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神の目的とエホバの証者(その32)ものみの塔 1962 | 2月15日
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世界的な攻撃は始まる
さて証者たちは難事に直面しました。特に欧州の証者たちは難しい状態にいました。アメリカ合衆国内でファシストのデモが生じてすぐ後に,国際的な性格を帯びる出来事が海外で発展していました。1939年9月1日,ドイツの軍隊はポーランドに侵入しました。これをきっかけに第二次世界大戦は始まりました。ポーランドはあっという間に征服され,9月3日に英国とフランスはドイツに宣戦を布告しました。数カ月間,軍事活動は中止したので,この戦争は「いかさま」戦争だと言う人が大ぜいいました。しかし,そのような希望は木っぱみじんにくだかれました。というのは1940年4月,ヒトラーはデンマーク,ノルウェー,オランダ,ベルギーそしてルクセンブルクを占領するための猛攻撃を始めました。電撃的速度でフランスに攻め入り,1940年6月22日にはフランスは已むなく平和条約をヒトラーとむすびました。欧州大陸にいた英国の軍隊は,大陸に駐在することができなくなり,1940年6月4日,ダンケルクから英国海峡を渡って退却しました。イタリアとドイツに対抗して戦っている国は英国だけで,欧州中の他の国はみな全体主義的な勢力下にはいってしまいました。太平洋の彼方にあったアメリカ合衆国は,まだ戦争に参加しませんでした。f
ナチ-ファシスト-カトリックの軍隊が欧州を席巻したとき,エホバの証者のわざは禁ぜられ,証者は投獄されました。ものみの塔協会の支部事務所はかたはしから閉鎖されてしまい,ブルックリン本部との連絡は切られました。ドイツでの型にならない,ナチの占領軍は,オーストリアやチェコスロバキアでしたように各国のエホバの証者のわざを禁じました。エホバの証者を根絶しようとするこのカトリック行動は強烈なものとなり,もうすこしでエホバの証者はすっかり巻きこまれそうになりました。欧州のスウェーデンとスイスだけが中立を保ったので,適当な本部がその両国に設置され,そこからエホバの証者の地下運動の指示が出されました。フランス,スペイン,ポーランド,ベルギー,ギリシャ,ブルガリア,ハンガリー,イタリア,オランダ,ルーマニア,ユーゴスラビア,エストニア,フィンランド,デンマーク,そしてノルウェーはみな独裁者の支配を受けるようになりました。戦争の影響はアフリカにも及び,北ローデシア,南ローデシア,ナイジェリア,およびゴールド・コーストにいるエホバの証者のわざは禁ぜられました。
遠いアジアや太平洋の各地にいたエホバの証者は,日本の軍隊が1941年に行動を開始したときに反対を受けました。日本,フィリピン,ビルマ,マラヤ,海峡植民地,オランダ領東インド諸島,フィージー,ニュージーランド,インドおよびセイロン島にいたエホバの証者のわざは禁ぜられ,証者たちはものすごい迫害を受けました。エホバの証者に対する世界的な攻撃が始まり,御国伝道者の世界的な伝道はまったく中絶するように見えました。g
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真理は人を自由にするものみの塔 1962 | 2月15日
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真理は人を自由にする
これはベネズエラのC市での興味ぶかい経験です。「雑誌のわざをしていたある朝,若い開拓者の姉妹と私はいっしょにアパートの最後の家に行きました。私が証言の提供を終えると,その家の女の人は雑誌を読みたいと言いました。しかし,重要な質問があるから中にはいってもらいたいと私たちにたのみました。彼女の話によると,彼女は死人と通信する特別な力を持っているから,家族の者や友だちの生活中に生ずる多くのことを預言できるし,また死んだ親類の声は彼女を通して実際に出てくると言いました。しかし,その声については,彼女は疑問に思っていました。なぜなら,時々二つか三つの声が同時に語ろうとしたり,また矛盾し合うように見えたからです。時にはその声はシガレットとかラム酒を出せと命じて,その通りに出すと品物はいつでもなくなりました。彼女の夫と子供はたいへん気味悪がって,幸福な結婚生活などはありませでした。彼女の夫はこの霊との交わりを嫌っていて,実際,彼がいると,彼女は通信することができませんでした。霊たちはたいへん怒って,彼と離婚せよと彼女に告げました。彼女はどんな力が働きかけているのか知ろうと思っていたところでした。
「私は心の中でエホバの援助と彼の御霊があるようにと祈りつつ,エホバの御言葉の中から,盲目の目が開いて霊媒術についての真理を認めることができるように願い求めました。私たちはおくせずに真理を大担に語り,その力の起源をはっきり話しました。また,聖書の中ではそれが禁ぜられていることも告げました。彼女はひとつひとつの聖句にびっくりしました。再訪問のとき「死後の生存について聖書は何と言うか」(英文)という冊子が配布され,3度目の訪問のときには,彼女は学んだことを大いによろこび,研究が取りきめられました。数週間後には,彼女はすっかり変わってしまい,悪鬼たちとの交渉をすこしも持ちませんでした。悪鬼たちは,彼女は『だめになった』と彼女の妹に告げました。彼女が自由を得たので,全家族もだんだん祝福されるようになりました。同じ信仰を持っていた彼女の兄弟は,いまは洗礼をうけています。彼女と彼女の母親も間もない中に洗礼をうけるでしょう。彼女の男の子も,別の同じ年の子供から聖書を教えてもらっています。無邪気にもお父さんはいつ聖書を研究するのとたずねました。おどろいたことに,彼は聖書研究に同意して,いまでは週に2回研究しています。真理はこの家族に幸福と調和をもたらしました」。―1962年のエホバの証者の「年鑑」(英文)より
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