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目ざめよ! 1976
目76 2/22 16–20ページ

海洋の三次元の世界に見られる生物

海洋はまさに生物の宝庫です。地表面の70%余りを占めているだけではなく,平均で三千数百㍍もある,途方もないその深さは,広大な三次元の世界を成しています。そこには,全域にわたり,幾多の層が見られます。

深さや場所を問わず,海洋の全域には何らかの生物が生息しています。沿岸には,活気にあふれた生物が満ちており,それより幾分低い大陸だなでも,生物は非常に活気があります。さらに沖合いの外洋に行くと,大抵の生物は海面近くに生息しています。しかし,海溝の深みにも生物が生息しており,海洋の生態系でのそれぞれの役割を果たしています。

食物環

無数の海洋動物が生息しているのですから,そこには当然,ばく大な量の食物が必要になります。サルガッソー海[北大西洋の“藻の海”と呼ばれる海域]の場合のように,海には大量の海藻があります。しかし,それは決して海洋生物の主要な食物源ではありません。事実,食物源として海藻はわずかな役割しか果たしていません。すべての海洋生物の成育に不可欠な,栄養供給源とも言える有機物の90%以上は,太陽光線の届く外洋の有光層で,各種の“植物プランクトン”により作り出されます。

植物プランクトンとは,太陽光線を利用できる海面の近くを漂う微視的植物のことです。地上の大抵の植物が光を必要としているように,これら植物プランクトンも,生命活動を営む上で太陽光線を必要としています。植物プランクトンは,海中の無機性栄養物を食物に変えるため太陽光線からのエネルギーを利用する過程,つまり光合成を通して食物を生産します。海洋動物は,自分で栄養物を合成できませんから,この過程は非常に重要です。

地上の植物がすべての陸生動物に基礎的な食物を供しているのと同様に,海中の植物も海洋生物のための基礎的な栄養分となっています。―創世 1:29,30。

広範にわたり層を成す植物プランクトンは海洋を漂います。無機性栄養分が海流に流されて来たり,“湧昇流”によって海底から海面に運ばれてきたりするような海域では,特に,植物プランクトンが大量に発生します。この植物プランクトンをいちばんよく食べるのは,“動物プランクトン”と呼ばれる微小な生物です。動物プランクトンは,日中,海面下300㍍から1,200㍍のところを漂い,夜になると上がってきて,植物プランクトンをむさぼります。小魚の中には,植物プランクトンや動物プランクトンを食べるものもあり,これら小魚は,移動するプランクトンに同行します。そして,この三者がいっしょになって,“音波反射層”と呼ばれるものを作り上げます。その層の中の生物の密度が非常に高いため,音波測深機が使われ始めたころにはこの“音波反射層”を海底と間違えたことがしばしばあり,その結果海底地図に不正確な点が生じました。戦時中,潜水艦が“音波反射層”の下に潜り込み,駆逐艦の音波探知機に発見されるのを免れたこともあります。

動物プランクトンを捕食するものは“ネクトン”(遊泳動物)と呼ばれます。これら捕食動物の中には,数千種の魚類が含まれます。この食物“ピラミッド”図が示すように,おおよそ,1,000㌔の海洋植物(ピラミッドの基部に相当する)が100㌔の草食性海洋動物(ピラミッドの次の段)を養います。次にこの100㌔の草食性海洋動物は,肉食性海洋動物10㌔を産み出します。そして人間が体重を1㌔増やすためには,肉食性海洋動物10㌔を必要とします。このように,魚市場に10㌔の魚を供給するためには,“えさ”となる,微小なプランクトン1,000㌔が,海の中で産み出されねばならないのです。

海がどれほど膨大な量の食物を産出しているかを理解するために,ベーリング海のプロビロフ諸島に繁殖するオットセイの例を考えることができます。これらのオットセイだけでも,年間35億㌧ものえさが必要なのです。創造者のみ手の業である海は,なんと豊かな食糧源なのでしょう! 詩篇作者が書いたとおりです。

『エホバよなんじの事跡はいかに多なる

これらは皆なんじの知恵にてつくりたまえり

汝のもろもろの富は地に満つ

かしこに大いなるひろき海あり

そのなかに数しられぬ匍うもの小さなる大きなる生けるものあり……

彼ら皆なんじを待ち望む

なんじ良き時にくいものをこれに与えたまう

彼らはなんじの与えたまうものをひろう

なんじみ手をひらきたまえばかれら良き物にあきたりぬ』

― 詩 104:24-28。

“赤潮”

“渦鞭毛藻”類として知られる,ある種の微視海洋生物が“異常繁殖”し,時にその数が天文学的数字に達する場合があります。それが増えて密度が高くなると,その色素によって,広い範囲の水域が赤やかっ色,もしくは薄黄色に変わり,“赤潮”と呼ばれる現象が生じます。集中的に繁殖するため,これら渦鞭毛藻自体が死滅する場合もあります。また,渦鞭毛藻類からはその水域の海鳥や魚類を死滅させる有害な毒素が分泌されます。この有害物質は,しぶきを上げる白波により大気中にも拡散して人間の呼吸器系を冒すため,時によると,沿岸の保養地が一時的に閉鎖されることもあります。赤潮が発生した水域近くの沿岸都市では,白く塗った家々の外壁が,発生した多量の硫化水素によって黒く変色する場合もあります。

