新しい家庭聖書研究を取り決める
この折り込みには,「神はわたしたちに何を求めていますか」のブロシュアーと「幸せな家庭を築く秘訣」の本を用いる証言例が載せられています。この折り込みを常に携帯し,家から家の奉仕や電話証言,また街路伝道や再訪問活動で積極的に活用してください。この資料にある証言例を参考にして,自分が用いたいと思う他の話題を幾つでも準備できます。「求め」のブロシュアーは年若い奉仕者にとっても非常に使いやすいので,自分が活用できそうな証言例をよく準備し,自分の言葉で話すように努力しましょう。
どうすれば心に訴える話題を提供できますか。観察力を働かせるようにしてください。その人の年齢,立場,態度,語る言葉はもちろん,家や玄関の近くにあるものにも注意を払うなら,その人にとって真にふさわしい話題が何かを識別できます。若い人に証言する場合には,できるだけその若者がふだん考えたり,行なったりしていることを知るように努め,その点に話題を合わせるように心がけてください。
どのような話題を選ぶにせよ,相手の人と友好的な関係を保つように努力しましょう。個人的な関心を惜しみなく示し,相手を褒めたりねぎらったりする点で機敏でありたいものです。質問して意見や気持ちを述べてもらい,理解ある受け答えをするように努めてください。そうするなら,王国の音信を人々の心に鳴り響かせることができるに違いありません。
その1 ― 真の幸福を見いだす
(「求め」第1課)
「求め」のブロシュアーの表紙の絵を用い,次のように会話を始めることができます。
「[ブロシュアーの表紙を見せながら] だれでも幸福な人生を送ることを願っています。この表紙の3人はとても幸せそうな顔をしていますが,__さんは,幸福のための最大の秘訣は何だと思われますか。[金銭,健康,友人,教育,仕事,家族,愛情などをあげ,相手の人に選んでもらうこともできる。家の人の意見に対して十分に耳を傾ける。] この冊子の3ページ1節には真の幸福を見いだす方法について次のように説明されています。[第1課の1節を読む。] ここに書かれているとおり,聖書には現代の色々な問題に対処する方法や真の幸福を見いだす方法が説明されています。__さんは,これまで聖書をお読みになる機会がありましたか」と尋ねてください。
読んだことのある人なら,聖書に対してどんな見方を持っているかを知るよう努め,読んだことのない人なら,1節に書かれている手紙の例えを分かりやすく説明します。可能なら,イザヤ 48章17,18節を読んでください。時間があれば,2ページにある「この冊子の用い方」の部分を簡単に説明し,次回の訪問で続きの2,3節から話し合うことを約束します。
その2 ― まことの神とはだれですか
(「求め」第2課)
「求め」のブロシュアーの第2課を用い,次のように話し合うことができます。
「[ニュースで話題になっている悲しい出来事に簡単に触れて] あのようなことがあると,『神も仏もない』とおっしゃる方がいますね。__さんはどう思われますか。[耳を傾けた後で] 皆が考えているような神がいるかどうかは別として,天から人間のことを良いことも悪いことも見ていてくださるような方だったら,いてほしいと思われませんか」と尋ね,「求め」,第2課1,2節を読みます。まことの神とは,天と地の創造者のことだと説明し,啓示 4章11節を読みます。その後,その神にはどんな名前があると説明されているか尋ね,話し合いの基礎を据えます。「天地を造られた方なら,多分,宇宙などよりももっと大きいでしょうから,そういう神のことをどうしたら知ることができるのでしょうか」と述べ,次回は6節を話し合うので目を通しておくように励まします。
「求め」のブロシュアーの第2課の5ページにある写真と6節を会話の糸口にしたいと思うなら,次のように話すこともできます。
「__さんのお庭にはとてもきれいな花が咲いていますね。ふと,あんなに小さな種からどうしてこんなに見事な花が咲くんだろうと不思議に思うことがありませんか。[星空や小鳥など,家の人になじみのある,ほかの創造物を取り上げてもよい。] わたしたちは大抵,こうしたものは“自然に”あると思っていますが,わたしは,聖書に『すべてのものを造られたのは神です』と書かれているのを読んで考えさせられました。でも,神は目に見えない方ですが,どうすればそのような神がいるということが分かるのだろうと疑問に思われませんか。ここには,神を知るための二つの方法が書かれています」。6節を読み,創造物を観察してよく考えることと聖書を学ぶことによって神について知ることができることを指摘します。その後,5ページの写真の花やチョウを家と比較し,創造者の存在を認めるのが道理にかなっていることについて話し合います。「では,聖書は神についてどんなことを教えているでしょうか」と尋ね,次回は4節の部分を話し合いたいので読んでおいてほしいと述べます。
