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目ざめよ! 1999
目99 10/8 24–27ページ

上質のコーヒー苗木からカップに注がれるまで

ブラジルの「目ざめよ!」通信員

フィンランド人はそれを自国の代表的な飲み物としています。イタリア人の多くにとって,その飲み物を作ることは一種の儀式です。フランス,ドイツ,メキシコ,米国など多くの国で,それは朝食に欠かせないものとなっています。紅茶に次いで世界でもっとも愛飲されているその飲み物とは何でしょうか。世界の約3分の1の人にとって答えは一つしかありません。それはコーヒーです。

コーヒーについて個人的にどう感じているかにかかわりなく,コーヒーが非常に人気の高い飲み物であることは否定できません。上質のコーヒーを用意することには何が関係しているでしょうか。コーヒーの産地はどこですか。どのように生産されますか。コーヒーは本当に種類によって大きな違いがあるのでしょうか。質や香味や値段に影響を与える要素にはどんなものがありますか。

コーヒーのふるさと

コーヒーは,コーヒーノキの種子を焙煎してできる飲料です。コーヒーノキは亜熱帯地域に生育する常緑低木で,光沢のある深緑の葉を茂らせます。花盛りの時には,木全体がジャスミンに似た芳香を放つ白い花で覆われ,花々は何日もしないうちに,さくらんぼに似た緑色の実の房に取って代わられます。実は熟すにつれて,さまざまな色合いの緑から金茶色に変わり,完熟すると赤もしくは黄色になります。

コーヒーノキは,小さな低木から12㍍の高木まで合計70種類ほどありますが,世界のコーヒー生産のおよそ98%はそのうちのわずか2種類で占められています。それは,Coffea arabicaつまりアラビカ種とCoffea canephoraつまりロブスタ種です。最も良質のコーヒーはアラビカ種のもの,特に標高の高いところで取れたものです。アラビカ種の木は成長すると4㍍ないし6㍍の高さになりますが,普通は剪定して3.5㍍ほどの高さに保たれます。ロブスタ種は主にインスタントコーヒーに使用されていて,カフェインの含有量が多く,風味にくせがありません。

良質のコーヒーの栽培

良質のコーヒーの生産には何が関係しているでしょうか。一言でいうなら,それは労働です。すべてはまず,日照と日陰の条件を最適にした苗床に,特別に交配された種子をまくことから始まります。6か月ほどたつと,苗木は,肥料や無機物を使って整えられた畑に移植されます。コーヒーノキの苗木は,斜面の起伏に沿って幾つもの列になるよう植えられます。木の成長を見込んで,また木と土壌の手入れや収穫を行ないやすくするため,列と列にはある程度の間隔が空けてあります。

コーヒーノキから多くの収穫を得るには,1年を通じて手入れを怠ることはできません。土壌の栄養分を奪う雑草を取り除いたり,殺菌剤や殺虫剤を散布して豆を食べる虫やさび病などの病害虫から守ったりする作業があります。

若木が実をつけ始めるまでには少なくとも2年かかります。収穫期がやって来ると,仕事がどっと増えます。最も理想的なのは熟した実だけを一つずつ手で摘み取ることです。実際,コロンビアやコスタリカなどの国々ではその方法で実が摘み取られています。

そのようにして収穫された実はふつう,水洗式と呼ばれる方法で精製します。この方法では,収穫された実をまず果肉除去機にかけて果肉の大部分を種子からはぎ取ります。その種子を1日ないし3日のあいだ発酵槽に入れておきます。自然に生じる酵素によって残りの果肉は発酵し,分解します。その後,種子を洗って果肉を完全に除き去り,コンクリート敷きの広場や乾燥用のテーブルに平らに広げて天日に干すか,熱風乾燥機に通して乾燥させます。それから,種子の周りの乾燥した皮の層,すなわちパーチメントとシルバースキンを機械で取り除きます。水洗式の過程で発酵させることに加え,完熟した実だけを使用するので,マイルドな風味の高級なコーヒーができ上がります。

世界最大のコーヒー生産国であるブラジルでは,生産者のほとんどがデヒサと呼ばれる収穫方法を採用しています。果実をその成熟度に関係なく全部一度に手でもぎ取って収穫しているのです。最近では,質と生産性の向上を図るために収穫作業の全部もしくは一部を機械で行なう方法を取り入れる生産者も現われるようになっています。一つの方法では,圧縮空気を利用した,手に持って操作する道具が使われます。それには長い腕が付いていて,その先に振動する“指”があり,枝を揺すぶって熟した実だけを地面に落とす仕組みになっています。

地面に落ちた実は,かき集めて手か機械でふるい,葉や泥や枝などを除いてから60㍑入るかごに入れます。ふるい分けた実は,コンクリートの水溝もしくは専用の機械に入れて水洗いします。この水洗いの過程で,熟した実と,干からびて腐りかけた古い実とを選別することができます。

水洗いしたコーヒーの実は,大きなコンクリート敷きの広場に広げて,15日から20日のあいだ天日乾燥します。この間,豆がむらなく乾くよう,20分置きに混ぜ返します。乾燥を速めるために,乾燥機を使用することもあります。乾かしすぎると豆がもろくなり,割れてその価値が下がるため,常に乾燥度をチェックします。11%から12%の理想的な含水率に達すると,機械にかけて種子の皮を取り除き,60㌔入る麻袋に入れられます。この時点で多くの場合,コーヒーの豆は協同組合に送られ,そこで分類され,さらに加工されます。

