ヨシュア記
1 エホバの僕*モーセの死後のこと,エホバは,モーセの奉仕者*+であった,ヌンの子ヨシュア*+にこう言われた。2 「わたしの僕モーセは死んだ+。それで今,あなたとこのすべての民は,身を起こしてこのヨルダンを渡り,わたしが彼らに,すなわちイスラエルの子らに与える土地に入りなさい+。3 すべてあなた方の足の裏が踏む所,わたしはそれを,モーセに約束したとおり必ずあなた方に与える+。4 荒野とこのレバノンから*,大川,ユーフラテス川に至るまで,すなわちヒッタイト人の全土+,また日の沈むほうの“大海”までがあなた方の領地となる+。5 あなたの命の日の限りだれもあなたの前に立ち向かう者はいない+。わたしは,モーセと共にいたと同じように,あなたとも共にいる+。わたしはあなたを見捨てたり,全く見放したりはしない+。6 勇気を出し,強くありなさい+。あなたがこの民にその土地を,すなわちわたしが父祖たちに与えることを誓った所+を受け継がせるからである+。
7 「ただ勇気を出し,大いに強くありなさい。注意して,わたしの僕モーセがあなたに命じたすべての律法のとおりに行なうためである+。それから右にも左にもそれてはいけない+。どこに行ってもあなたが賢く行動するためである+。8 この律法の書があなたの口から離れてはいけない+。あなたはそれを昼も夜も小声で読まなければならない。注意してそこに記されているすべてのことをそのとおりに行なうためである+。そうすればあなたは自分の道を成功させ,賢く行動できるからである+。9 わたしはあなたに命じなかっただろうか+。勇気を出し,強くありなさい。うろたえたり,おびえたりしてはいけない+。あなたがどこに行こうとも,あなたの神エホバが共にいるからである+」。
10 そこでヨシュアは民のつかさたちに命じて言った,11 「宿営の中を通り,民に命じてこう言いなさい。『あなた方のために食糧を整えるように。三日後にあなた方はこのヨルダンを渡って行き,あなた方の神エホバが与えて取得させてくださる土地に入ってそれを取得することになるからである+』」。
12 また,ルベン人とガド人およびマナセの半部族に対してヨシュアはこう言った。13 「エホバの僕モーセがあなた方に命じた言葉を覚えておくように*+。こう言いました。『あなた方の神エホバはあなた方に休みを与えておられる。この地をあなた方にお与えになった。14 あなた方の妻たち,幼い者たち,また畜類は,ヨルダンのこちら側でモーセがあなた方に与えた土地にとどまっている+。しかし,あなた方男子は戦闘隊形を組んで+,あなた方の兄弟たちすなわち勇敢な力ある者たち+すべての前を渡って行き,これを助けなければならない。15 エホバがあなた方と同じように兄弟たちにも休みを与え,あなた方の神エホバが与えてくださる土地を彼らもまた取得した時に初めて+,あなた方は自分の保有する土地に戻り,それを,すなわちエホバの僕モーセがヨルダンの日の出の側であなた方に与えた所+を取得することになる+』」。
16 それに対し彼らはヨシュアに答えて言った,「あなたの命じたことはみな行ないます。どこへでもあなたが遣わす所へわたしたちは参ります+。17 わたしたちはすべての事についてモーセに聴き従いましたが,同じようにあなたにも従います。ただあなたの神エホバが,モーセと共におられたと同じように+,あなたとも共にいてくださいますように+。18 あなたの指示に背く振る舞いをし+,あなたが命じるすべての事に関してその言葉に聴き従わない者はみな死に処せられます+。ただ勇気を持ち,強くあってください+」。
2 その後ヌンの子ヨシュアは二人の者を斥候としてシッテム*+からひそかに送り出して,こう言った。「行って,その地とエリコとを見てきなさい」。そこで彼らは行って,その名をラハブ+という遊女の家に着き,そこに宿を取った。2 やがて,エリコの王にこう伝えられた。「ご覧ください! イスラエルの子らの者たちが,この地を探ろうとして今夜ここに入って来ました」。3 それを聞いてエリコの王はラハブのもとに人を遣わして,こう言った。「あなたのところに来た男たち,あなたの家に入った者たちを連れ出しなさい。この地をくまなく探ろうとして彼らはやって来たのだ+」。
4 その間に女はその二人を連れて行って隠れさせていた。こうして後に彼女は言った,「そうです,その男たちなら確かにわたしのところにやって来ました。でもわたしは,それがどこから来た者なのか知りませんでした。5 そして,暗くなって門を閉じるころに+,その男たちは出て行きました。その人たちがどこに行ったか,わたしは全く知りません。すぐに追いかけてください。追いつけるでしょう」。6 (だが,彼女はそのふたりを屋上+に連れて行っていた。自分のため屋上に並べた亜麻の茎の間に彼らを潜ませて見えないようにしたのである。)7 そこで人々はヨルダンの渡り場+の方角に彼らを追って行った。追いかける者たちが出て行くとすぐに門は閉められた。
8 一方そのふたりがまだ横になれないうちであったが,彼女が屋上のそのふたりのところに上って来た。9 そうして彼女はその人々にこう言った。「わたしははっきり分かります。エホバはこの地を必ずあなた方にお与えになります+。あなた方に対する非常な怖れがわたしたちに臨み+,この地に住むすべての民はあなた方のために意気をくじかれているのです+。10 というのは,あなた方がエジプトを出た時エホバがあなた方の前から紅海の水を干されたことを聞いたからです+。そして,ヨルダンの向こう側にいたアモリ人の二人の王,シホン+とオグ+に対してあなた方が行なった事についても[聞きました]。あなた方はこれを滅びのためにささげました+。11 その事について聞くと,わたしたちの心は溶けてゆき+,あなた方のゆえにだれもいまだ霊*を奮い立たせていません+。あなた方の神エホバは,上の天においても下の地においてもまさしく神なのです+。12 ですから今,エホバにかけてどうか誓ってください+。わたしはあなた方に愛ある親切*を示しましたから,あなた方もわたしの父の家の者たちに必ず愛ある親切を示してくださる,と+。そして,ぜひとも信頼できるしるし+を与えてください。13 そして,ぜひともわたしの父+,母,兄弟たち,姉妹たち,またそれに属するすべての者を生き長らえさせてください。わたしたちの魂を死から救い出してくださらなければなりません+」。
14 それに対しその人々は彼女に言った,「わたしたちの魂があなた方に代わって死ぬべき事です+! もしわたしたちのこの件をあなた方が話さなければ,エホバがこの地をわたしたちに与えてくださる際には,わたしたちも必ずあなたに愛ある親切と信頼性*とを示します+」。15 そののち彼女はふたりを縄で窓から降りさせた。彼女の家は城壁の側面にあり,城壁の上に彼女は住んでいたのである+。16 そうして彼女はふたりに言った,「山地に行ってください。跡を追う者たちに会わないようにするのです。そこに三日隠れていなければなりません。跡を追って行った人たちが戻って来るまでです。その後,あなた方の方向に行けるでしょう」。
17 それに対してその人々は言った,「あなたが誓わせたこの誓いに関してわたしたちに罪科はありません+。18 見なさい,わたしたちはこの地に入って来ます。緋糸でできたこの綱を,わたしたちを降りさせたこの窓に結んでおき,あなたの父と母と兄弟たち,あなたの父の家のすべての者を,この家の中のあなたのところに集めておくようにしてください+。19 そして,だれでもあなたの家の戸口の外に出る者がいれば+,その者の血は自らの頭に帰することになります。わたしたちに罪科はありません。すべてあなたと共に家の中にとどまっている者については,その者にもしも手の加えられることがあれば,その者の血はわたしたちの頭に帰します。20 そして,わたしたちのこの件をあなたがもし通報するようなことがあれば+,わたしたちのほうも,あなたが誓わせたあなたに対するこの誓いに関して罪科のない者となるのです」。21 すると彼女は言った,「あなた方の言われたとおりになりますように」。
こうして彼女はふたりを送り出し,ふたりは出て行った。そののち彼女はその緋色の綱を窓に結んだ。22 そこで彼らは進んで行って山地に着き,跡を追う者たちが戻って来るまでそこに三日間とどまった。跡を追う者たちのほうはすべての道路で彼らを捜したが,見つけることができなかった。23 その後その二人は再び山地を下り,[川を]渡ってヌンの子ヨシュアのもとに来た。そして,自分たちに起きたすべての事を彼に話していった。24 そして彼らはヨシュアにさらにこう言った。「エホバはその全土をわたしたちの手にお与えになりました+。そのため,その地に住むすべての民はわたしたちのゆえに意気をくじかれてもいます+」。
3 そこでヨシュアは朝早く起きた。そして彼とイスラエルのすべての子らはシッテム+を旅立ってヨルダンまで来た。彼らはそれを渡る前にそこで夜を過ごすことにした。
2 こうして三日の終わりに+,つかさたち+は宿営の中を通り,3 民に命じてこう言った。「あなた方の神エホバの契約の箱,そして祭司であるレビ人がそれを担っている+のを見たら,その時あなた方は自分の所から旅立つ。その後に従って行かなければならない。4 ― ただし,あなた方とそれとの間に,測って約二千キュビト*の距離を置くように+。それに近寄ってはいけない ― あなた方が自分の行くべき道を知るためである。あなた方はこれまでに渡ってその道を行ったことがないからである」。
5 それからヨシュアは民に言った,「自分を神聖なものとしなさい+。エホバは明日,あなた方の中で驚嘆すべき事を行なわれるからです+」。
6 その後ヨシュアは祭司たちにこう言った。「契約の箱+を担いで,民の前を通りなさい」。それで彼らは契約の箱を担いで民の前を行った。
7 次いでエホバはヨシュアにこう言われた。「この日からわたしはあなたを全イスラエルの目に大いなる者としてゆく+。わたしがモーセと共にいたと同じように+あなたとも共にいる+ことを彼らが知るためである。8 そしてあなたは,契約の箱を担う祭司たちに命じて+こう言うべきである。『ヨルダンの水のきわにまで来たら,あなた方はそのヨルダンの中に立ち止まるように+』」。
9 それでヨシュアはイスラエルの子らにさらに言った,「ここに近寄って,あなた方の神エホバの言葉を聴きなさい」。10 それからヨシュアはこう言った。「これによってあなた方は知るでしょう。すなわち,生ける神*があなた方の中におられ+,カナン人,ヒッタイト人,ヒビ人,ペリジ人,ギルガシ人,アモリ人,エブス人をあなた方の前から必ず打ち払ってくださることを+。11 見なさい,全地の主なる方*の契約の箱があなた方の前を通ってヨルダンに入って行きます。12 それで今,あなた方のため,イスラエルの部族の中から十二人,各部族のために一人ずつを選び取りなさい+。13 そして,全地の主なるエホバの箱を担う祭司たちの足の裏がヨルダンの水の中にとどまるや,ヨルダンの水,上流から下って来るその水は断たれ,それは一つのせきをなして静止することになります+」。
14 そこで,ヨルダンを渡るに先立って民は自分たちの天幕から旅立ち,祭司たちは契約の箱を担いつつ+民の前を行ったが,15 箱を担う者たちがヨルダンまで来て,箱を担うその祭司たちの足が水のきわにつかると(ヨルダンは収穫期の間じゅうその岸一帯にあふれわたるのである+),16 その時すぐ,上流から下って来る水は止まりはじめた。それはずっと遠く,ツァレタン+のそばの都市アダム*のところで一つのせきとなって盛り上がり+,一方アラバの海,“塩の海+”に向かって下る[水]はかれたのである。それは断たれ,民はエリコに面する所を渡って行った。17 その間,エホバの契約の箱を担う祭司たちはヨルダンの中ほどの乾いた地面+に不動の姿勢で立ちつづけ,その間に全イスラエルは乾いた地面を渡って行き+,ついに国民全体がヨルダンを渡りきった。
4 そして,国民全体がヨルダンを渡りきると+,つづいてエホバはヨシュアにこう言われた。2 「あなた方のために民の中から十二人,各部族から一人ずつを選び取り+,3 その人々に命じて言いなさい,『あなた方のため,ヨルダンの真ん中,祭司たちの足が動かずに立っていた場所+から十二個の石+を取りなさい。それを運んで行って,あなたが今夜宿るその宿り場に置くように+』」。
4 それからヨシュアは,イスラエルの子らの中から自分が任命した十二人+,各部族からの一人ずつを呼び寄せた。5 そうしてヨシュアは彼らに言った,「ヨルダンの中ほど,あなた方の神エホバの箱より先へ渡って行き,あなた方のため,イスラエルの子らの部族の数にしたがって各々一つの石を自分の肩に拾い上げなさい。6 それをあなた方の中でしるしとするためです+。後にあなた方の子らが尋ねて,『どうしてこれらの石があるのですか』と言うときに+,7 あなた方は,『ヨルダンの水がエホバの契約の箱の前から断たれたからだ+。それがヨルダンを通って行くと,ヨルダンの水は断たれた。それでこれらの石は定めのない時に至るまでイスラエルの子らに対する記念となるのだ』と言わなければなりません+」。
8 そこでイスラエルの子らはそのようにし,ヨシュアが命じたとおりに行なった。エホバがヨシュアに述べたとおり,ヨルダンの中ほどから十二個の石を取り,イスラエルの子らの部族の数に対応させた+。彼らはそれを宿り場に携えて行って+,そこに置いた。
9 また,ヨルダンの中ほど,契約の箱を担う祭司たちの足が立った場所+にヨシュアが据えた十二個の石もあったが,それは今日までその所にある。
10 さて,箱を担う祭司たちは,民に話すようエホバがヨシュアに命じた事柄がすっかり成し終えられ,すべてモーセがヨシュアに命じたとおりになるまで+ヨルダンの中ほどに立っていた+。そうしている間に民は急いで+そこを渡ったのである。11 そして,民のすべてが渡りきると,その後エホバの箱+が,そして祭司たちが民の前で渡った。12 また,ルベンの子らとガドの子ら,それにマナセの半部族も+,モーセが彼らに述べたとおり+,イスラエルの子らの見るところで戦闘隊形を組んで+渡った。13 軍隊の装備をした約四万人が,戦いのため,エホバの前にあってエリコの砂漠平原へと渡ったのである。
14 その日エホバは全イスラエルの目にヨシュアを大いなる者とされた+。彼らはモーセに対してその一生のあいだ恐れを抱いたと同じように,彼に対しても恐れを持つようになった+。
15 それからエホバはヨシュアにこう言われた。16 「証の箱+を担う祭司たちに,ヨルダンから上がるように命じなさい」。17 それでヨシュアは祭司たちに命じて,「ヨルダンから上がりなさい」と言った。18 そこでエホバの契約の箱を担う祭司たち+がヨルダンの中から上がって来て,祭司たちの足の裏+が乾いた地面に引き上げられると,その時ヨルダンの水は元の場所に戻りはじめ,以前と同じようにその岸一帯にあふれわたるのであった+。
19 こうして民は第一の月の十日にヨルダンから上がり,エリコの東の境にあるギルガル+に宿営を張った。
20 ヨルダンから取った十二個の石については,ヨシュアはこれをギルガルに据えた+。21 そうして彼はイスラエルの子らにこう言った。「後にあなた方の子らが父に尋ねて,『これらの石にはどういう意味があるのですか』と言うならば+,22 その際あなた方は自分の子らに知らせてこう言わなければなりません。『イスラエルはこのヨルダンを渡ったが,それは乾いた陸地の上であった+。23 その時あなた方の神エホバは,[民]*がそこを渡るまでその前から*ヨルダンの水を干してくださった。あなた方の神エホバが紅海に対して行なわれ,わたしたちがそこを渡るまでわたしたちの前からそれを干してくださったのと同じように+。24 これは,地のあらゆる民がエホバのみ手を,その強さ+を知るため+,あなた方があなた方の神エホバをいつも真に恐れるためなのだ+』」。
5 さて,ヨルダンの西側*にいたアモリ人+のすべての王たち,また海ぞいにいたカナン人+のすべての王たちは,エホバがヨルダンの水をイスラエルの子らの前から干されて彼らがついにそれを渡ったことを聞くと,その心は溶け入るのであった+。イスラエルの子らのゆえに彼らにはもはや何の気力*もなかった+。
