驚くべきサワークラウト
これは特別の夕食です。食卓の中央には中身をくり抜いた大きなパイナップルが置かれ,その中にはパイナップルの角切りと何か白いものがいっぱい詰まっています。せん切りのココナッツでしょうか。いいえ,サワークラウトです! びっくりされましたか。ドイツかポーランドに住んだことのある人だと驚かないでしょう。
ドイツの料理人は,サワークラウトを昔からされてきたように,肉料理(特にソーセージや豚肉)の付け合わせにするだけではなく,他の食物と組み合わせることもします。たとえば,ぶどうと混ぜ合わせて「風味のある添え料理」を作ります。サワークラウトを乾燥したマッシュルームやピクルスと一緒に,ぶどう酒を用いて料理するのはポーランド風の料理法です。また「クラウト」スープやサラダもあります。そうです,サワークラウトは人気のある食物です。
多くの土地で好まれていることは確かですが,栄養の点ではどうでしょうか。その長い歴史の中でみられたある一つの出来事をちょっと考えてみましょう。サワークラウトが,かつて恐れられていた「水夫病」の壊血病を克服するのに欠くことのできないものであったことをご存じですか。壊血病というのはビタミンCの欠乏による病気ですが,水夫たちは新鮮な野菜をとることができなかったので,「長期間の航海になると,乗組員の多くがきまってこれにやられました」。1700年代後半に,英人船長ジェームス・クックは,サワークラウトを他の野菜や果物と一緒にとるなら,この病気を予防することも,治療することもできるということを発見しました。それである時など彼は3,500余キロのサワークラウトを積んで航海に出ました。
それで今日でも,料理されていない,つまり「生」のサワークラウトは,ビタミンやミネラルを含むので栄養学者たちにより勧められています。たとえば,ライナス・ポーリング博士は,「サワークラウトは適量のビタミンCを含んでいる」と述べています。
この点を考えて,なかには,「サワークラウトはどのようにして作るのですか。家でも作ることができますか」と尋ねる方もおられると思いますが,家でも作れます。基本的な調理法はしごく簡単です。基本的には,結球した新鮮なキャベツが手に入りさえすれば自分で作れます。19リットル入りの容器でも,4人家族で相当長くもちます。(もちろん食欲にもよりますが)
あるドイツの料理人の説明によると,19リットル入り容器分の「生」のサワークラウトの基本的な作り方は次のとおりです。「ガラス,磁器,木製または土製の容器を用意します。しかし金属性のものは使いません。野菜を細く切る道具があれば申し分ありませんが,もしなければキャベツをそれぞれ半分に切ります。それから葉の繊維に直角に3ミリくらいの幅の細切りにします。かめの底にその細切りキャベツをひと並べして,それからすりこぎのようなもの(キャベツをおしつぶすもので,鋭い刃のついていないもの)で,これを10センチの厚さになるまでしっかり押し固めます。かめの中に,物差しかまたは10センチ毎に印をつけた細い棒を突っ込んでおくと,ちょうど良い厚さになったかどうか確かめることができます。
「今度はこの層の上に大さじ一杯の塩をふりかけます。そしてまたキャベツを入れて押し固めて10センチの層を作り,この新しい層の上にも塩をふります。かめがほとんど一杯になるまでこれを繰り返します。
「最後に塩をした層の上に四枚のキャベツの葉をそのままのせ,その上に板を置きます。(板がキャベツに直接のっかるように,かめの口より小さな板切れを用います。)板の上に重い石を置きます。19リットル入りのかめですと,5㌔かまたはそれ以上の石が適当でしょう。
「さてこれからが難しいところです。がまんすることです! キャベツがサワークラウトになるまでには,およそ六週間かかります。この期間が終わると,一番上にあるキャベツの葉を取り除き,上部に浮いたかすもすくい取ります。それから,上の方を1.5㌢ほどを取り除きます。(それはサワークラウトの残りの部分よりずっと黒ずんでいます。)そしてその下には,多くの食事に使える十分な量のサワークラウトができています。
驚く程応用がきく「生」のサワークラウトの作り方はいろいろあります。各層毎に塩をふるのに加えて,カラウェーの実や,ジュニパー・ベリー,からし粒,玉ねぎ,ぶどうの葉または薄切りりんごを混ぜ合わせたものを加えることができます。にんにくでさえ入れることができますが,これは控え目に入れます。
驚く程簡単に作れて,驚く程いろいろに使え,驚く程健康に良いとすれば,あなたも,サワークラウトを家族に食べさせてみたいと思われるでしょう。