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目ざめよ! 1970
目70 5/8 4–7ページ

ヒッピーはなんと言っていますか?

それら若者の多くは,いったい何に動かされて,ヒッピーの異様なむずかしい生活に身を投ずるのですか。

ヒッピー自らが語るところを聞くと,ひとつの型を見いだせます。どんな型ですか。なぜそうした生き方を好むのかと尋ねると,ヒッピーの多くは一様にひとことでこう答えます。「世の中の状態のためです」。

世の中の状態

今日の若者はかつてないほど物事によく通じています。そして,世の中の事柄を実によく知っています。また,人類の中に深い苦悩・不正・貧困・憎しみ・偽善があることに気づいており,世界の指導者たちが人類の諸問題を平和裏に解決するどころか,しばしばこの地を血染めにすることも知っています。しかも特にだれの血が流されるのですか。ご承知のとおり,それは若者の血です。他の人間の犯すまちがいのために若者が最高の犠牲を払わされるのです。

アメリカの前閣僚のひとり,J・W・ガードナーが次のように語ったのもそのためです。「この世代の人間は,既成秩序の裏口でおぜん立てされた解決策を受け入れないであろう」。そうです,今日の若者の多くにとって,この時代に生じた恐るべき事柄に関する普通の釈明など,とても認められるものではありません。

このことを端的に示すものとして,ある若い女性は,自分や他の若者たちがヒッピーになったのは,世の中の状態のせいであることを認めて,次のように語りました。

「わたしは裕福な“恵まれた”家庭の娘でしたが,家を飛び出しました。なぜですって? 住み良い落ち着いた郊外住宅地に偽善と偏見がはびこっているだけでなく,たいていの人が世の中の状態について,まったく無関心で無感覚なことを,そのときになっていやというほど知らされたからです。

「この人たちは世の中がどうなっているのかわからないのでしょうか。社会のひどい不正に気づかないのでしょうか。何もせずに,考えることさえもしないで,どうして平気でいられるのでしょうか。第三者にはそれがたとえ奇妙な生き方と思えても,わたしは,少なくとも答えを求めようとする人々のもとに行かざるを得ませんでした。

「わたしはヒッピーでしたから断言できるのですが,それら若者の多くがこうした道に飛び込む理由はここにあるのです。わたしはグレニチビレジ,ハイト-アシュベリー,ホウピ・インディアンの保護区などをすみかにしました。

「わたしが麻薬を用いたり,いわゆる“ヒッピーの生活”をしたことを,両親は,“年ごろのせい”にしたがっていました。しかしわたしは,週末だけの遊びをしていたのでもなく,ヒッピーの生き方や習俗に完全に心酔していたのです。

「わたしがマリファナを吸いはじめたのは,16歳の時分でしたが,当時すでに権威者・親・宗教その他いっさいのいわゆる“既成秩序”なるものに幻滅を感じていました。また教会の行事にも活発に参加していましたから,副牧師に会って,わたしの疑問や問題を話しましたが,納得のゆく答えは一つも得られませんでした。

「それで宗教にいっさい背を向けたわたしは,『人生をせいぜい楽しむ』ことにしました。もはや何ごともたいした意味をなさなくなり,経験することが意味のあるもの,つまり“神”でした。わたしは求め続けましたが,なんのためにそうするのかはわかりませんでした」。

この女性の説明は決して特異なものではなく,ヒッピーになる人の多くにあてはまるものです。

しかし,世の中の状態はいつもこのようなものである以上,ヒッピーの生まれる原因は昔よりも現代のほうが多いとどうして言えるのか,と問う人もいるでしょう。しかし,世の中の状態はいつもこうであるとは言えません。あなたの生きておられる今世紀ほど苦難に満ちた時期は,人類史上一度もありません。ナチ戦犯を扱ったニュルンベルク裁判でジャクソン判事が語ったとおりです。

「二度の世界大戦は,古代と中世の歴史上の戦争に参加した兵士の総数を上回る死者を出した。半世紀間に,これほどの規模の殺りく,これほど残忍非道な行為,国民をこれほど大量に奴隷状態に追いやり,かつ少数派に属する者をこれほど絶滅させた事件を目撃した時代はかつて一度もなかった」。

ジャクソン判事がこのことばを述べて以来,人類の諸問題は増大してきました。ご存じのとおり,今日,人間は自ら人類を絶滅することさえできるのです。それに,貧困・飢え・社会不安・汚染・人口過剰その他の問題は減少どころか増大しています。

世界的な傾向

世の中の状態のために悩み,現代の社会を否定するのは,ごく少数の人々だけではありません。そのような人々は世界じゅうに相当数います。デトロイト・ニューズ紙の一記者はかつて,「あらゆる国々の最も頭の良い若者たちが,周囲を見まわして,何もかもくたばってしまえと一斉に叫ぶ」ような時代は史上まさにその例を見ないと述べました。

人類が,これほど苦悩に満ちた世紀を迎えたことはかつてありません。このことを否定できるのは,事実に目をつぶる人だけです。しかし多くの人は事実から目をそむけていません。ですから,これまで受け入れられてきた生き方が,人間の記憶に関するかぎり一度もないほどの世界的な反動を招いたのです。ドイツのデル・シュピーゲル誌の一記者は,「このことは,国家社会主義を唱える国々のほか,資本主義諸国にあてはまる」とし,さらに,「その動機づけとなったのはおそらく,現代文明の構造の根底に宿る欠陥であろう」と報じました。