分類法

協同組合では,トラックで運び込まれたコーヒーの袋を労働者たちが一つずつ降ろします。しかし,降ろす前に,細長い鋭利な道具を袋に突き刺してサンプルを抜き取る人のところを通ります。同じトラックに積まれていたすべての袋から抜き取られたサンプルはまとめて一つのサンプルとされ,ラベルを付けて分類されます。

サンプル豆の抜き取りが終わると,別々のトラックで運び込まれたコーヒーをみな一緒にして,質を改善するためにさらに精製します。まず不純物を除去する機械にかけます。それから豆を大きさ別に分ける機械式のふるいと,重さ別に分ける振動テーブルに通します。次いで,電子式の選別機にかけ,抽出したコーヒーの風味を損なう黒や緑の豆を取り除いてから貯蔵庫に送り,後に袋詰めします。袋詰めにされた豆は大きさも質も均一で,輸出業者もしくは国内販売業者に売れる状態になっています。

さて,先に抜き取られたサンプル豆はどうなるのでしょうか。それらの豆は,生産者に対する支払い額を決めるために分類されます。まず,サンプル豆はその品質タイプによって格付けされます。品質タイプは,300㌘のサンプル中の欠点の数によって決まります。欠点とされるのは,黒豆や未熟豆や砕け豆,また,外皮や小枝や小石などの混入物です。次いで,豆は一連のふるいにかけられ,大きさ別に分けられます。

最後に,味覚テストという段階があります。サンプル豆を浅く炒って挽き,コップ数個に量り分けます。沸騰した熱湯を注ぎ入れ,よくかき混ぜてから,経験を積んだ鑑定士<テイスター>が,各コップから立ち上る香りを調べます。サンプルの温度が下がって粉が沈むと,小さなレードルを使ってサンプルをすくい,口に含んですぐに吐き出します。素早く次のコップに移って,同じことを行ないます。すべてのサンプルの味ききを終えると,鑑定士<テイスター>はそのコーヒーをマイルド(刺激が少なく,口当たりがよく,甘味が感じられる)からハーシュ(切れ味があって,ヨードのような味がする)に格付けします。

コーヒーの微妙な風味を正確に識別するために,鑑定士<テイスター>には精練された味覚と豊富な知識や経験が求められます。味覚テストは,コーヒーの価格を決定する基準となるだけでなく,上質のコーヒー作りに関係する次の段階でも絶対に必要なことです。

ブレンドと焙煎

ブレンドとは,味,香り,こく,色調などの好ましい特質を引き立てるバランスのよい製品を作るために,互いに補い合う性質を持つコーヒーを組み合わせる芸術<アート>で,普通,生豆を使って行なわれます。ブレンドする人にとって,独特の風味を持つ味わい深いコーヒーを一貫して作るのが腕の見せ所となります。

次の段階,つまり焙煎もコーヒーの質にとって重要です。焙煎すると,豆の中で複雑な化学反応が生じ,コーヒー独特のアロマが放たれます。焙煎は,望む香味や用いる抽出方法に合わせて,浅炒りか,中炒りか,深炒りにします。しかし,炒り過ぎると芳香オイルが染み出して豆は光沢を帯びるようになり,苦みが強くて香りの乏しいコーヒーになってしまいます。

上質のコーヒーを作るには,豆をふさわしい大きさに挽くことも大切です。粉の大きさは抽出方法によって決まります。例えば,布フィルターやペーパーフィルターを使う場合は中挽きに,フィルターを使わないトルコ・コーヒーにするなら細挽きにします。

挽いたコーヒーは,包装されて発送されます。ビニールの袋に入ったものは60日ほど,真空パックのものなら1年ほどもちます。開封した後は,できれば冷蔵庫の中に,密閉した容器に入れて保存します。

“完ぺきな1杯”を入れる

植え付け,栽培,収穫,精製,分類,ブレンド,焙煎,豆挽きと,様々な仕事がなされた後,ついに待ちわびていた最後の段階に来ます。あの“完ぺきな1杯”を入れるのです。入れる方法には,トルコ風,自動ドリップ,イタリアン・モカなどいろいろあり,それぞれ異なる準備が必要です。しかし一般に,1㍑の水に対して大さじ6杯から8杯のコーヒーを使うのがよいとされています。すぐに飲む分だけを作ります。使った粉をもう一度使うのは禁物です。コーヒーポット,ドリッパー,その他の用具は使い終わったら,毎回すぐに水洗いします。

ブラジルのカフェジーニョであれ,コロンビアのティントであれ,イタリアのエスプレッソであれ,あるいは自分独自の方法で入れたコーヒーであれ,次回,腰を下ろしてお気に入りのコーヒーの香味を楽しむときには,その上質のコーヒーが苗木からカップに注がれるまでにつぎ込まれた労力すべてをしばし思い巡らすのはいかがでしょうか。

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苗床の苗木は最適の日照と日陰を得る

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成長したコーヒーノキの木立

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コーヒーの実を枝からもぎ取って収穫する

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実を手でふるい分け,葉や泥を取り除くブラジルの収穫人

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サンプル豆は,300㌘の豆の中にある欠点の数で格付けされる

[26ページの写真]

鑑定士は豊かな経験を必要とする

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