申命記
1 これは,ヨルダン地方+の荒野,スフ*に面する砂漠平原*,パラン+,トフェル,ラバン,ハツェロト+,ディザハブの間でモーセが全イスラエルに話した言葉である*。2 ホレブからセイル山を経てカデシュ・バルネア+までは十一日間であった。3 そして,第四十年+,第十一月,その月の一日に,モーセは,すべてエホバがイスラエルの子らのために命じたところにしたがって彼らに話すことになった。4 それは彼が,ヘシュボンに住んでいたアモリ人の王シホン+を,そしてアシュタロテに住んでいた+バシャンの王オグ+をエドレイ+で撃ち破った後のことであった。5 ヨルダン地方,モアブの地で,モーセはこの律法を説明することを手がけて+,こう言った。
6 「わたしたちの神エホバはホレブ+でわたしたちに話してこう言われた。『あなた方はこの山地に長らく住んだ+。7 身を巡らしてここをたち,アモリ人の山地+およびアラバ*+に連なるそのすべての近隣地方,山地+とシェフェラ*とネゲブ*+と海岸地方+,すなわちカナン人の地+,またレバノン+,さらには大川,ユーフラテス川+にまで行きなさい。8 見よ,わたしはその地をあなた方の前に置いた。行って,エホバがあなた方の父たち,アブラハム,イサク+,ヤコブに対し+,彼らとその後の胤*に与える+と誓ったその土地を取得せよ』。
9 「そしてわたしはその時あなた方にこのように言った。『わたしは自分独りではあなた方を担いきれない+。10 あなた方の神エホバはあなた方を殖やされたため,あなた方は今日,数が多くて天の星のようになっている+。11 あなた方の父祖の神エホバがあなた方を今いる数の千倍も多くし+,あなた方に約束されたとおりに+祝福してくださるように+。12 あなた方の重荷と,あなた方の荷と,あなた方の言い争いを,どうしてわたし独りで担えるだろうか+。13 あなた方のそれぞれの部族の中から,賢くて,思慮深く+,経験のある+人々を見つけなさい。わたしがその人々を頭としてあなた方の上に立てるためである+』。14 するとあなた方は答えて言った,『わたしたちが行なうようにとあなたの言った事,それは良いことです』。15 それでわたしは,あなた方のそれぞれの部族の頭たち,すなわち賢くて経験のある人々を取り,それをあなた方の頭,千人の長*,百人の長,五十人の長,十人の長,またあなた方のそれぞれの部族のつかさとして据えた+。
16 「そしてわたしはその時,あなた方の裁き人たちに命じてこう言った。『あなた方の兄弟たちの間の聴問を行なうとき*,あなた方は人とその兄弟との間,また外人居留者との間+を義をもって裁かねばならない+。17 裁きにおいて不公平であってはならない*+。小なる者[の述べること]を,大なる者[の述べること]と同じように聞くべきである+。あなた方は人のために恐れ驚いてはならない+。裁きは神のものだからである+。あなた方に難しすぎる事件はわたしのところに提出するように。わたしがその[言い分]を聞く+』。18 そしてわたしはその時,あなた方の行なうべきことをすべて命じた。
19 「その後わたしたちはホレブを旅立って,あの広大で畏怖の念を抱かせる荒野をすべて進んで行った+。そこはあなた方も見た所である。わたしたちの神エホバが命じたとおりに,アモリ人の山地+の道を通ったのである。やがてわたしたちはカデシュ・バルネア+に来た。20 そこでわたしは言った,『あなた方はアモリ人の山地に,わたしたちの神エホバが与えてくださる所に来た+。21 見なさい,あなたの神エホバはこの地をあなたに渡された+。上って行って,あなたの父祖の神エホバが話されたとおり[これを]取得しなさい+。恐れてはいけない。おびえてはならない+』。
22 「しかし,あなた方は皆わたしの近くに来てこう言った。『わたしたちに先立ってぜひ人を遣わさせてください。その者たちがわたしたちのためにその地を調べ,わたしたちが上って行く道,また入って行く都市に関して知らせを持ち帰るようにするためです+』。23 さて,それはわたしの目に良い事となった。それでわたしはあなた方のうちの十二人,各部族につき一人ずつを選び取った+。24 そこで彼らは身を巡らして山地に上って行き+,エシュコルの奔流の谷+にまで行ってそこの様子を探った。25 そして彼らはその土地の実り+の幾らかを手に取り,それをわたしたちのところに携えて来た。そして,知らせを持ち帰って,こう言った。『わたしたちの神エホバが与えてくださる土地は良い所です+』。26 ところが,あなた方は上って行くことを望まず+,あなた方の神エホバの指示に背く振る舞いをするようになった+。27 そしてあなた方は自分の天幕の中でしきりに愚痴をこぼしてこう言った。『エホバはわたしたちを憎まれ+,そのためにわたしたちをエジプトの地から連れ出し+,アモリ人の手に渡してわたしたちを滅ぼし尽くそうとされるのだ+。28 わたしたちはどこに上って行くのか。兄弟たちは,「我々より大きく背の高い民+,大きくて天に届くまでに防備を固めた都市+,それにアナキムの子ら+をそこで見た」と言って,わたしたちの心を溶け入らせた+』。
29 「それでわたしは言った,『あなた方は彼らのためにうろたえたり恐れたりしてはならない+。30 あなた方の神エホバがあなた方の前を行ってくださる。エジプトにおいてあなた方の目の前で行なわれたすべての事柄のとおり+,[神]はあなた方のために戦ってくださる+。31 また,荒野で[行なわれたとおりに+]。そこにおいてあなたは,人がその子を負うようにしてあなたの神エホバがあなたを担われるのを見た+。この場所に来るまであなた方の歩んだすべての道において[そうであった+]』。32 しかし,この言葉にもかかわらず,あなた方は自分たちの神エホバに信仰を置かなかった+。33 あなた方に先立って道を行き,あなた方のために宿営の場所を探り+,夜は火により,昼は雲によってあなた方の歩むべき道が見えるようにしておられたその方に+。
34 「その間ずっと,エホバはあなた方の言葉の声を聞いておられた。そのために憤然とされ,誓って+こう言われた。35 『このよこしまな世代のこれらの者のうち,一人として,わたしがあなた方の父たちに与えると誓った良い地を見る者はいない+。36 ただし,エフネの子カレブは別である+。彼はそれを見る。彼とその子らとに,彼の踏んだその地を与える。彼がエホバに全く従ったからである+。37 (あなた方のためにエホバはこのわたしに対してもいきり立たれ,『あなたもそこには入らない+。38 あなたの前に立っている者,ヌンの子ヨシュア*がそこに入る+』と言われた。この[ヨシュア]を強くしてくださった+。彼がイスラエルにそこを受け継がせるからである。)39 あなた方が「強奪されてしまう」と言ったあなた方の幼い者たち+,今は善悪を知らないあなた方の息子たち,その者たちがそこに入り,彼らにわたしはそれを与え,彼らがそれを取得するであろう。40 あなた方自身は,向きを変え,荒野に向かって旅立ち,紅海の道を行くように+』。
41 「するとあなた方は答えてわたしに言った,『わたしたちはエホバに罪をおかしました+。わたしたちは,すべてわたしたちの神エホバが命じたところに従い,上って行って戦います!』 そうしてあなた方は各々自分の戦いの武器を身に帯び,山に上って行くのをたやすい事とみなした+。42 しかしエホバはわたしにこう言われた。『彼らに言いなさい,「あなた方は上って行って戦ってはならない。わたしはあなた方の中にはいないからであり+,あなた方が敵の前に撃ち破られることのないためである+」』。43 それでわたしはあなた方に話したが,あなた方はそれを聴かず,エホバの指示に背く振る舞いをするようになって+ただ激こうし,山に上って行こうとした+。44 その時,その山に住んでいたアモリ人が出て来てあなた方を迎え撃ち+,蜜ばちがするようにしてあなた方の後を追い,あなた方をセイルに*,ホルマにまでも散らしていった+。45 その後,あなた方は戻って来てエホバの前で泣きはじめたが,エホバはあなた方の声を聴かず+,耳を向けることもされなかった+。46 そのためあなた方はカデシュに多くの日,あなた方がそこにとどまったその日数だけとどまったのである+。