それでどこでも多数の人々,特に若者が現在の事物の体制に対する嫌悪の情を表わしているのです。したがって,こうした幻滅感の一つの表われとしてヒッピーが生ずるのも不思議ではありません。

それにしても,今日の親は,自分たちの若いころに比べて,生活上のより良いものを子どもに与えてきませんでしたか。現代の多くの国の若者は,親たちの時代よりも食べ物に恵まれ,りっぱな家に住み,高い教育を受けています。ところが,生活程度の向上した所ほど,ヒッピーの勢力が大きいのです。

物質主義

中産階級の若者はたいてい良い教育を受けているため,多くの場合,世の中の状態にいっそう通じています。そして若い時代の理想主義に動かされ,現代社会の重大な問題を見つめます。また,貧しい家庭の若者と違って,衣食住のことをあまり考える必要がないので,他の問題を考える余裕があります。

しかし,生活水準の向上した家庭環境こそ,前述のデル・シュピーゲル誌のいう,「現代文明の構造の根底に宿る欠陥」の一部なのです。物質的に恵まれた生活と,ヒッピーになる多くの若者とのあいだにはどんな関係があるのですか。カリフォルニア出のひとりのヒッピーは仲間の若者の考え方をよく言い表わしました。彼女は5万ドル(1,800万円)相当の家に住み,相続財産もありました。この女性は両親についてこう語りました。

「親は,わたしのほしいものをなんでも与えてくれました。わたしは車も持っていました。しかし,むなしいものでした。万事,お金が中心でした。……それでわたしは,家を飛び出してしまいました」。

したがって,親の驚きをよそに,多くの若者は,親の愛や関心また指導などの暖かいものの代わりに与えられる冷い物質の富を退けるのです。

ヒッピーの中には,1929年の経済恐慌後,何年かの不景気の時代を物質的な物に恵まれないまま,どうにか切りぬけてきた親を持つ者がかなりいます。それらの親は,『自分たちが育った当時,恵まれなかった物すべてを』わが子には持たせてやりたいと決心しました。それはけなげな考えですが,多くの場合,親はお金を得ようとするあまり,人格形成期の子どもとともに過ごすべき時間を犠牲にしました。

こうして,利潤追求をこととする社会にヒッピーが生まれました。お金が神とされ,多くの若者があまりにも多くの物を突然に得たのです。そのうえ悪いことに,放任主義の風潮が広まり,しつけは古い考えとされるか,それを施す時間さえない時世となり,生活上の地位の向上を図ることが主眼とされました。

カナダ・トロントのヒッピー問題に関し,トロント・デリー・スター紙の一記者はこう述べました。

「ヒッピーの問題は,われわれが時々忘れる事柄を思い起こさせずにはおかない。それは,住宅・就職・教育などの問題を改善しても,それだけでは,60年代の非人道的で,むなしい社会に生活する人々を癒すことはできないという事実である。物事の価値をすっかり変えて,人間が無条件で受け入れられる,つまり愛されるようになって初めて,人生は生きがいのあるものになるのである」。

望まれる新しい社会

ゆえに,ヒッピーの多くは新しい社会を求めています。お金や地位を重視し,仲間の人間を愛するかわりに踏みにじる社会を退け,偽善・不正・まやかし・不公正のあふれる世界を彼らは否定します。一記者が述べたとおりです。「アガペー[原則に基づく愛]また敬虔などの古来の価値を再興する霊的な美質に富む,まったく新しい社会を,ヒッピーは生み出したいと願っている」。

しかしヒッピーは,現在の秩序をどれほど改革しても,このことは達成できないと考えており,この社会から自らを解放する道は,社会を否定し,その慣習を打破することであるとみなしています。そして,人生の簡素な物事や人生の美しさ,また,快さを楽しむには,物質主義の束縛から解放されねばならないと考えています。

それで,ヒッピーはお金や仕事を,腐敗した商業制度に結びついているものとみなし,それらを偽りの神々として挑戦してきました。カナダのヒッピーの一指導者が語ったとおりです。「仕事がすべてじゃないし,仕事は神聖なものじゃない」。仕事は,自分がしたいと思う時に,自分のペースですべきものだとされています。

ヒッピーの世界では私有権はほとんど認められていないようです。所有物はすべて,グループの益を図るためのものとされ,子どもさえ,「その世話は,生みの親のみならず,すべての者の責任とされている」のです。

ヒッピーの社会では,場合によっては結婚関係を維持できますが,配偶者の一方が,別に配偶者を持つことにするなら,その人とも“結婚”できるとされています。自由な性関係は当然のこととして容認されています。

以上のさまざまな考え方に驚いておられますか。あらゆる権威を否定するその生き方を憂慮しておられますか。好きな相手であれば,だれとでも性関係を持てるという彼らの考えにろうばいされますか。マリファナその他の麻薬におぼれすぎていると思われますか。

ヒッピーの生き方は,多くの人,特に年配の世代の人々にとっては,あまりにも極端で理解できないものでしょう。年配の人が,「いったい彼らは,そんなばかな考えをどこから得たのだろう」と言うのを,お聞きになったことがありませんか。

ではいったい,そうした考えをどこから得たと,あなたは思われますか。彼らの信念や行動に対して大きな責任を負っているのは,いったいだれですか。

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