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目ざめよ! 1977
目77 9/8 5–8ページ

コーヒー危機にどう対処しますか

ブラジルのコーヒー栽培家は1930年代には,コーヒーの供給過剰のため7,000万袋のコーヒーを焼いたと伝えられています。また,1940年代には,1ポンド(約454㌘)入りのコーヒー2袋をわずか77セント(約231円)で売りに出す広告がニューヨーク・ポスト紙に掲載されました。

コーヒー愛好家がよく知っているように,1970年代に入って事態は大きく変化しました。以前はついでに買う小さな買い物だったのが,今では1ポンドが4㌦(1,200円)から5㌦(1,500円)もする大きな買い物になりました。東京では,コーヒー1杯が300円もする喫茶店が現われました。英文読売紙は,そうした店の経営者が,「便乗値上げをした」と批評しました。

お茶を好み,年に平均100杯程度のコーヒーしか飲まない日本人には,コーヒーの値上がりはそれほど大きな問題ではありませんが,年に平均1,300杯以上も飲むスウェーデン人にとって,これは実に大きな出費となります。アメリカ人は,両者のちょうど中間で,年に平均800杯ほどコーヒーを飲みます。つまり,家庭でコーヒーを飲む彼らの習慣は,年に約75㌦(約2万2,500円)の出費を要することになります。

値上げの背景

しかし,コーヒーの値上げのきっかけとなったのは何でしょうか。産油国がカルテルを結んだ時のように,コーヒー生産国の間で価格つり上げの謀議が計られたというのは事実でしょうか。あるいは,実際にコーヒーが不足して,市場で値上がりしたのでしょうか。コーヒー愛好家の間で,この問題が盛んに論議されるようになりました。消費者や政治家の間からも怒りのこもった非難の声が聞かれました。コーヒーの不買運動を提唱し需要を減らすことによって,コーヒーの値下げを計ろうとする人々がいました。

事実の示すところによると,コーヒーの値上げの背後には幾つかの原因があるようです。そして,消費者側の非難の中にも,また生産者側の弁明にも,ともに真実な点があるのかもしれません。

もちろん,その発端は,1975年にブラジルを襲った霜の害でした。このため,翌1976年の同国のコーヒー生産は,前年の三分の二以上も減少しました。新たに植えられたコーヒー樹からは,早くても1978年までは収獲が期待できません。さらに,他のコーヒー生産国に生じた問題も,減産に拍車をかける結果になりました。アンゴラの戦争,ウガンダやエチオピアの内紛,グアテマラの地震,コロンビアの洪水などが,減産や収獲の遅れの原因として指摘されてきました。

しかし,1976年度の全世界のコーヒー生産高は前年をわずかに15%ほど下回ったにすぎませんでした。通常は大量の蓄えがあるため,この程度の減産では供給にそれほど大きな影響は出ないはずです。事実,報道によると,ブラジルは1976年中,蓄えを放出して,前年の1975年を上回る量のコーヒーを世界市場に供給することができました。それでは,なぜ価格が高騰したのでしょうか。

権威筋の中には,少し前に指摘したような減産による先行き不安が原因の一つに挙げられる,と言う人もいます。これは,国際コーヒー市場での買い気運をあおるに十分でした。投機家や卸売業者は品不足を見越してコーヒーを買いあさりました。雪ダルマ式に急増する需要は,価格の急騰を招きました。主婦の中には,しばらく前に砂糖の価格が同様に突然高騰して,その後値崩れしたのを思い出す人も少なくないことでしょう。もちろん,いずれの場合も,どん欲で不当な利益を得ようとする者が例のごとく暗躍したに違いありません。

しかし,市場における圧力だけが,コーヒーの値上げの背後にある要因ではありません。生産国の中には,需要の増大に目をつけて,輸出税を大幅に上げる国もありました。例えば,コロンビアは,一月中旬までに輸出税を1ポンドあたり1.5㌦(約450円)近く引き上げ,ブラジルも3月初旬までには輸出税をこれまでの4倍のほぼ1㌦(約300円)にしました。税金だけで,何か月か前の小売値を上回るようになったのです!

