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目ざめよ! 1981
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なぜ母乳で育てる方が良いか

アフリカの「目ざめよ!」通信員

欧米諸国では,長い間,子供を育てるのに好んでミルクが用いられてきましたが,現在では小児科医たちは,母乳で育てる方がよいことを母親たちに納得させるよう努めています。その反面,発展途上国では,人工調乳を選ぶ母親がしだいに増えています。

人工栄養による育児には利点がありますか。以前,人工栄養による育児が盛んだったところで,母乳栄養による育児が勧められるようになったのはなぜですか。これに対する正しい答えが得られると,お母さん方は,ご自分の子供に最も適した方法を選ぶ助けになります。

今から100年ほど前には,ほとんどの母親が子供を母乳で育てました。それ以前も,母親たちは何千年も同じようにしてきました。母乳に代わる食物は,離乳期になって初めて与えたものです。

しかし今日,欧米の工業国では,若い女性の大多数が家庭の外に職を持っているために,子供は人工栄養で育てる方が都合がよいと考えています。また,母乳で育てることなど社会的に遅れていると考える人々も少なくありません。

発展途上国においても,離乳期以前の赤ちゃんを人工栄養で育てる人が次第に増えています。病院では新生児には決まってミルクが与えられます。これは病院で働く人々にとって都合がよいからです。

それでも発展途上国の赤ちゃんの大多数はまだ母乳だけで,または母乳と人工栄養の両方で育てられています。もっとも市街地域に住む母親は,夜間と朝だけ母乳を与え,仕事で家を留守にしている間は,年上の子供か親類の人がミルクを与えているようです。

この場合,地元で生産される,未処理の牛乳またはパンがゆを与えることが多いので,乳児用調乳を用いるよう,母親たちを教育するのが好ましい,と多くの人は感じています。しかしこれには幾つかの問題があります。

衛生の問題

貧しい地域社会では貧困が問題で,これが健康に影響を及ぼしていることは周知の事実です。食糧と安全な飲料水の不足に加えて,衛生設備がなく,健康管理も行なわれないことが,乳児の病気と死亡の根本原因となっています。そういう状態の下で人工栄養を子供に与える人が多くなると,容器の消毒をよほど心掛けて行なわないなら,ミルクが汚染する危険は大きくなります。

ミルクを与えるよりも母乳を与える方が汚染の危険はずっと少なくなります。ベネズエラのある医師は,毎年1万人の赤ちゃんが胃腸炎や肺炎で死ぬことを知った時,「母乳だけで育てられる赤ちゃんはこんなに病気にかかるものではない」と言いましたが,その理由はここにあります。インドでも同様で,生まれた時からミルクを与えられる幼児の死亡率は,母乳を与えられる幼児の場合より8倍も高いことが分かりました。乳児食の取り扱いが衛生的でないことが主な原因です。別の点もあります。母乳そのものが病気に対するより優れた保護を与えるのです。

免疫性を与える

新生児は病気のたくさんある世界で生活を始めますが,それらの病気に対して免疫をもっていません。ところが,母乳を与えると免疫性ができます。出産後数日間は常乳の代わりに初乳が出ますが,これが新生児に免疫性を与えるのです。このやや黄色い液体は,数か月間有効な,特定のバクテリアに対する免疫性を与える抗体やたんぱく質に富んでいます。

母乳にも,有害なバクテリアやウイルスを殺し,アレルギーの原因となる異種たんぱく質の侵入を阻む抗体や化学的特性が豊富に備わっています。これと対照的に,人工乳児食の場合は,加工過程で熱処理が施され,その際に,病気と闘う要素の一部が破壊されてしまうので,人工栄養児はそれだけ保護が受けられないことになります。

栄養上の利点

また母乳にはちょうどよい組成の必要な成分が,ちょうどよい割合で含まれています。ですからミネラルとかビタミンその他の成分が,赤ちゃんの未熟でか弱い消化器系に過度の負担や圧迫を加えることなく吸収されます。母乳は消化しやすいのです。

その理由を幾つか調べてみましょう。人乳に含まれる鉄の濃度は,成分全体からすれば低いものですが,割合から言うと,牛乳の場合よりもはるかに多く吸収されます。そのために,生後6か月間は,赤ちゃんが必要とする鉄は十分に供給されます。もし濃度がもっと高ければ,鉄は母乳が供給する保護となる特殊なたんぱく質と結合して,それらのたんぱく質の抗菌作用を妨げるでしょう。研究者たちは,鉄の濃度が低いので,母乳栄養児のボツリヌス中毒に対するり病率が低いものと考えています。というのは,濃度が高いと,この病気の原因となる細菌の繁殖を促すように思われるからです。

