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目ざめよ! 1975
目75 1/22 20–22ページ

野生動物の冬の過ごし方

冬は,北方の寒い土地に住む多くの野生動物にとって一つの問題となります。しかし,それぞれの動物は自分なりの方法でこの問題を解決しています。例えば,多くの野生動物にとって,雪は敵であるよりむしろ友となっているようです。それは優れたしゃへい物となるからです。『雪よ来い』というのが彼らの歌声です。

例えば,激しい吹雪が吹きつけてくると,北極ギツネは雪の吹きだまりに深い穴を掘ります。その中に入って丸くなり,毛のふさふさした尾で鼻を包んで,吹雪が去るまでゆっくり眠るのです。綿尾ウサギは,激しい風雪に遭うと,雪の中に壁がん状の横穴を掘り,吹き寄せられた雪が自然にまわりにたまるようにします。穴の中はウサギの体温で暖められ,風は雪が防いでくれます。

たくさんの小さなげっ歯動物は,雪の下に非常に住みごこちの良い住まいを見いだしています。外気の温度が摂氏零下45度にまで下がるアラスカやシベリアでも,地表面の温度が零下6度に下がることはめったにありません。雪によって,冷たい外気からだけでなく,いつものどう猛な敵の多くからも守られているのであり,これらの動物たちは,雪の下に巣や通り道を作って,楽しげにその営みを続けます。

鳥の中にも雪を利用するものがいます。北極に住む雷鳥は,しばしば雪の吹きだまりにもぐり込んで一夜を明かします。

冬眠

多くの動物は,冬じゅう,もしくは冬の大半を眠って過ごすのが最善であると見ています。例えば,冬になって大ぜいの人が池の上でスケートをしていても,カエルの姿は見えません。それは,カエルが,他の多くの冷血動物と同じように冬眠しているからです。カエルは,思い思いの池を選び,池底の凍っていない泥の中で快適な眠りを楽しみます。しかし,眠ってから食べ物のことで心配しないでもよいように,眠る前に十分に食物を取っておきます。

北の寒い地方では,冬が来るとヘビも冬眠のための自分の場所を見つけます。うつろになっている丸木や,切り株の下のくぼみなどを捜すのです。ほら穴や岩の穴もヘビにとっては格好の寝床です。ヘビの世界のホテルのようなほら穴もあります。アメリカ,ペンシルバニア州のある山の中では,200匹近いガラガラヘビやアメリカマムシが一つの岩穴の中で眠っているのが発見されました。

ヘビは,冬が訪れる前に十分に食べ,冬眠中はためた脂肪で生き続けます。当然のことながら,ヘビは冬の間に自分の脂肪を使い尽くします。例えば,ある冬も終わりに近づいたころ,動物学者は,木こりが,太い丸太の下で冬眠していた大きなガラガラヘビを起こすのを見ました。このヘビは眠っていた間に脂肪分の大半を消耗していました。その動物学者によると,そのヘビの皮は「まるで象の腹のようにだらりと下がって」いました。

定温動物でも冬眠するものがかなりいます。一例として,ウッドチャックという名のマーモットを取り上げましょう。ウッドチャック氏は,自分のために穴を掘り,穴の奥から取った泥で自分の寝室の入り口をふさぎ,だれからも見えないようにします。そののち彼はまりのように丸くなり,時には六か月余りも眠りこけるのです。動物学者が,眠り込んでいるウッドチャックを掘り起こしたところ,冬眠中のウッドチャックは一時間に12回ほどしか呼吸していませんでした。心臓の鼓動も,正常時の毎分80ないし90回から,5回もしくはそれ以下になっています。そして体温も,4.5度ほどに下がっています。一度眠り込んでしまうと,ウッドチャック氏は,回りで物音がしようと,体に触れられようと,何も感じません。床の上を転がしても,ウッドチャックは目を覚ましません。ウッドチャックに不眠症などはありません。

こうした深い眠りは,その動物を,多くの危険に対して免疫にならせるようです。例えば,冬眠中のあるハリネズミは,20回以上も水の中に沈められましたが,おぼれませんでした。また,科学者たちは,眠っているマーモットを,炭酸ガスを満たして密閉したジャーの中に入れたことがありますが,驚いたことに,四時間たっても何の害も受けていませんでした。こうした動物の冬眠は非常に深いため,長時間十分に体が暖められてからでなければ目を覚ましません。おそらく,これまでの冬眠の最長記録は,年間を通じて33週間眠った若い雌のジリスでしょう。わずか19週間動き回っただけで,そのジリスは再び眠り込んでしまいました。

クマの冬眠

ウッドチャックやジリス,ヘビやカエルなどに比べると,たいていのクマの眠りはただまどろむといった程度です。これは,クマの体温が依然高く,呼吸も正常なので,冬の眠りをじゃまされる場合があるためです。その眠りから簡単に覚めるため,クマは純粋の冬眠動物とはみなされていません。冬の間に自然に目を覚まし,数時間もしくは数日間あたりを動き回るものもいます。