もちろん,これまで十分の収益を得ていなかった生産国の小規模コーヒー農園主にはある程度の利益の配分がありましたが,伝えられるところによると,コーヒー摘み取り人の多くは,依然1日300円ほどの賃金しか受け取っていません。しかし,大地主や仲買業者には,思いもかけぬ多額の収益がころがり込みました。コーヒー生産国は自国の貿易収支を大幅に改善しました。例えば,ブラジルは,1976年に,コーヒーの輸出によって,これまでの2倍の収益を上げました。1977年度は,4倍近くに達するものと期待されています。

しかし,こうした事態の変化する兆しが認められます。現在のところ,米国農務省は,1978年には世界のコーヒー生産量が再び需要を上回り,生産量の約25%は余るものと推測しています。コーヒー生産者にとって不吉な別の現象は,値上げに伴い,米国におけるコーヒーの消費量が1976年中に20%も落ち込んだことです。

専門家の中には,19世紀中ばに英国で起きたような事態が起こり得る,と警告する人がいます。そのころ,セイロンのコーヒー園が葉さび病で壊滅的な打撃をこうむり,コーヒーの価格が急騰しました。それまでコーヒーを飲んでいた英国人は,これを契機に紅茶に切り換え,それは現在にまで至っています。現在,英国人は,コーヒー1杯に対して紅茶を9杯の割合で飲みます。

天井知らずのコーヒー価格は,“金の卵を産んだニワトリを殺す”結果になるでしょうか。数年前に砂糖の価格が急騰してその後値崩れしたことは,コーヒーに関して何が生じるかを予示しているのかもしれません。コーヒー生産国は,値上がりしたあと値崩れするこうした循環を断ち切るべく,生産過剰になる前に価格の安定を計ろうと努力しています。しかし,好きなコーヒーの値段がふところ具合に比べて高くなりすぎた現在,世界のコーヒー愛好家はこれにどう対処できるでしょうか。

コーヒーに代わる飲み物

気分をさわやかにする温かい飲み物を求めて,さまざまな仕方でコーヒーを薄めたり,代わりの飲み物に切り換えたりしている人は少なくありません。カリフォルニア州に住むある家族は一度使ったコーヒーの粉をオーブンで乾かし,もう一度使っている,とナショナル・オブザーバー紙は報じています。初めに使う粉の量を少なくして,幾分薄いコーヒーを飲んでいる人もいます。

コーヒーの“持ち”をよくするために,専門家は他にも幾つかの提案をしています。ひいて粉にしたコーヒーの場合,風味を損なわないように,開かん後は密封して,フリーザーか冷蔵庫に保管するよう,専門家は勧めています。コーヒー豆を最も有効に使うもう一つの方法は,コーヒーを入れるごとに,専用の小型電動コーヒーひきで豆をひくことです。コーヒーはひきたてに限ると考えている人もいます。豆は何か月も風味を損ないませんが,粉にしたコーヒーはずっと早く風味を失います。少なくとも一つの会社から,薄片状のコーヒーが売られています。これは他のコーヒーより香味が15%ほど強いといわれています。

店頭売りのブランドなどの幾分安い種類のコーヒーに切り換える人もいます。中には,こうしたコーヒーが好みに合っていたり,値段の割にはかなりいけることを知って,驚く人もいます。インスタントコーヒーに切り換えることも,費用の節約に役立つでしょう。凍結乾燥させたものでなければ,インスタントコーヒーは,銘柄品のひいたコーヒーに比べて三分の一ほど安くつくことが,調査をした人によって明らかにされました。