2 「その後わたしたちは身を巡らし,エホバがわたしに話されたとおり荒野に向かって旅立ち,紅海の道を行った+。そしてわたしたちは多くの日をかけてセイル山の周りを回った。2 ついにエホバはわたしにこのように言われた。3 『あなた方は長らくこの山の周りを回った+。あなた方の方向を北に変えよ。4 そして,民に命じてこう言うように。「あなた方は,自分の兄弟たち+,すなわちセイルに住む+エサウの子ら+の境界のそばを通って行く。彼らはあなた方のために恐れを抱くであろう+。あなた方はよく注意しなければならない。5 彼らと争ってはいけない。わたしは彼らの土地を足の裏の幅ほどもあなた方に与えはしないからである。わたしはセイル山を保有地としてエサウに与えたのである+。6 あなた方は自分が金を出して彼らから買う食物を食べ,自分が金を出して彼らから買い取る水を飲むように+。7 あなたの神エホバはあなたの手の行なうすべての業を祝福されたからである+。あなたがこの大いなる荒野を歩いて来たこともよく知っておられるのである。この四十年の間+,あなたの神エホバはあなたと共におられた。あなたは何一つ事欠くことはなかった+」』。8 それでわたしたちは,自分の兄弟である,セイルに住むエサウの子らから,すなわちアラバ+の道からは離れて+,エラトから,またエツヨン・ゲベル+から進んで行った。
「次いでわたしたちは身を巡らし,モアブ+の荒野の道を進んだ。9 エホバはその時わたしに言われた,『モアブを攻め悩ましたり,これと戦ったりしてはいけない。わたしは,彼の土地の中からあなたに保有地を与えることはしないからである。わたしはロトの子ら+にアル+を保有地として与えたのである。10 (かつてはエミム*+がそこに住んでいた。それは,大きく,数が多く,アナキム人+のように背の高い民であった。11 レファイム人+については,これらもアナキム人+と同じようにみなされていたが,モアブ人は彼らのことをエミムと呼んでいた。12 また,かつてはホリ人+がセイルに住んでいた。その後エサウの子ら+が彼らを立ち退かせ,これを自分たちの前から滅ぼし尽くして,代わりに住むようになった+。これは,イスラエルが自分の保有する土地に対して行なわなければならないことと同じであり,エホバはそれを必ず彼らに与えるのである。)13 今,立って,ゼレドの奔流の谷を渡りなさい』。それでわたしたちはゼレドの奔流の谷+を渡った。14 そして,わたしたちがカデシュ・バルネアから歩きつづけてゼレドの奔流の谷を渡るまでの日数は三十八年であり,ついに戦人の世代のすべての者が終わりを迎えて宿営の中からいなくなり,エホバが彼らに誓われたとおりになった+。15 そして,エホバの手+もその上にあり,彼らをかき乱して宿営の中から出し,ついに彼らは終わりを迎えたのである+。
16 「そして,すべての戦人が民の中から死に絶えるとすぐ+,17 エホバはさらにわたしに話してこう言われた。18 『あなたは今日,モアブの領地つまりアル+のそばを通って行く。19 また,アンモンの子らの前に近づくことになる。彼らを攻め悩ましたり,彼らと争ったりしてはいけない。わたしは,アンモンの子らの土地の中からあなたに保有地を与えることはしないからである。わたしはロトの子らにそれを保有地として与えたのである+。20 そこもレファイム人+の土地と考えられていた所である。(かつてはレファイム人がそこに住んでいたのであり,アンモン人は彼らのことをザムズミムと呼んでいた。21 彼らは大きく,数が多く,アナキム人のように背の高い民であった+。エホバはこれを彼らの前から滅ぼし尽くして+,彼らがこれを立ち退かせ,代わりに住めるようにされた。22 セイルに住む+エサウの子らのために行なわれたのと同じである。その時には,ホリ人+を彼らの前から滅ぼし尽くし,彼らがこれを立ち退かせ,今日に至るまでそれに代わって住めるようにされたのである。23 アビム人+,すなわちガザ+に至るまで集落をなして住んでいた者たちについては,カフトル+から出て来たカフトリム人+がこれを滅ぼし尽くし,それに代わって住むようになった。)
24 「『あなた方は身を起こし,ここをたってアルノン+の奔流の谷を渡りなさい。見よ,わたしはあなたの手に,アモリ人,ヘシュボンの王シホン+を与えた。ゆえに,彼の土地を取得することに取りかかれ。彼に対して戦いをせよ。25 この日から,わたしは,あなたに対する畏怖とあなたに対する恐れを,全天下のもろもろの民の前,あなたについての知らせを聞く者たち[の前に]置いてゆく。あなたのゆえに彼らはまさに動揺し,子を産む者のような苦痛を味わうであろう+』。
26 「そこでわたしはケデモト+の荒野からヘシュボンの王シホン+のもとに使者を送り,平和の言葉+を託してこう言わせた。27 『あなたの土地を通らせてください。ただ道路*の上をわたしは歩きます。右にも左にも曲がりません+。28 お金と引き換えにあなたが売ってくださる食物をわたしは食べ,お金と引き換えに与えてくださる水を飲むのです。ただ歩いて通らせていただくだけです+。29 セイルに住むエサウの子ら+が,そしてアルに住むモアブ人+がしてくれたのと同じようにしてください。わたしがヨルダンを渡り,わたしたちの神エホバが与えてくださる土地に入る+までです』。30 ところが,ヘシュボンの王シホンは自分のところを通らせてくれなかった。それは,あなたの神エホバが彼の霊をいこじにならせ+,彼の心をかたくなにならせたからであり,今日見るとおり彼をあなたの手に与えるためであった+。
31 「そこでエホバはわたしに言われた,『見なさい,わたしはシホンとその土地をあなたに渡してゆく。彼の土地を取得することを始めよ+』。32 シホンは,つまり彼とそのすべての民は出て来て,ヤハツの戦いでわたしたちと相会したが+,33 その時わたしたちの神エホバは彼をわたしたちに渡された+。そのためわたしたちは彼とその子ら*とそのすべての民を撃ち破った+。34 そしてわたしたちはその時,彼のすべての都市を攻め取り,すべての都市を,男も女も幼子たちも滅びのためにささげていった+。一人の生存者も残さなかった。35 ただ家畜を強奪物として自分たちのために取り,また攻め取った都市からの分捕り物を[得た+]。36 アルノンの奔流の谷の岸にあるアロエル+,および奔流の谷にある都市から,ギレアデに至るまで,わたしたちにとって高すぎて近寄れない町はなかった+。わたしたちの神エホバはそのすべてをわたしたちに渡された。37 ただあなたは,アンモンの子らの土地+,すなわちヤボクの奔流の谷+の岸辺全体,山地の諸都市,またすべてわたしたちの神エホバがそれに関して命令を出されたところには近づかなかった。
3 「次いでわたしたちは身を巡らし,バシャンの道を上って行った。するとバシャンの王オグ+,すなわち彼とそのすべての民が出て来て,エドレイ+の戦いでわたしたちと相会した。2 それでエホバはわたしにこう言われた。『彼を恐れてはいけない+。わたしは彼とそのすべての民またその土地を必ずあなたの手に与えるからである。あなたは彼に対し,ヘシュボンに住んでいたアモリ人の王シホンに行なったと同じようにしなければならない+』。3 そのとおりわたしたちの神エホバは,バシャンの王オグとそのすべての民をもわたしたちの手に与えてくださった。わたしたちは彼を討って,だれも生存者が残らないまでにした+。4 こうしてわたしたちはその時,彼のすべての都市を攻め取った。わたしたちが彼らから取らなかった町はなかった。六十の都市+,アルゴブの全地方+,バシャンのオグの王国である+。5 これらは皆,高い城壁,扉とかんぬきをもって防備を固めた都市であり,そのほかに非常に多くの田舎町があった。6 それでも,わたしたちはそれらを滅びのためにささげ+,ヘシュボンの王シホンに対してしたと同じように行なった。すべての都市,男,女,幼子たちを滅びのためにささげたのである+。7 そして,すべての家畜とそれらの都市からの分捕り物を強奪物として自分たちのために取った+。
8 「こうしてその時,わたしたちはヨルダン地方にいたアモリ人の二人の王の手から土地を得ていった+。アルノンの奔流の谷+からヘルモン山+までである。9 (シドン人はヘルモンをシルヨン+と呼び,アモリ人はそれをセニル*+と呼んでいた。)10 すなわち,台地のすべての都市,ギレアデの全土,そしてバシャンの全土,バシャンのオグの王国の都市であるサレカ+とエドレイ+までである。11 レファイム人の残り+のうちバシャンの王オグだけが残っていたのである。見よ,彼の棺台は鉄の棺台*であった。それはアンモンの子らのラバ+にあるではないか。その長さは九キュビト*,幅は四キュビト,人間のキュビトによってである。12 それでわたしたちはその時にこの地を取得した。アルノンの奔流の谷のそばのアロエル+から,ギレアデの山地の半分*,そしてそれに属する諸都市を,わたしはルベン人とガド人に与えた+。13 そして,ギレアデ+の残りと,オグの王国であったバシャンの全土+は,マナセの半部族に与えた。バシャン全土のうち,アルゴブの全地方+,それはレファイム+の地と呼ばれている所ではないか。