2 ちょうどその時,エホバはヨシュアにこう言われた。「あなたのために火打ち石の小刀*を作り,イスラエルの子らにもう一度,二度目の割礼を施しなさい+」。3 そこでヨシュアは自分のために火打ち石の小刀を幾つか作り,ギブアト・ハアラロト*でイスラエルの子らに割礼を施した+。4 そして,ヨシュアがその割礼を行なったのはこのような理由によるのであった。すなわち,エジプトを出たすべての民,男子のすべての戦人は,エジプトから出て来た際,荒野の道の途中で死んだ+。5 出て来たすべての民は割礼を受けていたが,エジプトから出て来た際に荒野の道の途中で生まれたすべての民には割礼を施していなかった。6 エジプトを出たのにエホバの声に聴き従わなかった戦人の国民のすべてがその終わりに至るまで,イスラエルの子らは荒野を四十年歩いた+。エホバは,わたしたちに与えることをエホバが父祖たちに誓った+土地,乳と蜜の流れる地+を,その者たちには決して見させないと誓われた+。7 そして,彼らの代わりにその子らを起こされた+。この者たちにヨシュアは割礼を施したのである。それらの者が割礼を受けていなかったためであり,彼らがこれに途中で割礼を施さなかったからである。
8 こうして国民のすべてに割礼を施し終えたが,彼らは回復するまで宿営内の自分の所に座しているのであった+。
9 その時エホバはヨシュアにこう言われた。「今日わたしはエジプトの恥辱をあなた方から転がしのけた+」。そのために,その場所の名はギルガル*と呼ばれるようになって+,今日に及んでいる。
10 そしてイスラエルの子らはそのままギルガルに宿営し,やがてその月の十四日,その夕方に過ぎ越しを行なった+。それはエリコの砂漠平原であった。11 また彼らは過ぎ越しの翌日からその地の産出物の幾らかを食べるようになった。無酵母パン+と炒った穀物とをその同じ日に[食べた]。12 すると,彼らがその地の産出物を食べたその明くる日からマナは絶え,それ以後イスラエルの子らのためにマナが生じることはなかった+。こうして彼らはその年にカナンの地の産物を食べるようになった+。
13 そして,ヨシュアがちょうどエリコのそばにいた時のこと,目を上げて見ると,自分の前にひとりの人+が,抜いた剣を手にして立っていた+。それでヨシュアはその者に歩み寄ってこう言った。「あなたはわたしたちの側にいますか。それともわたしたちに敵対する者の側ですか」。14 すると彼は言った,「いや,このわたしは,エホバの軍の君として*今ここに来た+」。それを聞いてヨシュアは地にひれ伏し,その人に平伏して+こう言った。「我が主は僕に何と言われるのでしょうか」。15 するとエホバの軍の君はヨシュアに言った,「あなたの足からサンダルを脱ぎなさい。あなたが立っているのは聖なる場所だからである」。すぐにヨシュアはそのとおりにした+。
6 さて,エリコはイスラエルの子らのゆえに固く[門を]閉ざしていた。出て来る者も入って行く者もいなかった+。
2 次いでエホバはヨシュアにこう言われた。「見よ,わたしはエリコとその王を,その勇敢な力ある者たちを,あなたの手に与えた+。3 それで,あなたがた戦人は皆,その都市の周りを行進しなければならない。その都市の周りを一回まわる*。六日の間そうするように。4 そして,七人の祭司が雄羊の角笛七本を携えて箱の前を行く。七日目にはその都市の周りを七回行進し,祭司たちは角笛を吹く+。5 そして,彼らが雄羊の角笛を鳴らし,あなた方がその角笛*の音を聞く時に,民全員は大きなときの声を上げるように+。そうすれば,その都市の城壁は必ず崩れ落ちる+。民は各々自分の前をまっすぐに上って行かねばならない」。
6 そこでヌンの子ヨシュアは祭司たちを呼んで+こう言った。「契約の箱を担ぎなさい+。そして,七人の祭司が雄羊の角笛七本を携えてエホバの箱+の前を行くように」。7 次いで彼*は民に言った,「進んで行ってこの都市の周りを行進しなさい。戦いの装備をした軍勢+がエホバの箱の前を進むように」。8 それで,ヨシュアが民に言ったとおりに行なわれた。雄羊の角笛七本を携えた七人の祭司がエホバの前を進んで角笛を吹いた。エホバの契約の箱はその後に従っていた。9 そして,戦いの装備をした軍勢は角笛を吹く祭司たちの前を行き,後衛+は,角笛が絶えず吹き鳴らされる中で*箱の後ろに従っていた。
10 さて,ヨシュアは民に命じて+こう言っておいた。「あなた方は叫び声を上げたり声を聞こえさせたりしてはならない。わたしが『叫べ!』と言う日まで,あなた方の口から一言も出してはいけない。その時が来たら,あなた方は叫ぶのである+」。11 こうして彼はエホバの箱がその都市の周りを行進するようにした。一回まわると,そののち彼らは宿営に行き,その宿営で夜を過ごした。
12 それからヨシュアは朝早く起き+,祭司たちはエホバの箱を担って進み+,13 雄羊の角笛七本を携えた七人の祭司はエホバの箱の前を行って絶えず角笛を吹き,戦いの装備をした軍勢はそれらの前を歩き,後衛は角笛が絶えず吹き鳴らされる中でエホバの箱の後ろに従った+。14 こうして彼らは二日目にもその都市の周りを一回行進し,そののち宿営に帰った。六日間そのように行なった+。
15 次いで七日目になり,彼らは早く,夜が明けるとすぐに起き,これまでのようにして都市の周りを七回行進していった。その日だけ都市の周りを七回行進した+。16 そしてその七回目のこと,祭司たちが角笛を吹くと,ヨシュアは民に向かってこう言った。「叫べ+。エホバはこの都市+をあなた方にお与えになったのだ。17 そして,この都市は滅びのためにささげられたもの*とされなければならない+。それは,そこにある一切の物と共にエホバのものとなる。ただし遊女ラハブ+,すなわち彼女とその家に共にいるすべての者は,生き長らえさせてよい。彼女はわたしたちが遣わした使者たちをかくまったからである+。18 あなた方は,滅びのためにささげられたものからは離れているように+。欲望を起こして*+,滅びのためにささげられたものの中から取り+,それによってイスラエルの宿営をも滅びのためにささげられたところとし,これをのけ者にならせるようなことのないためである+。19 しかし,銀と金,また銅や鉄の品はすべてエホバに対して聖なるものとされる+。それはエホバの宝物に入れられるべきである+」。
20 それで民は叫び声を上げた。それは[祭司]たちが角笛を吹きはじめた時であった+。そして,民が角笛の音を聞き,民が大きなときの声を上げはじめるや,すぐに城壁は崩れ落ちていった+。そののち民は,各々自分の前をまっすぐに進んで市内に入り,その都市を攻め取った。21 そして,その都市の中にあったすべてのもの,男も女も,若者も老人も,牛も羊もろばもことごとく剣の刃にかけて滅びのためにささげていった+。
22 そして,その地の偵察を行なった二人の者に対してヨシュアはこう言った。「その女,その遊女の家に入り,その女とそれに属するすべての者をそこから連れ出して,あなた方が誓ったとおりにしなさい+」。23 それで,偵察を行なったその若者たちは入って行って,ラハブとその父,母,兄弟たち,またそれに属するすべての者を連れ出した。彼女と家族関係にあるすべての者を連れ出したのである+。その者たちをイスラエルの宿営の外にとどまらせた。
24 次いで彼らはその都市とその中にあったすべての物を火で焼いた+。ただし,銀と金,および銅と鉄の品だけはエホバの家の宝物の中に納めた+。25 そして遊女ラハブとその父の家の者,また彼女に属するすべての者を,ヨシュアは生き長らえさせた+。彼女は今日に至るまでイスラエルの中に住んでいる+。エリコを偵察させるためにヨシュアが遣わした使者たちをかくまったからである+。
26 次いでその時,ヨシュアは一つの誓いを述べさせてこう言った。「立ってこの都市を,このエリコを建て直す者は,エホバの前にのろわれよ。その者は長子を失ってその基を据え,末の子を失ってその扉を立てよ+」。
27 こうしてエホバはヨシュアと共にいることを示され+,彼の名声は全地に及んだ+。
7 さて,イスラエルの子らは滅びのためにささげられたものに関して不忠実な行為をするようになった。ユダ族のゼラハの子,ザブディの子,カルミの子であるアカン*+が,滅びのためにささげられたものの幾らかを取ったからである+。ここにおいてエホバの怒りはイスラエルの子らに対して激しく燃えた+。
2 おりしもヨシュアは人々をエリコからアイ+に遣わした。それはベト・アベン+のすぐ近くであり,ベテル+の東にあたる。そうして彼らにこう言った。「上って行ってその地を偵察せよ」。そこで,それらの人々は上って行ってアイを偵察した+。3 そののち彼らはヨシュアのもとに戻って来て,こう言った。「民の全員が上って行くことはありません。二千人あるいは三千人ほどの者が上って行って,アイを討つようにしてください。民の全員をそこに行かせて疲れさせないでください。彼らは少ないのです」。
4 それで,民のうちおよそ三千人の者がそこに上って行ったが,それらの者はアイの人々の前で逃げだした+。5 そしてアイの人々は彼らのうちおよそ三十六人を討ち倒し,城門の前からシェバリム*まで彼らを追跡し+,下り坂のところで彼らをさらに討ち倒した。そのため民の心は溶けて水のようになった+。
6 これを見てヨシュアは自分のマントを裂き,エホバの箱の前で地にひれ伏して+,ついに夕方にまで及んだ。彼とイスラエルの年長者たち*がそのようにし,彼らはしきりに頭に塵をかぶるのであった+。7 そうしてヨシュアはこう言った。「ああ,主権者なる主エホバ,どうしてこの民にはるばるヨルダンを渡らせたのですか。ただアモリ人の手に渡してわたしたちを滅ぼさせるためですか。わたしたちはいっそヨルダンの向こう側にとどまっていればよかったのです+。8 お許しください,エホバ*よ,イスラエルが敵の前に背を向けた今,わたしは何と言ったらよいのでしょうか。9 カナン人とこの地に住むすべての民はその事について聞くでしょう。そして,必ずやわたしたちを取り囲んで,わたしたちの名を地から断ち去ることでしょう+。そうしたら,あなたはご自分の大いなるみ名のためにどうなさるのでしょうか+」。
10 するとエホバはヨシュアにこう言われた。「あなたは立ちなさい! どうしてここにひれ伏しているのか。11 イスラエルは罪をおかした。わたしが命令として課した契約も踏み越えた+。また,滅びのためにささげられたものの中から取り+,また盗み+,また隠し+,また自分の品物の中に入れた+。12 だからイスラエルの子らはその敵に対して立ち向かうことができない+。背をその敵の前に向ける。彼らは滅びのためにささげられたものとなったからである。滅びのためにささげられたものをあなた方の中から滅ぼし尽くさない限り,わたしは二度とあなた方と共にはいないであろう+。13 立て! 民を神聖にせよ+。そしてこう言わなければならない。『明日あなた方は身を神聖にせよ。イスラエルの神エホバはこう言われたからである。「イスラエルよ,滅びのためにささげられたものがあなたのうちにある+。その滅びのためにささげられたものをあなた方のうちから除き去るまで,あなたは敵に立ち向かうことができない。14 それであなた方は朝,部族ごとに出て来るように。そして,エホバのえり分ける+部族が氏族ごとに近くに来る。そして,エホバのえり分ける氏族が家族ごとに近くに来る。次いで,エホバのえり分ける家族がそれぞれの強健な男子ごとに近くに来る。15 そして,滅びのためにささげられたものと共にえり分けられた者は,その者もそれに属するすべての者も,火で焼かれることになる+。その者はエホバの契約を踏み越えたから+,またイスラエルにおいて恥ずべき愚行を犯したからである+」』」。
16 そこでヨシュアは朝早く起き,イスラエルをその部族ごとに近くに来させた。すると,ユダの部族がえり分けられた。17 次に,ユダの諸氏族を近くに来させて,ゼラハ人+の氏族をえり分けた。その後ゼラハ人の氏族を強健な男子ごとに*近くに来させたところ,ザブディがえり分けられた。18 最後に,その家の者たちを強健な男子ごとに近くに来させたところ,ユダ族のゼラハの子,ザブディの子,カルミの子であるアカンがえり分けられた+。19 そこでヨシュアはアカンに言った,「我が子よ*,どうかイスラエルの神エホバに栄光を帰し+,その方に告白してください+。どうか言ってください+。何をしたのですか。それをわたしに隠さないでください+」。
20 これに対しアカンはヨシュアに答えて言った,「実のところ,このわたしはイスラエルの神エホバに対して罪をおかしました+。わたしがしたのはこれこのとおりです。21 分捕り物の中にシナル+産の職服のきれいなものを見+,また二百シェケル*の銀と,金の延べ棒一本,目方が五十シェケルのものを[見た]時,わたしはそれが欲しくなって+取りました+。ご覧ください,それはわたしの天幕の中,地中に隠してあり,お金*はその*下にあります+」。
22 直ちにヨシュアは使者を送った。彼らはその天幕に走って行ったが,見ると,それは彼の天幕の中に,金をその下にして隠してあった。23 それで彼らはそれを天幕の中から取り,ヨシュアとイスラエルのすべての子らのもとに携えて来た。そして,それをエホバの前に広げた。24 次いでヨシュア,また彼と共にいた全イスラエルは,ゼラハの子アカン+,およびその銀と職服と金の延べ棒+,また彼の息子と娘たち,牛,ろば,羊,天幕,および彼に属するすべての物を取り,それらをアコルの低地平原+に携えて行った。25 そうしてヨシュアは言った,「どうしてあなたはわたしたちをのけ者にならせたのですか+。今日この日にエホバがあなたをのけ者にならせるのです」。それとともに全イスラエルが彼を石撃ちにし+,そののち彼らを火で焼いた+。こうして[民]は彼らを石で石打ちにした。26 それから,彼の上に石を大きく積み重ねたが,それは今日までそのままである+。ここにおいてエホバはその激しい怒りから離れられた+。そのゆえに,その場所の名は“アコル*の低地平原+”と呼ばれて,今日に至っている。
8 その時エホバはヨシュアにこう言われた。「恐れたり,おびえたりしてはいけない+。戦いの民すべてを連れて行き,立って,アイに上れ。見よ,わたしはアイの王およびその民と都市と土地をあなたの手に与えた+。2 それであなたは,アイとその王に対し,エリコとその王に行なったと同じようにしなければならない+。ただしあなた方は,その分捕り物と家畜を自分のために取ってよい+。その都市に対し,その背部にあなたの伏兵を置け+」。
3 そこでヨシュアと戦いの民+すべては身を起こしてアイに上って行った。そうしてヨシュアは三万人の勇敢な力ある者たち+を選び,それを夜のうちに送り出した。4 そして彼らに命じてこう言った。「見なさい,あなた方はその都市に対し,その都市の背部で待ち伏せをする+。その都市からあまり遠くへ離れてはいけない。あなた方は全員,待機の姿勢を整えていなければならない。5 わたし,また共にいるすべての民は,その都市のすぐ近くに行く。そして,最初の時のようにわたしたちを迎え撃とうとして彼らが出て来たら+,その時わたしたちは必ずその前を逃げる。6 そうすれば彼らは後を追って出て来て,ついに彼らを市内からおびき出せるに違いない。『最初の時のように我々の前を逃げて行くぞ』と彼らは言うであろう+。それでわたしたちは彼らの前を逃げることにする。7 その時あなた方のほうは,待ち伏せの場所から立ち上がる。あなた方はその都市を手に入れるのだ。あなた方の神エホバはそれを必ずあなた方の手に与えてくださるであろう+。8 そして,その都市を略取したらすぐ,その都市に火をかけるように+。エホバの言葉のとおりに行なうべきである。見よ,わたしはあなた方に命じた+」。
9 こうして後ヨシュアはそれらの者を送り出した。彼らは待ち伏せの場所に進んで行って,ベテルとアイの間,アイの西方のその持ち場に就いた。ヨシュアのほうはその夜民の中にとどまっていた。