その3 ― イエス・キリストの手本から学ぶ
(「求め」第3課)
第3課を用い,イエス・キリストの手本に注意を向けたいと思うなら,次のように言えます。
「わたしたちは他の人から親切を示してもらうとうれしいものですが,最近は病人や老人などいわゆる弱い人に対する思いやりが欠けてきていることを心配する人が少なくありません。[一,二の具体例を述べてもよい。] __さんは,愛と思いやりの精神を育むのに何が助けになると思われますか」。相手の意見に耳を傾け,優れた模範から学ぶのは一つの良い方法であると述べながら,7ページの上にある挿絵を見せます。5節の本文を読んでから,イエスは苦しんでいる人々に哀れみを感じ,思いやりを示す点で立派な手本を残されたことを簡潔に説明します。身近に接する人に対してどのように思いやりを示せるかを話し合い,次の訪問を約束します。
その4 ― 地球に対する神の目的
(「求め」第5課)
多くの人は,地球上から悪が取り除かれ,全地が楽園に変えられるという見込みに魅力を感じます。それで「求め」のブロシュアーの第5課を用いて次のように言えるかもしれません。
「[11ページの下の挿絵を見せながら] この絵にあるような所で,愛する家族や親しい友人と一緒に住むことができるとしたら,本当にすばらしいと思われませんか。でも現実の世界を見る時,とてもそんなことはあり得ないと考える人は少なくありません。__さんはどう思われますか。[家の人の意見に耳を傾けた後,10ページ4節を読む。] ハルマゲドンという言葉をこれまで耳にされたことがあるかもしれませんが,実はこの二つの絵が示すとおり,それは悪を終わらせ,地球全体を楽園に変えるための神の戦いなのです。[11ページの二つの絵を示しながら,簡単に説明してもよい。] 次にお会いする時には,悪いことを行なう人がいなくなった後,実際にどんなことが待ち受けているのかについて手短にご説明したいと思います」と述べてください。
2回目の訪問: 10,11ページ5,6節を用いて次のように言えるでしょう。
「この間は,この地球を楽園に変えるために神が悪いことを行なう人を取り除かれることについてお話ししましたね。今日は,その後に何が待ち受けているかについて,この5節と6節に書かれていることをお伝えしたいと思います。[5節および6節の4行目までを読み,家の人がその中の特にどれを期待するかを尋ねてもよい。] ところで,ここに書かれていることがみんな現実のものとなったら,本当にすばらしいと思われませんか。[家の人の反応を見てから] この絵に示されているようなすばらしい見込みを自分のものにするには,神がわたしたちに求めている事柄を行なう必要があります。それでこの冊子は[表題に言及しながら] その大切な点について分かりやすくまとめていますので,順を追って調べてみることをお勧めします」。このように述べて,次回に第1課から始められるかもしれません。
その5 ― 神の王国の支配
(「求め」第6課)
争いや憎しみで分裂した現在の世界を嘆いている人には,神の王国が成し遂げることを強調して,次のように言えるでしょう。
13ページの挿絵を見せながら,「ちょっとこの絵をご覧ください。__さんはここはどこの国だと思われますか。[家の人の意見を聞く。] それにしてもこれは少しおもしろい絵ですね。いろんな国籍の人がみんな自由に意志を通わせていて,実になごやかです。ずいぶん近くに動物がいますが,女性も子供たちもそれがライオンであることを一向に気にしていないようですね。これは現在のどこかの場所を描いたものではなく,神の約束が実現するとどうなるかを絵にしたものです」。6節を読み,ミカ 4章3,4節を読むか,簡単に説明することができます。その後,第1課から順を追ってこの冊子を学ぶ価値を示し,次回につなぐことができるかもしれません。
その6 ― 幸福な家族生活
(「求め」第8課)
「求め」の第8課には,幸福な家族生活を築くための聖書の原則が分かりやすく説明されています。例えば,妻の立場にある人に対しては次のように話せます。
「主婦は毎日しなければならないことが多いので,一日があっという間に過ぎてしまいますね。ご主人のために色々してあげたいと思ってもなかなか時間がないとおっしゃる方もいますが,__さんは何か心がけておられることがありますか。[考えを述べてもらい,相手の努力を高く評価する。] 賢い妻に期待されているのは何かについて,このように説明されていますがどう思われますか」と述べ,第8課の4節を読みます。妻が夫の良い助け手になることや夫に深い敬意を示すことについて聖句を読んで話し合います。次回の訪問を約束し,他の原則について同じ方法で討議できます。