14 「マナセの子ヤイル+がアルゴブの全地方+,ゲシュル人+とマアカト人+の境界に至るまでを取り,それらバシャンの村々を*自分の名によってハボト・ヤイル*と呼びはじめ+,今日に至っているのである。15 またマキル+に,わたしはギレアデを与えた+。16 そして,ルベン人+とガド人に対しては,ギレアデ+からアルノンの奔流の谷までを与えた。その奔流の谷の真ん中が境界で,さらにヤボク,すなわちアンモンの子らの境界となっている奔流の谷までである+。17 それで,アラバ*とヨルダンと境界地方,キネレト+からアラバの海,すなわちピスガ+の斜面のふもとにある“塩の海+”まで,その日の出の側である。
18 「それでわたしはその時あなた方に命じてこう言った。『あなた方の神エホバはこの土地を与えて取得させてくださった。あなた方,すべての勇士*は,装備を整えて,自分の兄弟であるイスラエルの子らの前を渡って行く+。19 ただあなた方の妻と幼い者たち,そして畜類だけは(わたしは,あなた方が非常に多くの畜類を有していることをよく知っている),わたしがあなた方に与えた都市にそのままとどまっていることになる+。20 これは,エホバがあなた方と同じくあなた方の兄弟たちにも休みを与え,彼らもあなた方の神エホバがヨルダンの向こうで与えてくださる土地を取得するまでである。その後あなた方は各々,わたしが与えた自分の保有地に戻って来るのである+』。
21 「またわたしはその時ヨシュア+に命じてこう言った。『あなたの目は,あなた方の神エホバがこれら二人の王に対して行なったすべての事を見ている。あなたがこれから渡って行くすべての王国に対しても,エホバは同じようにされるであろう+。22 あなた方は彼らを恐れてはならない。あなた方の神エホバが,あなた方のために戦われるからである+』。
23 「次いでその時,わたしはエホバの恵みを哀願してこう述べた。24 『主権者なる主エホバよ,あなたは,ご自分の偉大さ+と強いみ腕+とをこの僕に示し始められました。あなたが行なわれたような事,またあなたが示されたような強大なみ業を行なうどんな神*が天や地にいるでしょうか+。25 どうかわたしに渡って行かせ,ヨルダンの向こうの良い地+,この良い山地+とレバノン+とを見させてくださいますように』。26 だが,エホバはあなた方のゆえにわたしに対して依然憤怒を抱いておられ*+,わたし[の願い]を聴き入れてはくださらなかった。むしろエホバはわたしにこう言われた。『あなたについてはこれで十分である! この件についてこれ以上わたしに話してはならない。27 ピスガの頂に上り+,目を西,北,南,東に上げて,自分の目で見よ。あなたはこのヨルダンを渡っては行かないからである+。28 それでヨシュアを任命し+,これを励まして強くせよ。彼がこの民の前に立って渡って行き+,彼があなたの見るその地を彼らに受け継がせるからである+』。29 この間ずっと,わたしたちはベト・ペオルに面する谷+にとどまっていた。
4 「それで今,イスラエルよ,わたしが教えて守らせる規定と司法上の定めとに聴き従いなさい。これは,あなた方が生き+,あなた方の父祖の神エホバが与えてくださる地にそのとおり入ってそれを取得するためである。2 あなた方は,わたしが命じている言葉に付け加えてはならず,それから取り去ってもならない+。それによって,わたしが命じているあなた方の神エホバのおきてを守るためである。
3 「あなた方自身の目が,ペオルのバアル*に関してエホバの行なわれた事柄を見た+。すなわち,ペオルのバアルに付いて行ったすべての者,その者たちをあなたの神エホバはあなたの中から滅ぼし尽くされた+。4 しかし,自分の神エホバに固く付いている+あなた方,そのあなた方はみな今日生きている。5 見なさい,わたしはあなた方に,規定+と司法上の定め+を,わたしの神エホバがわたしに命じたとおりに教えた。それは,あなた方が行って取得する地でそのとおりに行なうためであった。6 ゆえにあなた方はそれを守って行なわなければならない。それらのすべての規定について聞くもろもろの民の目の前で,それはあなた方の知恵+,あなた方の悟り+となるからである。彼らは必ず言うであろう,『この大いなる国民は確かに知恵と悟りのある民だ+』と。7 わたしたちの神エホバはいつでもわたしたちが呼び求めるとき近くにいてくださるが+,そのようにして神々*を持つどんな大いなる国民+があるだろうか。8 また,わたしが今日あなた方の前に置くこのすべての律法のように義にそう規定と司法上の定めとを持つどんな大いなる国民があるだろうか+。
9 「ただ自分に気を付け,自分の魂によく注意して+,あなたの目が見た事を忘れないようにしなさい+。そして,命の日の限りそれがあなたの心を離れることのないようにしなさい+。またあなたはそれを自分の息子と孫たち*に知らせなければならない+。10 あなたが*ホレブであなたの神エホバの前に立った日+,その時エホバはわたしにこう言われた。『民をわたしのもとに集合させよ*。彼らにわたしの言葉を聞かせ+,彼らが地に長らえる日の限りわたしを恐れることを学び+,その子らに教えるためである+』。
11 「それであなた方は近くに来て,山のふもとに立った。すると,山は燃えており,火は中天に*達していた。闇と,雲と,濃い暗闇とがあった+。12 そしてエホバは火の中からあなた方に話しはじめられた+。あなた方は言葉の響きを聞いていたのであり,何の形も+見てはいなかった。ただ声だけであった+。13 その後に,ご自分の契約+をあなた方に述べられた。履行するようにとあなた方にお命じになったもの,すなわち十の言葉*+である。そののち[神]はそれを二枚の石の書き板に記された+。14 そしてエホバはその時,このわたしに命じてあなた方に規定と司法上の定めとを教えさせた。それは,あなた方が渡って行って取得する地+でそれを守り行なうためであった。
15 「こうして,エホバがホレブで火の中から話された日に,あなた方は何の形も見なかったのであるから+,あなた方は自分の魂によく注意して+,16 滅びとなるようなことをせず+,自分たちのために彫刻像を作ったりすることのないようにしなければならない。すなわち,どんな象徴の形も,男や女の表象も+,17 地にいるどんな獣の表象も+,天を飛ぶどんな翼を持つ鳥の表象も+,18 地面を動くどんなものの表象も,地の下の水の中にいるどんな魚の表象も+。19 また,目を天に上げて太陽と月と星を,天の全軍を見,たぶらかされてそれらに身をかがめたり,それらに仕え*たりすることのないように+。それらは,あなたの神エホバが全天下のすべての民に振り分けられたものである+。20 しかしあなた方は,エホバがお取りになって,鉄の炉の中から,エジプトから携え出し+,今日見るとおりにその私有の民*とされた者たちなのである+。
21 「それでもエホバはあなた方のためわたしに対していきり立たれて+,わたしがヨルダンを渡ることも,あなたの神エホバが相続分としてあなたに与える良い地に入ることもないと誓われた+。22 わたしはこの地で死ぬ+。わたしはヨルダンを渡っては行かない。あなた方は渡って行く。あなた方はこの良い地を取得するのである。23 あなた方は自分に気を付けて,あなた方の神エホバと結んだ契約を忘れぬよう+,また自分のために彫刻像を,すなわちあなたの神エホバが禁じられたいかなる物の形をも作ることのないようにしなさい+。24 あなたの神エホバは焼き尽くす火であり+,全き専心を要求する神*だからである+。
25 「あなた*が子や孫の父となり,あなた方がその地に長く住んだ後になって滅びとなるようなことを行ない+,彫刻像+を,すなわち何かの形を作り,こうしてあなたの神エホバの目に悪を行なって+怒りを起こさせるようなことがあれば,26 わたしは今日,天と地をあなた方に対する証人として立てておくが+,あなた方は必ず,ヨルダンを渡って行って取得するその地から速やかに滅びることになるであろう。あなた方はそこで自分の[命の]日を長くすることはないであろう。まさに滅ぼし尽くされるからである+。27 そしてエホバは必ずあなた方をもろもろの民の中に散らし+,あなた方はエホバによって追いやられるその諸国民の中でまさに数の少ない者として残されるであろう+。28 またそこで,あなた方は人の手でこしらえた神々に仕えることになるであろう+。見ることも聞くことも食べることもかぐこともできない+木や石+に。
