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  • 子どもに乳を与える ― それは重荷ですか,それとも楽しみですか
  • 目ざめよ! 1974
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目ざめよ! 1974
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子どもに乳を与える ― それは重荷ですか,それとも楽しみですか

毎秒平均4人の赤ちゃんが生まれています。1時間のうちに1万4,000,1週間のうちには200万の新しい口が増えているわけですが,これらの赤ちゃんはどのように育てられているのでしょう。

ほとんどの赤ちゃんは母乳で育てられており,毎日何百万㍑もの母乳を消費します。それでも一般の傾向は,乳製品を代用する方向に進んでいます。乳児はそれを哺乳びんから飲みます。

アメリカのような国では,非常に多くの母親が人工栄養で子どもを育てます。しかし世界保健機構はこの傾向を,「今日の世界の大きな栄養上の問題のひとつ」と呼んでいます。なぜでしょうか。

不幸な傾向

まず,母乳が牛乳よりも子どものためによいことは疑問の余地がありません。a もう一つの理由は経済的であるということです。全部の赤ちゃんの87%は,ほとんどの人が牛乳を買う余裕などない地域で生まれます。

世界保健機構の昨年の一報告書は,これらの理由を指摘しつつ,次のように述べています。「業者がなんと言おうと,母乳は独特のもので模倣を許さないものであるが,そればかりではない。乳製品は,発展途上国の一般の家庭には手の届かないものである」。

発展途上国の労働者が赤ちゃんのために牛乳を買うとすれば,1日の賃金の50%まではそれに費やされてしまうでしょう。また,人工栄養で育てる傾向が広がりつづけるならば,そうでなくてもひどい食糧不足はいっそう深刻になるでしょう。「もしアジア大陸の女性がみな母乳を与えることをやめるなら,その損失を埋めるのに1億1,400万頭の乳牛を補う必要があるだろう」と,世界保健機構の報告書は述べています。

新しい授乳法は人気を得る

人工栄養で育てる傾向はいつごろから始まったのでしょうか。またなぜ人気を得たのでしょうか。

それが始まった時は,ひとつの経験が示しています。1907年,アメリカのある少女は,近所の人が赤ちゃんに哺乳びんを与えるのを見て家に飛んで帰り,なぜそんな変わったことをするのか母親に尋ねました。その後1920年代にはいって,その少女は,看護婦として働いていたとき,母乳を与えている母親を見て驚いた,と言いました。つまり,アメリカのある地域では,母乳から人工栄養への移行がそれほど急速に生じたということです。

その大きな原因となったのは,乳児用調乳,冷蔵,殺菌などの発達と,大々的な宣伝でした。ほとんどの家族が,時代おくれと見られたくなかったらしく,この新しい授乳法を受け入れました。また多くの母親は,この方法が,自分たちの新しい,工業化された生き方に合うことを知りました。

しかし,生き方の変化と人工栄養の普及にともなって,奇妙な現象が注目されるようになりました。アメリカナ百科事典(1927年版)は,そのことを次のように説明しています。「近代的な生活 ― とくに都会生活をする女性のなかには,母乳の出なくなった人たちがいる」。

もっと最近になって,インドで行なわれたある調査によると,高等教育を受けた女性の80%は,出産後6か月間も母乳を与えることができない状態にありました。しかし貧しい母親たちの間では,母乳が出ないということは,ほとんど知られていないことでした。

母乳を与えるのが困難な母親,あるいはそうなることを心配している母親が,母乳で子どもを育てるのを重荷に感ずるのは当然かもしれません。それにしてもなぜ「近代的な」女性は,他の女性たちが当然のこととして母乳を与え,それを楽しんでいるのに,母乳を与えられない場合が多いのでしょうか。近代的な生活は,母親のこの基本的な機能をどのように阻んでいるでしょうか。

母乳で育てることを阻む大きな障害

その障害は意外に大きなものです。近代的な病院で用いられる方法はとくに,母親が母乳で子どもを育てるのを阻むものとなっています。初産婦は,きまって乳を止めるためのホルモンを注射されます。たとえそれらの注射を避け得たとしても,彼女には圧倒的な障害があるかもしれません。

たとえば,母親は,分べん中にしばしば多量の麻酔剤を与えられて無意識になるか,もうろうとした状態になります。麻酔剤は赤ちゃんにも影響を与えるので,赤ちゃんは幾日か元気がなく,ぼんやりしています。ですから乳をよく吸いません。吸うことが乳の分泌を刺激するのですから,赤ちゃんが乳を吸わないなら,乳の出は妨げられるわけです。

