世界展望
神とお金とスポーツ
◆ 職業スポーツはますます宗教的になってきている。ギャリー・ウィルズは(ペンシルベニア州の)ザ・イーストン・エキスプレス紙上で次のように述べている。「スポーツは大企業であり,政治の象徴である。活動が陰険になればなるほど,それをけん制する神の恩ちょうが必要になるという原理に基づいて,神はちょうどよい時にフットボール場にやってきた。……戦いを釈明し,許すことができるのは神だけである。それゆえ,戦士は特別の熱情をいだいて神に祈る。それから,彼らなりの仕方で仲間の選手を指揮する。……われわれは市場をわれわれの神にした。その神はモロクであり,われわれは神に人間を犠牲としてささげる。日曜日午後の[フットボールの試合の]負傷者はいけにえである」。
子どもの脅し屋
◆ アメリカ,ノースカロライナ州の9歳の子どもふたりと別の11歳の子どもは,9歳になるふたりの級友から約1,000㌦(約26万円)をゆすり取った。これらの小さな脅し屋は,8か月にわたって,殴られたくないならお金を払うよう強要していたとのことである。犠牲者たちは昼食代や小遣いや友だちからの借金などでそれを支払おうとした。しかし,しだいに要求額がふえたため,子どもたちは親のお金に手をつけはじめ,父親のひとりは100㌦(約2万6,000円)紙幣を持っていかれるまでになった。ロンドン・デーリー・メール紙は英国でも同様の事態が見られることを報じている。ノース・ロンドンのハイバリー・グロウブ総合中等学校の校長,ローズ・ボイソン博士は,「毎週の保護金を支払わなかったために,あるクラスの生徒全員がカミソリの刃で腕に切傷を付けられている」のを見たことがあると述べている。同博士はさらに,「学校へこないのは良い子ども,というような事態が近づいている。なぜなら,彼らはあえて危険を冒そうとはしないからである」とも述べている。
道徳と告解室
◆ イタリアのふたりのジャーナリストは最近,「セックスと告解室」と題する本を著わした。論議の的になったこの本は,イタリアのカトリック教会の中で,それらふたりの著者が自分の罪を『告白』しているふりをしながら録音した112巻の録音テープに基づいて著わされたものである。同書によれば,ミラノの一司祭は婚前交渉について次のように述べたと伝えられている。「わたしはそのことについては助言できませんが,もしあなたがそれを正しくて正当な行為と考えるなら,その関係を続けることができるでしょう。……もしあなたの婚約者が同意し,またそれを何ら悪い行為とは思わないなら,わたしはあなたに赦免を与えましょう」。教会当局者の中にはこの本を非難した人もいる。しかし,出版委員会の一委員は,同書の著者は「人をスパイしたのでも,ほんとうに罪を犯した人たちの感情を害したのでもない。なぜなら,論じられている事情は推測に基づくものだからである」と述べた。
ローデシアのキリスト教
◆ 「かつて,ローデシアのキリスト教はたくましく,健康そのものであった」とローデシア・ヘラルド紙は報じた。では,現在はどうであろうか。同紙はこう続けている。「多くのアフリカ人は因襲的な信仰を固守しており,さらに大勢のアフリカ人は名目だけのクリスチャンである。統計からすれば,ヨーロッパ人はきわめて信心深い人間といえよう。ヨーロッパ系住民の80%以上は正式にクリスチャンとして認められている。しかし実際には,ヨーロッパ人はかろうじて信心を保っているのである。教会に定期的に通っているのは15%以下である。……諸会衆の成員の減少傾向を反映して,ソールズベリ市内の教会堂の建築の割合は低下しているが,これは教会が宗教的無力状態に陥っている別の徴候である」。さらに同紙は,次のように尋ね,英国国教会の一司祭のことばを引き合いに出した。「異教徒はどこにいるのか。彼らの大半は今や,みずからクリスチャンであると唱えているではないか」。
運動競技の過激な訓練
◆ 運動競技の極端な訓練がからだにおよぼす長期的な影響は明らかには知られていない。では,短期的な影響についてはどうであろうか。最近号のメディカル・ワールド・ニューズ誌は著名な水泳コーチ,J・E・カウンシルマン博士の研究を取り上げ,次のように述べている。「しかしながら競技が行なわれる年には,[同博士のもとにいる学生たちに]短期的に,ストレスの共通の影響がみられる。特にアレルギーになりやすくなったり,普通のカゼや『連鎖状球菌による咽喉』や単核球症などの伝染病にかかりやすくなる,と同博士は述べている。事実,数多くの研究は,いかなるスポーツの場合でも,過激な訓練は伝染病に対する抵抗力を強化せず,特にウィルスによる炎症や伝染病に対する感染度をむしろ高める傾向があることを示している」。