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目ざめよ! 1993
目93 3/22 16–19ページ

ただで手に入るアフリカのおもちゃ

シエラレオネの「目ざめよ!」通信員

色あせたカーキ色の半ズボンをはいただけの小さな男の子が,おもちゃのトラック ― イワシの入っていたさびた空き缶 ― を引っ張りながら歩き回っています。満載している積み荷は小石です。

通りを少し上ると,はだしの少年たちがサッカーで遊んでいます。しかし,サッカーボールはきつく縛ってボールにしたぼろ切れで,ゴールポストは石です。

向かいには,3歳の女の子が人形を抱いてかわいがっています。人形は茶色の木切れに,赤の柔らかい布を巻いたものです。

アフリカの国々では,こうした光景をよく見かけます。しかし,工業国にお住まいの読者にとっては妙に思えるかもしれません。多分,皆さんも(広告産業が仕向けてきたとおりに)おもちゃはお金を出して買うものだと考えておられることでしょう。ところが,工場で玩具の生産が始まるずっと以前から,子供は自分でおもちゃを作ってきました。そして,自作のおもちゃという伝統は,アフリカでしっかりと残っています。

男の子のおもちゃ

昔から乗り物は男の子の興味をとらえてきました。ギリシャやローマの男の子は,荷車の模型で遊びました。それで,輸送機械が今も少年たちの興味をとらえ,創作意欲をかきたてるのは驚くに当たりません。

エイブラハムというガーナの児童は,ココヤシの枝を柄の長い刃物で切り落とします。枝を何本か使って小型トラックを作るのです。タイヤは捨ててあるプラスチックを丸く切って作ります。

レソトのチェパという少年は,ビールの缶と針金でランドローバーをこしらえます。缶を切り裂いて平らにし,適当な大きさに切ってから,針金で作った骨組みに合わせて曲げると車体が出来上がります。ビールの缶の残材は,車の車輪になります。

ですから,アフリカの男の子は缶,木切れ,厚紙,針金,竹などを使って飛行機,バス,自転車,トラック,トラクター,乗用車,カヌーなどを組み立てます。それに,どのおもちゃも世界に一つしかありません。

針金細工の車を作る

おそらく創意工夫が一番生かされるのは,針金細工の車を作るときでしょう。これは廃材の針金や空き缶を加工して作る車です。

それでも,針金細工の車を作るには,まず材料を調達しなければなりません。例えば,タンバは朝早く材料を探しに出かけます。近所の人から古いハンガーをもらいました。これはシャーシと車体の骨組みにぴったりです。ごみの山からは電線を見つけました。8㌢ほどの缶詰めのふたは車輪になります。そして,タンバは帰る途中に断わって,壊れた垣根から長さ1.2㍍ほどの太い針金を取ってゆきます。

これで設計を始めることができます。カードにおおまかな設計図を描くと,実際に組み立てる準備が完了します。タンバはお父さんのペンチを使って,設計どおりにハンガーを切ったり,曲げたり,つないだりしてゆきます。骨組みが完成すると,アクセルと,缶のふたでできたタイヤを取り付けます。次いでドア,フロア,シート,窓枠,グリル,バンパー,ライトなどの細部を仕上げます。もちろんタンバの車には,ミラーの小さなかけらや,フロアの敷物などの付属品も付きます。あめの透明の包みは,窓“ガラス”になります。

ようやくステアリングシャフトの取り付けです。シャフトは屋根を貫通して車の後方に伸び,腰の高さまで届きます。タンバはこの先端をハンドルの形にし,車を押して“運転”できるようにするのです。製作にかかった時間はどれくらいでしょうか。二日間です。けれども,やっと一番楽しみにしていた運転ができるのです。タンバはハンドルに手をかけて車を押し,障害物を巧みにかわしながら進ませます。夜も運転できるよう,バッテリー電源のヘッドライト,つまり懐中電灯を取り付ける男の子もいます。