10 次いでヨシュアは朝早く起き+,民を見て回った。それから彼もイスラエルの年長者たちも民の前でアイに上って行った。11 彼と共にいた戦いの民+すべても上って行った。その都市に近づいてその正面に出るためであった。そうして彼らはアイの北側に宿営を張り,自分たちとアイとの間に谷をはさんだ。12 その一方で彼は約五千人を取り,それをベテル+とアイの間,都市の西方に伏兵として配置しておいた+。13 こうして民は,その都市の北側の本営+と,都市の西側の最後衛+とを置いた。そうしてヨシュアはその夜の間に低地平原*の真ん中に進んだ。
14 さて,アイの王がそれを見るとすぐ,その都市の人々もまた急いで早くから起き,イスラエルを迎え撃とうとして[王]もそのすべての民も時を定めて砂漠平原の前に出て行った。彼としては,市の背部に自分に対する伏兵のいることを知らなかった+。15 ヨシュアと全イスラエルは彼らから襲撃されるとすぐ+,荒野の道+を退却しはじめた。16 すると,これを追撃するために市内にいたすべての民が呼び出され,彼らはヨシュアを追撃して行って,その都市からおびき出されることになった+。17 そして,イスラエルを追って出て行かずに,アイとベテル*にとどまっていた者はひとりもいなかった。こうして彼らはその都市を開け広げにしてイスラエルを追撃して行った。
18 この時エホバはヨシュアに言われた,「あなたの手にある投げ槍*をアイに向けて差し伸べよ+。あなたの手にわたしはそれを与えるからである+」。そこでヨシュアは自分の手にあった投げ槍をその都市に向けて差し伸べた。19 すると,伏兵がすぐにその場所から身を起こした。彼らは[ヨシュア]が手を差し伸べるや直ちに走りだしたのである。そして,その都市に入って,これを攻略した+。その後,急いでそれに火をかけた+。
20 さて,アイの人々が振り返って見ると,その都市の煙が天に立ち上っているのであった。そして彼らにはこちらにも向こうにも逃げるすべ*がなかった。それで荒野に逃げて行こうとしていた民が,それら追跡者たちのほうに向き直った。21 また,ヨシュアと全イスラエルは,伏兵+がその都市を攻略したこと,そしてその都市から煙が立ち上るのを見た。それで,身を巡らしてアイの人々に討ちかかった。22 また,もう一方の者たちも彼らを迎え撃つために都市の中から出て来た。そのため彼らはイスラエルの間に,こちら側の者と向こう側の者とにはさまれた。[イスラエル]は彼らを討ち倒してゆき,そのひとりとして生き残る者も逃げ延びる者もないまでにした+。23 また,アイの王+を生け捕りにして,ヨシュアの近くに連れて来た。
24 こうして,イスラエルはアイのすべての住民を野で,すなわち彼らが追跡して来たその荒野で殺していった。彼らはそのすべてが剣の刃に倒れてついにその終わりに至った。そののち全イスラエルはアイに戻って,そこを剣の刃で討った。25 それで,その日に倒れた者は男女合わせて一万二千人となり,アイのすべての民*であった。26 そしてヨシュアは,アイのすべての住民を滅びのためにささげるまでは+,投げ槍を差し伸べたその手を引き下げなかった+。27 ただし家畜とその都市からの分捕り物は,エホバがヨシュアに命じて言われた言葉のとおり,イスラエルがこれを自分たちのものとして取った+。
28 そうしてヨシュアはアイを焼いて定めなく存続する塚とし+,今日に至るまで荒廃の地とした。29 また,アイの王+を杭に掛けて夕方までさらした+。そして,日が沈もうとするころにヨシュアは命令を出し,人々は彼の死体を杭*から下ろし+,市の城門の入口のところに投げ,その上に石を大きく積み重ねて今日に至っている。
30 ヨシュアはこの時にイスラエルの神エホバへの祭壇+をエバル山に築いて+,31 エホバの僕モーセがイスラエルの子らに命じたとおりにした。モーセの律法+の書に,「その上に鉄の道具を振るっていない自然のままの石の祭壇+」と書かれているのである。そうして彼らはその上にエホバへの焼燔の捧げ物と共与の犠牲をささげはじめた+。
32 次いで彼はその所で,モーセの律法,すなわち彼がイスラエルの子らの前で書き記したもの+の写し*を石の上に記した+。33 そして,全イスラエルとその年長者たち+,つかさたち,裁き人たちは,箱のこちら側と向こう側に立っていた。エホバの契約の箱を担うレビ人+の祭司たち+がその前におり,その国民として生まれた者だけでなく外人居留者たちも一緒で+,その半分はゲリジム山の前に+,あとの半分はエバル山の前にいた+。(エホバの僕モーセが命じたとおりであった+。)それは,イスラエルの民をまず祝福する+ためであった。34 次いでその後,彼は,律法のすべての言葉,祝福+と呪い+とを,すべて律法の書に記されているとおりに朗読した+。35 モーセが命じたすべての事柄のうち,ヨシュアがイスラエルの全会衆*,および女+や幼い者たち+,また彼らのうちを歩む外人居留者たち+の前で朗読しなかったものは一言もなかった+。
9 さて,ヨルダンを越えた側,山地とシェフェラ*,“大海+”の全沿岸地方,および*レバノン+の手前にいるすべての王たち+,すなわちヒッタイト人+とアモリ人,カナン人+,ペリジ人+,ヒビ人とエブス人+は,その事について聞くとすぐ,2 ヨシュアおよびイスラエルに対して結束して戦うためいっせいに集合しはじめた+。
3 また,ギベオン+の住民も,ヨシュアがエリコ+とアイ+に対して行なった事柄について聞いた。4 そして彼らは,自分たちのほうから抜け目のない行動を取った+。行って自分たちの食糧を用意し,ろばのためにすり切れた大袋,またすり切れて張り裂け,かがり目を付けたぶどう酒の皮袋+を持ち,5 すり切れて継ぎ合わせたサンダルを足にはき,すり切れた衣を身にまとった。その食糧の中のパンは乾いたぼそぼそのものばかりであった。6 そうして彼らはギルガルの宿営+にいるヨシュアのもとに行き,彼およびイスラエルの人々にこう言った。「遠くの土地からわたしどもは参りました。それで今,わたしどもと契約を結んでください+」。7 これに対しイスラエルの人々はそれらのヒビ人+に言った,「もしかしたらあなたはわたしたちの近辺に住んでいるのかもしれない。そうだとしたら,どうしてあなたと契約を結べる*だろうか+」。8 すると彼らはヨシュアに言った,「わたしどもはあなたの僕*です+」。
そこでヨシュアは彼らに言った,「あなた方は何者か。どこから来たのか」。9 これに対して彼らは言った,「僕どもは,非常に遠い土地から+,あなたの神エホバのみ名+に関することでやってまいりました。その名声について,エジプトでなさったすべての事柄について聞いたからです+。10 また,ヨルダンの向こう側にいたアモリ人の二人の王,すなわちヘシュボンの王シホン+と,アシュタロテ+にいたバシャンの王オグ+に対してなさったすべての事についても[聞きました]。11 そのために,わたしどもの年長者たち,そしてわたしどもの土地に住むすべての民も,このように申しました+。『旅のための食糧を手に取り,その方たちに会いに行きなさい。そして,是非ともこう言いなさい。「わたしどもはあなた方の僕です+。ですから今,わたしどもと契約を結んでください+」』。12 わたしどものこのパンも,ここの皆さんのところに来るため出発した日に自分たちの食糧として家から持って来た時にはまだ熱かったのですが,今では,ご覧ください,乾いてぼそぼそになっております+。13 また,これらはわたしどもが新たに満たしたぶどう酒の皮袋ですが,ご覧ください,それも張り裂けてしまいました+。これらわたしどもの衣やサンダルも,非常な長旅のためにすり切れております」。
14 そこで人々は彼らの食糧を幾らか手に取ってみたが,エホバの口に問い尋ねることはしなかった+。15 こうしてヨシュアは彼らと和を結び+,彼らを生き長らえさせる契約を結んだ。それで集会の長たち+も彼らに対して誓いをした+。
16 ところが,三日の終わり,彼らと契約を結んだ後になって,人々は,彼らが近くにおり,自分たちの近辺に住んでいることを聞いた。17 そこでイスラエルの子らは出かけて行って,三日目に彼らの都市に来た。彼らの都市は,ギベオン+,ケフィラ+,ベエロト+,キルヤト・エアリム+であった。18 それでも,イスラエルの子らは彼らを討たなかった。集会の長たちがイスラエルの神エホバにかけて+誓ったからであった+。けれども,集会のすべての者は長たちに対してつぶやきはじめた+。19 これに対し長たち全員は集会のすべての者にこう言った。「わたしたちとしては,イスラエルの神エホバにかけて彼らに誓いをした。だから今になって彼らを傷つけることは許されない+。20 彼らに誓ったその誓いのためにわたしたちに憤りが臨まぬよう彼らを生き長らえさせることにする*が+,その代わり彼らに対してこのようにしよう」。21 そうして長たちはこう言った。「彼らを生かしておいて,全集会のためにまきを集める者*,水をくむ者+とならせ,こうして長たちが彼らに約束したとおりにしよう+」。
22 そこでヨシュアは彼らを呼び,それに話してこう言った。「どうしてあなた方は,『非常に遠く離れた所の者です』などと言って,わたしたちをだましたのか+。その実,わたしたちのただ中に住んでいるではないか+。23 だから今,あなた方はのろわれた+者だ。奴隷の地位+,そしてわたしの神の家のためにまきを集め,水をくむ者として[の地位]は*決してあなた方から離れないであろう+」。24 すると彼らはヨシュアに答えて言った,「僕どもははっきりと知らされたからです。すなわち,あなたの神エホバはその僕モーセに命じて,この全土をあなた方に与え,この地に住むすべての民をあなた方の前から滅ぼし尽くすようにされたということを+。それで,あなた方のためにわたしどもは自分の魂について*非常な不安を抱くようになりました+。それでこのようにしたのです+。25 ですが今,ご覧ください,わたしどもは,あなたの手中にあります。わたしどもに対しあなたの目に良いと思え,正しいと思えることをそのとおり行なってください+」。26 そこで彼はそれらの人々に対してそのとおりに行ない,これをイスラエルの子らの手から救い出して殺さなかった+。27 そうしてヨシュアはその日,彼らを,集会のため+,またエホバの祭壇のために,その選ばれる場所+においてまきを集める者,水をくむ者とし*+,今日に至っている。
10 さて,エルサレムの王アドニ・ツェデクは,ヨシュアがアイを攻略して+それを滅びのためにささげたこと+,エリコとその王+に対して行なったと同じこと+をアイとその王に対しても行なったこと+,そしてギベオンの住民がイスラエルと和を結んで+そのうちにとどまっていることを聞き,2 非常な恐れを*抱くようになった+。ギベオンは大きな都市で,王都*の一つのようであったし,それはアイ+よりも大きく,そこの男たちはみな力ある者たちであったからである。3 そこで,エルサレム+の王アドニ・ツェデクは,ヘブロン+の王ホハム,ヤルムト+の王ピルアム,ラキシュ+の王ヤフィア,エグロン+の王デビルのもとに使いを送って,こう言った。4 「わたしのところに上って来て助けてほしい。さあ,ギベオンを討とうではないか。ヨシュアおよびイスラエルの子らと和を結んだからだ+」。5 こうして彼らは寄り集まって上って行った。アモリ人+の五人の王,すなわちエルサレムの王,ヘブロンの王,ヤルムトの王,ラキシュの王,エグロンの王,これらとそのすべての陣営であった。彼らはギベオンに対して陣営を敷き,これに対して戦おうとした。
6 そこでギベオンの人々はギルガルの宿営にいるヨシュアのもとに使いを送って+,こう言った。「あなたの手をあなたの奴隷たち+から緩めないでください。早く上って来て,どうかわたしたちを救い,わたしたちを助けてください。山地に住むアモリ人の王たちが皆わたしたちを攻めようとして集結したからです」。7 それでヨシュアはギルガルから上って行った。彼および共にいる戦いの民すべて+,またすべての勇敢な力ある者たち+である。
8 その時エホバはヨシュアにこう言われた。「彼らを恐れてはいけない+。わたしは彼らをあなたの手に与えたからである+。そのひとりといえあなたに立ち向かうことはない+」。9 そこでヨシュアは彼らに対して不意打ちをかけた。夜を徹してギルガルから上って行ったのである。10 するとエホバは彼らをイスラエルの前で混乱に陥れ+,人々*は彼らを打ち殺してゆき,ギベオンで大いなる殺りくを行なった+。さらに,ベト・ホロンの上り坂を通って彼らを追跡し,これを打ち殺しつつアゼカ+とマケダ+にまで進んだ。11 そして,彼らがイスラエルの前から逃げて行ってベト・ホロンの下り坂にいた時,エホバは大きな石+を天から彼らの上に投じてアゼカにまで及び,それによって彼らは死んだ。イスラエルの子らが剣で殺した者より,雹の石で死んだ者のほうが多かった。
12 エホバがアモリ人をイスラエルの子らに渡された日にヨシュアがエホバに語りかけたのは,その時のことであった。彼はイスラエルの目の前でこう言った。
13 すると,太陽は静止し,月もとどまり,ついに国民は敵に対する報復をしとげることができた+。そのことはヤシャル*の書+に記されているではないか。太陽は天の中ほどにとどまり,まる一日ほどのあいだ急いで沈むことはなかったのである+。14 そして,エホバが人の声を聴き入れてそのようになった日は,その前にも後にも一度もない+。エホバは自らイスラエルのために戦っておられたのである+。
15 その後,ヨシュアとそれに伴う全イスラエルはギルガルの宿営に帰った+。
16 一方,それら五人の王は逃げて行って+,マケダの洞くつに身を潜めた+。17 それで,「あの五人の王はマケダの洞くつに潜んでいるのが見つかった」という知らせがヨシュアのもとに伝えられた+。18 そこでヨシュアは言った,「その洞くつの口のところに大きな石を転がしておき,そこに人を割り当てて彼らを見張らせよ。19 あなた方のほうは立ち止まってはいけない。敵を追撃して,その背部を討つように+。彼らに自分の都市に入らせてはいけない。あなた方の神エホバは彼らをあなた方の手にお与えになったのである+」。
20 そして,ヨシュアとイスラエルの子らが彼らを打ち殺して大々的な殺りくを終え,ついにその者たちが終わりに至り+,生き残った者たちが逃げ延びて防備の施された都市の中に入ると+,21 民のすべてはマケダの宿営のヨシュアのもとに無事に戻って来た。舌をはやらせてイスラエルの子らを責める者はひとりもいなかった+。22 その時ヨシュアは言った,「洞くつの口を開き,それら五人の王を洞くつからわたしのところに連れ出して来るように」。23 そこで人々はそのとおりにし,それら五人の王,すなわちエルサレムの王+,ヘブロン+の王,ヤルムトの王,ラキシュの王+,エグロンの王+を洞くつから彼のもとに連れ出して来た。24 そして,人々がそれらの王をヨシュアのもとに連れ出して来ると,ヨシュアはイスラエルのすべての男子を呼び,自分と共に行った戦人の司令官たちにこう言った。「進み出よ。これら王たちのうなじにあなた方の足を当てるように+」。それで彼らは進み出て,そのうなじに自分の足を当てた+。25 するとヨシュアはさらにこう言った。「恐れたり,おびえたりしてはいけない+。勇気を持ち,強くあれ。あなた方が戦っているすべての敵に対してエホバはこのように行なわれるからである+」。
26 その後ヨシュアはその者たちを討って死に処し,これを五本の杭*に掛けた。彼らは夕方まで杭に掛けられていた+。27 次いで,日の沈む時刻にヨシュアが命令を出したので,人々はそれを杭から下ろし+,彼らが身を潜めていた洞くつの中に投げ込んだ。その後,大きな石をその洞くつの口に置いたが,それは今日までそのままである。
28 またその日,ヨシュアはマケダを攻略し+,剣の刃でこれを討った。その王については,彼はこれおよびそこにいたすべての魂*を滅びのためにささげた+。ひとりの生存者も残さなかった。こうしてマケダの王+に対し,エリコの王にしたと同じように行なった。
