進歩的な聖書研究を司会する
1 聖書研究を司会することは,わたしたちのクリスチャン宣教の中でも最も満足をもたらす分野の一つです。それは心に書き込むことです。(コリント第二 3:2,3)わたしたちと研究する人々が知識を取り入れ,聖書の原則を適用し,生活をエホバの義にかなった要求に調和させてゆくのを見るのは何と報いの多いことでしょう!
2 しかし,期待されているほどの進歩が見られないとしたら ― 研究生が皆さんの考えるほど速い変化を遂げなかったり,その関心がさまよっていたりするならどうでしょうか。皆さんご自身の教える能力を調べてみる必要があるかもしれません。もっと興味深く,進歩的な仕方で研究を司会できるでしょうか。次の幾つかの提案は役立つかもしれません。
教える上での実際的な提案
3 事前の準備は重要です。それには,学ぶところの要点を自分の思いの中に明確に刻み込み,聖句の裏付けに精通しておくことが含まれます。
4 知識は平易で,論理的な仕方で研究生に伝えられるべきです。温かく,友好的で形式ばらない仕方でこのことを行なえば,研究生が気を楽にして学べるようなふんい気を作ることができるでしょう。また,毎回の訪問で研究生自身にとって価値のある事柄を研究生が必ず学ぶようにすることも大切です。研究生は,自分の生活が豊かにされた,自分は神との一層親しい関係を持てるようになった,と感じるべきなのです。
5 研究生に研究の方法を教えるのは助けになるかもしれません。それには,資料の中の要点を見分け,鍵となる語句に下線を引くように援助することが含まれるかもしれません。印刷された資料をただ読むのではなく,むしろ答えを自分の言葉で述べ,自分の考えを心から言い表わすように研究生を援助してください。次回の訪問で話し合う予定の論題に対して研究生に知識欲を持たせるようにすれば,研究生は恐らくもっとよく予習をして,進歩が一層速くなることでしょう。
6 人の心に達する時,その人は資料が自分の生活にどのように当てはまるかを理解できるようになります。心に達するために,イエスは聴き手を考えさせる質問をされました。マタイ 16章13-16節,17章24-27節,ルカ 10章25-27節にある例をよく見てください。イエスが実地に示してくださったように,例えを賢明に用いるのも大変有益です。例えの使用が要点をいかに明確にするものかよく注意してごらんください。―「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」の本の36ページ5節を参照してください。
7 時折,研究生の進歩を阻むことのある一つの要素は,反対です。(テモテ第二 3:12)往々にして,それはその人自身の家族の成員とかその人の仕事仲間からもたらされます。そのような迫害に対して研究生を備えさせることが是非とも必要です。それが生じることは預言されていたという点を示してください。(マタイ 10:34-39。ルカ 21:16-19)迫害者に対して正しい態度を持つよう研究生を助けてください。(マタイ 5:43-48。ローマ 12:17)迫害が続くなら,聖書の中の忍耐した人たちの例を指摘して,忍耐するよう援助してください。―ヨブ 1:20-22。箴言 27:11。
8 進歩的な研究を司会する前に,研究したいと望む人を見いだす必要があります。今のところ研究を司会しておられないなら,司会している人と話し合い,研究を始める方法を学ぶのはいかがでしょうか。研究に一緒について行って,その伝道者が司会するところを見ることもできるでしょう。そうすれば,教える良い方法を用いて進歩的な仕方で研究を司会するのに助けになるでしょう。エホバに向かって祈り,研究を取り決める点で助けを願い求め,次いで自分の祈りに調和して行動してください。関心を持つ人々を見いだしたなら,そのすべてを訪問してください。会衆内の研究を取り決めるのが特に上手な人たちは,自分の研究の幾らかを他の人たちに渡すことによって助けになりたいと思うかもしれません。過去2か月にわたって『永遠に生きる』の本を公に配布しましたが,この新しい本を用いてきっと多くの研究が始められたことでしょう。ここで述べた提案を実際的な仕方で活用すれば,わたしたちと研究する人々は急速に進歩を遂げてエホバに仕えるようになることでしょう。