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  • 目ざめよ! 1973
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目ざめよ! 1973
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太陽は人間の必要とする動力を供給できますか

自動車,空気調節装置,電気レンジなどの現代の便利な装置を動かすには,膨大な量の動力が必要です。しかし,その動力を生み出すために使用される石炭や石油および天然ガスは欠乏し始めています。それに代わるものとして核エネルギーが期待されていますが,多くの人びとはそれが公衆の健康と安全にとってあまりにも危険であると考えています。a では,ほかに動力源が何かあるでしょうか。

幸いなことに,それがあるのです。「アメリカ全体で1年間に必要とする動力を十分まかなうに足りるほどの太陽エネルギーが,20分ごとにアメリカに降り注いでいる」のです。(ワールドブック百科事典,1970年版)別の概算によると,太陽は,「地球の石炭,石油,天然ガス,およびウランの全資源に秘められているエネルギーにほぼ匹敵する量」のエネルギーを毎日地球に供給しています。―サンエンス・ダイジェスト誌,1965年6月号。

確かに,太陽から得られるエネルギーの量には想像を絶するものがあります。それに,考えてみてください。太陽はそうしたエネルギーを日ごとに新たに供給しているのです。しかも,それは汚染をいっさいもたらしません! 人間の必要とするエネルギーすべてを太陽によってまかなうのは,創造者の意図しておられたことだったのでしょうか。

太陽エネルギーの一般的な利用法

太陽は常に人間の身体的エネルギーの供給源として,物事を行なう肉体的な力を人間に与えてきました。それは創造者の驚くべき設計に基づいてなされてきました。『それはどうしてですか』と尋ねる人がいるかもしれません。

日光は,生きた植物が二酸化炭素と水からあらゆる食物の基礎物質である単糖類を合成するのに必要なエネルギーを供給します。そして,他の炭水化物や数多くの脂肪類や蛋白質などはすべて,この糖から作り出されます。ですから,人間は植物を食べようと,植物を常食とする動物を食べようと,実際には太陽の供給するエネルギーから間接的にエネルギーを得ているのです! 植物が太陽の輻射エネルギーを吸収して,人間が利用できるようにそれを貯える仕組みには,ほんとうに驚嘆すべきものがあります。人間はそうすることができないのです。

人間は,自分たちの必要とする動力の一部をまかなうために,さらに別の方法で日光を利用してきました。100年余の昔,技師であったジョージ・スティーブンソンは,太陽のエネルギーがその点でどのように人間に利用されているかに関する正しい認識を示しました。汽車が遠いかなたに見えなくなっていくのを見つめていたスティーブンソンは,友人の方を振り向いて,「何が機関車を動かしていると思うかね」と尋ねました。

すると,友人は,「そりゃもちろん,ニューカスルの君の仲間の技師のひとりじゃないか」と答えました。

ところが,スティーブンソンは,「そうじゃない,日光だ!」と答えました。

あっけに取られた友人に向かって,スティーブンソンはこう説明しました。「それは,何千年もの間地中に貯えられていた光なのだ。植物が成長するさいに吸収した光は,炭素の凝結に不可欠なもので,長年月にわたって石炭の中に秘められていたその光が,今や地中から取り出され,この機関車の中でなされているように,再び自由にされて,人類の偉大な目的のために役立っているのだ」。

ですから,まさに驚くべきことと思えるかもしれませんが,発電所の巨大なタービンを含め,現代の機械装置は実際のところ,太陽から間接的にエネルギーを得て,それを動力源にしているのです!

しかし,石炭だけでなく,石油や天然ガスもまた,貯えられた太陽エネルギーを意味しているのです。というのは,そうした埋蔵資源は,ずっと昔の動植物に熱や圧力が加えられてできたものであろうと考えられているからです。水力発電所のタービンを回す水でさえ,いわば太陽の力で海洋から「くみ上げ」られて,雨や雪となって降ったものであり,それはまた再び海に流れ込んでゆくのです。(伝道 1:7)したがって,わたしたちの使っている電気器具はもとより,乗用車やバスや飛行機などはほかならぬ太陽のエネルギーによって間接的に動かされているのです!

太陽のエネルギーを賢明な仕方で用いているか

しかし,考えてみてください。人間は太陽のエネルギーを賢明な仕方で活用しているでしょうか。エネルギーのこのすばらしい宝庫ともいうべき地球から無謀にも加速度的な勢いでエネルギー資源をえぐり取ったり,くみ上げたりするのは分別のある行ないでしょうか。こうした太陽エネルギーの貯蔵資源を浪費し,その熱エネルギーの多くをもって河川や湖を汚染し,有害な廃棄物を大気中に排出するのは知恵の道でしょうか。

それに代わるものとして,毎日地球に降りそそぐ膨大な量の太陽エネルギーを直接利用するほうがはるかに賢明ではないでしょうか。しかも,それは汚染をもたらす心配もないのです。これまでに人間は宇宙空間から到来する輻射エネルギーを利用する能力があることを示してきました。たとえば,はるかかなたの星の光をさえ継電器を操作させて,電気ろうそくの明かりをともすのに用いられています。では,なぜ太陽エネルギーを直接利用しないのでしょうか。

