世界展望
ふえる聖書の翻訳
◆ アメリカの全国地理学協会によれば,現在,聖書の全巻あるいはその一部は全部で1,473以上の言語や方言で訳されている。また,言語学者たちはさらに500の新しい翻訳を進めているもようである。
カトリック教会の『急進的なむす子たち』
◆ ちょうど8年前,カトリックの神学者ギャリー・ウィルズは,自著「政治とカトリックの自由」の紙面の8割以上をさいてカトリック教会を弁護し,同教会を「母また師」と述べた。ところが,ウィルズはその最近の著書,「会員を失ってつぶれた聖歌隊 ― 疑い,予言および急進的な信仰」の中で態度を一変し,カトリック教会の間違いを認めながらも教会に従っている司祭たち,教会のいわゆる『急進的なむす子たち』の語った,「教会は淫婦に違いないが,われわれの母だ」ということばを引用している。G・ノースはウォール・ストリート・ジャーナル誌上でウィルズの最近の著作を評し,こう問いただしている。「もし教会が淫婦なら,彼女の『むす子たち』はなぜその家族と結ばれていたいと思うのか。また,もし教会が淫婦でないのなら,彼女はなぜそうしたむす子たちの存在を許すのだろうか」。
ふえる離婚
◆ 最近のシカゴ・サン・タイムズ紙の報道によれば,アメリカにおける離婚率は依然上昇しており,今や新たな婚姻1000件につき平均455件の割り合いに達している。婚姻1000件につき500件余の割り合いに達している州が14州あり,その中には離婚の割り合いが803件という驚くべき高率を示しているモンタナ州や768件という割り合いを記録しているオレゴン州が含まれている。人口密度の高いカリフォルニア州の離婚率は755件である。
タバコをやめれば体重がふえる?
◆ タバコをやめれば太り過ぎるほどに体重がふえるだろうか。アメリカの国立心臓・肺研究所が5年ないし6年の一時期にわたって501名の人々を対象にして行なった調査によれば,そうではない。タバコをやめた人は体重が平均5㌔ふえ,その数字はまぎらわしい。52㌔もふえた人がいるからだ。実際の体重の増加のより正確な平均値は1.7㌔ぐらいであろう。調査に携わった研究員は,他の要素が体重の増加に関係していると見ており,体重の増加は喫煙に比べればはるかに危険性が少ないと考えている。タバコをやめるなら,肺ガンその他の病気で死ぬ危険性は減少する。
テレビ番組では何が放映されているか
◆ 最近,あるテレビ局の取締役,エルトン・ルールはカナダ,トロント市で行なった話の中で,「今日,テレビ放送で禁制とされているような事柄は事実上何もない」と語った。そして,テレビは現代の社会に見られる自由主義の風潮を反映しているだけでなく,それを促進させると付け加えた。最近のテレビ番組は,犯罪や暴力ものの月並みな番組のほかに,人妻交換,姦淫,淫行,同性愛,交接不能,性病,群婚,共同生活などを扱う。テレビを見るさいには番組を選ぶ必要が大いにある。
アメリカ・オビキンバエが再登場
◆ 最近,アメリカ・オビキンバエがアメリカの南西部に戻ってきた。1960年代の初めに科学者たちは,家畜のからだの表面に生みつけられて,ふ化した幼虫が動物から養分を得て成長するアメリカ・オビキンバエを撲滅したと豪語していた。科学者たちは断種した無数の雄のアメリカ・オビキンバエの成虫を放ち,雌(一世代に一度しか交尾しない)の卵が受精できなくされたので,その撲滅に成功したかに見えた。ところが,今年の同虫の猛烈な繁殖ぶりはこれまでの最悪の状態と考えられている。いったいどうしたのだろうか。最近の温暖な冬の気候がアメリカ・オビキンバエの繁殖に理想的であること,家畜の飼育方法が変わったこと,家畜の群れの監督の不行き届き,こうしたことすべてが原因とされている。アメリカ・オビキンバエは「教科書など読むわけがない」と,一権威者は語っている。