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目ざめよ! 1971
目71 2/8 12–14ページ

海底の世界の魅力

リーワード諸島の「目ざめよ!」通信員

今日ではスキュバ(自給気潜水器)を着用したり,単にマスクとフリッパーだけをつけたりして,海底の驚異を探る人々がいる。月旅行や,それに続く宇宙探索計画をよそに,海底に魅せられた人々は,地球でほとんど知られていない,その世界を調べることを楽しんでいる。海底に住む生物とその生態には独得の魅力があり,地上の騒音きわまりない生活とは対照的に,静寂な海底の世界は安らぎを与えてくれる。

海底探検をしても,海の生物をむやみに殺す必要はない。有意義で実際的な目的をもって,海底探検を行なうこともできる。海洋学者たちは,海底農業の大きな可能性に注目して,それが世界の食料問題を幾分でも緩和する解決策になるのではないかと提案している。植物・生物学の研究者たちは,海の動植物に深い関心を示している。また,多くの人は海の世界の豊かな美しさや色彩,そこに見られる,美的なさまざまのみごとな形態をしたものに魅せられる。

そうした海底探検に適しているのは,熱帯地方の海である。そこでは水温が低すぎないので,長いあいだ潜水できる。サンゴの成育する海の水は透き通るように美しいので,探検家たちを招く最適の場所となる。

サンゴ礁

サンゴの育つ海が特に探検家を引きつけるのはなぜか。なぜなら,サンゴは,海水が十分に流動し,そのため,微細なプランクトンが絶えず供給される場所に繁殖し,同時に,サンゴの成育するところにはきまって,最も多種類の海中生物がせい息しているからである。小動物はサンゴ礁にある無数のあなや裂け目を隠れ家とし,大きな動物は,不注意にも遠くに迷い出すぎた小動物をつかまえようと,常時その近辺を泳ぎまわっている。

サンゴ礁とは何か。一見したところ,あなのあいた岩のように思えるかもしれないが,その組成は岩石とは全然異なっている。実を言うと,だれでも知っているクラゲやイソギンチャクと同科の小さい海生動物が,何代にもわたって営々と築き上げたものなのである。その海生動物はポリプと命ばれ,クラゲのように柔軟で,からだは円筒状をしている。その一端は,サンゴ群体,つまり前代のサンゴの住みかに固定されており,他端は口で,夜になると開く。口の周囲には小さな触手があり,ポリプはその触手を使って,海面に浮上しようとするプランクトンをつかまえて食べる。各のポリプはその周囲に保護となるおおいを設ける。それは個人用アパートとでもいったもので,外皮から分泌される炭酸カルシウムでできている。日中,ポリプは自分の隠れ家で休む。

そうした無数の小さな建築家が,太陽の方向に向かって何年も,何世紀もかかって,いわば軒並みに作業を続けた結果が,現状のような礁となったのである。海洋植物が根を降ろす。海草が宿る。それに,海綿・藻類などがすべて,骨組を築くのに多少の貢献をした。その結果が,しばしば,「海底アパート」と呼ばれるサンゴ礁なのである。

一般にサンゴ礁は,太陽の光と暖かさがかなり深くまで達しうる,沿岸の浅い海に発達する。その一つの理由と考えられているのは,冬のポリプのからだに宿る微生植物で,それは消化過程に欠かせない役割を果たしており,他のたいていの植物と同様,光合成に依存している。日光がないと,この植物は死んでしまうし,そうすれば,ポリプ自体死ぬというわけである。

サンゴ礁の造りは強固で長持ちするとはいえ,種々の力が働いて,砕かれる場合がある。中でも代表的なのは強烈な暴風で,数トンもするサンゴの岩塊をもぎ取り,まるでマッチの棒か何かのように,サンゴ礁の上に打ち上げることも珍しくない。

サンゴの種類

群居はしても,正式な意味での造礁をしないサンゴもある。スタッグホーン・サンゴは,巨大な木の枝のように繁茂し,長さは4~6メートル,根元の太さは60センチにもなる。脳サンゴは,いろいろな大きさの丸石の形をしており,脳の回転部に非常によく似た模様がある。これらのサンゴは礁湖に育つ。

ダイバーにとっての災いとなる,刺しサンゴもいる。このサンゴに近づこうものなら,傷を負わされて,ひどく痛む。また,形がレタスにたいへんよく似たサンゴもある。造礁サンゴと区別される装飾用サンゴには,色あざやかなスターサンゴのほかに,柔らかい海線状の指を枝のように張り出したものを,単に寄せ集めたにすぎないようなサンゴ,さらに,ポリプが同心円状に並んだ,直径が2メートル前後もある大皿の形をしたサンゴもある。