アフリカの人形

人形は,「人類最古の玩具」と言われています。しかし,アフリカの人形は,市販されているいろいろな品とは全然違います。a 例えば,バナナの人形を想像してください。西アフリカの女の子ならよく知っています。バナナに目や口や鼻を描くと,人形に合った服を着せます。お母さんのように,人形をおんぶする子供たちもいます。

同じように,南アフリカの少女たちもトウモロコシの穂で“赤ちゃん”を作る方法を知っています。手や足として木切れを付けます。布切れは洋服になります。それに,穂先から出ている毛は髪として編むのに打って付けです。

シエラレオネのシンシアという少女は,別の種類の人形を作るため,仕立て屋を1軒ずつ回って不要になった布切れを集めます。縫いぐるみの人形を作るつもりです。お母さんから,はさみ,針,糸を借りて布地を切って,人形の形に縫い合わせます。切れ端は中に詰めたり,顔に縫い付けて目や鼻や口などにしたりします。

時代の変化

しかし近年,アフリカにはメーカー製のおもちゃが手ごろな価格で極東から大量に流れ込んできています。例えば,西アフリカではプラスチック製の人形をわずか40㌣(約50円)で買うことができます。この人形は長持ちし,本物の赤ちゃんにもっと似ているため,多くの場合トウモロコシの穂や縫いぐるみの人形よりも女の子に人気があります。

サフィーという十代の少女は,シエラレオネのにぎやかな首都フリータウンの通りに面した露店で縫いぐるみの人形を売っています。価格は手ごろで,2㌦50㌣(約310円)です。だれが買っていきますか。サフィーは,「ほとんどは縫いぐるみの人形をすぐに欲しがるアメリカやヨーロッパからの観光客です。アフリカの子供はプラスチック製の赤ちゃんのほうが好きです」と認めています。

ところで,男の子も市販されているおもちゃのほうが本当に好きですか。13歳のレイモンドは丸1週間かけて手の込んだ針金細工のトラックを完成させたばかりです。「だれかに,メーカー製のおもちゃのトラックを君のトラックと取り替えようと言われたらそうする?」と尋ねてみると,すぐに「そうするに決まってるよ。本物にもっとよく似ているもん」という返事が返ってきました。

確かに,工場で生産されたおもちゃの車が増えている中で,手作りの車の人気は廃れつつあります。パトリシア・デービソンは,「アフリカ芸術」誌の中で次のように述べました。「このようなおもちゃを作ってきた地域に共通の社会経済的な貧しさが土壌となって,この種の創作意欲がかきたてられたようである。また逆に,物が増えればこの意欲もそがれるかもしれない」。

こうしてメーカー製のおもちゃが入ってきて,アフリカの手作りのおもちゃはなくなってしまうのでしょうか。それは時間がたってみないと分かりません。興味深いことに,手作りのおもちゃという伝統を残すため,おもちゃ作りのコンテストを後援している団体がアフリカ各地で活動しています。それに加えて,このような工芸品を展示している博物館もあります。それでも,どちらを選ぶかと聞かれたなら,子供たちは本物そっくりということで十中八九,工場で作られたおもちゃのほうを選びます。

これはある意味で残念なことでしょう。それというのも,市販のおもちゃとは異なり,手作りのおもちゃは創作意欲,独創力,創意,芸術性,想像力をかきたてるからです。おもちゃ作りは楽しく,達成感を与えます。それに,これより安いおもちゃはまず見つかりません。

[脚注]

a アフリカの木製の彫像は,過去においては宗教や心霊術と結びついていることが少なくなく,アフリカの子供たちがそれを玩具にすることはめったにありません。さらに,フリータウンのシエラレオネ博物館のH・U・コール館長は,「目ざめよ!」誌に対して,欧米の影響のため彫像が装飾品になっている例が増えていると述べました。

[19ページの拡大文]

工場で玩具の生産が始まるずっと以前から,子供は自分でおもちゃを作ってきた

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