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目ざめよ! 1975
目75 12/8 9–12ページ

豊富に存在するエネルギー供給源

エネルギー,それは大いに求められているものです。世界中のすべての生命はそれに依存しています。エネルギーがなければ,食べる食物も,飲む水も,呼吸する空気もなくなってしまいます。

近年になって,人々は,人間が使い得るエネルギー供給源について心配するようになりました。節電,停電,灯油の値上げ,ガソリンスタンド前の長い列などから,“エネルギー危機”という語は家庭でごく普通に聞かれる言葉になりました。その結果,地球のエネルギー資源の量は危険なまでに減少している,と思う人もいるでしょう。しかし,実際にそうなのでしょうか。決してそうではありません。事実,地球には事実上無尽蔵と言えるほど豊富なエネルギー資源があるのです。どうしてそう言えるのでしょうか。

太陽 ― 無限のエネルギー源

地球にとっておもなエネルギー源となっているのは太陽です。この巨大な原子炉は,毎年,250兆トン分の石炭に相当するエネルギーを地球に注いでいます。それだけの石炭を,地球の住民に頭割りすると,一人当り約10万トンにもなります。一日にエリー湖に注ぐ太陽エネルギーだけで,(それを全部利用できるとすれば)アメリカ国民の一年間の全需要を満たすことができます。太陽は,どこからそれだけのエネルギーを得るのでしょうか。科学者ラルフ・E・ラップは次のように説明しています。

「太陽は巨大な核機関である。それは,軽い水素イオン(H1)を融合させて,より重いヘリウム原子(He4)を形成することによって活動している……放出されたエネルギーは熱になる。太陽では,毎分400億㌧もの水素原子の融合が行なわれている」。

太陽が間接的に作り出す,他の形のエネルギーも少なくありません。太陽光線は熱帯の空気を暖めて上昇させるので,そこには極地からの冷たい空気が流れ込んで来ます。こうして風が起こり,それは,帆船を走らせ,風車で穀物をひき,果ては風車発電機によって電力を産み出すことにさえ使われます。石炭は,昔細胞の中に太陽エネルギーを蓄えた植物が化石となったものです。同様に石油の持つ化学エネルギーも,過去に生物の細胞内に貯えられた,太陽の光線および輻射エネルギーです。

現代世界のための太陽エネルギー

太陽エネルギーをさらに利用しようとする現代の努力には興味深いものがあります。米国には,暖房費を節約するために太陽エネルギーを利用している家屋が少なくとも20戸あります。米国ニュージャージー州ニューアークのある実験家屋は,必要な電気,暖房,および空気調節に使うエネルギーの八割を太陽から得ています。米国の太陽エネルギー研究家アイデン・メイネル博士夫妻は,広い地域にわたって太陽光線収集装置を増設することを提案しました。同夫妻は,米国南西部の総面積3万9,000平方㍍におよぶ土地をそのような“太陽農場”に当てれば,百万メガワットaの発電容量を得ることができる,と述べています。それは,現在から西暦2000年までの米国全土の電力需要を満たすに足る量です。

太陽エネルギーを収集する巨大な装置を,地球を周回する軌道に乗せることを提案した人もいます。そのような人工衛星には,太陽光線を直接電力に変える“太陽電池”が内蔵されるでしょう。人工衛星は,その電力を超短波の形で地上の受信用アンテナに向けて送り,その超短波は再び電力に転換されるというのです。なおその人工衛星は悪天候に妨げられることがありません。

神の寛大な贈り物である太陽は,事実上無尽蔵のエネルギー資源を人類に与えるものです。もちろん,今日の膨大なエネルギー需要に答えるため,言わば『太陽にプラグを差し込む』べく考案されたさまざまな方法は,技術上,政治上,また経済上の難問題を幾つも投げかけています。

ところで,今日の膨大なエネルギーの消費は,本当に人間の幸福に役立っていますか。物質面で便利な機械がすぐに入手できても,スモッグに満ちた過密都市に住んでいるほうが,過ぎし日の社会よりも一層幸福感をもたらすでしょうか。