29 「もしあなた方がその所からあなた方の神エホバをほんとうに捜し求めるならば,それによってあなたは必ず[神]を見いだすであろう+。心をつくし,魂をつくしてこれを尋ね求めるからである+。30 後の日にあなたが窮境に陥り,これらのすべての言葉がそのとおりあなたに起きたなら,その時あなたは自分の神エホバに立ち返って+,その声に聴き従うであろう+。31 あなたの神エホバは憐れみある神だからである+。あなたを捨て去ったり,破滅に至らせたり,あなたの父祖たちに誓った契約を忘れたりはされない+。
32 「どうか今,あなたの前に過ぎたさきの日々について尋ねるように+。神が地上に人*を創造された日から+,そして天のこの果てから天の他方の果てまでのことを。これほど偉大な事がなされただろうか。このような事について聞いたことがあるだろうか+。33 火の中から話される神*の声を,あなたが聞いたのと同じようにして聞いてなお生き長らえている民がほかにいるだろうか+。34 また神は,数々の試みをもってご自身のためにひとつの国民を選び取ることを他の国民の中から行なうためにあえて来られたことがあるだろうか+。すなわち,しるし+と奇跡+と戦い+と強い手+と伸ばされた腕+と大いなる恐れ+など,すべてあなた方の神エホバがあなた方のため,エジプトにおいてあなたの目の前に行なわれたような事柄をもって。35 あなたにそれは示されたのである。それは,エホバこそ[まことの]神であることを知るためであった+。そのほかにはいない+。36 あなたを正すために[神]は天からご自身の声をお聞かせになった。地においてはその大いなる火をあなたにお見せになった。その火の中から,あなたはみ言葉も聞いた+。
37 「それでも[なおあなたは生き長らえている]。それは,[神]があなたの父祖たちを愛されたからであり*,そのためにその後の胤*を選び+,ご自分の見るところで,その大いなる力をもってあなたをエジプトから携え出されたのである+。38 それは,あなたより大きくて強大な諸国民をあなたの前から追い散らし,あなたを携え入れ,今日見るとおり彼らの土地を相続分としてあなたに与えるためであった+。39 ゆえにあなたは今日よく知っているはずである。また,自分の心に思い出しもしなければならない。すなわち,エホバは上なる天においても下なる地にあっても[まことの]神である+,ということを。ほかにいないのである+。40 それであなたは,わたしが今日命じているその規定+とおきてを守らなければならない。あなたにもあなたの後の子らにとっても物事が良く運ぶため+,あなたの神エホバの与えてくださる地にあってあなたが常に自分の[命の]日を長くするためである+」。
41 次いでその時モーセはヨルダンの日の出の側に三つの都市を取り分けた+。42 それは,人を殺した者,つまり以前から憎しみを抱いていたのではなく+,ただ知らずに自分の仲間を打ち殺した者が逃れるためであった+。その者はこれらの都市のいずれかに逃れて生きるのである+。43 すなわち,ルベン人のために台地の荒野にあるベツェル+,ガド人のためにギレアデのラモト+,マナセ人のためにバシャンのゴラン+である+。
44 さて,これはモーセがイスラエルの子らの前に示した律法+である。45 これらは,エジプトから出て来た際モーセがイスラエルの子らに話した証*+と規定+と司法上の定め+である。46 それは,ヨルダン地方,ベト・ペオルに面する谷+,アモリ人の王シホンの地でのことであった。この者はヘシュボンに住んでいたが+,モーセとイスラエルの子らはエジプトから出て来た際にこれを撃ち破った+。47 そして彼らはその土地とバシャンの王オグ+の土地,すなわちヨルダン地方の日の出の側にいた二人のアモリ人の王[の地]を取得していった。48 アルノンの奔流の谷の岸にあるアロエル+から,シーオン*山つまりヘルモン+まで,49 そしてヨルダン地方のアラバ+,その東側全域,ピスガ+の斜面のふもとにあるアラバの海+までである。
5 それからモーセは全イスラエル+を呼んで,彼らにこう言った。「イスラエルよ,わたしが今日あなた方の耳に話す規定と司法上の定め+とを聞きなさい。あなた方はそれを学び,注意深くそれを行なわなければならない+。2 わたしたちの神エホバはホレブにおいてわたしたちと契約を結ばれた+。3 エホバはその契約をわたしたちの父祖たちと結ばれたのではない。わたしたち,今日ここに生きているこのわたしたちすべてと[結ばれたの]である。4 エホバはその山で,顔と顔を合わせて火の中からあなた方と話された+。5 わたしはその時エホバとあなた方との間に立っていた+。エホバの言葉*をあなた方に告げるためであり(あなた方はその火のために恐れて山に上って行かなかったのである+),こう言った。
6 「『わたしはあなたの神エホバ+,あなたをエジプトの地から,奴隷の家から携え出した者である+。7 あなたはわたしの顔に逆らって*他のいかなるものも神としてはならない+。
8 「『あなたは自分のために彫刻像を,すなわち上は天にあるもの,下は地にあるもの,また地の下の水の中にあるものに似せたいかなる形+も*作ってはならない+。9 それに身をかがめたり,導かれてそれに仕えたり*してはならない+。あなたの神であるわたしエホバは全き専心を要求する神*であり+,わたしを憎む者については父のとがに対する処罰を子に*,三代,四代に*及ぼし*+,10 わたしを愛してわたしのおきてを守る者については愛ある親切*を千代にまで施すからである+。
11 「『あなたの神エホバの名をいたずらに*取り上げてはならない*+。その名をいたずらに取り上げる者をエホバは処罰せずにはおかないからである+。
12 「『あなたの神エホバの命じたとおり,安息日を守って*それを神聖なものとするように+。13 あなたは六日のあいだ務めをなし*,自分のすべての仕事をしなければならない+。14 しかし,七日目はあなたの神エホバに対する安息である+。どんな仕事もしてはならない+。あなたもあなたの息子や娘も,あなたの男奴隷や女奴隷も,あなたの牛やろば,またどんな家畜も,そしてあなたの門の内にいる外人居留者も+。これは,あなたの男奴隷や女奴隷があなたと同じように休むためである+。15 そしてあなたは,自分がエジプトの地で奴隷となり,あなたの神エホバが強い手と伸ばされた腕とをもってあなたをそこから携え出されたこと+を覚えていなければならない+。そのためにあなたの神エホバは,安息日を守るようあなたに命じたのである+。
16 「『あなたの神エホバの命じたとおり,あなたの父と母を敬いなさい+。それは,あなたの神エホバの与える地においてあなたの[命の]日が長くなり,あなたにとって物事が良く運ぶためである+。
20 「『あなたは仲間の者*に対して偽りの証言をしてもならない+。
21 「『あなたは仲間の者の妻を欲してもならない+。また,仲間の者の家,その畑や男奴隷や女奴隷,その牛やろば,また仲間の者に属するどんなものも利己的に慕い求めては*ならない+』。
22 「これらの言葉*を,エホバは,あなた方の全会衆に対して山で話された。火の中,雲と濃い暗闇[の中]から+,大きな声で[話されたの]であり,何をも付け加えられなかった。その後,それらを二枚の石の書き板に記して,わたしにお与えになったのである+。
23 「ところが,山が火で燃えている中で闇の中から出て来る声を聞くと+,あなた方,すなわちそれぞれの部族のすべての頭と年長者たち*はわたしの近くにやって来た。24 そしてあなた方はこう言った。『いま,わたしたちの神エホバはご自分の栄光と偉大さをわたしたちに示されました。わたしたちは火の中から出るみ声を聞きました+。今日わたしたちは,神が人と話し,それでもなお人が生きているのを見ました+。25 ですが今,わたしたちはどうして死んでよいでしょうか。この大いなる火はわたしたちを焼き尽くすかもしれないのです+。もしわたしたちの神エホバの声をこの上さらに聞くとすれば,わたしたちはきっと死んでしまいます+。26 すべての肉なるもののうち,わたしたちがしたように生ける神*が火の中から話される声を聞き+,なお生きつづけている者がいるでしょうか。27 あなたが近くに行って,わたしたちの神エホバの言われるすべてのことを聞いてください。そして,あなたが,わたしたちの神エホバの話されるすべてのことをわたしたちに話すのです+。わたしたちは必ず[それを]聴いて行ないます』。
