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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 2012
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神に近づく

神はご自分に仕える人すべてに報いてくださる

「ありがとう」。だれしも,何かを立派に果たした時や心をこめて贈り物をした時に感謝されると,うれしいものです。払った努力が他の人 ― 特に,愛する人たち ― に喜ばれているという実感を持ちたい,と思うものです。もちろん,わたしたちが最も愛しているのは神エホバです。そのエホバは,わたしたちがエホバに仕えるために払う努力を喜んでくださるでしょうか。その点に関して,神の預言者を救うために命を懸けたエベド・メレクを神がどう扱われたか,調べてみましょう。―エレミヤ 38:7-13; 39:16-18を読んでください。

エベド・メレクは,ユダのゼデキヤ王の宮廷で仕える役人だったようです。a 不忠実なユダに,やがて臨む滅びについて警告するために神から遣わされたエレミヤと同じ時代の人です。不信仰な君たちに囲まれていましたが,神を恐れる人で,エレミヤに深い敬意を抱いていました。邪な君たちが偽ってエレミヤを扇動罪で告発し,泥深い水溜めに投げ込んで死ぬに任せようとした時に,エベド・メレクの敬虔さが試されることになりました。(エレミヤ 38:4-6)エベド・メレクはどうしたでしょうか。

エベド・メレクは,君たちからの仕返しを恐れることなく果敢に行動しました。公の場でゼデキヤに近づき,エレミヤに対する不当な処置に抗議します。加害者たちを指さしたのでしょう,王に,「この人たちは預言者エレミヤに……悪を行ないました」と告げています。(エレミヤ 38:9)そうして説得に成功し,ゼデキヤの指示で部下30人を連れてエレミヤを助けに行きました。

そしてさらに,もう一つの望ましい特質を示しました。その特質とは,親切です。エベド・メレクは「使い古しのぼろと使い古しの布」を取り,「縄を使ってそれらを……エレミヤのところに降ろし」ました。ぼろと布を持って行ったのは,エレミヤが泥の深みから引っ張り上げられる時に縄で擦りむくことがないよう,脇の下に当てさせるためでした。―エレミヤ 38:11-13。

エホバ神はエベド・メレクの行なった事柄を見ておられました。では,それを喜ばれたでしょうか。神はエレミヤを通してエベド・メレクに,ユダの滅びが差し迫っていることを告げ,その時に,ある学者の言う「救いに関する五重の保証」をお与えになりました。『わたしはあなたを救い出す。あなたが人々の手に渡されることはない。わたしは必ずあなたを逃れさせる。あなたが剣によって倒れることはない。あなたは自分の魂を必ず分捕り物として持つことになる』と言われたのです。エホバは,エベド・メレクを保護すると約束した理由を,「あなたがわたしに依り頼んだからである」と述べておられます。(エレミヤ 39:16-18)エホバは,エベド・メレクのその行動がエレミヤに対する気遣いだけでなく,神への信頼と信仰にも基づいていたことをご存じでした。

教訓は明らかです。エホバはわたしたちが神に仕えて行なう事柄を喜んでくださいます。心にあふれる信仰から出た崇拝の行為であれば,どんな小さなことでも覚えていてくださる,と聖書は保証しています。(マルコ 12:41-44)あなたも,感謝の念の厚いこの神に近づこうと思うのではありませんか。そうするなら,必ず神は,聖書の言葉どおり,「ご自分を切に求める者に報いてくださる」ことでしょう。―ヘブライ 11:6。

5月の聖書通読の範囲:

■ エレミヤ 32章-50章

[脚注]

a エベド・メレクは「宦官」と呼ばれています。(エレミヤ 38:7)この語は字義どおりには,去勢された男子を指しますが,より広い意味では,王宮での務めを割り当てられた役人に対しても用いられました。

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