それとは異なった生活様式に従うほうがよいと結論した人もいます。そうした人々は,自家用風車発電機の起こす,無公害エネルギーを喜んで利用しています。過去において,そうしたエネルギー源を用いる農場は少なくありませんでした。そして,最近になって,個々の人々も国の政府も,風車を見直すようになりました。こうした方法で,個々の家族は,少なくとも自分たちのために水を汲み上げ,電灯をつけるに必要な電気を,難なく得ることができます。

流動する水から得られるエネルギー

人間は,幾千年にもわたり,エネルギーの源として流水の力を利用してきました。最初の水力発電所は,1882年,米国ウィスコンシン州アプルトンに造られました。現在水力発電所は,水が流れ落ちる際の力を利用しており,それだけで世界の電力需要の約三分の一がまかなわれています。

地表の面積の七割近くを占める海洋も,エネルギー資源として用いられる大きな可能性を秘めています。潮の満ち干は,毎日,計り知れないほどの量の水を動かします。1961年から1967年にかけて,潮流エネルギーを利用する大規模な水力発電所が北部フランスに建造されました。ダムは両方向に回転するタービンを備えているので,潮がどちらの方向に流れても発電することができます。1969年には,潮の力を利用した発電所がソ連でも完成を見ました。潮流の力を利用して発電を行なえそうな場所は,現在分かっているだけでも世界中に百か所近くあります。

地殻の下に潜むエネルギー源

別の有力なエネルギー源は,地球そのものの内部に潜んでいます。地表から60㌔以内の所に,“マグマ”と呼ばれる溶岩とガスの層があります。この沸騰する物質の塊は,摂氏1,800度にまでなる場合があります。冷え始めたマグマから出るガスは地下水を暖めるので,その結果,間欠泉から熱湯や蒸気が,時には空高く何十㍍も噴き出します。

温水や暖房のためにこうした“地熱”のエネルギー源を,幾十年にもわたって利用してきた家庭や温室もあります。1904年に,イタリアの人々は,イタリアのラルダレロにある天然の噴気孔に発電機を取り付けました。この発電所は,毎年イタリアの鉄道網の大半を運行させるに足るだけの電力を産み出します。地熱エネルギーの可能性を探査する面で多くの功績を残した地質学者ロバート・レックスは,この種のエネルギーに関して大規模な探査をすれば,十億㌔㍗の発電能力を持つものになろうと考えています。それは,現在の米国の発電能力のほぼ三倍に相当します。

しかし,ここでも経済上および政治上の障害が持ち上がります。地熱による蒸気は大抵の発電所で使われる蒸気よりも温度が低く,それほど効率がよくないので,設備投資が高くつきます。“水分の少ない”地下層からエネルギーを引き出すためには,蒸気が吹き上げて来るよう地表から水を送り込んでやるための井戸を,熱い岩石の層まで掘らねばなりません。別の問題は,温泉水や蒸気に含まれる塩類,イオウなどによる汚染です。個人の益よりも隣人愛が優先される事物の体制で,こうした難題が克服されるなら,地殻の下に横たわるこの豊かなエネルギー源は,人類にとって大きな益をもたらすものとなるでしょう。

原子力についてはどうか

原子力エネルギー,つまり原子核の中に閉じ込められたエネルギーは,物質宇宙の中で知られている力の源としては群を抜いています。そのエネルギーを放出させる二つの方法は,“核分裂”および“核融合”と呼ばれています。

核分裂とは,一つの原子核をより軽い二つのものに分裂させることを指します。科学者は,新しくできた二つの原子核の質量を合わせても最初の核の質量にわずかばかり足りないことを知りました。その差がエネルギーに変えられるのです。原子に秘められる力は非常に大きいので,一塊のパンよりも軽く,ゴルフボールよりも小さなウラニウム塊を核分裂させるだけで,1,040㌧分の石炭に匹敵するエネルギーを放出すると言われています。