29 その後ヨシュアとそれに伴う全イスラエルは,マケダからリブナに進み,リブナ+に対して戦った。30 そこでエホバはそれをも,またその王をもイスラエルの手に与え,彼らはそれとそこにいたすべての魂を剣の刃で討っていった。そこにひとりの生存者も残さなかった。こうしてその王に対し,エリコの王にしたと同じように行なった+。
31 次いでヨシュアとそれに伴う全イスラエルは,リブナからラキシュ+に進み,これに対して陣営を敷いて戦いはじめた。32 するとエホバがラキシュをイスラエルの手に与えられたため,彼らはこれを二日目に攻略し,それとそこにいたすべての魂を剣の刃で討ち+,すべてリブナに対してしたと同じように行なった。
33 ゲゼル+の王ホラムがラキシュを助けに上って来たのはその時であった。それでヨシュアは彼とその民とを討って,ついにひとりの生存者も残さなかった+。
34 その後ヨシュアとそれに伴う全イスラエルは,ラキシュからエグロン+に進み,これに対して陣営を敷いて戦いはじめた。35 そして,その日のうちにこれを攻略し,それを剣の刃で討っていった。その日,そこにいたすべての魂を滅びのためにささげ,すべてラキシュに対してしたと同じように行なった+。
36 次いでヨシュアとそれに伴う全イスラエルは,エグロンからヘブロン+に上り,これに対して戦いはじめた。37 そしてついにそれを攻略し,それとその王またそのすべての町々とそこにいたすべての魂を剣の刃で討っていった。彼は生存者をひとりも残さず,すべてエグロンに対してしたと同じように行なった。こうしてそれとそこにいたすべての魂を滅びのためにささげた+。
38 最後にヨシュアとそれに伴う全イスラエルはデビル+に戻り,これに対して戦いはじめた。39 そして彼はついにそれとその王とそのすべての町々を攻略し,これを剣の刃で討って,そこにいたすべての魂を滅びのためにささげていった+。生存者をひとりも残さなかった+。ヘブロンに対してしたと同じように,デビルとその王に対しても行なった。また,リブナとその王に対して行なったのと同じであった+。
40 それからヨシュアは,山地+とネゲブ+とシェフェラ*+と斜面の全土+またそのすべての王たちを討った。ひとりの生存者も残さず,息あるすべてのもの*+を滅びのためにささげて+,イスラエルの神エホバが命じたとおりにした+。41 こうしてヨシュアは,カデシュ・バルネア+からガザ+まで,ゴシェン+の全土,そしてギベオン+に至るまでを討伐していった。42 そしてヨシュアはそれらのすべての王とその土地を一時に攻略した+。イスラエルの神エホバがイスラエルのために戦っておられたからである+。43 その後ヨシュアとそれに伴う全イスラエルはギルガルの宿営に帰った+。
11 さて,ハツォルの王ヤビンは,その事について聞くとすぐ,マドンの王+ヨバブ,またシムロンの王とアクシャフの王+,2 さらに,北方の山地,キネレト+の南の砂漠平原,シェフェラ+,西方のドル+の山稜にいる王たちのもとに使いを送った。3 すなわち,東方と西方のカナン人+,また山地のアモリ人+とヒッタイト人+とペリジ人+とエブス人+,さらにミツパ+の地のヘルモン+のふもとのヒビ人+[のもとにである]。4 それで彼ら,すなわち彼らとそれに伴うすべての陣営とが出て来たが,それは海辺の砂粒のように数の多い民であった+。そして,非常に多くの馬+と戦車も伴っていた。5 そうしてこれらのすべての王は申し合わせて集合し,イスラエルと戦うためメロムの水辺に来て,共に陣営を敷いた+。
6 ここにおいてエホバはヨシュアに言われた,「彼らのゆえに恐れてはいけない+。明日の今ごろ,わたしは彼らすべてを,打ち殺された者としてイスラエルに渡すからである。あなたは彼らの馬のひざ腱を切り+,兵車を火で焼く+」。7 それでヨシュアとそれに伴う戦いの民すべては,メロムの水ぞいに進んで彼らに不意打ちをかけ,これを襲撃した。8 その時エホバは彼らをイスラエルの手に与え+,人々は彼らを討って,人の多いシドン+やミスレフォト・マイム+にまで,また東方のミツペ+の谷あい平原にまで追跡して行った。こうして彼らを討ってゆき,ついにひとりの生存者も残さなかった+。9 その後ヨシュアは彼らに対してエホバが言われたとおりにした。彼らの馬のひざ腱を切り+,兵車を火で焼いたのである+。
10 それだけでなく,ヨシュアはその際に向きを転じて+ハツォルをも攻略した+。そしてその王を剣で討ち倒した+。ハツォルはそれまでそれらのすべての王国の頭であったからである。11 そして彼ら*はそこにいたすべての魂を剣の刃で討ち,[これを]滅びのためにささげていった*+。息あるものは何ひとつ残されなかった+。そして彼はハツォルを火で焼いた。12 こうしてこれらの王のすべての都市とそのすべての王たちをヨシュアは攻略し,これを剣の刃で討っていった+。それを滅びのためにささげて+,エホバの僕モーセが命じたとおりにした+。13 ただし,それぞれの塚の上に立っている都市だけは,イスラエルはこれを焼かなかった。ヨシュアがただ一つハツォルを焼いたことは例外であった。14 そして,それらの都市からのすべての分捕り物と家畜類を,イスラエルの子らは自分たちのために取った+。ただし人間だけは,これをすべて剣の刃で討って,ついに滅ぼし尽くした+。息ある者をだれも残さなかった+。15 エホバがその僕モーセに命じたとおりにモーセはヨシュアに命じ+,そのとおりにヨシュアは行なった。エホバがモーセに命じたすべての事柄から一言も取り除かなかった+。
16 そうしてヨシュアはこのすべての地を取った。すなわち,山地と全ネゲブ+とゴシェン+の全土,またシェフェラ+とアラバ+とイスラエルの山地およびそのシェフェラ+,17 セイル+に上って行くハラク山+から,ヘルモン山+のふもとにあるレバノンの谷あい平原のバアル・ガド+に至るまでである。彼はそのすべての王たちを攻略してこれを討ち,これを死に処していった+。18 多くの日々をかけてヨシュアはこれらのすべての王たちと戦った。19 イスラエルの子らと和を結んだ都市は,ギベオンに住むヒビ人+を別にすれば一つもなかった+。あとはすべて戦いによって取った+。20 彼らの心を強情にならせて+イスラエルに対して宣戦を行なわせること,これがエホバの道であったのである。こうして彼らを滅びのためにささげて,彼らが何ら好意的配慮を受けることのないようにするため+,彼らを滅ぼし尽くすためであった。それはエホバがモーセに命じたとおりであった+。
21 さらにその時,ヨシュアは行って,山地から,ヘブロンとデビルとアナブ+から,またユダのすべての山地とイスラエルのすべての山地+からアナキム+を断ち滅ぼした。ヨシュアは彼らをその都市もろとも滅びのためにささげた+。22 イスラエルの子らの土地にアナキムは残されていなかった。ガザ+とガト+またアシュドド+にのみ彼らは残っていた+。23 こうしてヨシュアは,すべてエホバがモーセに約束したとおりにその全土を手に入れた+。そしてヨシュアはそれを相続分としてイスラエルに,それぞれの受け分にしたがってその部族ごとに分け与えた+。そして,その地に戦争による騒乱はなかった+。
12 さて,ヨルダンの日の出の側+,アルノン+の奔流の谷からヘルモン山+まで,また日の出の側の*全アラバ+においてイスラエルの子らが撃ち破って,その土地を取得したその地の王たちは以下のとおりであった。2 すなわち,ヘシュボン+に住んでいたアモリ人の王シホン+。この者は,アルノン+の奔流の谷の岸にあるアロエル+から,奔流の谷の中間,ギレアデの半分,アンモンの子らとの境界をなす奔流の谷のヤボク+までを支配し,3 アラバ+はキネレト+の海までその東側,また東のベト・エシモト+に向かってアラバの海すなわち“塩の海+”まで,そして南のほうはピスガ+の斜面の下に及んだ。
4 そして,バシャンの王オグ+の領地。これはレファイム+のうち残っていた者のひとりで,アシュタロテ+とエドレイ+に住み,5 ヘルモン山+とサレカと全バシャン+を,ゲシュル人+とマアカト人+の境界まで,またギレアデの半分,ヘシュボン+の王シホン+の領地に達するまでを支配していた。
6 エホバの僕モーセとイスラエルの子らとが彼らを撃ち破った+。その後エホバの僕モーセは,保有地としてそれをルベン人+,ガド人+,およびマナセの半部族+に与えた。
7 また,ヨシュアとイスラエルの子らがヨルダンの西側で撃ち破ったその地の王たちは以下のとおりである。それはレバノン+の谷あい平原のバアル・ガド+から,セイル+に上って行くハラク山+までであり,後にヨシュアはそれを保有地としてイスラエルの各部族に,その受け分にしたがって分け与えた+。8 山地とシェフェラとアラバと斜面と荒野とネゲブであり+,ヒッタイト人,アモリ人+とカナン人,ペリジ人,ヒビ人とエブス人+である。すなわち,
14 ホルマの王,一人。アラドの王,一人。
18 アフェクの王,一人。ラシャロンの王,一人。
20 シムロン・メロン*の王,一人。アクシャフ+の王,一人。
22 ケデシュの王,一人。カルメルのヨクネアム+の王,一人。
23 ドル+の山稜にあるドルの王,一人。ギルガル*のゴイムの王,一人。
24 ティルツァの王,一人。
王たちは全部で三十一人である+。
13 さて,ヨシュアは年老いて高齢に達していた*+。それでエホバは彼にこう言われた。「あなたも年老いて高齢に達した。だが,土地はなお取得すべき所が非常に多く残っている+。2 これがなお残っている土地である+。すなわち,フィリスティア人の全域+とゲシュル人の全土+ 3 (エジプトのいちばん前にあるナイルの支流から*,北方のエクロンの境界地方まで+。そこはカナン人に属するとみなされていた+)。フィリスティア人の枢軸領主*+五人,ガザ人*+とアシュドド人+,アシュケロン人+,ギト人*+とエクロン人+。それにアビム+。4 南はカナン人の全土。それからメアラ*,すなわちシドン人+に属する所をアフェクまで,アモリ人の境まで。5 またゲバル人*+の地と,日の出の側のレバノンの全土,ヘルモン山のふもとのバアル・ガド+からハマトに入るところ+まで*。6 山地のすべての住民,レバノン+からミスレフォト・マイム+まで,すべてのシドン人+。わたし自身が彼らをイスラエルの子らの前から立ち退かせる+。ただそれを,わたしが命じたとおり,相続地としてイスラエルに帰属させよ+。7 それで今,この地を相続地として九部族とマナセの半部族とに配分せよ+」。
8 あとの半部族と共に,ルベン人とガド人は,ヨルダンの東側でモーセが与えたそれぞれの相続地を得,エホバの僕モーセが彼らに与えたとおりになっていた+。9 すなわち,アルノン+の奔流の谷の岸にあるアロエル+から,奔流の谷の中間にある都市,そしてメデバ+の全台地をディボン+まで,10 ヘシュボンで治めていたアモリ人の王シホンのすべての都市をアンモンの子ら+との境界地方まで,11 またギレアデ,およびゲシュル人+とマアカト人の領地,ヘルモン山+全域,さらにバシャン+全土をサレカ+までで,12 アシュタロテとエドレイ+で治めていたバシャンのオグ+の全王土である ― 彼がレファイムの残っていた者のうちのその残りの者である+ ― モーセは彼らを討って立ち退かせていったのである+。13 だが,イスラエルの子らはゲシュル人とマアカト人を立ち退かせなかった+。それでゲシュル+とマアカトは今日までイスラエルの中に住んでいる。
14 レビ人の部族に対してだけは,彼は相続地を与えなかった+。イスラエルの神エホバへの火による捧げ物+が彼らの受ける相続分であり+,彼らに約束されたとおりだったのである+。
15 その後モーセはルベンの子らの部族に対してその家族ごとに分け与えてゆき,16 アルノンの奔流の谷の岸にあるアロエル+から,奔流の谷の中間にある都市,そしてメデバのところの全台地+が彼らの領地となった。17 ヘシュボン+とそれに属するすべての台地の町々+,ディボン+,バモト・バアル+,ベト・バアル・メオン+,18 またヤハツ+,ケデモト+,メファアト+,19 さらにキルヤタイム+,シブマ+,低地平原の山中にあるツェレト・シャハル,20 それにベト・ペオル,ピスガの斜面+,ベト・エシモト+であり,21 台地のすべての都市+とヘシュボンで治めていたアモリ人の王シホンの全王土+である。モーセはこの者を討ち+,またミディアンの長たち,エビ,レケム,ツル,フル,レバ+,すなわちシホンの君侯でその地に住んでいた者たちをも[討った]。22 また,占い師+であった,ベオルの子バラム+もまた,イスラエルの子らが剣で殺したその打ち殺された者たちの一人であった。23 それで,ルベンの子らの境界はヨルダンまでとなった。これが領地としてルベンの子らのその家族ごとの相続地であり+,都市とそれに伴う集落とがあった。
24 さらにモーセは,ガドの部族,ガドの子らにもその家族ごとに分け与えてゆき+,25 彼らの領地は,ヤゼル+と,ギレアデのすべての都市+,またアロエル+に至るアンモンの子らの土地+の半分,ラバ+に面する所となった。26 ヘシュボン+からラマト・ミツペとベトニムまで,またマハナイム+からデビル+の境界地方までであった。27 さらに,低地平原には,ベト・ハラム+,ベト・ニムラ+,スコト+,ツァフォンがあり,これはヘシュボン+の王シホンの王土の残りであり,キネレト*の海+の端に至るまでヨルダンが境界であり,ヨルダンの東側であった。28 これがガドの子らのその家族ごとの相続地であり+,都市とそれに伴う集落とがあった。
29 さらにモーセはマナセの半部族に*も分け与え,それがマナセの子らの半部族の*,その家族ごとの分となった+。30 そして,彼らの領地はマハナイム+からバシャンの全土,すなわちバシャンの王オグの全王土+,およびバシャンにあるヤイルの天幕村+すべて,六十の町々となった。31 そして,ギレアデの半分,またバシャンのオグの王土の都市であるアシュタロテ+とエドレイ+は,マナセの子であるマキル+の子らに,マキルの子らの半分にその家族にしたがって所属することになった。
32 これはモーセが[彼らに]受け継がせた分であり,それはヨルダンの東側,エリコに面するモアブの砂漠平原においてであった+。
33 そして,レビ人の部族に対して,モーセは相続地を与えなかった+。彼らに約束されたとおり,イスラエルの神エホバが彼らの受ける相続分である+。
14 さて,イスラエルの子らがカナンの地で相続物として得たところは以下のとおりである+。祭司エレアザルとヌンの子ヨシュア,およびイスラエルの子らの各部族の父たちの頭が彼らにこれを受け継がせた+。2 それぞれの相続地はくじによって[定められ+],九部族と半部族のためエホバがモーセによって命じたとおりにされた+。3 モーセは他の二部族と他の半部族の相続地をヨルダンの向こう側で与えていたからである+。また,レビ人には彼らの間に相続地を与えなかった+。4 ヨセフの子らがマナセ+とエフライム+の二つの部族になっていたのである+。そして彼らはレビ人に対し,居住のための都市+,またその畜類と資産のための[周囲の]牧草地+のほかは,その土地の中に受け分を与えていなかった。5 エホバがモーセに命じたとおりにイスラエルの子らは行なった。こうして彼らはその土地を配分した。