海洋生物に備わる,生存のための保護手段

捕食動物がこれほど多いのに,ある種の海洋生物が絶滅してしまわないのはなぜだろうか,と不思議に思われた方もおられるでしょう。各種の海洋生物は,種族として生き残るために実にさまざまな方法を用います。膨大な数の子孫を産み出すのもその一つの方法です。微視植物の中でも数の非常に多い珪藻は,ひと月に10億もの子孫を産み出します。ハドック(タラの一種)は一度に900万個の卵を産み付けますし,カキは一年に5億個の卵を産みます。コッド岬南方の海域にすむ10億匹のサバは,繁殖期に64兆個の卵を産むと推定されています。卵や稚魚を初めとする海洋動物は,群れを成すさまざまな捕食動物に食べられてしまいます。サバを例に取れば,100万個の卵のうち無事に育って成魚になるのは,わずか1~10個にすぎないとみられています。言い換えれば,99.98%から99.99%までが成魚にならないうちに死んでしまうのです。それでも,海には,サバやハドックやカキが無数にいます。同じことは,二枚貝や小エビなど,他の多くの海洋動物についても言えます。自然の均衡を乱し,海洋生物を絶滅の危機にさらしているのは,外ならぬ人間なのです。

逆に,産卵数は少ないものの,産んだ卵や稚魚を親が守る魚もいます。ある種のサメの場合,生まれたばかりの稚魚は母ザメの後尾付近で一定の期間過ごします。卵を,岩や海草などに産み付けたり,泡や膜で覆ったりする魚もいます。また中には,卵がかえるまで,雄が口や嚢(タツノオトシゴなどに備わっている)の中に卵を入れて泳ぎ回るものもあります。大抵の場合卵からかえった,稚魚は,親の元を離れますが,哺乳類であるイルカは,その後も子供を敵の手から守ります。

事実上すべての海洋動物は,他の何らかの動物に襲われるため,多くの場合,自分の体にカムフラージを施します。例えば,チョウチョウウオの体には目の模様が付いており,攻めてくる敵の注意を,頭から離れた場所に向けさせます。外洋の魚の背は緑や黒に近い色ですが,それは,海を上から見下ろすとそのような色に見えるからです。しかし,下から見上げると,海面は銀色や白っぽい色に見えます。それに応じて,大抵の魚の下腹はそうした色に見えます。

最も奇妙な防御手段を講じているのは,恐らくナマコでしょう。ナマコは,危険が迫ると,自分の腸を体から出してしまいます。飢えた敵の目に,残されたまずそうな皮袋より,この腸のほうがおいしそうに映るのは当然です。ところが,この“皮袋”の中に,元通りに腸ができるのです。カツオノエボシのように,運動能力がなかったり,動きが鈍かったりする動物にとって,刺胞は,敵を撃退する有効な手段となります。また他にも,スピードや敏しょうさ,大きさや力などが,敵の攻撃をかわす防御手段となっているものもあります。深海のイカのあるものは,独特の保護機能を備えており,逃げ道を隠すために発光体の煙幕を張ります。強力なせん光を放って,攻撃の矛先をかわしたり,敵の目を一時的に“くらませる”魚もいます。

空気よりもはるかに重い海水に囲まれ,視界も30㍍そこそこに限られる,海洋の三次元の世界に生きる動物に,創造者は,地上の動物にはない特別な機能を与えました。泳ぎの速い大抵の魚の持つ,いわゆる“第六感”もその一つです。この感覚をつかさどるのは,頭から尾まで通る,管や溝など“側線”と呼ばれる器官です。これによって,ほんのわずかな水圧変化をも感じ取ることができ,何千匹もの魚の群れが,あたかも一つの体のように,一糸乱れぬ動きを見せ,素早く進路を変えるのです。また,相当遠くから敵が近付くのを感じ取ります。この側線器官の働きのおかげで,魚は水槽のガラス板のような障害物を避けることができるのです。

捕食機能

海洋の生態系を特色づける,一つの非常に驚くべき点は,海洋生物が相互に依存し合い,微妙なバランスが保たれていることです。捕食動物にねらわれる海洋生物は,身を守る機能を備えていますが,一方,それら捕食動物も獲物を見付けて捕えるための,極めて複雑な機能を備えています。相当数の魚が飢えた捕食動物のえじきとなりますが,それでも,多くの魚が難を逃れて生き残り,種族は保存されていきます。カキの卵や海ガメの子供を好んで食べる動物がいなかったなら,海はほどなくして,カキや海ガメであふれてしまうでしょう。ところが,カキや海ガメが,捕食動物に完全に食べ尽くされてしまうなら,それらの動物自体も死滅してしまうことになります。完全な知恵を持つ創造者のみが,必要条件を備え,こうした微妙なバランスを保てるよう海洋動物に保護機能と捕食機能の両方を賦与できたのです。

