黄身の色はどこから来ているか
西ドイツの「目ざめよ!」通信員
卵の黄身の色は,薄い黄色から濃いオレンジ色まで様々です。黄身がどんな色をしているかはあなたにとってどうでもよいことですか。多くの人にとって,それはどうでもよいことではありません。もちろん,卵を食べる人の好みは国によって多少異なります。例えば,西ドイツに住む人の多くは,黄身の色が濃い卵を好んで買い求めます。その色はどこから来ているのでしょうか。
卵黄の色は,鶏のえさに含まれる色素から来ています。カロチノイド類と呼ばれるこの色素は,トウモロコシ,またムラサキウマゴヤシのように緑色の葉をもつ植物の中にあります。黄色と赤の色素が混ざり合って,卵黄に見られるような色が造り出されます。飼料に含まれる色素の量によって卵黄の色は大いに異なります。天然の飼料に関しては,えさのタイプ,および季節が大いに影響を与えます。
ある地域では,黄身の色が薄い卵は質が劣ると見なされています。自然のカロチノイドを加えることにより適当な色が造り出されますが,これらの色素の寿命は非常に短いので,一年間も倉庫に入れられていた飼料の中では完全になくなっています。黄身の色が薄いのは,そうした飼料を使用するためであり,買い手にはそのような卵を避けようとする傾向があります。
かんきつ類の果物に元来含まれているカロチノイドを,人工的に造り出すことが可能になりました。これらの色素の中には飼料に加えることのできるものもあり,それにより黄身は望ましい色になるとされています。
それで,次の朝食で,お皿の上に黄身のきれいな卵を見るときに,皆さんはその色の出所について前より多少良く知っていることになるでしょう。