6 その時ユダの子らがギルガルでヨシュアに近づき+,ケニズ人+エフネの子カレブ+が彼にこう言った。「エホバがわたしについて,またあなたについてカデシュ・バルネア+で[まことの]神*の人モーセ+に話された言葉+を,あなた自身もよく知っています。7 エホバの僕モーセがカデシュ・バルネアから遣わしてこの地を偵察させた時+,わたしは四十歳でした。わたしは戻って来て自分の心にあったとおりの言葉を報告しました+。8 ですが,一緒に上って行ったわたしの兄弟たちは民の心を溶け入らせました+。それでもわたしは,自分の神エホバに全く従いました+。9 そのためモーセはその日に誓って言いました,『あなたの足が踏んだ土地+は定めのない時に至る相続分としてあなたとあなたの子らのものとなる。あなたがわたしの神エホバに全く従ったからである+』。10 そして,エホバはご自分の約束どおり+,わたしを今ここに生き長らえさせてくださいました+。イスラエルが荒野を歩いていた時代,エホバがモーセにその約束をされて以来この四十五年であり+,わたしは今日ここに八十五歳になりました。11 それでもわたしは今日,モーセがわたしを遣わした日と同じく強健です+。その時のわたしの力も,今のわたしの力も戦いに対して同じであり,出て行くにも入って来るにも堪えることができます+。12 ですから今,エホバがその日に約束してくださったこの山地を是非ともわたしにお与えください+。その日にあなたも聞いたとおりですが,そこにはアナキム+がおり,防備の施された大きな都市+があります。エホバはわたしと共にいてくださるでしょう+。エホバが約束してくださったとおり,わたしはきっと彼らを立ち退かせます+」。
13 それを聞いてヨシュアは彼を祝福し,ヘブロンをエフネの子カレブの相続地として与えた+。14 こうしてヘブロンはケニズ人エフネの子カレブの相続地となって今日に及んでいる。それは,彼がイスラエルの神エホバに全く従ったからであった+。15 それ以前のヘブロンの名はキルヤト・アルバといった+([アルバ+は]アナキムの中の大いなる者[と言われている*])。そして,その地に戦争による騒乱はなかった+。
15 そして,ユダの子らの部族に,その家族ごとに,くじ+によって割り当てられた分は,エドム+との境界,チンの荒野+まで,ネゲブ+,その南の端までとなった。2 それで,彼らの南の境界は,“塩の海+”の先端から,南に面するその湾のところからとなった。3 次いでそれは南に出てアクラビム+の上り坂*に進み,チン+に渡り,南からカデシュ・バルネア+へ上り,ヘツロンに渡り,アッダルに上り,回ってカルカに行った。4 さらにそれはアツモン+に進んでエジプトの奔流の谷+に出た。その境界の終端は海であった。これが彼らの*南の境界となった。
5 また,東側の境界は“塩の海”で,ヨルダンの端*のところまで,そして境界の北の隅は,海の湾曲した,ヨルダンの端のところであった+。6 次いでその境界はベト・ホグラ+に上り,ベト・アラバ+の北を越えた。次いで境界はルベンの子ボハンの石+のところに上った。7 そして境界はアコルの低地平原+のところでデビルに上り,北方に転じてギルガル+に進んだ。それはアドミムの上り坂に面しており,それは奔流の谷の南にあたる。次いで境界はエン・シェメシュ+の水に渡り,その終端はエン・ロゲル+となった。8 次いで境界はヒンノムの子の谷+を上って,エブス人+の斜面つまりエルサレム+の南側に出た。境界はさらに,西方にヒンノムの谷*を見る山の頂に上った。それはレファイムの低地平原+の端,その北方に位置する。9 次いで境界はその山の頂からネフトアハの水の泉+に引かれ,そこから出てエフロン山の諸都市に進んだ。境界はさらにバアラ+つまりキルヤト・エアリム+に引かれた。10 次いで境界はバアラから回りながら西に進んでセイル山に行き,エアリム山の斜面の北側つまりケサロンに渡った。次いでそれはベト・シェメシュ+に下り,ティムナ+に渡った。11 そして境界はエクロン+の斜面,その北方に出,その境界はシケロンに引かれて,バアラ山に渡り,そこからヤブネエルに出た。そうして境界の終端は海となった。
12 そして,西側の境界は“大海+”およびその沿岸地方であった。これが,ユダの子ら,その諸家族の周囲の境界であった。
13 また,エフネの子カレブ+には,ヨシュアに対するエホバの指示にしたがい,ユダの子らの中にその分を与えた。それはキルヤト・アルバ([アルバは]アナクの父[と言われている]),つまりヘブロン+である。14 それでカレブはそこからアナク*+の三人の息子,すなわちシェシャイ+とアヒマンとタルマイ+,アナクから生まれた者たちを打ち払った+。15 後に彼はそこからデビル+に住む民のところに上った。(ところでデビルの名は,それまではキルヤト・セフェルといった+。)16 そうしてカレブはこう言った。「だれでもキルヤト・セフェルを討ってこれを攻略した者,その者には必ずわたしの娘アクサ+を妻として与えよう」。17 すると,カレブの兄弟ケナズ+の子オテニエル+がそれを攻略した。そこで彼は自分の娘アクサ+を妻としてこれに与えた。18 そして家に向かって行く時のこと,[アクサ]は,自分の父に畑を請うようにとしきりに彼を促すのであった。そうして,ろばに乗ったまま自分の手を打ち鳴らした*。これを見てカレブは彼女に言った,「お前は何が欲しいのか+」。19 それで彼女は言った,「どうか祝福をお与えください。わたしに下さったのは南のほうの一つの土地です。グロト・マイム*も是非わたしにお与えください」。そこで彼は上グロトと下グロト*を彼女に与えた+。
20 これが,ユダ+の子らの部族の,その家族ごとの相続地+であった。
21 そして,ユダの子らの部族の端,南のエドムとの境界+に向かう方面の都市は,カブツェエル+,エデル,ヤグル,22 またキナ,ディモナ,アドアダ,23 またケデシュ,ハツォル,イトナン,24 ジフとテレム+とベアロト,25 またハツォル・ハダタ,ケリヨト・ヘツロンつまりハツォル,26 アマムとシェマとモラダ+,27 またハツァル・ガダ,ヘシュモン,ベト・ペレト+,28 またハツァル・シュアル+,ベエル・シェバ+,ビズヨテヤ,29 バアラ+とイイムとエツェム+,30 またエルトラド,ケシル,ホルマ+,31 またチクラグ+,マドマナ,サヌサナ,32 またレバオト,シルヒム,アイン+,リモン+となった。全部で二十九の都市で,それに伴う集落があった。
33 シェフェラ+には,エシュタオル+,ツォルア+,アシュナ,34 ザノアハ+とエン・ガニム,タプアハとエナム,35 ヤルムト+とアドラム+,ソコ+とアゼカ+,36 またシャアライム+,アディタイム,ゲデラ,ゲデロタイムがあった。十四の都市とそれに伴う集落。
37 ツェナン,ハダシャ,ミグダル・ガド,38 またディルアン,ミツペ,ヨクテエル,39 ラキシュ+とボツカト+とエグロン+,40 またカボン,ラフマム,キトリシュ,41 またゲデロト,ベト・ダゴンとナアマとマケダ+。十六の都市とそれに伴う集落。
42 リブナ+,エテル+,アシャン,43 またイフタハ,アシュナ,ネツィブ,44 またケイラ+,アクジブ+,マレシャ+。九つの都市とそれに伴う集落。
45 エクロン+とそれに依存する町々*,またそれに伴う集落。46 エクロンから西に進んでアシュドドの近傍一帯とそれに伴う集落。
47 アシュドド+,それに依存する町々,またそれに伴う集落。ガザ+,それに依存する町々,またそれに伴う集落,エジプトの奔流の谷に至るまで。また,“大海*”とそれに隣接する地域+。
48 そして,山地には,シャミル,ヤティル+,ソコ,49 またダナ,キルヤト・サナつまりデビル,50 またアナブ,エシュテモ+,アニム,51 またゴシェン+,ホロン,ギロ+があった。十一の都市とそれに伴う集落。
52 アラブとドマとエシュアン,53 またヤニム,ベト・タプアハ,アフェカ,54 またフムタ,キルヤト・アルバつまりヘブロン+,ツィオル。九つの都市とそれに伴う集落。
55 マオン+,カルメルとジフ+とユタ,56 またエズレル,ヨクデアム,ザノアハ,57 カイン,ギベアとティムナ+。十の都市とそれに伴う集落。
58 ハルフル,ベト・ツルとゲドル,59 またマアラト,ベト・アノト,エルテコン。六つの都市とそれに伴う集落。
60 キルヤト・バアル+つまりキルヤト・エアリム+,ラバ。二つの都市とそれに伴う集落。
61 荒野には,ベト・アラバ+,ミディンとセカカ,62 またニブシャン,“塩の都市”,エン・ゲディ+。六つの都市とそれに伴う集落。
63 エルサレム+に住むエブス人+については,ユダの子らはこれを打ち払うことができなかった+。そのためエブス人は今日に至るまでユダの子らと共にエルサレムに住んでいる。
16 また,ヨセフ+の子らにくじ+で当たった分は,エリコのところのヨルダン+からエリコの水の東方へ,エリコからベテル+の山地に上る荒野であった。2 次いでそれはルズ+に属するベテルを出てアタロトのアルキ人+との境界に渡り,3 西に下ってヤフレト人との境界へ,下ベト・ホロン+とゲゼル+の境界まで進み,その終端は海となった+。
4 こうしてヨセフの子ら+,マナセとエフライム+は土地を取得することになった+。5 そして,エフライムの子らがその家族ごとに得た地の境界,すなわち彼らの相続地の境界は,東の方はアタロト・アダル+となり,そこから上ベト・ホロン+に進んだ。6 そしてその境界は海に出た。ミクメタト+は北側に位置し,境界は東に回ってタアナト・シロに進み,東方のヤノアハに渡った。7 次いでそれはヤノアハからアタロトとナアラに下り,エリコ+に達してヨルダンに出た。8 タプアハ+から境界は西方に進んでカナの奔流の谷+に出,その終端は海となった+。これが,エフライムの子らの部族が,その家族ごとに得た相続地である。9 そして,エフライムの子らは,マナセの子らの相続地の中にも飛び地の*都市+を有していた。すべて都市とそれに伴う集落であった。
10 また彼らはゲゼル+に住むカナン人を打ち払わなかった+。そのためカナン人が今日までエフライムの中に住んでおり+,奴隷的強制労働に服する者となっている+。
17 さらに,くじ+による割り当て分が,ヨセフの長子+であったマナセ+の部族のもの,戦人+であることを示したマナセの長子,ギレアデ+の父であるマキル+のものとなった。それでギレアデ+とバシャンは彼に属することになった。2 また,[くじによる割り当て分が,]* 残っていたマナセの子らの各家族のため,すなわちアビ・エゼル+の子ら,ヘレク+の子ら,アスリエルの子ら,シェケム+の子ら,ヘフェルの子ら,シェミダ+の子らのものとなった。これらはヨセフの子であるマナセの子らであり,家族ごとに挙げたその男子であった。3 マナセの子,マキルの子,ギレアデの子,ヘフェルの子ツェロフハド+には,息子がおらず,ただ娘たちだけであった。その娘たちの名は以下のとおり。マフラとノア,ホグラ,ミルカとティルツァ+。4 そのため彼女たちは祭司エレアザル+とヌンの子ヨシュアと長たちの前に出てこう言った。「エホバは,兄弟たちの中にあってこのわたしどもにも相続地を与えるようにとモーセに命じてくださいました+」。そこで彼は,エホバの指示どおり,その父の兄弟たちの中において彼女たちにも相続地を与えた+。
5 そして,ヨルダンの向こう側のギレアデとバシャンの地は別にして,マナセには十の配分地が当たった+。6 マナセの娘たちが息子たちに交じって相続分にあずかったからである。ギレアデの地はそのほかのマナセの子らの所有地となった。
7 そして,マナセの境界は,アシェルから,シェケム+に面するミクメタト+までとなった。その境界は右に進んでエン・タプアハに住む者たちのところに行った。8 タプアハ+の地はマナセのものとなったが,マナセの境界のところのタプアハそのものはエフライムの子らに所属した。9 次いで境界はカナの奔流の谷に下った。すなわち南に進んでマナセの諸都市の間にあるそれらエフライムの都市+の奔流の谷に[下った]が,マナセの境界はその奔流の谷の北側であり,その終端は海となった+。10 南側がエフライム,北側がマナセであり,また海がその*境界となった+。北はアシェルに,東はイッサカルに接した。
11 また,マナセ+には,イッサカルとアシェルの地のうち,ベト・シェアン+とそれに依存する町々,イブレアム+とそれに依存する町々,ドル+の住民とそこに依存する町々,エン・ドル+の住民とそこに依存する町々,タアナク+の住民とそこに依存する町々,メギド+の住民とそこに依存する町々,高台三つが所属することになった。
12 しかし,マナセの子らはこれらの都市を取得できず+,カナン人がその地にずっと住み続けていた+。13 そして,イスラエルの子らが強くなると+,カナン人を強制労働に処するのであった+。それでも,彼らを全く立ち退かせることはなかった+。
14 その後ヨセフの子らはヨシュアと話してこう言った。「わたしの相続地として,ただ一つのくじ分+,ただ一つの配分地しか下さらなかったのはどうしてでしょうか。エホバがこれまで祝福してくださったおかげでわたしは数の多い民となっているのです+」。15 それに対しヨシュアは彼らに言った,「数の多い民であるのなら,森林地に上って行きなさい。そこのペリジ人+とレファイム+の地で,自分のためにそれを切り倒すのです。エフライムの山地+があなたにとって狭すぎるようになったのですから」。16 するとヨセフの子らは言った,「その山地はわたしたちにとって十分ではありません。しかも,低地平原の地に住むすべてのカナン人には,ベト・シェアン+とそれに依存する町々にいる者にも,エズレル+の低地平原にいる者たちにも,鉄の大鎌のついた戦車+があります」。17 それでヨシュアは,ヨセフの家,すなわちエフライムとマナセとにこう言った。「あなたは数の多い民です。大きな力があなたにあります+。あなたはただ一つのくじ分を受けるのではなく+,18 むしろ山地を自分たちのものとすべきなのです+。それは森林地ですから,是非ともそれを切り倒して,そこをあなたの境目としなさい。カナン人が鉄の大鎌のついた戦車*を持っていて強かろうとも,あなたはこれを打ち払うべきなのです+」。
18 その時イスラエルの子らの集会のすべての者はシロ+に集合していた。そして彼らはそこに会見の天幕を置いた+。今や土地は彼らの前に従えられていたからである+。2 しかし,イスラエルの子らの中には,自分の相続地を配分されていない者たち,すなわち七つの部族がまだ残っていた。3 それでヨシュアはイスラエルの子らにこう言った。「あなた方の父祖たちの神エホバが与えてくださった土地+に入ってそれを取得することを,あなた方はいつまで怠っているのですか+。4 自分たちのために各部族から三人の者を出しなさい。わたしはその者たちを送り出します。彼らが身を起こしてその地を行き巡り,自分たちの相続地にしたがってその図面をかくためです。そののち彼らをわたしのところに来させます+。5 次いで彼らはそれを自分たちの間で七つの受け分に分けるのです+。ユダは南のほうで自分の領地にそのままとどまり+,ヨセフの家も北方で自分の領地にとどまることになります+。6 あなた方は,図面をかいてその地を七つの受け分に分けます。それをこのわたしのところに持って来なければなりません。わたしはここで,わたしたちの神エホバの前にあってあなた方のためにくじ+を引くことにします。7 レビ人はあなた方の間で受け分を持たないのです+。エホバの祭司職が彼らの相続分であるからです+。また,ガドとルベン+とマナセの半部族+は,ヨルダンの東側でそれぞれの相続地を取りました。エホバの僕モーセがそれを彼らに与えました+」。
8 それで人々は出かけて行こうとして身を起こしたが,ヨシュアはその地の図面をかきに出かけて行く者たちに命じて+こう言った。「行ってその地を巡り,そこの図面をかいて,わたしのところに戻って来なさい。ここシロ+において,わたしはあなた方のためエホバの前でくじを引きます+」。9 そこで人々は出て行ってその地を通り,都市ごとにその図面をかいて+七つの受け分に分け,ひとつの書にまとめた。そののち一行はシロの宿営にいるヨシュアのところにやって来た。10 それでヨシュアは彼らのため,シロで,エホバの前にあってくじを引いていった+。こうしてヨシュアはその所でイスラエルの子らに土地を配分し,それぞれの受け分を[定めた+]。
11 それで,ベニヤミン+の子らの部族,その諸家族に対するくじ+が出た。くじによる彼らの領地は,ユダ+の子らとヨセフ+の子らとの間となった。12 そして,彼らの境界,その北の隅はヨルダンからとなった。境界はエリコ+の斜面,その北側に上り,西方の山に上り,その終端はベト・アベン+の荒野となった。13 次いで境界はそこからルズ+に,ルズの南斜面に渡った。つまりベテル+である。次いで境界は山上にあるアタロト・アダル+に下った。それは下ベト・ホロン+の南にある。14 境界はさらに引かれ,ベト・ホロンに面してその南にある山のところを回って西側を南に進み,その終端はキルヤト・バアル,つまりユダの子らの都市であるキルヤト・エアリム+となった。これが西側である。