もちろん,気持ちよくまどろんでいるクマは,その眠りをだれにもじゃまされたくありません。季節外れのばか陽気でさえ好きではありません。アメリカ,イエローストン国立公園の灰色グマを研究した科学者たちは,眠りをあまり妨げられないような穴や,時には峡谷の岩穴に灰色グマが住んでいるのを発見しました。そして,一時的な暖気によって穴の中が暖められ,目を覚まさせられることがないように,それらの穴はすべて北に面した斜面にありました。また,穴の中には,気持ちよく寝られるように,すぐれた断熱効果のあるマツやモミの枝が敷いてありました。ところで,灰色グマはいつ穴に入って冬眠を始めるのでしょうか。

幾年かの観察の結果,科学者たちは,穴に入ったクマの足跡がすぐに消えてしまうような本格的な吹雪の降り始めるまでは,たとえ用意が整っていても,灰色グマが穴に入って冬眠を始めないことを知りました。クマの足跡は,吹き寄せる雪に埋もれて数時間のうちに消えてしまいます。そうなると,そこでクマが寝ていることなどだれにわかるでしょうか。

南に向かって旅をする

冬が近づくと,人間の中にも南の暖かい土地に出かけて行く人がいるのと同じように,野生動物,特に鳥の仲間の中には,南に向かうものが少なくありません。事実,アメリカ北部諸州とカナダに生息する鳥類の約三分の二(約120億羽から150億羽)は,冬になると,アメリカの南部やメキシコ,または中南米に向けて飛んで行きます。もちろん,鳥が南に向けて旅をするのは,単に寒さを避けるためだけではありません。ある程度の生活をしてゆくために,暖かい土地に移ることが必要なのです。夏の間は,北の土地で種子や果実,虫などを食べていますが,冬になると,そうしたごちそうが少なくなるだけでなく,日照時間も短くなって食物を十分に捜すことができなくなります。

多くの鳥は,長い距離を飛んで南へ旅をします。例えば,冬が近づくと,コウノトリはヨーロッパ大陸を飛び立って南アフリカにまで行きます。そして,不思議なことに,それまで巣を離れたことのない若いコウノトリが,経験を積んだ鳥の導きなしに先に飛んで行きます。コウノトリの夫婦とその家族が一年間に旅する距離は,なんと2万2,000㌔以上にもなるのです。聖書は,神から付与されたコウノトリの本能について,「空のコウノトリは移り住む時を知る」と述べていますが,確かにそのとおりです。(エレミヤ 8:7,新英語聖書)野生動物のこうしたすばらしい冬の過ごし方は,これらの生物すべてを創造されたかたの誉れとなります。

次の事も考えてください。つまり,南へ向かうこれら翼を持つ旅行者の多くは,ほとんど水ばかりの所を,休むことなく長い間飛ぶのです。太平洋産のあるムナグロチドリは,夏の間はアラスカのツンドラ地方に住んでいますが,秋になると,太平洋を5,000㌔近くも越えてハワイにまで飛びます。それでもまだ十分でないのか,この鳥はさらに南へ4,000㌔ほど飛んでマルケサス諸島にまで行きます。さらに800㌔ほど離れた,南太平洋の小さな群島,ツアモツ諸島にまで飛ぶことも珍しくありません。

冬に対処する他の方法

南へ移動することは,それができる動物にとっては,寒さを逃れる理想的な方法です。しかし,飛べない動物にとってそれはおそらく問題外でしょう。ですから,冬に対処する一般的な対策は,食物を蓄えることです。アカリスはキノコが大好きです。そこで,夏の間に大量のキノコを蓄えます。しかし,ため込んだキノコをまず木の枝のてっぺんで乾かし,そののち,冬の蓄えとして乾燥した場所にためておきます。

寒さをしのぐために多くの動物が用いる別の方法は,冬用の特別のコートを着けることです。そうした動物は,柔らかい良質の毛でできた特別のコートをはだにぴったり着けるのです。

人間は,コートを作るのに空気を含んだ詰め物を用いていますが,人間がそうし始めるよりずっと前から,シカは,熱伝導が非常にゆるやかな停滞空気を利用してきました。つまり,秋が近づくと,シカは,夏用の涼しい毛に代えて,中が空どうになった冬の毛を着けるのです。空気を逃がさないこのコートを着たシカは,非常に天気の悪い日でも,マツやトウヒの林の中に逃げ込むだけで十分です。

しかし,シカが立ち往生してしまうような深い雪の中でも,カンジキウサギは雪の深さを全く気にしません。どうしてですか。冬が近づくと,そのウサギの足に白い柔毛がたくさん生えてくるのです。そして,雪が積もるころまでに,その足は,雪の深いところでも沈み込まずに歩けるような,幅の広いふわふわした柔らかいクッションのようになっています。

ちょうど今,北半球では,無数の動物たちがさまざまな方法で冬の寒さや冷たい風に対処しています。穴ぐらで寝ていたり,雪の下にもぐったり,原野で飛びはねたりしていることでしょう。野生動物の冬の過ごし方には実に驚嘆させられます。

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