世界展望
デンマークにおける,エホバの証人の大会
◆ 今年の夏,エホバの証人の「善意の人々」地域大会が世界各地で開かれた。同様にデンマークにおいても四つの都市で大会が開かれ,公開講演の合計出席者数は,1万9,115名となった。これはデンマークでこれまでに催された,この種の大会中,最高の出席者数である。ヒレレズ市での大会は,フレデリクスボルグ会館で催されたが,大会後,同会館の館長は次のように語った。「あなたがたは,これまでにも,こうした大会を催されたことがありますね。こんなによく組織され,また,これほど多くの自発奉仕者のいる催しを,当会館が扱ったのは初めてです。だれも,あなたがたのまねをすることはできません」。
衰退する,長老派教会
◆ カナダの長老派教会は,教会員および牧師双方に「深刻な」減少が見られると報じた。1962年から1969年にかけて,カナダでは,人口が200万人増加したが,その期間に,同教会の会員は6%減少した。
女性の悲鳴は最も効果的な警報器
◆ アメリカ,ロスアンジェルスのある警備会社の副社長,ヘンリー・ボガードスによると,婦人が襲われた場合の最も効果的な警報器は,悲鳴をあげることだそうである。ある安全委員会の席上で彼は,代表者たちに,室内,屋外を問わず,襲われた婦人は「危険が去るまで」激しく悲鳴をあげるべきであると語った。
献血者は危険を提供している
◆ 1970年7月4日付サイエンス・ニューズ誌は,次のことを明らかにした。「売血した人の血を輸血した場合のほうが,献血者の血を輸血した場合より,血清肝炎にかかりやすいと一般に考えられているが,ジョン・B・アルセバー博士によれば,こうした考えには根拠がない」。アメリカ,アリゾナ州のある輸血センターにおける15年間の経験を通し,初めての献血者が血清肝炎を移す可能性は,血を売って金を得る供血者の場合と変わらないことがわかった,と同博士は語っている。
不正直な従業員
◆ アメリカで,最近,うそ発見器を使って抜き打ち検査をしたところ,百貨店の従業員の72%,トラックの運転手の86%,銀行員の82%が,雇い主のものを盗んでいることがわかった。この種の盗みの額は,1年間に合計40億ドル(1兆4,400億円)に上り,これは,ある小売業者の売上げの4%に当たる。したがって,従業員が盗んだ額が収益を上回ったため,企業が倒産することはよくある。
日本で離婚が急増
◆ 日本では,離婚に訴える妻がふえている。厚生省の調べで,離婚訴訟の51%は妻によって起こされ,36%は夫,他は親によって起こされている事実が明らかにされた。日本での離婚はますます増加している。
韓国に超高速道路開通
◆ 去る7月7日,大韓民国で,同国初の超高速道路の開通式が行なわれた。この道路は,北のソウルから,428キロ離れた南のプサンまで延びている。開通式の当日は,韓国の人々にとって特筆すべき時となった。この日,午後4時から夜中の12時まで無料走行が許された高速道路には,およそ1万3,000台の自家用車が繰り出した。4車線からなるこの道路の完成には,約850万労働日に当たる2年5か月を要し,総工費は429億7,300万ウォン(約500億円)であった。世界の「超大国」にとって,これはたいした額に思われないかもしれないが,その道路が開通する直前における,韓国の通貨の合計は,わずか2,530億ウォンであったことを記憶すべきである。したがって,国家資産の多くが,道路の完成のために注がれたことになる。この道路には318の橋が架設され,そのうち29は長さが100メートル以上ある。また,トンネルが六つと,非常用滑走路が4か所ある。高速道路の平たんな箇所が滑走路にも使用されるのである。
グァテマラに新大統領
◆ 独立国として150年の歴史を持つグァテマラで,前大統領の任期満了にともない,新大統領が公選され,3度めの政権交代が行なわれた。去る7月1日,カルロス・アラナ・オソリオ陸軍大佐がグァテマラの新大統領に就任した。フリオ・ケザル・メンデス・モンテネブロ前大統領は,同国で引き続き起きている暴力に関し,次のように語った。「グァテマラを,静穏な海に失われた,苦難をかかえる大きな島と考えた場合,グァテマラ国内に見られる暴力に対して恐怖の念を禁じ得ない。しかし,グァテマラを,暴力で荒れ狂う世界地図の中のちっぽけな国として見れば,それほどの恐怖を感じない。オオカミの一群が解き放たれたように,暴力が,全世界にはびこっていることは,どの国の,どの日付の新聞を読んでも一目りょうぜんである」。
地震による犠牲
◆ 去る7月14日,ペルーの全国緊急対策委員会は,ペルーで5月31日に起きた地震による犠牲者の,公式の推定数を7万人と発表した。それまで,死者は5万人と推定されていた。
7月30日には,イランが強い地震に襲われ,数十か村が破壊した。最初に発表された数字によると,少なくとも,100人の死者が出,200名が重傷を負った。約100か村が被害を受け,そのうち少なくとも29の村では建物が倒かいしたことが明らかにされている。現在の邪悪な事物の体制の終局に関する,イエス・キリストの預言は,日に日に,いよいよ人々の注意をひくものとなっているが,それはこう述べている。「ところどころに地震あり,飢きんあらん,これらは産の苦難の始なり」― マルコ 13:8。
1914年 ― 文明の崩壊した年
◆ 詩人であり,評論家および翻訳家でもある,65歳のケンネス・レックスロスは次のように書いている。「『文明』が,密度・規模・深さの点で,さまざまの価値ある経験をたゆまず確実に増し加えられるよう,生活を管理することを意味するとすれば」,文明は西暦1914年の8月に崩壊し,「あぶなっかしい応急処置を施された格好で」,引き続き第二次世界大戦の終結まで存続したが,それ以後死滅した。また,同氏は,「わたしたちは,加熱抵抗線につりさげられた,死んだかえるさながら,思い出したようにぴくりと動く死がいを付けて生きている」と述べた。
世界的な危機となっている,インフレ
◆ 最近,世界のほとんどあらゆる国で物価が上昇しており,その上昇の度合が,国の経済状態を危うくしている場合も少なくない。過去12か月間の物価上昇をみると,チリの29.3%,ブラジルの21.7%をはじめ,日本の8.3%やスウェーデンの6.3%などがある。言い替えれば,インフレが世界的な問題になったのである。そしてヨーロッパは現在特に,はなはだしいインフレに陥っており,アメリカとヨーロッパが力を合わせてこの事態を抑制しなければ,1930年代の大恐慌など比較にならないほどの危機に見舞われるであろうとの警告がなされている。スイスの一経済学者はこのように語った。「現在世界がかかえる最も重大な問題はアメリカのインフレである。強力な経済と,世界的に有力な通貨を持つアメリカが,年間の物価上昇率を5ないし6%に押えられなければ,他のどの国に,安定した状態を回復する希望があると言えるだろうか」。