15 そして南側はキルヤト・エアリムの端からで,その境界は西方に出,またネフトアハの水の泉+に出た。16 次いで境界はヒンノムの子の谷+に面する山の端に下った。それはレファイムの低地平原+,その北方にある。次いでそれはヒンノムの谷*,エブス人+の斜面の南側に下り,さらにエン・ロゲル+に下った。17 次いでそれは北方に引かれてエン・シェメシュに出,さらにゲリロトに出た。それはアドミム+の上り坂に面している。次いでそれはルベンの子ボハン+の石+のところに下った。18 さらにそれはアラバに面する北側の斜面に渡り,アラバに下った。19 次いで境界はベト・ホグラ+の北の斜面に渡り,その(つまり境界の)終端は,“塩の海+”の北の湾曲,ヨルダンの南の端となった。これが南の境界であった。20 そして,ヨルダンが東側の境界となった。これが,ベニヤミンの子ら,その諸家族の相続地であり,その周囲の境界によって示したものである。
21 そして,ベニヤミンの子らの部族,その諸家族に属する都市は,エリコ+,ベト・ホグラ,エメク・ケジツ,22 またベト・アラバ+,ツェマライム,ベテル+,23 またアビム,パラ,オフラ+,24 またケファル・アモニ,オフニ,ゲバ+となった。十二の都市とそれに伴う集落。
25 ギベオン+,ラマ,ベエロト,26 またミツペ+,ケフィラ+,モツァ,27 またレケム,イルペエル,タルアラ,28 またツェラ+,ハ・エレフとエブシ*つまりエルサレム+,ギベア+とキルヤト。十四の都市とそれに伴う集落。
これが,ベニヤミンの子ら,その諸家族の相続地であった+。
19 次いで二番目のくじ+はシメオンのため,シメオンの子ら+の部族,その諸家族のために出た。そして彼らの相続地はユダの子らの相続地の中にあることになった+。2 それで彼らは[ユダの子ら]の相続地の中に,ベエル・シェバ+およびシェバ*,またモラダ+,3 またハツァル・シュアル+,バラ,エツェム+,4 またエルトラド+,ベトル,ホルマ,5 またチクラグ+,ベト・マルカボト,ハツァル・スサ+,6 またベト・レバオト+,シャルヘンを持つことになった。十三の都市とそれに伴う集落である。7 アイン+,リモン+とエテルとアシャン+。四つの都市とそれに伴う集落。8 そして,これらの都市の周囲にあるすべての集落を,バアラト・ベエル+,南の*ラマ+に至るまで。これがシメオンの子らの部族,その諸家族の相続地であった。9 シメオンの子らの相続地は,ユダの子らへの配分地の中から取られていた。ユダの子らの受け分が彼らにとって大きすぎたからである+。こうしてシメオンの子らは彼らの相続地の中に所有地を得た+。
10 次に,三番目のくじ+がゼブルン+の子ら,その諸家族のために出た。その相続地の境界はサリドまでとなった。11 そして彼らの境界は西方に上ってマルアラにまで行き,ダベシェトに達し,さらにヨクネアム+に面する奔流の谷に達した。12 またそれは戻ってサリドから東方へ,日の出に向かってキスロト・タボルの境界地方に進み,ダベラト+に出,またヤフィアに上った。13 次いでそこから東方に渡って,日の出の側をガト・ヘフェル+に,エト・カツィンに進み,リモンに出,さらにネアにまで引かれた*。14 次いで境界はそこの北を回ってハナトンに行き,その終端はイフタハ・エルの谷となった。15 そして,カタト,ナハラル,シムロン+,イドアラ,ベツレヘム+,十二の都市とそれに伴う集落である。16 これがゼブルンの子ら,その諸家族+の相続地+であった。これらは都市とそれに伴う集落であった。
17 イッサカル+のために四番目のくじが出た。イッサカルの子ら,その諸家族のためである。18 そして彼らの境界は,エズレル+までとなり,さらにケスロトとシュネム+,19 ハファライム,シオーン,アナハラト,20 またラビト,キション,エベツ,21 またレメト,エン・ガニム+,エン・ハダ,ベト・パツェツであった。22 そして境界はタボル+,シャハツマ,ベト・シェメシュに達し,彼らの境界の終端はヨルダンとなった。十六の都市とそれに伴う集落である。23 これが,イッサカルの子らの部族,その諸家族+の相続地であり,都市とそれに伴う集落であった。
24 次いで五番目のくじ+が,アシェル+の子らの部族,その諸家族のために出た。25 そして,彼らの境界は,ヘルカト+,ハリ,ベテン,アクシャフ+,26 またアラメレク,アムアド,ミシュアル+となった。次いでそれは西方に進んでカルメル+とシホル・リブナトに達し,27 また日の出のほうに戻ってベト・ダゴンに行き,ゼブルン+およびイフタハ・エルの谷の北方,ベト・エメクとネイエルに達し,カブルの左に出,28 エブロン,レホブ,ハモン,カナ,そして人の多いシドンにまで進んだ+。29 次いで境界は戻ってラマに,また防備の施された都市ティルス+に進んだ。境界はさらに戻ってホサに行き,その終端はアクジブ+地方の海となった*。30 それに,ウマ,アフェク+,レホブ+があった。二十二の都市とそれに伴う集落である。31 これが,アシェルの子らの部族,その諸家族+の相続地であった。これらは都市とそれに伴う集落であった。
32 ナフタリ+の子らのために六番目のくじ+が出た。ナフタリの子ら,その諸家族のためである。33 そして彼らの境界は,ヘレフから,ツァアナニム+の大木からとなり,アダミ・ネケブ,ヤブネエル,さらにラクムに至った。その終端はヨルダンとなった。34 また境界は西方に戻ってアズノト・タボルに進み,そこからフッコクに出,その南側でゼブルン+に接した。また,西側でアシェル+に,日の出の側,ヨルダンのところでユダ+に接した*。35 そして,防備の施された都市はツィディム,ツェルとハムマト+,ラカトとキネレト+,36 またアダマ,ラマ,ハツォル+,37 またケデシュ+,エドレイ,エン・ハツォル,38 イルオンとミグダル・エル,ホレムとベト・アナトとベト・シェメシュ+。十九の都市とそれに伴う集落であった。39 これが,ナフタリの子らの部族,その諸家族+の相続地+であり,都市とそれに伴う集落であった。
40 ダン+の子らの部族,その諸家族のために七番目のくじ+が出た。41 そして彼らの相続地の境界はツォルア+,エシュタオル,イル・シェメシュとなった。42 また,シャアラビン+,アヤロン+,イトラ,43 またエロン,ティムナ+,エクロン+,44 またエルテケ,ギベトン+,バアラト+,45 またエフド*,ベネ・ベラク,ガト・リモン+,46 またメ・ヤルコンとラコンで,その境界はヨッパ+に面していた。47 だが,ダンの子らの領地は彼らにとってあまりに手狭+であった*。それでダンの子らは上って行ってレシェム+と戦い,これを攻略して剣の刃で討った。こうしてそれを取得してそこに住むことにし,父祖ダンの名にしたがってレシェムをダンと呼ぶようになった+。48 これが,ダンの子らの部族,その諸家族の相続地であった。これらは都市とそれに伴う集落であった。
49 こうして彼らはその地を所有地としてそれぞれの領地に分けることを終えた。その後イスラエルの子らはヌンの子ヨシュアに対して自分たちの中にその相続地を与えた。50 エホバの指示にしたがって,彼の求めた都市,すなわちエフライムの山地にあるティムナト・セラハ+を与えたのである+。彼はその都市を建て直して,そこに住むようになった。
51 以上が,祭司エレアザルとヌンの子ヨシュアおよびイスラエルの子らの各部族の父たちの頭が,シロにおいて+エホバの前,会見の天幕の入口で,所有地としてくじによって分配した+その相続地であった+。こうして彼らは土地の配分を終えた。
20 その時エホバはヨシュアに話してこう言われた。2 「イスラエルの子らに話して言いなさい,『自分たちのために,わたしがモーセによって話した避難都市+を定めなさい。3 意図せず,それと知らずに魂を打って死なせた殺人者+がそこに逃げるためである。それはあなた方のため,血の復しゅう者*+からの避難所となる。4 ゆえにその者はそれらの都市の一つに逃げ+,その都市の門+の入口に立ち,都市の年長者たち+の聞くところで自分の言葉を述べなければならない。彼らはその者をその都市の中,自分たちのもとに迎え入れて場所を与え,その者は彼らと共に住むことになる。5 そして,血の復しゅう者が追いかけて来る場合でも,その殺人者をその手に引き渡してはいけない+。それと知らずに仲間の者を打って死なせたのであり,これを以前から憎んでいたのではないからである+。6 そしてその者は,裁きのために集会の前に立つまで+,その時にいる大祭司*の死まで+その都市に住んでいなければならない。こうして後にその殺人者は戻ってよい+。その者は自分の都市,自分の家へ,自分が逃げて来たもとの都市に入ることになる』」。
7 そこで彼らは,ナフタリの山地にあるガリラヤの*ケデシュ+,エフライムの山地のシェケム+,ユダの山地にあるキルヤト・アルバ+つまりヘブロンに神聖な地位を与えた*。8 また,ヨルダンの地方,エリコのところ,その東側では,ルベン+の部族から台地の荒野にあるベツェル+,ガドの部族からギレアデのラモト+,マナセの部族からバシャンのゴラン+を与えた。
9 これらは,イスラエルのすべての子らのため,またその中に外国人として住む外人居留者のために定められた都市となった。すべて意図せずに魂を打って死なせた者がそこに逃げるため+,その者が集会の前に立つまでに血の復しゅう者の手にかかって死ぬことのないためである+。
21 次いでレビ人の父の頭たちが,祭司エレアザル+とヌンの子ヨシュア+およびイスラエルの子らの各部族の父たちの頭に近づき,2 カナンの地のシロ+で彼らに話してこう言った。「エホバはモーセにより,住むべき都市を,そして家畜のためのその牧草地をわたしたちに与えるようにとお命じになりました+」。3 それでイスラエルの子らは,エホバの指示どおり,自分たちの相続地の中から+,これらの都市とそれに伴う牧草地とをレビ人+に与えた。
4 さて,コハト人+の諸家族のためにくじが出た。そして,ユダ+の部族から,シメオン人+の部族から,ベニヤミン+の部族から,くじによって十三の都市がレビ人のうちの祭司アロンの子らに属することになった。
5 そして,コハト+のほかの子らのためには,エフライム+の部族の諸家族*から,ダン+の部族から,マナセ+の半部族から,くじによって十の都市があてられた。
6 また,ゲルション+の子らのためには,イッサカル+の部族の諸家族から,アシェル+の部族から,ナフタリ+の部族から,バシャン+にいるマナセの半部族から,くじによって十三の都市があてられた。
7 メラリ+の子ら,その諸家族のためには,ルベン+の部族から,ガド+の部族から,ゼブルン+の部族から十二の都市があてられた。
8 こうしてイスラエルの子らはこれらの都市とそれに伴う牧草地+とをくじ+でレビ人に与え,エホバがモーセによって命じたとおりにした+。
9 それで,ユダの子らの部族から,またシメオンの子らの部族から,名を挙げて呼ばれたこれらの都市を与え+,10 それは,レビの子のコハト人の諸家族のうち,アロンの子らに属することになった。最初のくじは彼らのものとなったからである+。11 こうして彼らにキルヤト・アルバ+([アルバは]アナクの父[と言われている+]),つまりユダの山地の+ヘブロン+とその周囲の牧草地を与えた。12 だが,その都市の野と付近の集落とはエフネの子カレブの所有地として与えた+。
13 それで,祭司アロンの子らに,人を殺した者のための+避難都市+すなわちヘブロン+とその牧草地を与え,またリブナ+とその牧草地,14 ヤティル+とその牧草地,エシュテモア+とその牧草地,15 ホロン*+とその牧草地,デビル+とその牧草地,16 アイン*+とその牧草地,ユタ+とその牧草地,ベト・シェメシュ+とその牧草地を[与えた]。これら二つの部族から九つの都市である。
17 また,ベニヤミンの部族からは,ギベオン+とその牧草地,ゲバ+とその牧草地,18 アナトテ+とその牧草地,アルモン*+とその牧草地。四つの都市である。
19 祭司であるアロン+の子らの都市は,全部で十三の都市とその牧草地+であった。
20 また,コハトの子らの諸家族,コハトの子らのうちの残りのレビ人のためには,くじによって,エフライムの部族の都市があてられることになった+。21 それで彼らは,人を殺した者のための+避難都市+すなわちエフライムの山地にあるシェケム+とその牧草地+,またゲゼル+とその牧草地,22 キブツァイム*+とその牧草地,ベト・ホロン+とその牧草地をこれに与えた。四つの都市である。
23 そして,ダンの部族からは,エルテケとその牧草地,ギベトン+とその牧草地,24 アヤロン+とその牧草地,ガト・リモン+とその牧草地。四つの都市である。
25 また,マナセの半部族からは,タアナク+とその牧草地,ガト・リモンとその牧草地。二つの都市である。
26 コハトの子らの諸家族の残っていた者たちが得た都市とその牧草地は全部で十であった。
27 また,レビ人の諸家族に属するゲルション+の子らのためには,マナセ+の半部族から,人を殺した者のための避難都市すなわちバシャンのゴラン+とその牧草地,そしてベエシュテラ*+とその牧草地があてられた。二つの都市である。
28 そして,イッサカル+の部族からは,キション+とその牧草地,ダベラト+とその牧草地,29 ヤルムト*+とその牧草地,エン・ガニム+とその牧草地。四つの都市である。
30 また,アシェル+の部族からは,ミシュアル+とその牧草地,アブドン+とその牧草地,31 ヘルカト+とその牧草地,レホブ+とその牧草地。四つの都市である。
32 そして,ナフタリ+の部族からは,人を殺した者のための+避難都市+すなわちガリラヤ*のケデシュ+とその牧草地,またハモト・ドル+とその牧草地,カルタン*とその牧草地。三つの都市である。
33 ゲルション人,その諸家族の都市は,全部で十三の都市とその牧草地であった。
34 また,メラリ+の子らの諸家族,レビ人のうちの残されていた者たちは,ゼブルン+の部族からヨクネアム+とその牧草地,カルタとその牧草地,35 ディムナ*+とその牧草地,ナハラル+とその牧草地を得た。四つの都市である。
36 そして,ルベン+の部族からは,ベツェル+とその牧草地,ヤハツ+とその牧草地,37 ケデモト+とその牧草地,メファアト+とその牧草地。四つの都市である*。
38 そして,ガド+の部族からは,人を殺した者のための避難都市すなわちギレアデのラモト+とその牧草地,またマハナイム+とその牧草地,39 ヘシュボン+とその牧草地,ヤゼル+とその牧草地。その都市は全部で四つである。
40 レビ人の諸家族のうち残されていたメラリ+の子らの諸家族に属することになった都市は,くじによる割り当て分として,全部で十二の都市であった。
41 イスラエルの子らの所有地の中のレビ人の都市は,全部で四十八の都市+とその牧草地+であった。42 これらの都市は,それぞれその周囲に牧草地を持つ都市となった。これらのすべての都市がそうであった+。
43 こうしてエホバは,その父祖たちに与えることを誓ったすべての土地をイスラエルに与え+,彼らはそれを取得して+そこに住むようになった。44 さらにまた,エホバは周囲一帯にわたって彼らに休みを与え+,すべてその父祖たちに誓われたとおりにされ+,そのすべての敵のうち一人として彼らの前に立ち向かう者はいなかった+。そのすべての敵をエホバは彼らの手にお与えになった+。45 エホバがイスラエルの家になさったすべての良い約束は,ひとつの約束といえども果たされないものはなかった。すべてそのとおりになった+。