その7 ― 生活の質の向上
(「求め」第10課)
社会環境や生活の質の向上などについて話し合う時は次のように言えるかもしれません。
「わたしたちのほとんどはストレスの多い毎日を過ごしていますから,上手に気分転換を図ることは大切ですね。最近流行している賭け事やゲームなどは気晴らしにちょうどよいという人もいますが,__さんはどう思われますか。[意見を聞く。] こうしたことを含め身近な所で一般に行なわれている事柄についてこのように書かれています。[3節を読む。] いかがでしょうか,もしみんながここに書いているような規準に合わせた生活を送るなら,わたしたちの地域社会は今よりももっと健全で良いものになると思われませんか。[意見を聞く。] 実際神が憎んでおられる習わしを注意深く避けることにより,生活の質がさらに向上したという人は大勢います」。その後,神が求めておられる事柄を当てはめるなら,現在の生活においても多くの益が得られることをこの課の他の部分から示し,学ぶことの価値を強調することができるでしょう。
その8 ― 結婚生活を長続きさせるかぎ
幸せな家庭を築く上で不可欠な要素である愛と敬意について,「幸せな家庭」の本の3章から話し合うことができるでしょう。
「幸福に暮らしているご夫婦も少なくありませんが,日本を含め,ほとんどの国で離婚が増えていることは否定できない現実ですね。そのため,結婚した二人が一緒にいつまでも幸福に暮らしてゆくことは果たして可能なのだろうかと疑問に思う人も少なくないようです。__さんはどう思われますか。[家の人の意見を聞いた後,3章の主題を見せながら] __さんはこの二つのかぎとは何だと思われますか。[もし家の人が人生経験の豊かな人なら,『この二つのかぎとして若い人にどんな点を教えてあげたいと思いますか』などと尋ねるほうがよいかもしれない。][3節の1行目を示しながら]『第一のかぎは愛です』と記されていますね。多くの方はこれに同意されるようです。ところでその愛がどのように働くかについてここにこのような説明があります。[5節の7行目から読む。] 人の間違いを許したり,覆ったりするのは愛の働きの大切な面であることが分かります。夫婦が互いにこの種の愛を培うなら,その二人の結婚生活は確かに長続きすると言えるのではないでしょうか」。このように述べて家の人の反応を確かめた後,もう一つのかぎについて話し合いたいと述べ,次回の訪問を約束することができます。
2回目の訪問: 「先日は結婚生活を長続きさせるための二つのかぎの一つ ― 愛 ― について有意義な話し合いができてうれしく思っています。今日取り上げたかったのはもう一つのかぎについてですが,この本ではそれが何だと述べられていたかお気づきになりましたか。[家の人の答えを確認した後,その副見出しのふさわしいと思える部分を簡単に話し合う。それからこのように続けられるかもしれない。] __さんとこうして二つのかぎを確認することができましたが,かぎの上手な使い方もこの続きには出てくるんです」と述べ,35ページの「滑らかなコミュニケーション」の副見出しの中から用いやすい所を話し合うか,読むことを勧めてみます。
3章を用いる別の方法として,第一のかぎと第二のかぎを1回で扱い,2回目の訪問でそれらを実生活でどのように生かせるかを3章の後半の部分を用いて討議することもできるでしょう。
その9 ― 幼い時から子供をしつける
幼い子供のしつけや教育に関心を持つ若い親たちに,「幸せな家庭」の本の5章を用いて証言することができます。次のように言えるかもしれません。
「子供は必ずしも親の思うとおりに育つわけではありませんが,__さんはお子さんがどのような若者に成長してほしいと思われますか。[家の人の見解に十分耳を傾ける。] 親が子供の良い特質を伸ばして上手に教えるにはどうしたらよいかを説明しているこの本の57ページをご覧ください」。57ページにある写真を見せながら,“模範”,“友”,“話し相手”,“教え手”の四つの要素に注目させ,その中の一つだけを話し合います。例えば,親の模範について扱う場合,「子供が善きにつけ悪しきにつけ,無意識のうちに親の言動をそっくりまねているのを知ってびっくりすることがありますね」と述べ,本文の12節を読みます。親として子供にりっぱな手本を見せることの大切さを話し合います。他の三つの要素についても同じような方法で扱えるでしょう。
「幸せな家庭」の本の5章は,懲らしめの必要性についても論じています。効果的な懲らしめについての話題も幼い子供を持つ親の関心を高めるのに役立ちます。次のように話せるかもしれません。
