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  • あの色彩に富んだ塗料 ― ペンキ
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目ざめよ! 1970
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あの色彩に富んだ塗料 ― ペンキ

カナダの「目ざめよ!」通信員

わたしたちのへや・学校・事務所・工場に色を添え,自動車やおもちゃを見ばえよくし,ビル・工場の機械・道具を雨風や太陽の熱から保護するもの,それこそ,あの色彩に富んだ塗料,すなわちペンキです。それが今日ほど広範囲に使用され,人々に親しまれたことはありませんでした。

毎年ペンキにかかる費用は何千億円に上ります。カナダ人だけでも,ペンキの消費額は年間,720億円余に達します。カナダにはこの色彩に富んだ塗料を作るペンキ会社が150社以上もあります。米国では,毎年24億リットル以上のペンキが製造業者によって販売されています。これだけのペンキがあれば,2万9,500平方キロ,すなわちほぼオランダの全面積を塗りつぶさんばかりの量に相当します。

何千年間も使用されてきたペンキ

ペンキの使用は近年に始まったのではありません。古代の人々,ことにエジプト人は,土から取られたある染料を液体と混和して建物に塗ることを知っていました。たとえば,鮮やかな赤や黄は黄土(自然に着色された土)を水と混和することにより得られました。

そのうえ,エジプトは自国の土から採られた染料だけでは満足せず,外国から各種の染料を輸入しました。インドから輸入されたあかねの根からは,様々な色合いの赤・濃紫色・茶を配合でき,また,インドあいからは濃い青色を得ることができました。

他国民も,エジプト人の開発したペンキ製造法をすぐに模倣しはじめました。ローマの工芸家は同じ色彩を利用し,その製造法はごくわずかの点を除いてはエジプトの作り方とほとんど変わりませんでした。しかし,西暦476年に西ローマ帝国が滅亡したのち,ペンキを作る技術は事実上消滅してしまいました。

中世末期,英国において,装飾と保護の目的でペンキが再び用いられはじめました。最初はもっぱら教会が使用しましたが,やがて公共の建物や裕福な人の家にも塗られるようになりました。ペンキを作るのは高くついたため,自分の家にペンキを塗ることは社会的地位の高いしるしでした。

1700年代になってはじめてアメリカやヨーロッパでペンキ製造は商売として少数の人々により発足しました。これらの初期の製造業者はペンキの原料だけを作りました。それでペンキを使用したい人は,自分でその原料を混ぜ合わせて調合しなければなりませんでした。前もって調合されたペンキがはじめて市販されるようになったのは1867年のことです。1800年代の終わりごろには,粉砕機と混和機の新しい機械が開発されたため,ペンキ製造業者は多量のペンキを生産できるようになり,やがてペンキ製造業は急速な発展期を迎えました。

成分

今日たいていのペンキ製造業者は1,000種に上るいろいろなペンキを在庫しているものと推定されています。そのうち普通に使用されるものは500種ほどでしょう。新しいペンキの開発は大幅の進歩を遂げています。事実少し前,ある流行誌に,「今日販売されているペンキの85%は,5年前にはなかったものである」と書かれていました。けれども,ペンキの原料は四つに大別できます。それは,(1)顔料,(2)展色剤,(3)溶剤,すなわちシンナー,(4)添加物の四つです。

顔料はペンキに色を添え,ペンキを不透明にする物質です。昔の人はペンキを着色するのに植物や動物を材料としてよく使いましたが,今日のペンキ製造法にとって,それらはさほど重要なものではありません,しかし,天然顔料あるいは鉱物顔料と呼ばれる,土から取られた顔料は今でも使われています。これはある種の土壌で採掘され,次に粉砕して精製されたものです。しかし,今日においてごく普通に使用されている顔料は化学製品です。

展色剤は顔料を延ばすものです。それにはたいてい各種の油やニスが含まれています。ペンキの展色剤の中に用いられている乾性油は,空気中の酸素に触れると液体から固体に変わる特性を備えています。そのために,展色剤は空気に触れると乾燥して固まります。その結果,ペンキを塗った表面の顔料は堅い膜でおおわれることになります。

最も一般的なペンキ用シンナーはおそらく水やテレビンでしょう。これは,ペンキを薄めて適当な粘度と濃度にし,表面に広がりやすくするために添加するものです。シンナーも一種の展色剤と考えられないこともありませんが,ペンキにおけるシンナーの働きは多少異なっています。ペンキを物の表面に塗ると,シンナーは蒸発しはじめて塗膜ができ,そのため表面が乾燥状態を保てます。

ペンキの添加物には,鉛・マンガン・コバルトなどの化合物がよく用いられています。これはペンキの乾きを早めます。

ペンキのできるまで

ペンキとは基本的に言って,展色剤すなわち溶媒に色の着いた顔料を分散させたものです。ペンキ製造業者は乾燥した顔料に少量の展色剤を混和して,相当粘度の高いペーストを作ります。この手順は,主婦がケーキ用の練り粉を準備する際,ミキサーを使って材料を混ぜ合わすところと似ています。ペンキを作るときには,少し固まりのあるペースト状の液体ができるまでこの練る作業は続けられます。