食物“ピラミッド”図の基部付近の生物の捕食機能について言えば,科学アメリカ誌(1969年9月号)の中である海洋学者が書いているように,「草食性微視動物の視力,精巧な構造と仕組みを備え,絶妙な動きで近くのえさとなる生物の集団を捜し当てる濾過器官,複雑な造りの探知器官,水の流れを利用して濾過作業を行なう底部の補助器官」などが認められます。巻貝の一種であるエゾバイのあるものは,透明な網を張り,微生物を捕えてえさにします。この網には,大抵粘着性があり,その直径は2㍍近くもあります。単細胞のアメーバは,化学反応を利用してえさを捜し当てます。

海面近くにいる生物で,光を放つものはかなりいますが,太陽光線のほとんど届かない深海では,海洋動物の少なくとも三分の二が発光器官を備えています。前述の海洋研究家はこう述べています。「イカや魚類の中には,レンズや絞り,反射板を備えた探照燈を持つものがいる。それは眼球と同じほど複雑である」。同氏によると,発光性プランクトンの小群に似た発光体を持つものや,前方に明かりをかかげて“魚釣り”をするものもいます。不注意にも,魚がこうした“えさ”に近づこうものなら,瞬く間に飲み込まれてしまいます。

タコは,人間と同じような目を用いてえさを見付けます。イルカやある種のクジラは,獲物を捕えるための遠距離音波探知機のようなものを備えています。自分の発した声の反射音を,鋭い聴力で聞き取るのです。マッコウクジラの場合,かなり遠く,それも恐らく,数㌔先にいる獲物を見定めることができると考えられています。サメには鋭い嗅覚があり,傷ついた魚の血のにおいを遠くからかぎわけます。

海底の深みに生息する生物

水深3,000㍍を超す海底では,水温が氷点に近く,途方もなく大きな水圧がかかっておりあたりは暗やみに閉ざされています。しかし,そうした所にも,生物がいるのです。といっても,海面近くと比べれば,その数はずっと少なく,動きもかなり鈍いようです。体長45㌢もあるナマコは海底の泥の上をゆっくり進み,泥を“食べ”ます。つまり,軟泥を飲み込み,小さな有機物を選んだり,上方から漂って来る有機老廃物の“岩屑”を捜したりするのです。海底では,生物の大部分がミツバチより小さく,ネズミより大きなものはほとんどいません。目が0.25㍉ほどの網ですくうと,小さな二枚貝や甲殻類,蠕虫などが見付かります。

暗やみの深海にすむ魚や他の動物の中には,目の全く見えないものもいます。茎のように長く,けば立った足で,ゆったりと歩いている動物もいますが,そのような足は泥の上を歩くのに好都合です。時折り,“クモヒトデ”が海底の水を濁らせます。水深1,000㍍を超す深海に,エイがえさを求めて泳いで来ることもあります。海底には,動物の通った跡や筋が幾条も残っています。グアム島の南西に位置する,水深1万㍍余のチャレンジャー海淵の底を撮った写真には,小さなエビに似た小動物を初め,体長2㌢から5㌢ほどの奇妙な動物が幾つか写っていました。こうした深海の途方もなく大きな水圧のために,人間は,『なんじ淵の底を歩みしことありや』という,ヨブに対する神の問いかけの言葉に,依然,しかり,と答えることができないのです。―ヨブ 38:16。

海洋生物の将来

現在,海洋学者たちは,最新の科学装置を備えた大漁船団が貪欲なまでに海産物を乱獲している結果,海洋生物の生存が脅かされることを深く憂慮しています。しかし,もっと恐れられているのは汚染です。正しい管理を怠ったことや人間の貪欲さに帰因するこの汚染は,今や予想以上の規模で進行しており,そのために以前は漁場であった海域でも,魚がとれなくなっています。

こうした事態は悲しむべきことです。しかし,神の言葉,聖書を信じる人は,海を再び生物の満ちる場所にする神の能力を確信しています。『生めよ殖えよ海の水に満てよ』と,神が海の生物に命じられた最初の目的が,その時成し遂げられるのです。(創世 1:22)陸と海の生物(植物と動物の両方)の間のこのような相互依存を考えると,神が必ず,人間の永遠の福祉と幸福に不可欠な生物で海と陸を共に満たしてくださることを確信できます。神のみ子の統治する千年期の下で,これは現実のものとなります。その時人間は,海と陸のすべての動物と平和な関係を保ち,愛のこもった正しい仕方でそれら動物を治めます。―創世 1:27,28。詩 8:4-8。

[17ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

肉食性海洋生物

草食性海洋動物

海洋植物

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