-
そのくずを捨てないでください目ざめよ! 1970 | 11月8日
-
-
は,暖い時ですと,1か月以内にできあがります。寒い時ですと,腐敗の速度が落ちるため,数週間かかることがあります。
別の方法
以上の方法のいずれにも適さないような環境に住んでいる人がいます。そういう人のために,もう一つの方法があります。それは,ぜひ,悪臭・ハエ・ネズミなどの問題が起こらないようにしたいと願っている,都会に住む人にとって最適の方法と言えます。来年,何かを植えようと思っている場所に,台所の残り物をうめるだけでよいのです。その際,あまりたくさんうめることは好ましくなく,残り物の上に,20センチほどの高さに土を盛ります。そこに何かを植えるには,うめたものが完全に腐敗したことを確かめるため,丸1年待たねばなりません。
立ち木や,ライラックのようなかん木の回りの深い根本の土の地力を回復させたい時にも,同じ方法を用いることができます。その場合,深い穴を一つ堀り,その中にくずを投げ入れればよいのです。穴の大きさや深さについては,ご自分で適当に判断してください。ある庭師は,長さ約1メートル・幅約60センチ・深さ約1.5メートルの穴を堀り,冬じゅう,野菜のくず・むいた皮・卵のから・食べ残りなど,台所から出たくずをその穴の中にほうり込みました。
そのような穴をおおうふたを作って,地面にかぶせることができます。時々,農業用の石灰や粉末になったかこう岩を穴にいれてやると,中のものはより完全に発酵します。悪臭が立ちはじめたら,穴を堀り出した土を,ごみの各層の上10センチぐらいの深さにかけてやります。そうすると,においを消すことができます。穴がほとんどいっぱいになったら,ふたを取って,地面の高さにまで土をうめます。近くのかん木や立ち木が見違えるほど元気になったのに気づくのは,そう先のことではないはずです。
ある庭師は,このように穴を堀ってごみを入れる方法のもたらした成果に関して,次のように述べました。「かこう岩や石灰とともに,穴に捨てたものの持つ養分が,周囲の地中にしみ出て,フランスのあの特別なライラックの根毛と直根とに,養分を保給した。その葉は濃い緑色を帯びて,よく茂り,つぼみが出はじめた時には,木全体がつぼみにおおわれ,開花期には,芳香ただよう,薄紫の小山の観を呈した」。
良い有機質肥料を造り出す方法がたくさんあるのは,以上のことから明らかではありませんか。都会に住んでいようが,農場に住んでいようが,植物栽培の専門家であろうが,しろうとであろうが,作物や草花が健全な産出力を維持するために必要な養分を,まちがいなく与える方法は,いくらでもあります。
くだものや野菜を非常に安く入手し,しかも余分に食卓に出せたらよいのに,とは思いませんか。なんのふぜいもない庭を,周囲に美しいかん木や色とりどりの草花,ここかしこには陰を作る,みごとに茂った木立ちのある,芝ふの敷きつめられた庭にしてみたいとは思われませんか。それでは,たい肥の合成を考えてはいかがですか。くずものを全部捨ててしまわないで,地力を増進させるために使ってください。
-
-
「彼らは平和を好む人々である」目ざめよ! 1970 | 11月8日
-
-
「彼らは平和を好む人々である」
◆ スワジランドでのこと,エホバの証人のある全時間奉仕者は,その地方の一長官から,地方政治集会に出席するよう求められましたが,そのことばに応ぜず,神への奉仕に忙しく携わりました。翌日,彼は長官に呼び出され,集会に出席しなかった理由を問われました。奉仕者が自分の中立の立場をていねいに説明すると,長官は彼を国外に追放すると言っておどし,スワジランドの国王に会って戻ってくるまで待つようにと告げました。長官がこの事件を国王に知らせたところ,エホバの証人をよく知っている国王は,証人たちをそっとしておくようにと述べ,「これらの人々はいかなる政党にも属さず,中立の立場を取っているから,彼らを苦しめる理由は何もない。彼らは平和を好む人々である」と語りました。やがて戻ってきた長官は,待っていた奉仕者に向かって,国王は上きげんであらせられたので,おまえを許されたと告げました。その奉仕者は伝道の仕事を今も楽しく続けています。
― エホバの証人の1970年度年鑑より
-