22 その時ヨシュアはルベン人とガド人またマナセの半部族を呼んで+,2 こう言った。「あなた方は,エホバの僕モーセが命じたすべてのことを守りました+。わたしが命じたすべてのことについてわたしの声に従順でした+。3 今日までこの多くの日の間,あなた方は兄弟たちから離れず+,あなた方の神エホバのおきてに伴う務めを守ってきました+。4 そして今,あなた方の神エホバはあなた方の兄弟たちに休みを与えて,その約束のとおりにされました+。ですから今,身を転じて,あなた方の所有する地にあるあなた方の天幕に行きなさい。それは,エホバの僕モーセがヨルダンの向こうであなた方に与えた所です+。5 ただ,よく注意して,エホバの僕モーセが命じたおきてと律法を守りなさい+。あなた方の神エホバを愛し+,そのすべての道を歩み+,そのおきてを守り+,固く[神]に付き+,心をつくし+魂をつくして+これに仕えるのです+」。
6 そうしてヨシュアは彼らを祝福して+去らせ,それぞれの天幕*に向かわせた。7 ところで,マナセの半部族に対してはモーセがバシャンですでに分を与えており+,他の半[部族]に対してはヨシュアがヨルダンの西側でその兄弟たちと共に分を与えていた+。それでやはり,彼らをその天幕に去らせる際,ヨシュアは彼らをも祝福するのであった。8 そして彼らになおもこう言った。「沢山の富と非常に多くの畜類を携え,銀・金・銅・鉄・衣を大量に携えて+あなた方の天幕に帰りなさい。あなた方の敵からの分捕り物+を兄弟たちと分かちなさい」。
9 こうして後,ルベンの子らとガドの子らおよびマナセの半部族は戻って行き,イスラエルの他の子らから,カナンの地のシロから去って行った。ギレアデ+の地へ,すなわちモーセによるエホバの指示によってすでに入植した自分たちの所有地+へ行くためであった。10 カナンの地のヨルダンの地方まで来た時,ルベンの子らとガドの子らおよびマナセの半部族は,そこのヨルダンのそばに祭壇を築いた。大きくて際立った祭壇+であった。11 後にイスラエルの他の子らは,このように言われるのを聞いた+。「見なさい,ルベンの子らとガドの子らとマナセの半部族は,ヨルダン地方のカナンの地の国境,イスラエルの子らに属する側に祭壇を築きました」。12 イスラエルの子らがそれについて聞くと,イスラエルの子らの全集会は+,上って行って彼らに対する軍事行動を起こそうとして+シロに集合した+。
13 そうして,イスラエルの子らは,ギレアデの地にいるルベンの子らとガドの子らおよびマナセの半部族のもとに祭司エレアザルの子ピネハス+を,14 また彼と共に十人の長たちを遣わした+。イスラエルのすべての部族についてそれぞれ父方の家の長一人であり,それらは各々,イスラエルの幾千からなる父たちの家の頭であった+。15 やがて彼らはギレアデの地にいたルベンの子らとガドの子らおよびマナセの半部族のもとに来た。そして彼らに話しかけて+こう言った。
16 「エホバの集会の全員+はこのように言いました。『あなた方がイスラエルの神に対して行なったこの不忠実な行為+は一体どういうことですか。自分たちのために祭壇を築いて+今日エホバに従うことから退き+,こうして今日エホバに逆らおうとしているのです。17 ペオルのとが+はわたしたちにとってそれほど小さな事だったのでしょうか。災厄がエホバの集会の上に臨んだにもかかわらず+,今日この日になるまでわたしたちはそれから身を清めてはいないのです。18 それなのにあなた方は,今日エホバに従うことから退こうとしています。あなた方が今日エホバに逆らうとすれば,明日はイスラエルの集会全体に対して[神の]憤りが臨むことになるのです+。19 それで,もしあなた方の所有する土地が汚れているというのであれば+,エホバの所有される地+,エホバの幕屋がとどまってきた所+へ渡って来て,わたしたちの中に入植してください。そして,わたしたちの神エホバの祭壇のほかに自分たちの祭壇を築いてエホバに逆らい+,このわたしたちまでも逆らう者とするようなことはしないでください。20 滅びのためにささげられたものに関して不忠実な行為をしたのはゼラハの子アカン+ではありませんでしたか。そのためにイスラエルの集会の全員に対して憤りが臨んだのではありませんでしたか+。そして,彼のとがのために息絶えたのは彼一人ではなかったのです+』」。
21 すると,ルベンの子らとガドの子らおよびマナセの半部族はそれに答え+,イスラエルの千人の頭たち+にこう話した。22 「神たる者+,神+,エホバ,神たる者,神,エホバ*+,その方が知っておられます+。そしてイスラエルもまた知るでしょう+。もしそれが反逆*+であり,エホバに対する不忠実であるのなら+,わたしたちを今日救うには及びません。23 もし*それが自分たちのために祭壇を築いてエホバに従うことから退くためであったなら,もしそれが焼燔の捧げ物や穀物の捧げ物をその上にささげるためであったなら+,もしそれが共与の犠牲をその上にささげるためであったなら,エホバご自身がそのことを探り出されるでしょう+。24 そしてもし,それ以外の別のことへの心配のためにこれを行なったのでなかったなら ― こう思ったのです。『将来いつかあなた方の子らはわたしたちの子らに向かって言うでしょう,「あなた方はイスラエルの神エホバとどんな関係があるのか*。25 現に,わたしたちとあなた方ルベンの子らやガドの子らとの間には,エホバの置かれた境界としてヨルダンがある。あなた方に,エホバから受ける分は何もないのだ+」。こうしてあなた方の子らはきっと,わたしたちの子らがエホバを恐れることをやめさせるでしょう+』。
26 「それでわたしたちは言いました,『さあ,自分たちのための行動を取りましょう。祭壇を築くのです。焼燔の捧げ物のためでも犠牲のためでもありません。27 ただそれを,わたしたちとあなた方とわたしたちの後の世代との間の証しとし+,わたしたちが自分たちの焼燔の捧げ物と犠牲と共与の犠牲とをもってエホバへの奉仕*をそのみ前でささげるということを示すのです+。将来いつかあなた方の子らがわたしたちの子らに向かって,「あなた方に,エホバから受ける分は何もない」などと言わないためです』。28 それからわたしたちは言いました,『そしてもし彼らが将来いつかわたしたちやわたしたちの[後の]世代にそのように言うならば,わたしたちとしても必ずこう言いましょう。「わたしたちの父たちが造ったエホバの祭壇の表象を見てください。焼燔の捧げ物や犠牲のためのものではありません。それはわたしたちとあなた方との間の証しなのです」』。29 わたしたちとしては,自分からエホバに逆らい,その幕屋の前にあるわたしたちの神エホバの祭壇に加えて,焼燔の捧げ物,穀物の捧げ物,また犠牲のための祭壇を築いて+今日エホバに従うことから退くことなど全く考えられません+」。
30 さて,祭司ピネハス+およびそれと共にいた集会の長たち+とイスラエルの千人の頭たちは,ルベンの子ら,ガドの子ら,またマナセの子らが話したその言葉を聞いたが,それは彼らの目に良いことと思えた。31 それで祭司エレアザルの子ピネハスは,ルベンの子ら,ガドの子ら,またマナセの子らにこう言った。「エホバがわたしたちの中におられることが,今日はっきり分かります+。あなた方はエホバに対してこの不忠実な行為を行なったのではないからです。今あなた方はイスラエルの子らをエホバの手から救い出しました+」。
32 こうして祭司エレアザルの子ピネハスと長たちは,ギレアデの地にいたルベンの子らやガドの子らのもとから,カナンの地にいたイスラエルの他の子らのもとに帰って+報告した+。33 すると,その言葉はイスラエルの子らの目に良いことと思えた。そしてイスラエルの子らは神をほめたたえ+,ルベンの子らとガドの子らに対する戦役に上って行って彼らの住む地を滅ぼすことについては語らなかった。
34 また,ルベンの子らとガドの子らはその祭壇に名を付けるようになった*。「それは,エホバが[まことの]神+であることについてわたしたちの間の証しとなる」からであった。
23 エホバがイスラエルに周囲のすべての敵からの休み+を与えてから多くの日の後,ヨシュアが年老いて高齢に達した時であったが+,2 ヨシュアは全イスラエル+,その年長者と頭と裁き人とつかさたち+を呼んで,こう言った。「わたしは年老いました。老齢に達しました。3 ですがあなた方は,あなた方の神エホバがあなた方のゆえにこれらのすべての国民に対して行なわれたすべての事柄を見ました+。あなた方の神エホバがあなた方のために戦っておられたからです+。4 見なさい,わたしはなお残るこれらの国民を,あなた方各部族の相続分としてくじによって+割り当てました*。また,わたしが断ち滅ぼしたすべての国民+,ヨルダンから*,日の沈む側の“大海”に至るまでを+。5 そして,彼らをあなた方の前から押しのけてゆかれたのはあなた方の神エホバなのです+。[神]はあなた方のゆえに彼らを立ち退かせ,あなた方はその土地を取得しました。あなた方の神エホバが約束されたとおりです+。
6 「ゆえにあなた方は大いに勇気を持ち+,モーセの律法の書+に記されているすべての事柄を守り行なわなければなりません。それから右にも左にもそれてはならず+,7 これらの国民,すなわちあなた方のもとに残るこれらの者たちの中に入って行ってはならないのです+。また,彼らの神々の名を唱えても+,それにかけて誓ってもならず+,それに仕えても身をかがめてもなりません+。8 今日この日までしてきたとおり,ただあなた方の神エホバに固く付くべきです+。9 そうすればエホバは大きくて強大な諸国民をあなた方の前から打ち払ってくださるのです+。(あなた方に対して,今日この日までだれひとりその前に立つことはありませんでした+。)10 あなた方のただ一人が千人を追撃することになるでしょう+。あなた方の神エホバが,その約束のとおり+あなた方のために戦われるからです+。11 ですからあなた方は,あなた方の神エホバを愛して+,自分の魂を*絶えず見守っていなければなりません+。
12 「しかし,もしもあなた方が身を翻して+,これら諸国民の中の残されたもの+,これらあなた方のもとに残っている者たちに固く付き,彼らと姻戚関係を結んで+その中に入り,また彼らがあなた方の中に[入って来る]のであれば,13 はっきり知っておくべきことですが,あなた方の神エホバはもはやこれら諸国民をあなた方のゆえに立ち退かせることはされないでしょう+。彼らはあなた方に対するわな,仕掛け,あなた方の脇腹を打つむち+,あなた方の目の中のいばらとなって,ついにあなた方は,あなた方の神エホバが与えてくださったこの良い地から滅び去ることになるのです+。
14 「さあ,ご覧なさい,わたしは今日全地の[人々の]道を行こうとしています+。ですが,あなた方は心をつくし魂をつくして知っているはずです。すなわち,あなた方の神エホバの話されたすべての良い言葉は,その一言といえ果たされなかったものはありません。それはあなた方にとってすべてそのとおりになりました。その一言といえ果たされなかったものはありません+。15 そして,あなた方の神エホバの話されたすべての良い言葉がそのとおりあなた方に臨んだのと同じように+,エホバはすべての厳しい言葉をもそのとおりに臨ませて,あなた方の神エホバが与えてくださったこの良い地からついにあなた方を滅ぼし尽くされるのです+。16 それはあなた方が自分たちの神エホバの命じた契約を踏み越えたため,また行って他の神々に仕え,それに身をかがめたためです+。そしてエホバの怒りはあなた方に対してまさに燃え+,あなた方はその与えてくださった良い地から速やかに滅びうせることになります+」。
24 それからヨシュアはイスラエルの全部族をシェケム*+に集め,イスラエルの年長者+と頭と裁き人とつかさたちを呼んだ。それで彼らは[まことの]神+の前に立った。2 次いでヨシュアは民のすべてにこう言った。「イスラエルの神エホバはこう言われました。『あなた方の父祖たち+,アブラハムの父またナホルの父のテラ+がずっと昔に住んでいたのは川*の向こう+であった。そして彼らは他の神々*に仕えていた*。
3 「『後にわたしはあなた方の父祖アブラハムを川+の向こうから連れて来て+,カナンの全土を歩ませ,その胤*を多くした+。そしてわたしは彼にイサクを与えた+。4 次いでイサクにヤコブとエサウを与えた+。後に,エサウにはセイル山を与えてこれを取得させた+。またヤコブとその子らはエジプトに下った+。5 後にわたしはモーセとアロンを遣わし+,その中でわたしが行なった事柄をもって*エジプトに災厄を下していった+。こうして後にわたしはあなた方を携え出した+。6 あなた方の父たちをエジプトから携え出していた時であったが+,あなた方が海まで来ると,エジプト人は戦車と騎兵とをもってあなた方の父たちを追いかけ+,紅海まで来た。7 そのため彼らはエホバに向かって叫びだした+。そこで,あなた方とエジプト人との間に闇を置き+,海を彼らの上に引き寄せてこれを覆った+。あなた方の目はわたしがエジプトで行なった事柄を見たのである+。その後あなた方は多くの日のあいだ荒野に住むことになった+。
8 「『ついにわたしはあなた方をヨルダンの向こう側に住むアモリ人の地に携えて行ったが,彼らはあなた方に対して戦うようになった+。そこでわたしは彼らをあなた方の手に与えて,その地をあなた方に取得させ,彼らをあなた方の前から滅ぼし尽くした+。9 その時,モアブの王である,チッポルの子のバラク+は身を起こしてイスラエルと戦いはじめた+。そして彼は使いをやってベオルの子バラムを呼び寄せ,あなた方の上に災いを呼び求めようとした+。10 だが,わたしはバラム[の願い]を聴き入れようとは思わなかった+。そのため彼はあなた方を繰り返し祝福したのである+。こうしてわたしはあなた方を彼の手から救い出した+。
11 「『次いであなた方はヨルダンを渡って+エリコに来た+。すると,エリコの土地所有者たち*,アモリ人,ペリジ人,カナン人,ヒッタイト人,ギルガシ人,ヒビ人とエブス人はあなた方に対して戦いはじめた。だがわたしは彼らをあなた方の手に与えた+。12 そしてわたしは失意の気持ちをあなた方の前方に送り*,それが彼らをあなた方の前から徐々に追い立てた+。すなわちアモリ人の二人の王である。あなたの剣や弓をもってしたのではない+。13 こうしてわたしは,あなた方が労したのではない土地,あなた方が建てたのではない都市を与え+,あなた方はその中に住むようになった。あなた方が設けたのではないぶどう園とオリーブ畑,その[実]をあなた方は食べているのである+』。
14 「それで今,エホバを恐れ+,とがなく,真実をもってこの方に仕えなさい+。あなた方の父祖たちが川の向こうで,またエジプトで仕えた神々を除き去り+,エホバに仕えなさい。15 しかし,もしエホバに仕えることがあなた方の目から見てよくない事とされるなら,川の向こう*にいたあなた方の父祖たちが仕えた神々であれ+,あなた方がいま住んでいる地のアモリ人の神々であれ+,あなた方が仕える者を今日自分で選びなさい+。しかし,わたしとわたしの家の者とはエホバに仕えます+」。
16 すると民は答えて言った,「エホバを離れて他の神々に仕えるなど,わたしたちには考えられないことです。17 わたしたちの神エホバが,わたしたちと父たちをエジプトの地から,奴隷の家+から携え出してくださったのであり+,これらの大いなるしるしをわたしたちの目の前で行ない+,わたしたちの歩んだすべての道,わたしたちが通ったすべての民の中で終始わたしたちを守ってくださったのです+。18 そしてエホバはその地に住むすべての民を,アモリ人を,わたしたちの前から追い立ててくださいました+。わたしたちも,エホバに仕えます。わたしたちの神なのですから+」。
19 その時ヨシュアは民に言った,「あなた方はエホバに仕えることはできないでしょう。この方は聖なる神*+,全き専心を要求される神*なのです+。あなた方の反抗と罪を容赦されません+。20 あなた方がエホバを離れて+異国の神々*に仕えるようなことがあれば+,あなた方に良いことを行なった後であっても,必ずや翻ってあなた方に害をもたらし,あなた方を滅ぼし絶やされるのです+」。
