再訪問を効果的なものとしなさい
1 再訪問を行なうことは,「神と共に働く者」としてのわたしたちの奉仕において肝要な部分をなしています。(コリント第一 3:6-9)真理に既に関心を示した人を訪問しているのですから,家の人の反応を懸念する必要はありません。良い準備は,興味をそそる聖書の論題について話し合うために訪問するその相手に対して,わたしたちが誠実で個人的な関心を抱いていることを表わすものです。
2 家の人を優しく気遣う質問をしてください。例えば最初の訪問で,子供に真の価値基準を何歳ごろから教えたら良いだろうかという疑問を投げかけて別れた家の人の場合を考えてみましょう。再訪問の際,家の人を当惑させるような質問をする代わりに,「近所のお母さま方の中には,子供のうちは自由にのびのびとさせて,何でも自分で物事を判断できるような子供に育てたいという方もおられれば,幼児教育に熱心な親御さんもおいでですね。奥さんはどちらですか」と家の人が幾つかの見解を選択できるように尋ねるなら,家の人をいらだたせたり,気まずい思いをさせたりしないですみます。「人にはそれぞれ意見がありますが,先日お見せした本にはとても参考になる見方が記されています」と述べ,「家族生活」の本の129,130ページの31,32,35節を家の人と読み合います。31節の「人の人格の大部分は就学前に確立される」の部分や,32節の「子供は七歳までは順応性がある。しかし,親の指導が遅れるなら……」の部分などを効果的に用いるのは良いことです。繰り返し再訪問するための土台を据えるべく,「真の価値基準を最もよく教えているものは一体何でしょうか」と質問を投げかけ,次回の訪問に対する家の人の期待を高めます。
3 急がずに,家の人の語ることに耳を傾けてください。わたしたちが家の人の語ることに耳を傾け,返答する前に真剣に考えるようにするなら,その人個人に対する純粋な関心を抱いていることが明白になります。相手が語る事柄を土台にして,前回の訪問と関連のある霊的な考えを提供することができます。訪問のたびに家の人に何かを教えることができるように準備してください。
4 前述の主婦をさらに訪問する場合には,130ページ34節を用いることができます。節の内容と詩編 119編105節を用いて,真の価値基準を最もよく教えているのは聖書であることを論理的に説明します。その後,「しかし,聖書を書いたのは人間なのに,聖書のことをどうして神の言葉と言うのか不思議に思われませんか」と尋ね,家の人の意見に耳を傾けます。その際,家の人がこれまで聖書を読んだことも聖書に接したこともないということが分かった場合でも,決して家の人に恥ずかしい思いをさせないよう配慮します。「実際,聖書は今から幾千年も前に40人ほどの人によって書き上げられたことをわたしは初めてこの冊子によって知るようになりました。この冊子は,聖書がどんな本なのかを簡潔にまとめていますので,ご一緒に読んでみませんか」と述べ,「見よ!」のブロシュアーの8節と9節を読んで討議します。
5 このように,再訪問の際に家の人の興味を引く話題をあらかじめ準備し,家の人の述べる事柄に関心を払い,たとえ短くても真に有意義な話し合いを行なうようにするなら,やがて新しい研究を取り決めることができるに違いありません。そのためにも,「王国宣教」に連載された「新しい家庭聖書研究を取り決める」のシリーズ,(4),(6),(7)などを積極的に活用できるでしょう。