また,赤ちゃんはたいてい母親から離されて中央の育児室に入れられます。赤ちゃんを授乳のためにたびたび母親のところへ連れてくるのは余分の仕事ですから,看護婦は人工栄養で補充するかもしれません。その結果,赤ちゃんはおなかがすいていないので乳房を強く吸いません。これも母乳の出を妨げます。母親が落胆して母乳を与えることをあきらめるのも不思議ではないわけです。

最近,「目ざめよ!」誌の発行者に寄せられたある母親からの手紙には,次のように書かれていました。「息子を母乳で育てようとしたところ,病院の主治医や看護婦,また親族や友人から,いろいろと不愉快な思いをさせられました。このうえなく自然なことであるのに,その人たちはみな,わたしがひどくいやなことをしているようなそぶりを見せました。主治医は母乳を与えることに最初から反対でしたし,時間に余裕のない看護婦さんたちはなんの援助にもなりませんでした」。

このような経験は珍しくありません。ハーバード大学の栄養学の教授,ジーン・メーヤー博士は,「男性に支配されている病院では,母乳で育てることは公然と妨害される」ことを認めています。

専門家のそのような反対が,母親にどんな影響を与えるかを想像してごらんなさい。心配になり,困惑して,母乳で育てる自信を失うかもしれません。あるいは,母乳を与えるのは「動物的だ」とさえ感じるかもしれません。そうした消極的な感情はすべて,乳を出すからだの働きを抑圧しがちです。

実際,母乳による育児に成功するのにいちばん役だつ要素は,平静で自信のある精神状態です。世界の母親の大半は,そのような状態にあります。なぜなら,彼女たちが住んでいるところでは,母乳を与えることが唯一の育児法として受け入れられているからです。しかし,工業化された地域では違います。ニューヨーク市のある医療篤志奉仕者はこう言っています。

「子どもに自分の乳を与えている人をあなたが最後に見たのはいつのことだっただろうか。母乳で子どもを育てたことのある婦人はひとりもいなくなったようだ。しかし母乳で育てる決意をした母親は,相談相手になってくれる人を必要とする。その場にいてくれるだけでも助けになることがある」。しかし残念なことに,多くの母親はそうした支持が得られず,母乳で育てることができないでいるのが現状です。

しかしそれができないのは,母親の乳が出ないからですか。赤ちゃんのために十分の乳がないのではないかと,母親が心配する理由がありますか。

授乳能力

女性には子どもに乳を与える驚くべき能力があります。たとえば,聖書の示すところによると,アブラハムの老齢の妻サラは,息子のイサクが5歳になったときに乳離れさせています。このことにあなたは驚きますか。しかし普通,授乳期間はもっと長かったのです。サタデー・レビュー・オブ・サイエンスの1973年5月号は,次のように述べています。

「昔のインディアンは,母乳を飲む期間が長いほど子どもは長生きをすると信じていた。だから子どもたちが,8歳か9歳になるまで母親の乳を飲むのは珍しいことではなかった。ほんの40年ほど前まで,中国や日本の母親は,5年も6年も子どもに乳を飲ませていた」。

乳の出ない母親というのは比較的にわずかです。ホルモンのバランスが崩れている母親の場合などは乳が出ませんが,そういう人はまれです。工業化の進んだ国の母親でさえ子どもを母乳で育てられることが,第二次世界大戦中に証明されました。それまで,フランスでは,新しい母親のわずか38%が,母乳で子どもを育てていたということですが,戦争になって,人工栄養が手にはいらなくなったら,ほとんど全部の母親が,母乳を与えられるようになりました。

女性が,何人かの子どもに同じとき授乳できるというのは驚くべきことです。ベンジャミン・スポック博士は,「双生児をもつ母親の大半が,ひとりの乳児の母親と同じように十分の乳をふたりの子どもに与えられるということに,わたしは興味をおぼえた」と言っています。母親の食物がひどく制限されていても,母親は母乳を与えることができるのです。

このことは,母乳で子どもを育てるインドの母親たちを対象にした研究によって実証されました。彼女たちは,毎日わずか1,400カロリーから2,400カロリーの間の食物で生きているのですが,それでも1年以上,母乳で子どもを育てることができます。その母乳の食品価値は,適量の食物を得ている母親のそれとあまり変わりません。しかし,そのような場合,母乳を与える母親のからだは,赤ちゃんの必要を満たすために消耗します。

しばらく母乳を与えていない母親でさえも,乳房を刺激していると乳が出るようになります。たとえば,生後3か月のある人口栄養児は,非常にからだが弱く,母乳に切り替えなければ命が危ういと言われていました。それで母親は,2か月以上“干上がっていた”乳房を赤ちゃんに吸わせるようにしました。すると八日のうちに乳が出はじめ,6週間後には,もらい乳をしなくても十分飲ませることができるようになりました。

