霊の思いを築く人々
1 エホバの民の会衆と交わっているそれぞれの人の霊的な成長を着実に図る,おもな役割を演じているのは,会衆の書籍研究のしもべです。書籍研究のしもべがこうした特権に目ざめている時,会衆の霊的および数字の上の成長にすぐれた貢献をします。
2 兄弟たちを建て起こすために,書籍研究のしもべが行なえる事柄は数多くあります。たとえば,関心をいだく人との家庭聖書研究を司会する際,今の時代の緊急性を強調することが重要であるのと同様,会衆の書籍研究で,その同じ点を兄弟たちに絶えず思い起こさせるのはやはり有益であることを,書籍研究のしもべは知っています。(ペテロ後 1:12; 3:1,14)そして,今の事物の体制はわたしたちの時間と精力を奪おうとして,いよいよ圧力を加えていることも知っています。それゆえ,自分の群れの各人が霊的なものを追い求めるに際して平衡の取れた見方を維持できるよう援助することに関心をいだいています。こうして,群れの各人は,エホバへの愛と,エホバの霊的な備えに対する認識において,引き続いて成長するよう援助されるのです。書籍研究のしもべは,群れと交わっている伝道者各人と関心をいだく人々に深い関心を払います。書籍研究を司会するとき,単に資料の一定量を進むことだけでなく,各人が研究から霊的な益を受けて,エホバに対する認識の度合を深め,エホバにより親しく近づけるように助けることを目ざすべきです。書籍研究のしもべは,毎週なんらかの仕方で,出席者全員が書籍研究から益を受けることを願っています。その責任が軽いと言えますか。決して軽いものではありません。
3 しかしなすべきことはまだあります。しかも,そのしもべは,喜んでできる限り行ないます。研究の資料を理解できない人がいるなら,その理由を確かめて,解決策を講じるのはしもべの責任です。おそらく,その人は,研究の仕方について知らないだけかもしれません。そのような場合,しもべはその人や家族を個人的に尋ねて,次の書籍研究で学ぶ資料の2,3節をいっしょに考慮するかもしれません。そして,研究中に注解できるよう,ある節の答えを用意する仕方を教えることでしょう。こうして,群れの人々が『自分たちの希望を公に言い表わす』のを助けるしもべは,群れにとってなんという祝福となるのでしょう。また,それは注解する人だけでなく,出席者全員の徳を大いに高めるものと言えるでしょう。(ヘブル 10:23-25,新)実際のところ,書籍研究のしもべはエホバからゆだねられた人々をやさしく世話します。それゆえに群れの人々は,しもべを愛すのです。パウロがピリピ書 2章29節で述べた,『かくのごとき人を尊びなさい』という助言に従うのは,なんと容易でしょう。
4 書籍研究のしもべは,「人は心臓で信仰を働かせて義とされ,口で公に言い表わして救われる」ということを知っています。(ロマ 10:10,新)群れのたいていの人は,心臓からの正しい認識をいだいているに違いありませんが,中には,家から家への宣教で用いる聖書の話を準備するのに援助の必要な人もいるでしょう。しもべがそれぞれの人に個人的な注意を払うことができない場合でも,群れの伝道者で,喜んで援助の手を差し伸べられる信頼できる兄弟や姉妹たちがいることを知っていますから,その助力を求めるでしょう。こうして群れ全体が助け合って働くため,すべての人がエホバに効果的に仕え,喜びをまし加え,多くの祝福を受けるようになります。また,しもべは,野外活動に参加するのに励ましを必要としている人とともに働く取り決めを愛をもって作ります。そのような取り決めは,書籍研究の前後か,週中の他の集会の時に個人的に話し合って設けられます。
5 書籍研究のしもべは,なんとすぐれた特権にあずかれるのでしょう。兄弟たちや関心のある他の人々を建て起こす,なんとよい機会があるではありませんか。多くの責任があるのは事実ですが,その責任を忠実に果たして,群れの人々の着実な霊的成長を見守りつつ味わえる喜びと満足は,ほんとうに価値のあるものです。わたしたちすべては,これら従属の羊飼いたちとその勤勉な働きにどれほど感謝できることでしょう。