しかし,エネルギー源としての核分裂には問題がないわけではありません。一つの点として,核分裂の燃料となるウランのうち,核分裂を起こしやすい種類(ウラン235と呼ばれる)のものは0.7%にすぎません。科学者たちは,特別な“増殖炉”を開発することによって,この難題を克服しようとしてきました。それは,核分裂を起こし得る燃料を消費する以上に生産する,つまり増殖する原子炉です。1973年のアメリカナ年報によると,理想的な増殖炉があれば,世界にあるとされるウラニウムの五割から八割までを使えるようになります。それだけのウランを利用できれば,世界の電力需要を「少なくとも数百年間」満たしてゆけます。

原子力発電所から出る放射能の危険,とくに放射性廃棄物に伴う危険は,多くの人の目に前以上に深刻な問題として映っています。放射能を浴びた結果,ガンや白血病になる危険は,十年足らず前に専門家たちが考えていたより20倍も高くなっています。また,原子炉が制御不能になったり,敵国によって破壊されたりしたらどうなりますか。その結果,幾十万人もの人が死ぬ危険があります。b

太陽の内部で生じるような核融合は,二つの原子核が一緒になる時に起こり,その過程でエネルギーを放出します。核融合は,それを起こすに必要なエネルギーの1,750倍の熱エネルギーを放出することができます。そして核融合には,核分裂の場合のような放射能の危険がありません。

核融合を繰り返させる際の難題は,融合可能な原子核の“プラズマ”を,狭い場所に,十分高い温度(摂氏約一億度)で保って,核融合が生じるような装置を作ることです。この工程が完成した場合,エネルギーを生産する可能性はどんなものですか。1972年のサイエンス・イヤーは次のように述べています。

「核融合発電所は,リチウムおよび二つの形態の水素,つまり重水素と三重水素を燃料として使うことになるであろう。海水は,30億年分の需要を満たすだけの重水素を擁しており,地殻の上層部数㌔には,1,500万年分のリチウムがある」。

それほど豊富なエネルギー資源が地球にあるのに,資源不足がこれほど叫ばれているのはなぜですか。それはおもに,化石燃料(石炭,石油,および天燃ガス)が入手困難になっているからです。

化石燃料に伴う問題 ― なぜか

化石燃料が不足するようになった原因は何ですか。

ジョン・ノーブル・ウイルフォードは,1973年4月22日付のニューヨーク・タイムズ紙の中で,今日のエネルギー不足の根本的な原因を指摘し,次のように述べています。

「エネルギー危機は予知し得るものであり,回避しうるものであったかもしれないが,実際にはそうならなかった。アメリカ人は,高エネルギー技術社会を選んだ。そして,より多くのまたより大型の自動車を乗り回し,それを動かすための燃料を得ようとして,沖合にまで進出し石油を掘った。アメリカ人は,洗たく機や冷暖房装置およびあらゆる種類の便利な機械を備え付け,それらを動かす電気を発電するために石炭を掘って,山腹を削り取ってしまった……

「速い自動車,ジェット機,冷暖房装置などによる便利な生活をあきらめたいと思う人はいない……経済成長が鈍化することを真剣に望んでいる人はほとんどいない。そうなると,現段階において,失業問題,購買力,そして政治力などに考えられないほどの影響を及ぼすからである」。

ゆえに,化石燃料に伴う今日のエネルギー危機を招来したのは,人をとりこにする政治および経済体制,人間の貪欲さと見通しの悪さなどです。そうしたものが,他のエネルギー資源の開発を妨げてきた場合も少なくありません。創造者としては人間に豊富なエネルギー資源を与えてくださったのです。

[脚注]

a 1メガワットは百万㍗,つまり1,000㌔㍗に相当します。

b 1972年12月22日号の「目ざめよ!」誌の「原子力は問題の答えとなるか」と題する記事をご覧ください。

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