのすばらしい時計によって定められるということは,比較的に最近の発見です。

重要な調査

1920年のこと,研究者たちは,メリーランド・マンモスというタバコの一品種を研究していました。これをワシントンの近くで栽培すると花の咲くのがなぜかおそくなるので,その理由をつきとめようとしていました。タバコの木は何日もの間,今にも花を咲かせそうな様子をしていましたが,何かに妨げられ,実を結ぶにはおそすぎる時期になって初めて花を開きました。

いろいろな実験が行なわれましたが,開花のおくれる理由はつかめませんでした。ついにタバコの木は温室に入れられ,光にあたる時間を毎日人工的に短くされました。これは効果がありました。そのタバコの木は,外にある木よりも早く花を咲かせました。この事実は,なぜメリーランド・マンモスが,ワシントンの近くではおそい季節まで開花しないかに関する手がかりを与えるものとなりました。夏の終わりにならなければ,日照時間がこのタバコの開花に適した長さに縮まらないからです。

光はほかの植物の働きにも同じような影響を与えるでしょうか。同じ研究者たちによって重ねて行なわれた研究によると,光は他の植物にも同様の影響をおよぼすことがわかりました。そして,植物は日照時間の長短に対する反応によって三つのグループに分けられることがわかりました。

ひとつは,トマトやキュウリのように,日の長さを気にしない植物のグループです。2番目のグループは,「短日」性植物とよばれます。これらは,1日の光の量が一定数の時間以下にならなければ花をつけません。3番目のグループは,「長日」性植物とよばれ,日照時間が一定数を越えると,花を咲かせます。

発見の結果

これらの研究は多くの疑問を解きました。ある種の植物は,違う時期にまいても,全部同じときに花をつけますが,この研究はその理由を説明します。また,なぜある植物は特定の地方では花をつけ,ほかの地方に行くと花をつけないかも明らかになりました。

農業経営者が,植物の光要求度を考えるのは,現在ではあたりまえのようになっています。植物のなかには,一定の日照時間をきちんと要求するものがあります。たとえば,種々のタマネギや大豆は,幅240キロの一定の緯度にまたがる地帯の内側で栽培されるときにのみ良く育ちますが,そうした地域より北方または南方で栽培されると,作物としては失敗します。

植物がきまった日照時間を必要とすることは,花の好きな人をがっかりさせる原因となる場合があります。旅行先できれいな植物を自分の庭にと思って求めても,自分の住んでいる地方では咲かないかもしれません。なぜですか。その人が住んでいる地方の日照時間の長さは,その植物の開花に適していないかもしれないからです。

たとえば,ロックガーデンに植えるセダム・テレフィアムという植物があります。これはアメリカ,バーモント州南部でよく育ちます。しかし花をつけるためには毎日16時間以上の日照を必要とします。バーモントではそれが可能なのです。しかし,もしこれをずっと南方にもっていけば,日照量が少なくなるので,花は咲かないでしょう。

一方,北部メイン州の人は,ブタクサがほとんど,あるいは全然ないのをありがたく思っているかもしれません。ブタクサは日照時間が14時間半になるまでは花をつけません。北部メイン州では,8月1日以後にならないと,そこまで日が短くならないため,実を結ぶひまもなく寒い気候が訪れるのです。

植物が光を見つける方法

日照時間の長さに対する植物の反応にかんしてこうした事実がわかってから,ほかのこともいくつか明確になってきました。植物の中には,日照時間の長さの変化を知り,それに応じて反応を起こさせる何ものかがあるにちがいありません。つい最近のことですが,「ファイトクロム」という物質が単独で抽出されました。

ファイトクロムは,赤い光線を吸収する青色がかった,光に敏感な色素です。多くの植物は,赤色の波長の光にさらされると,早く成熟します。赤い光はなんらかの仕方でファイトクロムに作用して,種のときから成熟する時まで,植物の生長の変化を調節するようですが,それがはたしてどのように行なわれているかはわかっていません。

光を巧みに利用する

多くの園芸家はいま,光に対する植物の反応に関するこの知識を上手に利用しています。光にあてる時間の長さを調節すれば,望むときに花を咲かせられるわけです。ですから,園芸家は,ふつうなら夏にしか咲かない花を冬楽しんだり,秋に咲く花をほかの季節に咲かせて楽しんだりしています。

たとえば,キクはふつう秋に花をつける植物ですが,夏咲かせることもできます。午後おそくダンボールの箱をかぶせ,朝それを取り除いてやるだけでいいのです。暗い時間が長いと,キクは秋になったような反応を起こして,夏の花といっしょに咲きます。

反対に,普通には夏にしか咲かない花を冬楽しみたいという人もいるでしょう。その場合は,日没後,毎日人工光線を当ててやると,植物は長い夏の日がきたような反応を起こし,短い冬の日に花を開きます。

動物への影響

植物に対する日照時間の長さの驚くべき影響が発見されたのち,動物にも同じような影響があるかどうかが研究されました。その結果,多くの動物もやはり日照時間の長さに応じて季節ごとの活動を行なっていることがわかりました。

最初に実験の対象にされたのはムクドリでした。ムクドリがつがうのはふつう春で,日が長くなりはじめるころです。ところが,日が沈んだあとも,鳥の上に電灯をつけて,12月の短い日を人工的に長くしました。すると,数日のうちにムクドリの羽毛は変わりはじめ,春の交尾期のときのような美しい羽毛になりました。またその繁殖期は,光に当たる時間を毎日延ばすことによって4か月も早められました。

白イタチにも同様の実験が行なわれました。白イタチもふつうは春か夏の初めに子を生みます。これらの小動物も,長く光にさらされたところ,冬つがいました。ムクドリも白イタチも長日性動物です。つまり長時間の日照に応じて性的な反応を示す種類の動物です。

しかし,ヤギ,ヒツジ,シカその他の多くの動物は秋に子を生みます。これらの動物には短い日照時間のほうが性的な影響をおよぼします。ですから,早春に子羊を得たいと思う羊飼育者は,夏のあいだ,羊を午後おそくまで日光に当てておかないようにします。7,8月のあいだ,日が暮れないうちに暗い囲いに入れるようにすると,生殖作用は早くからはじまります。

こん虫についても数々の興味深い実験が行なわれました。カイコもそのうちのひとつです。秋の卵は休眠状態で冬をすごし,春になってふ化して幼虫,つまり虫になります。そして幼虫はやがてサナギになり,さらに成虫のガになります。ところが,夏の初めの卵には休眠期間がありません。

実験で明らかにされたところによると,初夏の卵は休眠状態にはいらず,秋の卵は休眠状態にはいるのは,日照時間の長さの影響によります。ですから,人工的に光を調節すれば,どの卵も休眠段階にはいることなく,カイコガに次々と新しい世代を生み出させることができます。しかし,光に当てる時間の長さを変えると,ガは休眠する卵を生みます。

植物と同じく動物の中にも,日照時間の長短に対して種々の反応を起こさせるしくみがあることは明らかです。これにはホルモンが関係していると信じられていますが,日照時間の長短の情報がどのように受け取られ,あるいは伝えられるかについてはほとんど知られていません。

人間は創造の不思議について多くのことを学んできましたが,人間にわからない事柄がまだたくさんあることを絶えず思い起こさせられます。生物に対する光の影響についての研究もやはりこのことを示すひとつの例です。

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