母親が,母乳で子どもを育てるすばらしい能力を,創造者から与えられていることは明らかです。近代的な生き方や傾向が生み出した障害は,克服できないものではありません。

障害を乗り越える

病院では,母親は,母乳を与えたい希望を,丁寧な態度で,しかししっかりと伝えておきます。乳を止める注射をしないように頼むこともできます。もしかしたら,分べん台の上で乳を吸わせることも許されるかもしれません。それは乳の出を刺激する助けになるからです。また,自分の赤ちゃんだけには病院の職員に人工栄養を与えてもらわないで,母乳を飲ませるという取決めをつくることもできるかもしれません。

赤ちゃんを満足させるだけの乳が出ないのではないかと心配する必要はありません。病院で乳を止める注射をされ,思いどおりに母乳を与えることができなかったとしても,しんぼう強く吸わせていれば,やがて十分の量の乳が出るようになります。しかしあるお母さんたちは,授乳後赤ちゃんが自分のこぶしを吸うのを見て心配します。まだ空腹なのだ,と思うのです。でもそれはたいていの場合,赤ちゃんが持つ,ものを吸う本能であって,空腹のためではないようです。

しかし,疑わしいなら,飲ませたばかりのときでも,もう一度飲ませます。もし空腹なら,赤ちゃんはもう一度乳房を完全にからにしてしまうでしょう。これは乳の出をさらによくする刺激になります。これは全能の創造者がしくまれた,需要に応じて供給するすばらしいシステムです。母親の乳房は,赤ちゃんがそれを吸うことに刺激されて,赤ちゃんの栄養の必要を満たします。必要ならば,二人の健康な赤ちゃんを満足させることさえできます。

ですから心配する理由はありません。母乳は赤ちゃんに最適なのです。エバ以来ほとんどすべての女性が,女性の生活の自然な一部として行なってきたことを,自分にできるかどうか疑うのは,実際に愚かしいことではありませんか。

しかし他の人びと,つまり母乳を与えるのは程度の低い人のすることというふうにまちがった考えをもっている人びとはどうですか。習慣や態度は無視すべきではありません。一般の人びとにいやな感じを与えるような方法で授乳するのは賢明ではないでしょう。でも目だたないように飲ませることができます。乳房を露出させませんから,近くにいる人も赤ちゃんがお乳を飲んでいるのに気づかないほどです。あるお母さんは,「やはりやり方があります。……他の人たちの権利も考えなければなりません」と言いましたが,そのとおりです。

母乳を与える喜び

母親は赤ちゃんに乳を飲ませるときを楽しみにしているのがふつうです。よく知られている栄養学者,アデリー・デイビスはこう言いました。「わたしは2,000人以上のやがて母親となる人にインタビューしたが,子どもに母乳を与えたくないと言った人は今でも片手で数えられるほどしかいない」。この願いがかなえられたら,それはほんとうに大きな喜びになります。

まず感情的な満足があります。ある母親はこう書いています。「私が子どもを母乳で育てることに決めたおもな理由は,感情的なものでした。最初の子どもを自分の腕にだいて,自分のからだから乳を飲ませることに,私は深い満足をおぼえました」。これは子どもの感情にも非常に良い影響を及ぼします。定評ある医学書「カーレント・セラピー・1972年」は,「子どもと母親に心理的に有利であることは,広く認められている」と述べています。母親との定期的な接触は,子どもの発育にとってはかりしれない価値を持ちます。

また母乳を与える母親は,子どもに最上等の栄養を与えているという喜びを持ちます。母乳は赤ちゃんのために理想的な食物です。創造者がそのようにしくまれたからです。したがって,母乳栄養児は人工栄養児よりも健康で,死亡率も低いことを証拠は示しています。

また便利であるという喜びもあります。ある母親はこう書いています。「私は子どもが小さかったとき,どこにでも連れていけるのに気づきました。清潔で無菌のお乳をいつでも飲ませることができます。哺乳びんを暖める必要もありません」。またミルクやベビー食を買う必要がないので,お金の節約になることを喜んでいる家庭も少なくありません。

近代的な生活がつくり出した障害のために,ある人びとが母乳で子どもを育てることを重荷のように考えているのは事実です。しかし実際にはそれは,創造者が人間の益となるようしくまれた喜ばしい経験のひとつなのです。

『誰か賢き女を見いだすことを得ん その価は真珠よりも貴し その夫の心は彼をたのみ その産業は乏しくならじ 彼が存命ふる間はその夫に善事をなして悪き事をなさず その衆子は起て彼を祝す その夫も彼を讃ていふ』― 箴 31:10-12,28。

[脚注]

a 母乳の利点については,「目ざめよ!」誌の1973年9月8日号をごらんください。

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