次に行なわねばならないことは,摩砕です。そのために互いに回転する鋼鉄の円筒のついた摩砕機がよく使われています。摩砕の目的は,顔料の粒子を分離して,個々の粒子の表面が樹脂性の展色剤でおおわれるようにすることです。ある部分に鋼鉄の球が詰められている回転円筒からできている,別の型の摩砕機もあります。この機械ですと,回転円筒部を長時間連続回転させることができ,その中の鋼鉄の球により,顔料は展色剤の間にくまなく分散します。

摩砕が終わると,残りの展色剤とともにシンナー溶剤を加えます。またこの時に乾燥剤がしばしば添加されます。しかしおおい式鋼鉄球の摩砕機を使用する時には,普通全部の材料が初めから入れられます。もちろん,水性ペンキの開発にともない,顔料と液体を分散させる新型装置が使用されています。次に行なうのは濃淡の配合で,適当な量の色を加えて,望む色合いの色が正確に出るようにします。最後に,機械が,できあがったペンキを容器に詰め,ふたをし,所定の記号をつける作業を自動的にします。

色を使いわける

わたしたちはだれしも快適な環境に住みたいと望みます。そのため,この色彩に富んだペンキをどのように使えば自分の家を快適にできるかについて考えるのは興味深いことです。室内装飾家は,へやの中の家具や敷物,あるいはカーテンなどと合った補色を考えるのが普通です。

狭いへやには明るい色を施すと,へや全体が大きく感じます。これはアパートを装飾するときに覚えておくと便利でしょう。幾つかの室内に淡い中間色を何種類か流すように配色すると,広々とした感じになり,色とりどりの敷物や座ぶとん,あるいは壁にかける絵などに目だったものを選べば,その効果は一段とひき立ちます。しかし注意しなければならないことは,一つのへやにあまり多くの色を使いすぎると,へやの感じが雑になることです。

他にも覚えておくと役にたつことが幾つかあります。淡い黄色・淡い桃色・淡いバラ色は暖かな感じを与えます。これらの色を北向きや東向きのへやに施すと,気持よい,落ち着いた趣きが出ます。わたしたちを取り巻く大自然のあやなす淡い色合いの緑と青は,南向きや西向きのへやに配合されると,涼しいくつろいだふんい気を添えてくれます。赤やオレンヂ色のような濃く明るい色は非常に引き立ちます。ただしひとつ注意しなければならないのは,これらの色には飽きがきやすいことです。それらの色は人の気持ちを引き立たせ,若々しい性格あるいは変化を好む人の性格を表わすものと言えるでしょう。そのため,子供の寝室などにはよく合う色でしょう。

色を選ぶさい,ペンキは広い面積に塗ると,小さい見本で感じたときの色より濃く映ることを覚えておいてください。それで,少し淡い目の色を選ぶなら,壁に塗ったとき,お望みの色となるでしょう。また,色は電灯の下では違って映りますので,色の見本を調べる際には,日光と電灯がそれぞれ色にどう影響するかを確かめることは賢明です。

適当なペンキを選ぶ

ペンキには,濃厚でつやのあるものから,つや消しの上塗りまで,多くの種類があります。普通,つや消しの上塗りは広い表面に塗ると最も見ばえがよくなります。つや消しのペンキはほとんど顔料を固めてできているので,荒目の上塗りとなって,あらゆる方向に光を散乱させます。ですから,つや消しの上塗りを使用すると,表面のでこぼこはほとんど目だちません。しかし,このペンキはしみがつきやすく,そのうえ,みがきにくいという欠点があります。

このように,台所・浴室・玄関あるいは食器棚の中や木製品のようにたびたび掃除が必要なものには,半光沢かつやのあるペンキを使用するほうが実用的です。半光沢のものは,掃除がしやすく,かつ表面のきずをさほど目だたせず,つやのあるものとそうでないものとの中間の利点をもっています。

居間や寝室では,しばしば便利さよりも外観を楽しく見せることに重きが置かれます。室内装飾家がつやけしの上塗りを好んで選ぶのはそのためです。壁がよごれやすい戸棚には,半光沢のペンキを使うと,掃除も簡単で,明るい感じがします。しかし,つや消しの上塗りは表面をきれいに見せ,それに一度塗れば十分ですから,時間や費用を節約したい場合には,この点も考慮して決定すべきです。

ペンキを塗る表面をよく下ごしらえすることも大切です。壁や木製品はペンキを塗る前にみがいておくべきです。前に塗った上塗りが半光沢か光沢のあるエナメルなら,サンドペーパーでみがいて,新しいペンキがよく塗れるようにします。

家にペンキを塗ってきれいにするのは,何千年もの間一般に行なわれてきました。そのことは聖書にさえ述べられています。(エレミヤ 22:14)適当な製品を用いて,その場に合った配合がなされると,ペンキは身のまわりの物を保護し,それらの物に美しさと楽しさを添える,色彩に富んだ塗料になります。

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