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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 2010
塔10 3/1 16–17ページ

寄せられた手紙 ― パプアニューギニアから

雲の中のサンゴ礁

パプアニューギニアの町ラエの朝です。まだ5時ですが,すでにかなり蒸し蒸ししています。今日は火曜日で,妻とわたしは,モロベ州ローリンソン山のレンバティにいるエホバの証人たちを訪問する準備をしています。

そこへ行くには,4人乗りの単発機を使います。30分しかかかりません。いつものようにパイロットの隣に座り,エンジンが轟く中,ヘッドホンとマイクで会話をします。パイロットは目の前のパネルにある計器類を指さして機能について説明しながら,一言,『わたしに何かあったら操縦するのはあなたですよ』とジョークを言いました。それを聞いてすぐに,ここパプアニューギニアでやはり旅行する奉仕をしていたエホバの証人のことを思い出しました。その人の乗った飛行機のパイロットが,飛行中に意識を失ったのです。飛行機はしばらくの間,自動操縦で旋回しましたが,パイロットが意識を取り戻したため,無事に着陸できました。幸いにも今回の飛行は順調で,そういうことはありませんでした。

山脈に沿って飛んでいた飛行機は雲の切れ目で急旋回し,山頂すれすれ,わずか100㍍上を通過します。すると,レンバティの村が見えてきます。木で作った,草ぶき屋根の家々が集まっています。パイロットは上空から滑走路をチェックします。村の子どもたちがサッカーをしていないかどうか,また,前回ここに来た後,豚が穴を掘っていないかどうかを調べるのです。それから谷に戻り,「問題はなさそうです。着陸しましょう」と言います。飛行機は旋回し,滑走路に向けて高度を下げてゆきます。その短い滑走路は村の人たちが山の斜面を切り崩して作ったもので,近くの山から切り出したサンゴ石灰岩の砕石で先ごろ再舗装されました。

前回の訪問の際にその砕石を見た時,この山脈はどれほど昔にできたのだろう,と考えました。長さ数百キロに及ぶサンゴ礁が海中から約4,000㍍も持ち上げられるには,相当の力が必要だったはずです。ですから,わたしたちが降り立った場所は,言ってみれば雲の中のサンゴ礁なのです。

村の人たちは,着陸する飛行機の音を聞きつけて,いつもどおりあちこちから走り寄ってきました。パイロットがエンジンを止めると,集まった人々の中から一人の男性がこちらに向かって歩いて来ました。ズンという人です。世界中でエホバの証人が行なっている週ごとの教育プログラムのため,ここで奉仕している人たちの一人です。今この辺りで,品行方正な,正直で信頼できる人として知られています。聖書の原則を当てはめてそうした生き方を学んだのです。わたしたちは挨拶し,握手をしてから,ズンや仲間の証人たちと一緒に山を少し下りてゆきます。後ろから子どもたちが付いてきて,わたしたちの荷物をだれが運ぶのか,盛んに言い合っています。

やがて,木で作った小さな家に着きました。ほぼ半年に一度やって来る旅行する奉仕者のために,この辺りの証人が建てたものです。パプアニューギニアは熱帯にありますが,ここは高地なので,かなり冷え込みます。日が落ちてランプに火を灯すと,家に入り込んだ雲に気づくことがよくあります。日中に谷間から山肌をゆっくり上ってきて,床板の隙き間から忍び込んでくるのです。わずか半日前には沿岸部の蒸し暑さに汗だくだったのに,今はスキーウエアとジーンズで暖かくしているというのは,何とも不思議です。

1980年代の中ごろ,この村に住んでいたある男性が,ラエでエホバの証人と聖書の研究を始めました。村に戻ってから数人の仲間と一緒に小さな集会所を作り,皆でそれを誇りにしていましたが,村のルター派の牧師と信者たちが放火したため,集会所は全焼しました。火を付けた者たちは,この地域は我々ルター派のものだ,と言い放ちました。その後,証人たちは反対が続く中で,別の集会所を作りました。証人の数は少しずつ増え,今では50人ほどが良いたよりを活発に伝道しています。以前は反対していたものの,今は熱心に証人たちの活動に参加している人たちもいます。

近年,村の人たちは,聖書を教えるエホバの証人の訪問を歓迎するようになりました。読み書きのできる人は多くありませんが,この村の証人のほとんどは,聖書の音信を伝えるために,読み書きを学んできました。王国会館で毎週行なわれる集会には,200人もの人がやって来ます。

ここに電気は来ていません。夜になると炊事小屋で火を囲み,皆で食べながら談笑します。柔らかな炎に照らし出される友たちの笑顔を見ていると,エホバに仕える喜びがひしひしと伝わってきます。そのうちに一人また一人と,火の中からボンボン ― 火の付いたやしの葉 ― を取り出してゆきます。それを明かりとして,火が消えないうちに,森の中の道を帰るのです。

家に帰る道すがら,気づきました。辺りは静けさに包まれています。聞こえてくるのは,大自然の音だけです。床に就く前に,晴れた夜空をもう一度眺め,ここから見える星の多さに圧倒されました。

1週間はあっという間でした。明日は飛行機で帰ります。レンバティの雲の中でもう一晩涼しい夜を過ごし,蒸し暑い沿岸部に戻るのです。

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