本格派のコーヒー党でなければ,チコリ(キクニガナ)などを混ぜることによってコーヒーをのばすことができます。自分の好みのブレンドを作りたい人のために,チコリそのものも,またこれをコーヒーに混ぜたものも市販されています。チコリの混ざった市販のコーヒーの値段は純粋のコーヒーの値段とあまり変わらないかもしれませんが,純粋のコーヒーの約半分の量で同じ濃さの飲み物が得られます。この風味が気に入るかどうかは人の好みによります。

いった大麦とコーヒーを半々に混ぜた“ハードタイムズコーヒー”(“不景気時代のコーヒー”)は,大恐慌の時期にアメリカ人が考え出した節約法であると伝えられています。事実,いった大麦は,今日,日本や韓国で麦茶を作るのに使われています。そのこうばしい香りはコーヒーに似ていると言われています。いった大麦は東洋の多くの市場で売られています。

米国や欧州では,いろいろな銘柄でコーヒーの代用品が販売されています。これらの代用品は主に穀物から作られているため,独特の“刺激効果”を与えるカフェインを含んでいません。コーヒーを飲む人の多くは,味よりもこの刺激効果にひかれているようです。しかし,紅茶は,こうした欲望を満たすかっこうの飲み物です。コーヒーに代わる飲み物としては,紅茶に並ぶものはないように思われます。

紅茶を試してごらんなさい

「コーヒーの高値は紅茶にとって願ってもないことです」と,ロンドン紅茶振興会の秘書は語りました。英国人の飲む紅茶の量はここ10年来減少し,10年前の1日5杯弱から現在は4杯強になっています。この減少傾向がコーヒーの異常な値上がりで息をついたようです。米国でも,1976年度は,前年よりほぼ15%も多く紅茶を輸入しました。

需要の増大に伴って紅茶の価格も急騰しています。また,紅茶の値段そのものも決して安くありません。コーヒーより少し安いものから,中国産のある種の茶のように1ポンドにつき1万円以上のものまであります。しかし,コーヒーの場合,1ポンドで50杯までしか入れることができないのに対して,紅茶はその4倍から5倍に相当する200杯から250杯入れることができます。異国情緒豊かな中国産の1万円の茶は,何度も入れ直すことができ,1ポンドで700杯も飲めます。

紅茶のもう一つの良い点は,どうしてもコーヒーでなければならない人は別にして,ほとんどだれの好みにも合うさまざまな種類やブレンドがあるということです。いろいろな種類の紅茶を試飲してみると,大抵自分の好みに合った種類が分かるものです。

紅茶には,コーヒーの半分かそれを上回る量のカフェインが含まれています。ですから,コーヒーを飲む人が求めている刺激効果を紅茶からもある程度得られます。しかし,ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると,さらに,「紅茶には,カフェインの効き目を遅らせる他の成分が含まれるので,コーヒーの場合より神経系統に与えるショックが少なく,刺激効果が持続」します。また,英国の二人の産業研究家は,紅茶には,「過度の緊張を解きほぐす効果を損なわずに,カフェインの持つ不快な副作用を除去する特性がある」と語っています。

このように,コーヒーの高値に悩まされている人にも,他に選択の道がないわけではありません。多くの人にとって,このコーヒー危機は,もしそれがなかったなら現在自分が好んで飲んでいるもの以外に試してみようとしなかったに違いない新しい味を楽しむ機会を与えてくれました。

[7ページの囲み記事]

今朝,あなたはコーヒーを“味わい”ましたか

正確に言うと味わってはいないのです。「人間の感覚」と題する本はこう告げています。「味覚は……肉や果物,バターやコーヒーの風味をそっくりとらえることはない。ほとんど他のすべての食物についても言えることであるが,これらの食物を賞味するのは主にきゅう覚に依存している」。そうです,きゅう覚がなければ,食べることにも飲むことにも,あまり楽しみがありません。そして,ただ力と精力を保つために,無理やり食事をしなければならないでしょう。それは,かまどに石炭をくべるように,全く機械的なものとなったに違いありません。人間の体の設計者が,飲食をするという必要な行為を楽しいものにしてくださったことをあなたはうれしく思われませんか。

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