世界展望
さらに大規模な食糧不足?
◆ 「世界は……慢性的な食糧不足のふちに立って危なげに揺れている」と,最近のボストン・サンデー・グローブ紙は報じたが,これと同じ趣旨の意見を述べる専門家か増えている。こうした懸念が起きているのはなぜか。米国国務長官キッシンジャー氏の特別顧問E・M・マーチンはこう語っている。「食糧の供給という面から見ると,世界はまさに薄氷の上を歩いている。備蓄食糧がきわめてわずかしかないため,天候,肥料不足,その他の偶発的なできごとにより,一,二の大国で収穫量が減るだけで,世界は危機的状態に直面する」。
ユニセフの子どもたち
◆ 国連の一機関であるユニセフ(国連児童基金)は,世界各地の子どもの健康と教育に関心を払っている。世界の100ほどの“開発途上国”で今生まれる子どもたちの将来を,ユニセフはどう見ているだろうか。例として12人の子どもを取り上げてみよう。数多くある幼児性疾患もしくはたん白質失調のために,そのうちの二人が死亡するであろう,とユニセフは指摘している。生き延びる十人のうち,学校に行くのはわずか五人であり,他の五人は文盲となる。学校に行く五人の子どものうち三人は中途でやめ,やがて飢えを経験する。中には栄養失調のために,回復不能の知能および身体障害に陥る子どももいる。それゆえ,はじめの12人のうち,小学校を卒業できるのはわずか二人にすぎない,とユニセフは見ている。
教会主催のビンゴ賭博
◆ 人々をキリスト教世界の諸教会に引き付けていると思われるものの一つにビンゴがある。ギャンブルが非常に人気を博しているため,アメリカ,ミシガン州チャンピオン市のあるカトリック教会では,教会の宗教クラスに属している子どもの約半数が“ビンゴ係”として,司祭や修道女といっしょに,人々が神に近づくのを助けているとのことである。その教会でのこと,ある年配の婦人がひざまずき,こう祈った。「主よ,今晩,わたしのビンゴ・カードに目をとどめていてください。そうしてくだされば,明日五本のローソクに明りをともしましょう」。教会でビンゴがこれほど強調されているのはなぜだろうか。ニューヨークのスタテン島で起きた一つのできごとはその答えを与えている。最近,同地区にビンゴ店が開業することになった。すると,近くのカトリック教会がそれをやめさせようとした,とデーリー・ニューズ紙は報じている。それらの教会は,「自分たちのところでビンゴをする人が減り,必要な財源がなくなる」のを恐れたのである。