太陽のエネルギーを直接利用する

実際のところ,人間はすでに太陽エネルギーを直接利用しているのですが,限られた方法でそうしているにすぎないのです。たとえば,太陽熱を利用して暖をとる家が幾つも建てられています。基本的にいって太陽光線を吸収する黒い集熱板でできている温水器が,屋上に取り付けられています。太陽熱は空気もしくは水の温度を上げるために利用され,次いで暖められた空気や水は家の中を循環するか,断熱槽に貯えられ,必要に応じて使用されます。

おそらく,今日最も広く普及している太陽エネルギーの利用法は水を暖めることでしょう。日本ではこれまでに100万個を越す太陽熱温水装置が作られました。日本の多くの家屋の屋根を見ると,そうした装置が目につきます。

巨大な工業用の太陽炉は,太陽エネルギーをさらに直接的で,壮観な仕方で利用するものとなっています。南フランスのオジエロに設置されている,その種のものでは最大の太陽炉では,厚い鋼鉄板をほとんど一瞬のうちに焼き切って穴をあけることができます! そこの山腹には大きな平面鏡が63枚設置されています。平面鏡はそれぞれ,大空を横断する太陽を追って,その光線を巨大な放物面反射鏡上の定点上に反射させます。次いで,その巨大な反射鏡はたくさんの光線を,幅わずか30㌢ほどの範囲に収束させます。太陽炉の中心部の,この超高温域の温度は摂氏4,000度近くにも達します。それは,太陽光線のすさまじい力をまざまざと示します!

太陽熱発電所?

また,ここ何年間かにわたって,太陽熱を動力源とする幾つかのエンジンも作られてきました。たとえば,日光を利用し,液体を熱して水蒸気を作ります。次に,その水蒸気がダービン・エンジンを動かすわけです。しかし,このような方法で発電を行なうのは,実際的でないとして退けられてきました。ところが,ある人びとはその可能性をさらに厳密に調べ始めています。というのは,太陽エネルギーをより効果的に電力に変換する方法が,少なくとも理論の上では完成されたからです。

昨年,全米科学財団は提案されたある方法に非常な興味を示し,アメリカ,アリゾナ州,ユマ市近郊の砂漠に出力10万㌔㍗の実験用発電所を建設するための資金を求めたと言われています。その方法によると,太陽から得られるエネルギーの30%までを電流に変換できるとのことです。

もちろん,大量の発電を行なうのに必要なエネルギーをとらえるには,広大な集光地域が必要です。どれほどの広さが必要でしょうか。理論的には,アリゾナ州の土地の1%にも満たない,わずか260平方㌔のアリゾナ砂漠を用いれば,カナダとアメリカの必要とする動力および熱エネルギーをすべてまかなうことができます。しかし,太陽光線を電流に変換するさいにエネルギーが損失したり,影を避けるために太陽集光器を一定の距離をおいて設置しなければならなかったりするため,実際にはそれよりもずっと広大な集光地域が必要となるでしょう。もちろん,そのほかにもこのような発電方式には種々の問題があります。

太陽電池の使用

1954年に商業的な規模で太陽エネルギーをよりいっそう直接的に利用することを可能にした,科学上の突破口が開かれました。その年に科学者たちは,多数の特殊なケイ素板から成る太陽電池を発明しました。この装置は受けた日光のエネルギーの12ないし14%ほどを電流に直接変換できますが,その効率を向上させる見込みがあると言われています。

日光は瞬間的に,また音もなく電流に転換されます。太陽電池に光が当たると,ラジオに電流を流したり,モーターを動かしたり,蓄電池を充電したりするのに利用できる電子の流れが引き起こされます。こうして,太陽電池の開発は,太陽エネルギーの利用に関して全く新しい視野を開きました。

しかし,D・S・ハラシィーは自著,「訪れる太陽エネルギー時代」の中で,太陽電池のすばらしい可能性に言及する一方,その問題点についても次のように指摘しています。

「太陽電池が使用され始めた初期のころには,太陽電池用のこけら板で屋根をふくことは人目を引く考えであった。太陽エネルギーを10%の効率で電流に変換する,縦6㍍横12㍍の太陽電池の屋根は,1か月に晴天の日がわずか5日あれば,1か月分の家庭の必要とする電力を十分に供給できるのである! 当時,玉にきずだったのは,今でも同じであるが,太陽電池のこけら板の価格であった。現在[1963年]の価格では,そのような屋根は何十万㌦もするであろう」。

価格は今でも高いままです。材料として使用されているケイ素が豊富にあることは事実です。しかし,それを加工して太陽電池用のケイ素板を作るには,高度の技術が必要で,それは多額の費用のかかる困難な仕事です。ですから,太陽電池はおもに高額の費用でもまかないうる宇宙衛星の動力源として使用されてきました。

とはいえ,太陽電池は商業用としての規模ですでにラジオ,時計,テレビ受像機,映画用撮影カメラなどの動力源として使用されており,そうした装置の幾つかは市販されています。中には,互いに約5,000㌔離れた無線通信局で長距離無線通信用の唯一の電力源として,7,800枚のケイ素板からできている1.8平方㍍のパネル板状の太陽電池をそれぞれ使用している所もあります。太陽エネルギーを利用して10㌔余の距離を走らせている実験用の自動車さえあります!

