キリストの死に対して正しい認識を示す
1 『人の子は,仕えてもらうためではなく,むしろ仕え,自分の魂を,多くの人と引き換える贖いとして与えるために』来られました。(マタイ 20:28)かつて地上に生存した人の中に,イエス・キリストが人類のためにしてくださったことを行なえた人は一人もいませんでした。わたしたちはイエスの生涯および終局としての苦しみの杭の上での死によって,だれもがあずかることのできる永遠の命という最高の賜物を得る道に導かれました。しかし,大抵の人々はキリストが行なってくださったことに対してほとんど認識を示していません。
2 イエスが10人のらい病人に出会った時のことを考えてみましょう。彼らはイエスを見かけると,「イエスよ,先生,わたしたちに憐れみをおかけください!」と叫びました。(ルカ 17:13)イエスは彼らに憐れみを感じ,律法にしたがって,祭司たちのところへ報告しに行くようにとの指示をお与えになりました。出かけて行く途中,10人のらい病人全員がいやされました。
3 ところが,感謝を表わすためにイエスのところに戻って来たのは一人だけでした。ほかの9人はどうしたのでしょうか。自分たちが受けた恩恵に対して感謝することなど考えもせずにそのまま出かけて行ったのです。(ルカ 17:15-17)わたしたちは戻って来た人のようでありたいものです。彼は真の認識を持っていました。わたしたちはキリストの死についてそのように感じていますか。
4 わたしたちの正しい認識を示す: 毎年協会は,記念式の日に先立つ週の間に朗読する聖句を提案しています。提案されている聖書朗読は,「1992 エホバの証人のカレンダー」の4月12日から17日までの部分に記されています。イエスの生涯のうちでも,死の直前に起きたこれらの出来事について読んで黙想することにより,わたしたちは正しい認識を示すことができます。
5 わたしたちの野外奉仕活動は,記念式に対する正しい認識と関連があります。奉仕者たちが4月中野外での活動を増し加える計画を立てられるよう,長老たちはよく組織された取り決めを設けたいと思うことでしょう。
6 例年4月は,幾万もの人々が補助開拓奉仕を行なう月となっています。昨年の4月,日本では3万8,612人が補助開拓奉仕に携わりました。今年の4月には,あなたもそうすることができますか。もし補助開拓奉仕を行なえないなら,事情の許す範囲で宣べ伝える活動に一層多く参加するよう計画してください。
7 他の人々のうちに正しい認識を築きなさい: 毎年記念式の祝いの際,大勢の関心ある人々がわたしたちと共に集まります。例えば,昨年の3月に世界中で記念式に出席した1,065万158人のうち,637万人以上は関心ある人々でした。これは組織の拡大する見込みが非常に大きいことを示しています。
8 わたしたちは協会によって印刷された招待状を用いるとともに,必要なら聖書研究生や関心ある人々のために交通手段を備える取り決めを設けることができます。温かくしかも熱心に,それらの人々を招待してください。
9 記念式が制定された理由や,だれが表象物にあずかるか,また表象物は何を表わしているかについて知るようそれらの人々を助けてください。(コリント第一 11:23-26)加えて,表象物にあずかる人々,また表象物にあずからずそれを見守る人々の抱く希望について説明することができます。(ヨハネ 10:16。啓示 14:3,4)これは,すべての人が「信仰を働かせる」必要があり,年に一度キリストの死の記念式に出席するだけでは十分とは言えないことを,関心ある人々が理解するのに助けとなるでしょう。―ヨハネ 3:16。
10 キリストの死の記念式は極めて大切な行事です。そのために徹底的な準備をすることにより,エホバとキリストがわたしたちのために行なってくださったすべての事柄に対して,本当に感謝していることを示せるのです。聖書研究生や他の関心ある人々のうちにこの式典に対する正しい認識を高めるなら,イエス・キリストを通して設けられたエホバの贖いの備えに対する信仰を働かせるよう,そうした人々を助けることもできるでしょう。