「子供をのびのびと育てようとするのは良いことだと思いますが,以前に比べると適度なしつけや懲らしめを与える親は少なくなっているかもしれません。ところで__さんのご両親は良い意味で厳しい方でしたか,それとも子供を自由に育てる方でしたか。[良い聞き手になり,評価できる点があれば心から褒める。] 親は,つい大きな声を出して子供を叱ってしまうことがありますが,この本の60ページ21節には次のように説明されています」。21節を読んだ後で,子供の気持ちを理解し,感情的にならずに穏やかに教え諭すことの価値を話し合います。引用されている聖句に注目させ,時間があれば22節の要点についても話し合います。この種の話題を取り上げる場合には,自分の経験を話したり,相手が払っている努力を褒めたりするようにしてください。
その10 ― 子供たちを伸び伸びと育てる
十代の子供を持つ親,またこれから十代になろうとしている子供を持つ親と話す際,次の幾つかの証言例は参考になるかもしれません。
「子供には伸び伸びと育ってほしいと思っても,今はなかなか難しい時代ですね。ある調査によると,小・中学生の3分の1以上は『生まれてこなければよかった』と考えているそうです。今は子供さえ大きなストレスを感じているようですが,__さんはこうした世の中で子供たちが伸び伸び育つよう助けるために何が役立つと思われますか」。家の人の意見に耳を傾け,同意できる点には同意した上で,「幸せな家庭」,66ページ6節の最後の4行を読み,家の人の感想を尋ねます。その後,67ページの挿絵と6,7節のふさわしい部分を結びつけながら,親子の対話の必要性について話し合います。それからこう言えるかもしれません。「でも,子供と何を話したらよいか分からないという人もいますし,話はできても肝心なことはなかなか話せないという人々も多いかもしれません。続く部分には,たとえば子供とこのようなことを話し合えると書かれています」と述べ,時間が許せば8節を読んで討議できます。または,その部分を次回話し合うよう約束することもできます。
その11 ― 十代の反抗は防げますか
子供の反抗期についての話題を取り上げる場合には,このように言えます。
「『子供は十代になれば反抗期に入るんだから,親や先生に反抗するのがあたりまえ』と言われる方が多いですが,__さんはどう思われますか」と尋ね,家の人の意見に耳を傾けた後,「幸せな家庭」の78ページ6節を読みます。「この本には,親が厳しすぎたり,逆に自由放任だったりすると子供は反抗するようになりやすいと説明しています。でも,親にとってその平衡を保つのは難しいですね。この部分にはとても参考になることが書かれています」と述べ,84ページ16-18節を用い,反抗を未然に防ぐために行なえる一,二の要素を討議します。その際,82ページの副見出しや83ページの写真も活用できるでしょう。
その12 ― 子供を悪影響から守る
多くの親たちは中・高校生を取り巻く環境が急速に悪くなっていることを心配しています。そのような家の人とは「幸せな家庭」の本の8章を用いて話し合うことができるかもしれません。
「世間では__[若者の間に流行している服装,シンナー,麻薬など,家の人が関心を示しそうな話題に言及する] についてよく話題になりますが,友だちから大きな影響を受けて,いろいろ悪いことを覚えて来る若者が多くなっているようですね。そういうことに限らず,自分の子供とは思えないようなことを言ったりするので,わたしもびっくりすることがあるんですが,__さんはいかがですか」。家の人の意見に耳を傾け,「幸せな家庭」,95,96ページ15,16節からふさわしい部分を読み,親として子供の友達の選択をどのように見守ることができるかについて家の人と話し合います。
その13 ― 老齢の親を敬う
区域によっては年配の方によくお会いするかもしれません。このように言えるでしょう。
「__さん,きょうはお元気ですか。昔と違って最近は元気なうちは若い人たちと別々に生活する方が多くなりましたね。[同居しているかどうか尋ねることもできる。] 皆さんにお聞きしますと,『物やお金よりも,若い人から親切にしてもらったり優しい言葉をかけてもらったりするほうがもっとうれしい』という方によくお会いします。__さんはどう思われますか。[耳を傾けた後で] わたしは,ここを読んでとても考えさせられました」と述べ,「幸せな家庭」の176,177ページ9,10節を,節ごとに読んで感想を尋ねる形で話し合います。
老人介護の問題にはますます多くの人が関心を向けるようになっています。そのような問題に関心を持つ世代の人にお会いするなら,同じ章の9,10節,あるいは15-17節を用いて話し合うことができるでしょう。