初乳には,高い濃度のたんぱく質と,成長を促すもう一つの強力な要素が含まれています。これは腸内の粘膜の発達と,ある種の胃腸障害に対する抵抗力の強化に役立つと考えられています。

エネルギーを供給し,正常な発育を促進する脂肪は,赤ちゃんにとって大変必要なものです。人乳中の脂肪は吸収が容易で,ビタミンEの所要量は増加しません。しかし人工栄養児にはこれを与える必要があります。満腹感を与える母乳中の脂肪の含有量は,赤ちゃんが乳を吸うにつれて増加します。ですから飲み過ぎることがなく,したがって赤ちゃんの肥満防止に役立ちます。これは後年の肥満防止にもなるようです。

母乳にはコレステロールが高い割合で含まれています。コレステロールは赤ちゃんの神経組織や体の様々な膜の発達,胆じゅう酸の生成などに役立つと考えられています。このようにコレステロールの含有量が多いと,赤ちゃんの体はこれを分解しやすいものになるようです。そのために,乳児期に母乳だけで育てられた人は,大人になっても,摂取したコレステロールを処理でき,アテローム性動脈硬化症にかかりにくくなるように思われます。

他の益

以上のことから分かるように,人工栄養法は赤ちゃんにとって最大の益をもたらすものではありません。なるほど,母親や病院の人にとってはその方が好都合かもしれません。そして乳児食の販売は製造業者にとっては確かに大きな商売です。しかし損害を被るのは赤ちゃんです。

ナイジェリアのある精神科医はサンデー・スケッチ紙で,母乳栄養児が受けるもう一つの益に注意を引き,「このごろ多くの母親は子供の身体面の発育ばかりを気にしている。赤ちゃんが元気に乳を吸う時に親子の間には特別の感情や満足感,愛情のきずなが生まれるのであるが,それを無視して,一番上等の粉ミルクを買い,生まれた時からそれを子供に与えている」と述べています。

「きずな」と呼ばれるこの温かく親密な関係を培うことは,子供の知能と感情の発育に貢献します。母親も子供に尽くすことに次第に満足を覚えるようになります。そうなると,一人一人の子供に対して幼児期から大人になるまで愛情深い母親の役目を果たす用意ができます。

母乳で育てる場合のもう一つの利点は,出産後妊娠しない期間が長くなることです。これは適当な間隔をあけて子供を産む自然の方法です。また,乳じゅうを出す働きをするホルモンの中には,子宮を収縮させ,妊娠中に蓄積された脂肪を使い尽くす作用をするものがあります。これは母親が自然の体型を取り戻すのに役立ちます。

最後の点として,ニューヨークのタイムズ誌の1979年7月8日号に載せられた記事によると,「調査を行なった幾人かの人は,母乳を与える女性の間で乳がんが減少していることにも注目しました」。

確かに,子供が母親から乳を得るようにされた創造者の知恵は,2世代の乳児用調乳のメーカーの知恵よりも偉大です。―創世 1:27,28。詩 139:13-16。

といっても,母乳を与えることには何の問題も危険もないという意味ではありません。母乳も汚染することがあります。もし母親がある薬剤を使用すると,その薬剤は微量ですが乳じゅうに混じって出てきます。母親が殺虫剤にさらされるなら,母乳にはそれらの化学薬品が溶け込んでいるかもしれません。

もう一つ考えるべきことは,母乳は無料ではないということです。健康的な乳が十分に出るようにするには,母親は適当な食物を取る必要があります。母親は人工栄養に費やすお金を賢明に用いて,自分が栄養のある食事を取ることができます。

むろん,母乳で育てることは必ずしも自然にできることでないかもしれません。しかしもしその気持ちがあり,またほかの人々からの感情面での支えや実際的な助けがあれば,ほとんどの女性は子供に乳を飲ませることができるようになります。子供が乳を吸うと,神経が反応して,乳じゅうの分泌を促すホルモンが放出されます。

難点と利点を総合して考えてみるなら,育児法としてはどちらがよいでしょうか。ほとんどの場合,母乳で育てるのが最善です。これはただ子供に食べ物を与えるというだけのことではありません。母乳で育てることはまさしく子供を養育することなのです。

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人工栄養児の死亡率は,母乳栄養児の死亡率の8倍に近い

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母乳には,有害なバクテリアやウイルスを殺す抗体が多量に含まれている

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