28 「するとエホバは,あなた方がわたしに話した時のその言葉の声を聞いておられた。それでエホバはわたしにこう言われた。『わたしはこの民があなたに話すその言葉の声を聞いた。彼らの話したことはすべてそれで良い+。29 彼らが,わたしを恐れ+,わたしのすべてのおきてを常に守る+この心を培えばよいのである*。それは,彼らまたその子らにとって,定めのない時に至るまで物事が良く運ぶためである+。30 行って,「それぞれ自分の天幕に帰れ」と彼らに言いなさい。31 そしてあなたはわたしと共にここに立つように。わたしはすべてのおきてと規定と司法上の定めをあなたに話そう。それは,あなたが彼らに教えるべきもの+,わたしが与えて取得させる地で彼らが守らねばならないものである』。32 それであなた方は注意して,あなた方の神エホバの命じたとおりに行なわなければならない+。右にも左にも曲がってはならない+。33 あなた方の神エホバの命じたすべての道にそって歩むように+。あなた方が生き,あなた方にとって物事が良く運び+,あなた方の取得する地においてあなた方の[命の]日をまさに長くするためである。
6 「さて,これらは,あなた方の神エホバがあなた方に教えるように命じたおきてと規定と司法上の定めであり+,あなた方が渡って行って取得する地で守り行なうためのものである。2 それは,あなた,すなわちあなたとあなたの子や孫が+,その命の日の限りあなたの神エホバを恐れ+,わたしが命じるそのすべての法令とおきてを守るため,あなたの[命の]日が長くなるためである+。3 ゆえに,イスラエルよ,あなたはよく聴き,注意して[それを]守り行なわなければならない+。あなたにとって物事が良く運び+,あなた方が非常に多くなって,乳と蜜の流れる地に関し,父祖たちの神エホバがあなたに*約束されたとおりになるためである+。
4 「イスラエルよ,聴きなさい。わたしたちの神エホバはただひとりのエホバである*+。5 ゆえにあなたは,心をつくし+,魂をつくし+,活力をつくしてあなたの神エホバを愛さねばならない+。6 そして,わたしが今日命じているこれらの言葉をあなたの心に置かねばならない+。7 あなたはそれを自分の子に教え込み+,家で座るときも,道を歩くときも,寝るときも,起きるときもそれについて話さねばならない+。8 また,それをしるしとしてあなたの手にくくり+,それはあなたの目の間の額帯とされなければならない+。9 それをあなたの家の戸口の柱*と門に書き記すように+。
10 「そして,あなたの神エホバが,あなたに与えることを父祖たち,アブラハム,イサク,ヤコブに誓ったその土地に携え入れてくださり+,あなたが建てたのではない大きくて麗しい都市+,11 あらゆる良い物で満ち,しかもあなたが満たしたのではない家々,あなたが切り掘ったのではない切り掘られた水溜め,あなたが植えたのではないぶどう園やオリーブの木[を得],食べて満ち足りるようになった時+,12 あなたは自分に気を付けて,あなたをエジプトの地から,奴隷の家から携え出してくださったエホバを忘れる+ことのないようにしなさい。13 あなたの神エホバを恐れ+,この方に仕え*+,その名によって誓いをすべきである+。14 あなた方はほかの神々に,すなわち周囲の民のどんな神々にも従ってはならない+。15 (あなたのうちにおられるあなたの神エホバは全き専心を要求される神なのである+。)あなたの神エホバの怒りがあなたに向かって燃え+,あなたを地の表から滅ぼし尽くすようにならないためである+。
16 「あなた方は,マッサ*で試みた時のようにして+あなた方の神エホバを試みてはならない+。17 あなた方の神エホバのおきて+,またあなたにお命じになった+その証+と規定+をぜひとも守るべきである。18 そしてあなたは,エホバの目に正しくて善いとされることを行なわなければならない。あなたにとって物事が良く運び+,エホバが父祖たちに誓われた良い地にあなたがまさに入ってそれを取得するためである+。19 それは,エホバが約束されたとおり,あなたに敵するすべての者をあなたの前から押しのけることによるのである+。
20 「あなたの子が後の日にあなたに尋ねて+,『わたしたちの神エホバがあなた方に命じたこの証と規定と司法上の定めにはどういう意味があるのですか』と言うなら,21 その時あなたは自分の子にこう言わなければならない。『わたしたちはエジプトでファラオの奴隷となったが,エホバは強い手+をもってわたしたちをエジプトから携え出してくださった。22 そしてエホバは,大きくて災いとなるしるしと奇跡+を,わたしたちの目の前で,エジプトの上,ファラオとその全家の上に加えてゆかれた+。23 こうしてわたしたちをそこから携え出し,ここに連れて来て,父祖たちに誓われた地を得させてくださった+。24 そのためにエホバは,これらのすべての規定を守り+,わたしたちの益のためにわたしたちの神エホバを常に恐れるように+とお命じになった。それは,今日あるとおり,わたしたちが生きつづけるためであった+。25 そして,わたしたちが注意して,このすべてのおきてをわたしたちの神エホバの前でそのお命じになったとおりに行なうこと+,それがわたしたちにとって義となるのだ+』。
7 「あなたが行って取得しようとしている地へついに携え入れてくださる時+,あなたの神エホバは数の多い諸国民をあなたの前から除き去ることもしてくださるのである+。それは,ヒッタイト人+,ギルガシ人+,アモリ人+,カナン人+,ペリジ人+,ヒビ人+,エブス人+で,あなたより数が多くて強大な七つの国民である+。2 そして,あなたの神エホバは必ず彼らをあなたに渡され,あなたはこれを撃ち破るのである+。彼らを必ず滅びのためにささげるように+。彼らと契約を結んではならず,彼らに好意を示してもならない+。3 また,彼らと姻戚関係を結んではならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならず,彼の娘をあなたの息子のためにめとってもならない+。4 彼はあなたの息子をそらしてわたしに従うことから離れさせ,彼らは必ずほかの神々に仕えるようになるからである+。そしてエホバの怒りはまさにあなた方に対して燃え,必ずあなたを速やかに滅ぼし尽くされるであろう+。
5 「むしろ,彼らに対してこのようにすべきである。あなた方は彼らの祭壇を取り壊し+,聖柱を打ち砕き+,聖木*+を切り倒し+,彫像を火で焼くべきである+。6 あなたの神エホバにとって,あなたは聖なる民だからである+。あなたの神エホバは,地の表にいるすべての民の中からあなたを選んでご自分の民とし,特別な所有物とされたのである+。
7 「すべての民の中であなた方が最も数が多いためにエホバはあなた方に愛情を示して,あなた方を選ばれたのではない+。あなた方はすべての民の中で一番少なかったのである+。8 むしろ,エホバがあなた方を愛し+,あなた方の父祖たちに誓ったその誓いのことばを守られたがために+,エホバは強い手をもってあなた方を携え出し+,あなたを奴隷の家から,エジプトの王ファラオの手から請け戻そうとされたのである+。9 だからあなたはよく知っている。あなたの神エホバは[まことの]神+,忠実な神*であり+,ご自分を愛してそのおきてを守る者には千代までも+契約と愛ある親切*とを守り+,10 ご自分を憎む者には,これを滅ぼしてその顔に返報されるのである+。ご自分を憎む者に対してためらわれることはない。その顔に返報されるのである。11 ゆえにあなたは,わたしが今日命じているおきてと規定と司法上の定めを守って,それを行なわなければならない+。
12 「そうすれば,あなた方がこれらの司法上の定めにずっと聴き従い,それを確かに守って実行するゆえに+,あなたの神エホバも,父祖たちに誓われた+契約と愛ある親切とをあなたに対して保たれるのである+。13 そして,必ずあなたを愛して祝福し+,あなたを殖えさせ+,あなたの腹の実+と地の実り+,あなたの穀物と新しいぶどう酒と油,あなたの雌牛の子と羊の子を,あなたに与えることを父祖たちに誓われたその地+において祝福してくださるであろう+。14 あなたはすべての民の中で最も祝福された者となる+。あなたの中に子孫を持たない男や女はおらず,あなたの家畜の中にもいないであろう+。15 またエホバはあなたからすべての病気を必ず除いてくださる。あなたの知るエジプトのあらゆる悪性の疾患+については,これをあなたの上には加えず,あなたを憎むすべての者の上に下されるであろう。16 そしてあなたは,あなたの神エホバが与えるすべての民を滅ぼし尽くさなければならない+。あなたの目は彼らを哀れんではならない+。彼らの神々に仕えてはならない+。それはあなたのわなとなるからである+。