サンゴ礁のあるじたち

サンゴ・ポリプが傑出した建築家とはいえ,サンゴ礁の真のあるじはなんといっても魚である。魚はこの場所でえさを食べ,遊泳し,海の大略奪者からの避難所を求める。サンゴ礁に住む生物の形・大きさ・色・奇妙な模様は,驚くほど変化に富んでいる。色とりどりのサンゴを背景に行きかうそれらの海生生物は,花園を飛びかう,熱帯の色美しい小鳥やチョウを思い起こさせる。赤・緑・黄・青のほかに,ありとあらゆる中間色があやなされる。ぎざぎざのあるそうしたサンゴの間を,魚たちは急に泳ぎ出したり,思いがけなく静止したりしながら,活発な動きを繰り広げる。機敏さと速い動作がものをいう。サンゴ礁に住む生物が小じんまりしているのはそのためである。

サンゴ礁の近くの砂床では,頭の黄色い小さなジョーフィッシュが,あごを使って隠れ家を掘っているのがよく見られる。身の危険を感ずるやいなや,10センチ前後の深さしかないその穴に尾から先にもぐり込む。そうした隠れ家のある所には,注意深く選ばれた小石がたいてい並べてある。エンゼルフィッシュやメガネモンガラなどの魚の群れが泳ぎ過ぎる。中には美しい模様を付けたものもいる。サンゴ礁の表面では,鳥のくちばしに似た口を持つ,青いパロットフィッシュが,サンゴのかたまりをもぎ取っては,その中のポリプをおいしそうに食べている。

サンゴ礁のすみや割れ目の奥深くに,あるいは,古代の難破船からこぼれたバラスト石が集積された所に身を隠しているのが,サンゴ礁に住む生物の中で最も強力ともいえる,緑色をしたウツボウナギと,その親威にあたる斑点模様のウツボである。前者は体長2メートル近くもあり,後者は1メートルほどの体長を持つ。両方とも鋭い歯を備えており,人間が手や足の置き場に注意しないと,指をちぎり取るほどの力を持っている。サンゴ礁のかなたの深海には,さらに大きい略奪者が潜んでおり,良い食事にありつく機会をねらいながら,絶えず目を光らせている。シュモクザメ,端の白いサメ,からだの黄色いサメ,さらに,体長が2メートルもある巨大なカマスなどがそれである。

そうした巨大なカマスは泳ぎが速く,ものすごい力を発揮する。それら略奪者は,ごく限られたものしか食べず,まれに人間を襲うのは,何かのまちがいでそうするのだろうと考えられている。食べようとしているものしか殺さないのが普通で,無意味な,あるいは,わざと残酷な殺し方をするとは考えられない。

海底の世界を訪れる人間にとって,サンゴ礁の比較的近くに住む,そうした大形の魚が多少問題になる場合がままあるが,もっとも身近なもので警戒を要する生物がいる。たとえば,一般にどこにもいるウニがそうである。折れやすいが鋭いとげを持った,アザミのような形をした生物で,あなを掘って身を隠す。からだのどこかがウニにぶつかると,そのとげが折れたまま皮膚にささり,取り出すのが非常にむずかしいばかりか,すぐに周囲を化のうさせてしまう場合がある。

別の危険な生物は,刺しクラゲである。近づく人を安心させるかのように,紺・茶・黄色などの模様をつけている。しかし,その多くは毒を持っており,刺されると非常に痛い。中でも最も危険な種類の一つに,カツオノエボシがある。長い繊維状の有毒刺胞をぶらつかせながら,海面に浮かんでいる。それに触れて,刺されようものなら,激しい痛みに襲われ,場合によっては,人命にかかわることにもなりかねないのである。

この辺で,サンゴ礁の小さな建築家であるポリプの外敵について説明するのが順序であろう。全身にとげのあるヒトデは普通,ポリプを捜し出して,片っぱしから食べる。ところが,太平洋ではヒトデが爆発的な勢いでふえているらしく,サンゴ礁のポリプが根こそぎにされ,サンゴ礁は海草の茂る墓場,あるいは,入居者のいないアパートの廃虚と化してしまっているほどである。

海底の世界は陸上の世界と同様,確かに変化に富み,危険も伴うが,また,独特の魅力を備えている。サンゴ礁を訪れ,静寂な世界の限りない驚異に接する人は,そうしたおびただしい創造物を前にして,畏怖の念に打たれずにはおれない。それらを造られたかたは,はじめにこう言われたのである。『水には生物饒に生ずべし』― 創世 1:20。

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