太陽エネルギーの将来

中には,ある技師が述べたように,「太陽エネルギーを利用するのに必要な技術はわれわれの手の届くところにある」以上,今では,汚染の心配の全然ないこのすばらしい電力源となりうるものを開発する全面的な努力が開始されているに違いないと結論する人が確かにいるかもしれません。

ところが,実情はどうでしょうか。エネルギー政策問題のアメリカ政府の顧問,S・デイビット・フリーマンは一昨年,「太陽エネルギーはわれわれが研究する機会をなおざりにしていたものの一つである」と語りました。

たとえ太陽エネルギーが動力不足を緩和するものであるとしても,克服しなければならない問題が依然として数多くあることには疑いをさしはさむ余地はありません。たとえば,太陽電池の光電池用材料は高価なものですし,現在の蓄電方法も多額の費用を要します。しかし,努力を集中すれば,そのような問題は解決できるのではないでしょうか。

ある科学者たちは,そうした問題は解決できると考えています。彼らは,光電池の材料の価格をやがて1平方㍍当たりわずか数十㌦程度にし,太陽電池のこけら板で家々の屋根をふけるようになるだろうと考えています。しかし,あまり期待をかけすぎないでください。というのは,太陽エネルギーを開発して人間の使用に供そうとする努力はなおざりにされてきたため,こうした見通しは暗くなっているからです。

では,どうしてそうした努力がなおざりにされているのでしょうか?

技術を開発する問題

さまざまの燃料問題の幾つかを解決するための技術は,多くの場合,人間の手の届くところにありますが,人間はまだそうした技術を自分のものにしてはいません。たとえば,アメリカ原子力委員会の一当局者は次のように語りました。「もしわれわれが15年前にその研究を行なっていたなら,これまでの過去10年の間に発堀燃料(従来の石炭,石油もしくはガス)を用いる汚染をもたらすことのない発電施設を設置していたであろう」。

では,なぜ汚染の問題のない発電施設の開発研究が行なわれなかったのでしょうか。なぜなら,お金がかかるからです。

同様のことは自動車産業についても言えます。アメリカのロサンジェルス空気汚染取締地区の責任者,S・スミス・グリスワルドは次のように述べました。「排気抑制装置の開発・製作のための支出は,利潤を得る人びとが責任を負うべきものである」。

それで,太陽エネルギーの利用に関する新しい徹底的な開発が行なわれなかったおもな理由の一つは,現行の営利企業の損失を招きはしまいかという恐れにあるのではなかろうかと考えられます。それはどうしてでしょうか。

では,次のように考えてみてください。ある科学者たちが提案しているように,日光が廉価な電流に変換できる装置の開発に集中的な努力を払ったとしましょう。そして,各家庭で必要とする電力のすべてを供給する太陽電池の小さなパネルを家々の屋根に取り付けることができるとしましょう。そうなれば,たちどころに公益企業はほとんど倒産してしまうでしょう! 石油や石炭,ガスや核エネルギーなどの事業も不利な影響をこうむるでしょう。利権をすでに得ているそれら諸企業の当局者が,こうした革命的な開発の主要な推進者になることなどはたして期待できるでしょうか。とても期待できるものではありません。

明らかに,より大きな変化が必要です。産業化された現行の生活様式は相当簡略にされる必要がありますし,産業化をさらに進めようとする傾向に終止符を打たねばなりません。しかし,現代の諸政府がそうした処置に自発的に協力するものでないことは明白です。

正しい解決策

しかし,人間の諸政府がこれまでに行わなかったこと,また行なえるなどと期待できない事がらでも,人類の創造者である全能の神は行なってくださるという全き確信をわたしたちはいだくことができます。事実,神がご自分の全能の力を発揮して,この邪悪な事物の全体制を一掃される時は近づいています。それは,地球をこれほどまでに汚染させてきた人間の全体制が永遠に崩壊することを意味します。

とはいっても,地球が全く人の住まない地になるというのではありません。真に神を愛し,神のすばらしい創造物を正しく評価する人びとは地上にとどまるのです。こうして,それらの人びとは環境をそこなわずに地球の資源を使用します。それは,人類が近代的な利器を動かす動力なしに原始的な生活をするという意味でしょうか。

いいえ,必ずしもそうした生活をするというわけではありません。地球には環境汚染を起こすことなく利用できるエネルギー資源があるのです。神の正義の管理機関の導きのもとで,人間は地球のエネルギー資源を効果的に利用する方法を学び,申し分のない有効な仕方でそうした資源を賢明に用いてゆきます。人間はすべて,快適な生活を存分に楽しむのに必要な十分の動力に恵まれるでしょう。その時こそ,動力危機もなければ,やっかいな公害問題もなくなるでしょう!―詩 37:9-11,29。黙示 21:3,4。

[脚注]

a 「目ざめよ!」誌,1972年12月22日号をごらんください。

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