17 「あなたが自分の心の中で,『これらの国の民はわたしにとってはあまりに数が多い。どうして彼らを打ち払うことができるだろうか』と言うとしても+,18 あなたは彼らを恐れてはならない+。あなたの神エホバがファラオと全エジプトに対して行なわれた事柄+をぜひとも思い出すべきである。19 すなわち,あなたの目が見た大いなる試み+を,またしるしと奇跡+と強い手+と伸ばされた腕+とを。あなたの神エホバはそれをもってあなたを携え出されたのである+。あなたの神エホバは,あなたがその前で恐れるすべての民に対してもそのように行なわれるであろう+。20 さらに,あなたの神エホバは失意の気持ち*を彼らの上に送り+,残されていた者+またあなたの前から隠れていた者たちも,ついには滅びるであろう。21 あなたは彼らのためにうろたえてはならない。あなたの神エホバ,偉大で畏怖の念を抱かせる神+があなたのうちにおられるからである+。
22 「そして,あなたの神エホバはこれら諸国民をあなたの前から徐々に押しのけられるのである+。あなたは彼らをすぐに一掃することは許されない。野の野獣が殖えてあなたを損なうことのないためである。23 それでも,あなたの神エホバは彼らを確かにあなたに渡し,大いなる敗走をもって敗走させ,ついに彼らは滅ぼし尽くされるのである+。24 また彼らの王たちを必ずあなたの手にお与えになる+。あなたはその者たちの名を天の下から滅ぼし去らねばならない+。だれもあなたに立ち向かうことなく+,ついにあなたは彼らを滅ぼし絶やすのである+。25 彼らの神々の彫像をあなたは火で焼くべきである+。それに付いた銀や金を欲してはならない+。もとより,それを自分のために取ってはならない+。それによってわなに掛かることのないためである+。それはあなたの神エホバにとって忌むべきもの+なのである。26 それであなたは,自分の家の中に忌むべきものを携え入れて,そのものと同じく滅びのためにささげられたもの*となってはならない。それをあくまでも忌み嫌い,全くいとい憎むべきである+。それは滅びのためにささげられたものだからである+。
8 「わたしが今日命じるすべてのおきてをあなた方は注意して守るべきである+。あなた方が生き続けて+まさに殖え,エホバが父祖たちに誓われた地+に入ってそれを取得するためである。2 そしてあなたは,あなたの神エホバがこの四十年のあいだ荒野であなたに歩ませた+そのすべての道を覚えていなければならない。それはあなたを謙遜にならせるため+,あなたを試みて+,そのおきてを守るかどうか,あなたの心のうちにあるものを知るためであった+。3 それで[神]はあなたを謙遜にならせ,空腹にならせて+マナを食べさせた+。それはあなたがそれまで知らず,あなたの父たちも知らないものであった。こうして,人がパンだけによって生きるのではなく,エホバの口から出るすべての言葉によって人は生きるのである+ということを,あなたに知らせたのである。4 あなたのマントはあなたの身にあってすり切れず,足もこの四十年の間はれることはなかった+。5 そして,あなたが自分の心でよく知るとおり,あなたの神エホバは,人が自分の子を正すようにしてあなたを正しておられたのである+。
6 「それであなたは,あなたの神エホバの道を歩み+,[神]を恐れて+そのおきてを守らなければならない。7 あなたの神エホバは,あなたを良い地+に携え入れようとしておられるからである。それは,水のあふれる奔流の谷,[また]谷あいの平原+や山地にわき出る泉や水の深み*のある地,8 小麦・大麦・ぶどう・いちじく・ざくろ+の地,油オリーブと蜜+の地,9 乏しさを感じながらパンを食べることはなく,何にも欠けることのない地である。その石は鉄であり,その山々からは銅を掘り取ることのできる地なのである。
10 「食べて満ち足りた時に+,あなたはその与えてくださった良い地のゆえに+あなたの神エホバをほめたたえなければならない+。11 自分に気を付けて,あなたの神エホバを忘れる+ことのないよう,わたしが今日命じるそのおきてと司法上の定めと法令からそれることのないようにしなさい+。12 これは,あなたが食べてまさに満ち足り,良い家を建ててそれに住み+,13 あなたの牛や羊が増え,銀や金があなたのために増え,あなたの持つすべてのものが増え,14 それによってあなたの心がまさに高ぶり+,あなたをエジプトの地,奴隷の家から携え出されたあなたの神エホバを忘れる+ようなことのないためである。15 すなわち,毒蛇*+とさそり*がおり,水のない渇いた地が続くあの広大で畏怖を感じさせる荒野の中を通らせてくださった方+,火打ち石のような固い岩からあなたのために水を出してくださった方+,16 あなたを謙遜にならせるため+,またあなたを試みてあなたの後の日に良いことを行なうために+,父たちの知らなかったマナを荒野であなたに食べさせたその方+を。17 これは,あなたが心の中で,『わたしの力とわたしの手にみなぎる偉力とによって,自分でこの富を得たのだ』などと言う[ことのないためである+]。18 それであなたは,あなたの神エホバを覚えていなければならない。この方こそ,あなたに力を与えて富を得させてくださる方だからである+。それは,今日見るとおり,あなたの父祖たちに誓われた契約を履行するためなのである+。
19 「それで,もしあなたが,あなたの神エホバを忘れ,ほかの神々に従って歩み,それに仕えたりそれに身をかがめたりするようなことがあれば,わたしは今日あなた方にはっきり証ししておくが,あなた方は全く滅びることになるであろう+。20 エホバがあなた方の前から滅ぼしてゆかれる諸国民のように,それと同じようにあなた方も滅びることになる。あなた方の神エホバの声に聴き従わないからである+。
9 「イスラエルよ,聞きなさい。あなたは今日ヨルダンを渡って入って行き+,あなたより大きくて強大な諸国民を立ち退かせようとしている+。それは,大きく,天にまでも防備を固めた都市+,2 大きくて背の高い民,アナキムの子らである+。その者たちについてあなた自身が知り,『アナクの子らの前にだれが立ち向かえよう』と言われるのをあなた自身が聞いている。3 それでも,あなたが今日よく知っているとおり,あなたの神エホバがあなたの前を渡って行かれる+。その方は焼き尽くす火である+。彼らを滅ぼし尽くし+,自ら彼らをあなたの前に従わせてくださるであろう。エホバの話されたとおり,あなたは彼らを立ち退かせ,速やかに滅ぼし去らねばならない+。
4 「あなたの神エホバが彼らをあなたの前から押しのけられる時,心の中で,『わたしの義のゆえにエホバはわたしを携え入れてこの地を取得させてくださったのだ』などと言ってはいけない+。むしろ,これら諸国民の邪悪さのゆえにエホバは彼らをあなたの前から打ち払われるのである+。5 あなたの義+や心の廉直さ+のゆえにあなたは入って行って彼らの地を取得するのではない。実に,これら諸国民の邪悪さのゆえに,あなたの神エホバは彼らをあなたの前から打ち払われるのであり+,またそれは,エホバがあなたの父祖,アブラハム+,イサク+,ヤコブに誓われた言葉+を履行するためなのである。6 それであなたは,あなたの神エホバがこの良い地を与えて取得させてくださるのはあなたの義によるのではない,ということを知っていなければならない。あなたはうなじのこわい民なのである+。
7 「覚えていなさい。あなたが荒野でいかにあなたの神エホバを怒らせたかを忘れてはいけない+。エジプトの地を出た日からこの場所に来るまでの間,あなた方はエホバに対して反逆の振る舞いをしてきた+。8 ホレブにおいてさえ,あなた方はエホバを怒らせ,そのためエホバはいきり立たれてあなた方を滅ぼし尽くそうとさえされた+。9 それは,わたしが山に上って石の書き板+,すなわちエホバがあなた方と結ばれた契約+の書き板を受け取りに行った時のことであった。わたしはその山に四十日四十夜とどまっていた+。(パンも食べず,水も飲まなかった。)10 その時エホバは,神の指+で記した石の書き板二枚を与えてくださった。その上には,あの会衆*の日にエホバが山で火の中からあなた方に話されたすべての言葉があった*+。11 こうして四十日四十夜の終わりに,エホバは石の書き板,すなわち契約の書き板二枚をわたしに与えてくださったのである+。12 その後エホバはわたしにこう言われた。『立って,すぐにここから下れ。あなたの民,あなたがエジプトから携え出したその民は滅びとなることを行なったからである+。彼らはわたしが命じた道から早くもそれた。自分たちのために鋳像を作った+』。13 そしてエホバはなおもこう言われた。『わたしはこの民を見た。見よ,うなじのこわい民である+。14 わたしのなすにまかせよ。わたしは彼らを滅ぼし尽くし+,彼らの名を天の下からぬぐい去ろう+。そして,あなたを,彼らより強大で数の多い国民としよう+』。
