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目ざめよ! 1980
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はり治療とはどんなものかよく分かりました

「はり治療なんて! 裁縫をするときに針で指を突くだけでも痛いのに,だれかにわざわざ針を突き刺してもらうことなんかないわ」。はりをしてもらったら,と勧められたとき,まず私の頭に浮かんだのはこういう考えでした。

しかしはりとはそういうものではないことが分かりました。鍼術は古代中国で始められ,後年日本に紹介された,細い針で体の様々な部位を刺激したり無痛にしたりする東洋医術です。はりの効果は三つあると考えられています。その一つは,手術の際の鎮痛作用です。抜歯,帝王切開術,脳手術などにも鍼術は適用されることがあります。はりの鎮痛作用は,麻酔剤に伴いがちな吐き気とかめまいなどの不快な副作用がないので望ましい方法と考えられているようです。鍼術は,「痛みを麻薬中毒と取り替えることのない針の挿入」と言われてきました。二つめの効果は弛緩で,三つめは機能を調整する効果です。私はあとの二つに特に関心がありました。

鍼術用の針を見た時には驚きました。長さは5センチから7センチくらいまでで様々ですが,どれもみなとても細いものであることがわかり,縫い針のようなものを想像していた私は驚くと同時に安心しました。針の太さはたいてい0.1ミリくらいですが,あるものは0.2ミリかそれ以上あります。こういう細い針を使うことは,日本人が鍼術に採り入れた良い点の一つです。古代においては針は石や金属で作られていました。最近,日本で使われている針はほとんどみな銀かステンレス・スチールです。日本人はまた金属製の鍼管を使います。

施術中のはり師

はり師は私の脈を調べました。診断を下す一つの手掛りになるのです。脈に対する関心は,エネルギー,つまり西洋人が“生命力”と呼ぶものに関する中国人の考えに基づいています。はり師はまた,手で触って筋肉の硬さをみたり,症状を尋ねたり,肌の色や顔の表情を観察しました。そして,何か心配事がありますか,と尋ねました。「実はそうなんです」と,私は答えました。私は私的な事柄ですがある事を心配していました。でも,どうしてそれがわかったのでしょうか。「きょうのあなたの顔は口が笑っているだけで,ほかの部分は笑っていませんからね」とはり師は説明しました。

確かに優れたはり師は,患者の健康に影響する肉体的,精神的要素をつぶさに観察します。これはどの分野の医師にも望ましい特質です。

針の挿入

腹部を調べ,結腸がうっ血していると見た施術者は,長さ2.5センチくらいの針を私のみぞおちより少し下のところに挿入しました。しばらくすると,その部分の神経が,一瞬電撃様のショックを受けたかのように震えはじめた感じを覚えました。少したって腹部を見ると,4本の針が葉のない小さな木のように静かに揺れていました。私のおなかは針山さながらでしたが,チクチクした感じは全くありませんでした。針が挿入されると,おなかのあたりがゴロゴロ鳴りはじめました。

次は足です。施術者は,針を刺す部位によって場所をあちこち移動しては畳の上に正座します。左足の内側の,くるぶしから指を横に3本並べたほどの高さのところに,腸に影響する部位があって,そこにも針が刺されます。その時間はわずか10秒ですが,私の足は数日ぴりぴりしていました。

最初から感心させられたのは,はり師が正しい治療点を探しまわるようなことをしないということでした。どのつぼが内臓のどの部分に影響するかを知っていますし,熟練していて正確です。はり師は解剖学を徹底的に勉強します。ですから人体の諸器官およびその機能に関する知識に精通しており,どの部分の皮膚と筋肉がどの器官とつながっているかを知っています。ご存じのように,はり師は徹底した練習によって鋭くなった触覚を利用します。日本のはり師は普通,自分の体をけいこ台にしてこの技術を習得するのです。

針の刺し方にはいろいろあります。例えば私の腹部の針は一定の深さに挿入され,5分ほどたって抜き取られました。首と肩の場合は,針を刺し,その針を動かしました。針ははり師が左手で持っている鍼管の中に入れられます。鍼管は針よりも少し短く作られています。人指し指で軽くたたいて針が皮膚の中に入って行くと,管は取り除かれます。動きはほとんどわからないほどですが,はり師は左手で針を持ち,右手で針の深さを調節しているのです。その時左手の指は,針を挿入した部位の皮膚の上に置いています。そうすれば,針を刺している筋肉の硬さを感じ取ることができるのです。右手は針が皮膚の下で何にぶつかっているかを感じ取ります。私の場合には二つの影響を感じました。一つは針を刺し込んだときの神経への影響で,もう一つは針が刺されたつぼと関係のある器官または部分への影響でした。

治療が終わってから30分ほど休み,起き上がってみると肩の重みが取り除かれたような感じでいい気分でした。いつもの首のこりもなくなっていました。だれかにしっかりマッサージをしてもらったあとのような感じで,それが二,三日続いたのはうれしいことでした。

ここでお話ししておきたいことは,鍼術の効果はひとりひとりみな違うということです。それに希望通りの成果を得るには,何度か治療を受けなければならないのが普通です。反応の良い人は1度から6度くらいで十分かもしれません。ひどい痛みがある場合は,毎日治療を受けるのがよいでしょう。ニューヨークのマイモニデス医療センターで働いている麻酔専門医が,「同じように扱える患者は二人といない。料理の本を見ながら料理を作るのと同じようなわけにはいかない。施術者は患者の示すいろいろな反応を注意深く観察してそれに対応しなければならない」と述べている通りです。

鍼術とは何か

鍼術は,不思議なまじない,単なる気休め,心理的効果をねらったものなどとして片付けられる傾向がありました。よく考えてみると,無知が疑いを生んだ場合が少なくありません。例えば,ウィリアム・レントゲンがX線を発見したとき,彼はいかさま師と考えられました。

鍼術が迷信でも,全くの心理療法でもないことは,電気の通っている4本の針で家畜に施術する水戸のある獣医の報告からも明らかです。それによると,胃の手術を受けた牛にはり治療を施すと激痛が和らぎ,回復が早くなるということです。また鍼術は新生児にも適用され成功しています。もう一つのおもしろい点は,針を刺すと体のいろいろな器官や機能が反応を示すということが,臨床実験で証明されたことです。例えば日本とヨーロッパでの実験では,はりのある特定のつぼに施術すると,24時間以内に,通常以下になっている赤血球の生産を上昇させ得ることが分かりました。

私が治療を受けたはり師は,はり治療についてこのように説明してくれました。「鍼術はわたしたちが行なう病気の一つの治療法に過ぎません。患者は直接手で触ってもらうのを好みます。残念ながら西洋医術はこれに欠ける場合があります。鍼術によってわたしたちは痛みを和らげ,不健康な状態を矯正できます。つまり,病気の人がまずまずの健康を回復するように助けるのです」。

はい,はり治療とはどんなものかよく分かりました。―寄稿

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