21 それに対し民はヨシュアに言った,「そうではありません,わたしたちはエホバに仕えるのです+!」22 そこでヨシュアは民に言った,「あなた方は,自分たちのために自らエホバを選んでこの方に仕えるということについて+,あなた方自身に対する証人です+」。すると彼らは言った,「わたしたちは証人です」。
23 「では今,あなた方の中にある異国の神々を除き去って+,イスラエルの神エホバにあなた方の心を傾けなさい」。24 それに対し民はヨシュアに言った,「わたしたちの神エホバに仕えて,その声にわたしたちは従います+!」
25 そこでヨシュアはその日に民と契約を結び,彼らのためにシェケム*において規定と司法上の定め+とを制定した。26 次いでヨシュアはそれらの言葉を神の律法の書+に記し,大きな石を取って+,エホバの聖なる所のそばにある巨木+の下の所にそれを立てた。
27 そうしてヨシュアは民のすべてにこう言った。「見なさい,この石はわたしたちに対して証しとなるものです+。エホバがわたしたちに話されたすべてのことばをそれは聞いたからです。ゆえにこれは,あなた方に対し,あなた方が自分たちの神を否まないという証しとなるのです」。28 その後ヨシュアは民を去らせて,各自の相続地に行かせた+。
29 そして,これらの事の後,エホバの僕であるヌンの子ヨシュアは百十歳で死んでいった+。30 それで人々は彼をその相続した領地のティムナト・セラハに葬った+。それはエフライムの山地にあり,ガアシュ山の北である。31 そしてイスラエルは,ヨシュアがいたすべての日の間,またヨシュアの後にまで[命の]日を延ばし,エホバがイスラエルのために行なわれたそのすべてのみ業を知る+年長者たちのいたすべての日の間,ずっとエホバに仕え続けた+。
32 また,イスラエルの子らがエジプトから携えて来たヨセフの骨+であるが,彼らはそれをシェケムに,すなわちヤコブがシェケムの父であるハモルの子らから金子百枚*で得た+一区画の野に葬った+。それ*は相続分としてヨセフの子らのものとなった+。
33 また,アロンの子エレアザルも死んだ+。それで人々は彼をその子ピネハス+の丘に*葬った。それはエフライムの山地で彼が[ピネハス]に与えたものであった。
または,「奴隷」。
または,「従者」。ヘ語,メシャーレート; ラ語,ミニストルム。
「ヨシュア」。ヘ語,エホーシュア,「エホシュア」。「エホバは救い」の意; ギ語,Ἰησοῖ(イエーソイ,「イエス」); シリ訳,「エシュア」; ウル訳ク,「ヨスエ」。創 49:18,「救いを」の脚注; ヘブ 4:8,「ヨシュア」の脚注参照。
「荒野からこのレバノンまで」と読むのかもしれない。
「覚えておくように」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
または,「アカシアの木立」。
または,「勇気」。ヘ語,ルーアハ; ギ語,プネウマ; ラ語,スピーリトゥス。
または,「忠節な愛」。
または,「と真実(忠実さ)」。ヘ語,ウェエメト。
約890㍍。使徒 1:12の脚注と比較。
「生ける神」。ヘ語,エールの後に,「生ける」という意味の単数形の形容詞「ハイ」が続いている; ギ語,テオス ゾーン; ラ語,デウス ウィーウェーンス。
「の主なる方」。ヘ語,アドーン,単数形; ギ語,キュリウー; ラ語,ドミニー。申 10:17と対照。
一般には,エリコの北方29㌔,ヨルダン川東岸のテル・エ・ダーミエと同定されている。歴史は,西暦1267年と1927年に,地すべりのためにヨルダン川の流れが同じようにしゃ断されたことを記録している。
「[民](彼ら)」,七十訳,シリ訳; マソ本,ウル訳,「あなた方」。
「その(彼らの)前から」,七十訳,シリ訳; マソ本,ウル訳,「あなた方の前から」。
「西側」。字義,「海の方」。
または,「霊; 勇気」。2:11の脚注参照。
「火打ち石の小刀」。字義,「岩の短剣(剣)」。ヘ語,ハレヴォート ツリーム。
「“包皮の丘”」,ウル訳; 七十訳,「“包皮の丘(塚)”と呼ばれる場所」。
「転がしのけること」の意。
または,「このわたしは,エホバの軍の長として」。ヘ語,キー アニー サル・ツェヴァー・エフワー。
「周りを……まわる」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
または,「ショファル」。ヘ語,ハッショーファール。
「彼」,タル,シリ訳,ウル訳; マソ本,「彼ら」。
「絶えず吹き鳴らされる中で」。ヘブライ語ではこれらの言葉は二つの動詞から成り,いずれも不定詞独立形で,時に関しては不定。
または,「滅びに定められたもの」。
「欲望を起こして」,七十訳に合わせて。七十訳はこう読む,「[それ]に思いを留めて(あなた方自身が……を取り)」; マソ本,「あなた方が[それを]滅びのためにささげて」。
「石切り場」(複)の意。
または,「長老たち」。
書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。
字義,「強健な男子たちごとに」。ヘ語,ラッゲヴァーリーム; ギ語,カタ アンドラ,配分的な意味で用いられている; シリ訳,ウル訳ク,および六つのヘブライ語写本,「家族ごとに」。
「我が子よ」,マソ本,ウル訳; 七十訳,シリ訳は省いている。
付録8イ参照。
または,「銀」。
「その」,女性形,すなわち「職服の」。
「追放(オストラシズム); 悩み」の意。
または,「谷」。
七十訳は「とベテル」を省いている。
または,「投げ矢」。
「すべ」。字義,「二つの手」。
字義,「すべての人々」,マソ本; 七十訳,「すべての住民」。
「杭」。字義,「木」。ヘ語,ハーエーツ; ギ語,クシュルー; ラ語,クルケ。
「の写し」。ヘ語,ミシュネー; ギ語,デウテロノミオン。申 1:1,「言葉である」の脚注参照。
「の……会衆」。ヘ語,ケハル; ギ語,エックレーシアス。
または,「低地」。
「および」,七十訳; ウル訳,「さらに」; マソ本は省いている。
字義,「どうしてわたし[集合的な意味で]はあなたと契約を切れる」。
または,「奴隷」。
「生き長らえさせることにする」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
または,「まきを切る者」。
字義,「奴隷,そして……くむ者たちは」。
「自分の魂(命)について」。ヘ語,レナフショーテーヌー; ギ語,プシュコーン; ラ語,アニマーブス。
「そうして……彼らを……とし」。字義,「そして[彼]は……彼らを……として与え」。ヘ語,ワイイッテネーム(ナータンの変化形。「ネティニム」という語はこれから派生した)。
「彼は非常な恐れを」,シリ訳,ウル訳; マソ本,七十訳,「彼らは非常な恐れを」。
字義,「王国の諸都市」。
「人々(彼ら)」,タルラガルド,シリ訳; マソ本,「彼」,集合的な意味で用いられており,「イスラエル」を指す; ギ語,キュリオス,「エホバ」。
または,「上で静けさ(沈黙)を守れ」。
または,「“廉直な者”」。
字義,「木」(複)。ギ語,クシュローン; ラ語,スティーピテース,「支柱; 木の幹」。
「すべての魂」。ヘ語,コル ハンネフェシュ; ギ語,パーン エンプネオン,「すべて息をするもの」。
または,「低地」。
「息あるすべてのもの」。字義,「すべての息」。ギ語,パーン エンプネオン ゾーエース,「命の息をするすべてのもの」; ウル訳,「息のできるすべてのもの」。
「彼ら」,マソ本,七十訳バチ写; 七十訳アレ写,シリ訳,ウル訳,「彼」。
「[これを]滅びのためにささげていった」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
または,「また東側の」。
「シムロン・メロン」,マソ本; シリ訳,「シムロンとメロン」; 七十訳ラ,ウル訳,「シムロン」。
多分,カナ川の北,シャロン平原に近いジルジューリエ。七十訳,「ガリラヤ」。
「高齢に達していた」。字義; 「日々において進んでいた」。
または,「前にあるシホルから」。
「の枢軸領主」。ヘ語,サルネー。フィリスティア人に関してだけ用いられている。王一 7:30でも用いられているヘブライ語の元の言葉セレン(軸; 車軸)から取られている。
または,「ガザの民」。
または,「ガトの民」。
「マアラ」,ウル訳。
または,「ゲバルの民」。エゼ 27:9(七十訳)の中で彼らはビブロス人,ビブロスの住民と呼ばれている。ビブロスはパピルスから筆記材料の紙を製造することでよく知られた都市。やがて,ビブリアという語は種々の書き物,巻き物,書物を表わすようになり,ついには,聖書を構成する小さな書物の収集を指すようになった。
次のように読むのかもしれない,「レビ・ハマト(ハマトのライオン)まで」,地名。VT,第2巻,1952年,114ページ参照。
「の半部族に」。ヘ語,ラハツィー シェーヴェト(部族)。
「の半部族の」。ヘ語,ラハツィー マッテー(「部族」; シェーヴェトと入れ替えて用いられている)。
「[まことの]神」。ヘ語,ハーエローヒーム。付録1ヘ参照。
「名はアルボク[七十訳バチ写,「アルゴブ」]市といい,これはアナキムの首都であった」,七十訳。
「上り坂」。または,「峠」。
「彼らの」,七十訳; マソ本,シリ訳,「あなた方の」; ウル訳は省いている。
または,「口」。
「ヒンノムの谷」。ヘ語,ゲー・ヒンノーム; 七十訳アレ写(ギ語),ファランゴス エンノム; ラ語,ゲヘンノム。付録4ハ参照。
民 13:22の脚注参照。
または,「そうして,自分はろばから滑り降りた」。
「水の盆地」の意。
または,「上の盆地と下の盆地」。
「それに依存する町々」。字義,「その娘たち」。
字義,「境界の海; 境界をなす海」。マソ本欄外,七十訳,シリ訳,ウル訳,「大海」。
または,「離れた; 孤立した」。
「くじによる割り当て分が」,意味をはっきりさせるための挿入。字義,「それが」,1節の「くじによる割り当て分」を指す。
「その(彼の)」,マソ本; 七十訳,シリ訳,「彼らの」。
「鉄の大鎌のついた戦車」。字義,「鉄の戦車」。
「ヒンノムの谷」。ヘ語,ゲー ヒンノーム; ギ語,ガイエンナ; ラ語,ゲヘンノム。「ゲヘナ」という語はこれに由来する。付録4ハ参照。
字義,「エブス人」,マソ本; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「エブス」。
「シェバ」。七十訳バチ写(ギ語),サマア,「シェマ」。
または,「ネゲブの」。
「リモンに出,さらにネアにまで引かれた」。字義,「ネアにまで引かれたリモンに出た」。
「アクジブ地方の海となった」。あるいは,「海,またメヘレブとアクジブまでとなった」と読むのかもしれない。七十訳バチ写,「海となり,またレブとエコゾブに向かった」。
「ヨルダンのところでユダに接した」。あるいは,「(日の出の側は)ヨルダンの岸ちかくに接した」と読むのかもしれない,C・F・フービガントの提案した,マソ本のわずかな訂正による; 七十訳,「(日の出の側は)ヨルダンに接した」。3:15と比較。
または,「ヤズル」。七十訳バチ写,「アゾル」。
字義,「だが,ダンの子らの領地は彼らから出て行った(去った; 失われた)」。
「復しゅう者」。または,「買い戻し人<ゴーエール>」。
字義,「大いなる祭司」,マソ本; ラ語,サケルドス マーグヌス。
または,「周回地域の」。ヘ語,バッガリール; ギ語,ガリライアーイ; ラ語,ガリレーア。「ガリラヤ」は後に,サマリアより北の地域のローマ属州の名称となった。
または,「ヘブロンを神聖なところとした」。
「の部族の諸家族」,マソ本; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「の部族」。
代一 6:58では「ヒレン」。
代一 6:60では「アレメト」。
代一 6:68では「ヨクメアム」。
代一 6:71では「アシュタロテ」。
20:7,「ガリラヤの」の脚注参照。
代一 6:76では「キルヤタイム」。
代一 6:77では「リモノ」。
36,37節は幾つかのヘブライ語写本,七十訳,シリ訳,ウル訳ク,および代一 6:63,78,79による(シリ訳はこれら四つの都市の名を34節の後に挙げている); アレポ写,カイ写,レニングラードB19Aは36,37節を省いているが,それは35,37節が共に「四つの都市である」をもって終わっていることによる,書写上の誤りによるものと思われる。
「家」,七十訳。
または,「神々の神エホバ,神々の神エホバ」。ヘ語,エール׀エローヒーム׀エフワー,エール׀エローヒーム׀エフワー,分離のための線(パセク)が語と語の間に入っている。エール エローヒーム エフワーというこの表現は,繰り返されてはいないが,詩 50:1に出て来る。ラ語,フォルティッシムス デウス ドミヌス,フォルティッシムス デウス ドミヌス,「最も強大な神エホバ,最も強大な神エホバ」。ヘブライ語のこの表現の最初の語エールをここでは「神たる者」と訳した。それは「神; 強大な者」とも訳せる。
「反逆」,マソ本。ギ語,アポスタシアーイ,「背教<アポスタシー>」。「離れて立つ」という動詞アフィステーミから派生; この名詞には「遺棄; 放棄; 反逆」という意味がある。代二 29:19; 使徒 21:21; テサ二 2:3の脚注参照。
「そしてもし」,七十訳,ウル訳; マソ本は省いている。
または,「あなた方は……エホバとどんな共通のものを持つのか」。字義,「あなた方と……エホバとには何が[あるのか]」。ヘブライ語の慣用句; 異議を示す反発的な質問。付録7ロ参照。
「奉仕」。または,「崇拝の特色」。ヘ語,アヴォーダト; ギ語,ラトレイアン,「神聖な奉仕」。出 3:12の脚注と比較。
なされている説明から見て,その祭壇は「証し」と名づけられたのであろう。シリ訳は「証しの祭壇」としている。
「わたしは……くじによって割り当てました」。字義,「わたしは……あなた方のもと(のため)に落ちさせました」。七十訳,「わたしは……あなた方の上に投じました」; ウル訳,「[神]は……くじによってあなた方に分けてくださいました」。
字義,「なお残るこれらの国民を,あなた方各部族の相続分として,ヨルダンから,またわたしが断ち滅ぼした[他の]すべての国民をあなた方のもとに落ちさせました」。
「自分の魂(の命; 自身)を」。ヘ語,レナフショーテーケム,複数形; シ語,ベナフシェクーン。
「シェケム」,マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「シロ」。
すなわち,ユーフラテス川。
「他の神々」。ヘ語,エローヒーム アヘーリーム,どちらも複数形。
「そして彼らは……に仕えていた(を崇拝していた)」。ヘ語,ワイヤアヴドゥー; ギ語,エラトレウサン,「彼らは……に神聖な奉仕をささげた」。出 3:12の脚注参照。
または,「子孫」。
「わたしが行なった事柄をもって」,七十訳バチ写; 七十訳アレ写,「わたしが行なったしるしをもって」; マソ本,「わたしが行なったとおりに」。
「の土地所有者たち」。ヘ語,バアレー; 七十訳,「住民」。
すなわち,ユーフラテス川の東側。
字義,「彼は聖なる神」。ヘ語,エローヒーム ケドーシーム フー。複数形の形容詞によって修飾されているが,単数形の代名詞「フー」が用いられていることは,エローヒームが威光と卓越を表わす複数形であり,意味の上では単数であることを示している。ギ語,テオス; ラ語,デウス。
「神」。ヘ語,エール。22:22,「エホバ」の脚注参照。
字義,「異(国)の神々」。
「シェケム」,マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「シロ」。
「金子……枚」。ヘ語,ケスィーター。その価格は明確でない。
「それ」,シリ訳,ウル訳; マソ本,「それら」。
または,「ピネハスのギベアに」; 七十訳,ウル訳と一致する。