15 「その後わたしは身を転じて山を下りたが,山は火で燃えていた+。そしてその契約の書き板二枚はわたしの両の手にあった+。16 次いでわたしが見ると,あなた方は,あなた方の神エホバに罪をおかしているのであった。自分たちのために鋳物の子牛を作ったのである+。エホバの命じた道から早くもそれてしまった+。17 これを見て,わたしはその二枚の書き板をつかみ,自分の両の手から投げ付けて,あなた方の目の前でそれをみじんに砕いた+。18 それからわたしは,初めの時と同じように四十日四十夜エホバの前に平伏した。パンも食べず水も飲まなかった+。あなた方が犯したそのすべての罪のためであり,エホバの目に悪を行なって怒りを起こさせたからである+。19 わたしは,エホバがあなた方に対して憤然とされ,あなた方を滅ぼし尽くそうとまでされたその激しい怒り+のために怖れたのである。しかし,エホバはその時にもまたわたし[の願い]を聴き入れてくださった+。
20 「また,アロンに対してもエホバは非常にいきり立たれ,彼を滅ぼし尽くそうとさえされた+。しかし,わたしはその時アロンのためにも祈願+をささげた。21 そして,あなたのこしらえた罪,すなわちその子牛+を取って火の中で焼き,それを砕き,すっかりひき砕いたため,ついにそれは塵のような微粉となった。次いでわたしはその山を下る奔流の中にその塵を投げ込んだ+。
22 「さらに,タブエラ+とマッサ+とキブロト・ハタアワ+においても,あなた方はエホバの怒りを引き起こす者となった+。23 また,エホバがあなた方をカデシュ・バルネア+から遣わし,『上って行って,わたしが与えるはずの土地を取得せよ』と言われた時にも,あなた方は自分たちの神エホバの指示に背く振る舞いをし+,[神]に信仰を働かせず+,その声に聴き従わなかった+。24 あなた方は,わたしが知った日からこのかたエホバに対して反逆の振る舞いを続けてきた+。
25 「それでわたしは四十日四十夜+エホバの前に平伏しつづけたのである。わたしがこうして平伏したのは,エホバがあなた方を滅ぼし尽くすことについて語られた*からであった+。26 そしてわたしはエホバに祈願+を始めてこう述べた。『主権者なる主エホバよ*,ご自分の民を滅びに至らせることはなさらないでください。ご自分の私的な所有物*+,あなたがご自身の偉大さを示して請け戻し,強いみ手をもってエジプトから携え出された+その[民]を+。27 ご自分の僕たち,アブラハム,イサク,ヤコブのことを思い起こしてくださいますように+。この民のかたくなさ,その邪悪と罪とに顔をお向けにならないでください+。28 あなたがわたしたちを携え出されたその地*+が,「エホバは自分の約束した土地に彼らを携え入れることができなかったため,そして彼らを憎んだために,これを連れ出して荒野で死なせたのだ」などと言うことのないためです+。29 しかも,彼らはあなたの民,ご自分の大いなる力と差し伸べた腕とをもって+携え出されたあなたの私的所有物+なのです』。
10 「その時エホバはわたしにこう言われた。『自分のために初めのものと同じような石の書き板二枚を切り出して+,山の中へ,わたしのところへ上って来なさい。また,自分のために木で箱を造るように+。2 そうしたら,わたしはその書き板に,あなたがみじんに砕いた初めの書き板にあった言葉を書き記す。あなたはそれをその箱の中に置くように』。3 それでわたしはアカシアの木で箱を造り,初めのものと同様の石の書き板二枚を切り出して+,山に上って行った。その二枚の書き板はわたしの手にあった。4 すると,その書き板に初めと同じ書き文字+,すなわち十の言葉*+をお書きになった。それは,エホバがあの会衆の日に+山で火の中からあなた方に話された+ものである。その後エホバはそれをわたしに下さった。5 それでわたしは身を巡らして山を下り+,自分が造っておいた箱の中にその書き板を収めて,エホバがお命じになったとおりそれがずっとそこに置かれるようにした+。
6 「そしてイスラエルの子らはベエロト・ベネ・ヤアカン+を旅立ってモセラに向かった。そこでアロンは死に,そこに葬られることになった+。そして,その子エレアザルが彼に代わって祭司の務めを行なうようになった+。7 そこから彼らは旅立ってグドゴダに向かい,グドゴダからヨトバタ+に,水の流れている奔流の谷の地に向かった。
8 「その時エホバはレビの部族を取り分けて+エホバの契約の箱を担わせ+,エホバの前に立って奉仕を行ない+,み名によって祝福を与える者とされ,今日に及んでいる+。9 そのためにレビは受け分や相続分を自分の兄弟たちと共にしなかったのである+。エホバが彼の相続分であり,あなたの神エホバがこれに言われたとおりである+。10 それでこのわたしは,初めの時と同じように四十日四十夜山にとどまっていた*が+,エホバはその時にもわたし[の願い]を聴き入れてくださった+。エホバはあなたを滅びに至らせることを望まれなかった+。11 それからエホバはわたしにこう言われた。『立って,旅立ちのために民の前に行きなさい。彼らに与えることをわたしがその父祖たちに誓った地+に彼らが入ってそれを取得するためである』。
12 「ゆえに今,イスラエルよ,あなたの神エホバが求めておられることは+,あなたの神エホバを恐れて+そのすべての道を歩み+,[神]を愛し+,心をつくし魂をつくしてあなたの神エホバに仕えること+,13 わたしが今日命じるエホバのおきてと法令をあなたの益のために+守ること+,ただそれだけではないか。14 見なさい,あなたの神エホバに,天+,すなわち天の天も,地+とそのすべてのものも属しているのである。15 ただあなたの父祖たちにエホバは愛着を抱いてこれを愛され,そのためにその後の子孫であるあなた方をすべての民の中から選んで+,今日見るとおりにされた。16 それであなた方は自分の心の包皮に割礼を施し+,これ以上うなじを固く*してはならない+。17 あなた方の神エホバは神の神*+,主の主*+,偉大で力強く,畏怖の念を抱かせる神*であり+,だれに対しても不公平な扱いをせず+,まいない*を受け取ることもされず+,18 父なし子ややもめのために裁きを執行し+,外人居留者を愛して+これにパンとマントをお与えになるのである。19 あなた方も外人居留者に愛を示さなければならない+。自分たちもエジプトの地で外人居留者となったからである+。
20 「あなたの神エホバを恐れるように+。これに仕え+,これに固く付き+,その名によって誓いのことばを述べるべきである+。21 これこそあなたが賛美すべき方*+,これこそあなたの神であり,あなたの目が見たこれら偉大で畏怖の念を抱かせる事柄をあなたに対して行なわれた方である+。22 あなたの父祖たちは七十の魂をもってエジプトに下ったが+,今あなたの神エホバはあなたを天の星のように数多くされたのである+。
11 「ゆえにあなたは,あなたの神エホバを愛し+,[神]に対する自分の務め,またその法令と司法上の定め+とおきてとを常に守らなければならない。2 そして,あなた方は今日よく知っている。([わたしは]あなた方の子らに[話す]のではない。彼らは,あなた方の神エホバからの懲らしめ+を,その偉大さ+を,その強い手+と伸ばされた腕+とを知らず,それを見てもいない。3 また,エジプトのただ中でエジプトの王ファラオとその全土に対してなされたしるしとみ業+も,4 さらに,エジプトの軍勢,その馬と戦車とに対して行なわれた事も[見て]いない。[神]はその顔に向かって紅海の水をあふれさせたのである。それは彼らが追撃して来た時であった+。こうしてエホバは彼らを滅ぼして今日に至っている+。5 また,この場所に来るまで荒野であなた方に対して行なわれた事も,6 ルベンの子であるエリアブの子ダタンとアビラムに対して行なわれた事+も[見て]いない。その時,地は口を開いて,彼らとその家の者たち,彼らの天幕とその後に従ったいっさいの存在物を,全イスラエルの中で呑み込んだ+。)7 あなた方の目は,エホバのなさったそのすべての大いなるみ業を見たのである+。
8 「それであなた方は,わたしが今日命じるおきて全体を守らなければならない+。あなた方が強くなり,渡って行って取得しようとしている地にまさに入ってそれを取得するため+,9 また,エホバが父祖たちに対し,彼らとその胤に与えることを誓われた土地+,乳と蜜の流れる地+にあってあなた方の[命の]日を長くするためである+。
10 「あなたが行って取得しようとしている地は,あなた方が出て来たエジプトの地のようではないのである。そこではいつも種をまいて,自分の足で引き水をしなければ*ならず,それは菜園のようであった。11 しかし,あなた方が渡って行って取得しようとしている地は,山と谷あいの平原とが続く土地である+。その[地]は天の雨から水を飲む。12 あなたの神エホバが顧みておられる土地である。年の初めから年の終わりまで,あなたの神エホバの目+が絶えずそこにある。
13 「それで,わたしが今日命じるわたしのおきてに確かに従い+,こうしてあなた方の神エホバを愛し,心をつくし魂をつくしてこれに仕えるなら+,14 わたし*も必ずあなた方の土地のためその定めの時に雨を,秋の雨と春の雨*+とを与え+,あなたはまさに自分の穀物と甘いぶどう酒と油とを集め入れることになるであろう。15 そしてわたしはあなたの家畜のためあなたの野に必ず草木を与え+,あなたはまさに食べて満ち足りるであろう+。16 自分に気を付けて,あなた方の心がいざなわれることのないように+,それて行ってほかの神々を崇拝し,それに身をかがめたりすることのないようにしなさい+。17 そうなれば,エホバの怒りはあなた方に対して燃え,[神]は天を閉ざして雨が生じぬように+,地面がその産物を出さないようにされるのであり,あなた方はエホバが与えてくださる良い地から速やかに滅びてしまうことになる+。
18 「それであなた方は,これらわたしの言葉を自分の心と魂に置き+,それをしるしとして手に結び,それをあなた方の目の間の額帯としなければならない+。19 あなた方はまたそれを自分の子に教えて,家で座るときも,道を歩くときも,寝るときも,起きるときもそれについて話さなければならない+。20 またそれを,あなたの家の戸口の柱と門に書き記すように+。21 これは,エホバが父祖たちに与えることを誓われた地において+あなた方の[命の]日,そしてあなた方の子らの[命の]日が多くなり+,地を覆う天の日数のようになるためである+。
22 「もしあなた方がわたしの命じるこのすべてのおきてをしっかり守って+それを行ない,あなた方の神エホバを愛し+,そのすべての道を歩んで+[神]に固く付くなら+,23 エホバもまたこれらの諸国民すべてをあなた方のために必ず打ち払い+,あなた方は自分たちより大きくて数の多いもろもろの国民を立ち退かせることになる+。24 あなた方の足の裏が踏む所はすべてあなた方のものとなる+。荒野からレバノンまで*,川すなわちユーフラテス川から西の*海まで,これがあなた方の境界となる+。25 だれもあなた方に立ち向かう者はいない+。あなた方に対する畏怖,そして恐れを,あなた方の神エホバは,あなた方が踏むすべての地の表に,その前に置いて+,あなた方に約束したとおりにされるであろう。
26 「見なさい,わたしは今日,あなた方の前に祝福と呪いを置く+。27 わたしが今日命じるあなた方の神エホバのおきてに従うのであれば,祝福を+。28 また,あなた方の神エホバのおきてに従わず+,わたしが今日命じる道からそれてあなた方の知らなかった神々に付いて行くのであれば,呪いを+。
29 「それで,あなたの神エホバがその土地へ,すなわちあなたが行って取得しようとしている所へ携え入れてくださったなら+,その時あなたは,ゲリジム山には祝福を+,エバル山には呪いを+述べなければならない。30 それらはヨルダンの日没に向かう側,すなわちアラバ+に住むカナン人の地,ギルガル+の前,モレの大木林*+のそばにあるではないか。31 あなた方はヨルダンを渡り,あなた方の神エホバが与えてくださる地に入ってそれを取得しようとしているのである。あなた方は必ずそれを取得してそこに住む+。32 それであなた方はよく注意して,わたしが今日あなた方の前に置くすべての規定と司法上の定め+を守り行なわなければならない+。
12 「これらがその規定+と司法上の定め+であり,父祖たちの神エホバが必ず与えて取得させてくださる地において,その地に生き長らえる日の限り+あなた方が注意して守り行なうべきものである+。2 あなた方は,あなた方が立ち退かせる諸国民が高い山や丘の上またすべての生い茂った木の下で神々に仕えたそのすべての場所+を徹底して破壊すべきである+。3 また,彼らの祭壇を取り壊し+,聖柱をみじんに砕かねばならない+。彼らの聖木*を火で焼き+,彼らの神々の彫像を切り倒すように+。こうしてその名をその所から滅ぼし去らねばならない+。
4 「あなた方の神エホバに対してそのように行なってはならない+。5 あなた方の神エホバがあなた方のすべての部族の中から選んでそのみ名を置き,それをとどまらせる場所*,そこをあなた方は求めるのである。あなたはそこに来なければならない+。6 またそこに,あなた方の焼燔の捧げ物+と犠牲と十分の一*+,あなた方の手の寄進物+と誓約の捧げ物+と自発的な捧げ物+,あなた方の牛や羊の初子を携えて来なければならない+。7 そして,そこで,あなた方も,家の者たちも,あなた方の神エホバの前にあって食べ+,あなた方のすべての営みについて*歓びを得るのである+。あなたの神エホバがあなたを祝福されたからである。
8 「あなた方は,わたしたちが今日ここで行なっているすべての事にそのとおり倣って行動してはならない。各自がすべて自分の目に正しいと思うところを[行なっているが+],9 これは,あなたの神エホバが与えてくださる休み場+また相続地にまだ入っていないからである。10 それであなた方はヨルダンを渡り+,あなた方の神エホバが所有地として与えてくださる土地に住まなければならない+。そうすれば,[神]は周囲のすべての敵から[守って]必ず休みを与えてくださり,あなた方はまさに安らかに住まうであろう+。11 そして,あなた方の神エホバが選んでご自分の名をとどまらせる場所+,そこにあなた方は,わたしの命じるすべてのもの,すなわち焼燔の捧げ物+と犠牲,十分の一+とあなた方の手の寄進物+,あなた方がエホバに誓約するその誓約の捧げ物+のえり抜きの品を携えて来ることになる。12 そして,あなた方の神エホバの前にあって歓び楽しむのである+。あなた方も,息子や娘も,男奴隷や奴隷女も,そしてあなた方の門*の内にいるレビ人も。彼は受け分や相続分をあなた方と分け合ってはいないからである+。13 自分に気を付けて,あなたの焼燔の捧げ物をあなたが見るほかのどんな場所にささげることもないようにしなさい+。14 ただあなたの部族の一つの中にエホバが選ばれる場所,そこにおいてあなたは自分の焼燔の捧げ物をささげ,その所で,わたしの命じるすべてのことを行なうべきである+。
15 「いつでもあなたの魂がそれを渇望する時であれば,あなたはほふることができる+。あなたの神エホバが与えてくださったその祝福に応じてあなたのすべての門*の内で肉を食べるように。汚れた+者も清い者も,ガゼルや鹿と同じようにしてそれを食べてよい+。16 ただし,血を食べてはならない+。地の上に,それを水のように注ぎ出すべきである+。17 あなたの穀物+や新しいぶどう酒や油の十分の一,あなたの牛や羊の初子+,また何にせよあなたが誓約するその誓約の捧げ物,自発的な捧げ物+,あなたの手からの寄進物+は,あなたの門の内で食べることは許されない。18 ただあなたの神エホバの前,あなたの神エホバが選ばれる場所においてそれを食べる+。あなたも,あなたの息子や娘も,男奴隷や奴隷女も,そしてあなたの門の内にいるレビ人も[そのようにする]。あなたは自分のすべての営みについてあなたの神エホバの前で歓び楽しむのである+。19 自分に気を付けて,あなたがその地にある日の限りレビ人を見捨てることのないようにしなさい+。
20 「あなたの神エホバがその約束のとおりに+あなたの領地*を広げてくださるとき+,あなたはきっと,『さあ肉を食べよう』と言うであろう。あなたの魂は肉を食べることを渇望するのであるが,いつでもあなたの魂が肉を渇望するときにはそれを食べてよい+。21 あなたの神エホバが選んでその名を置かれた場所+があなたから遠く離れている場合であっても,あなたはエホバが与えてくださった牛や羊の群れの中から,わたしが命じたとおりにほふらなければならない。いつでもあなたの魂がそれを渇望するときに,あなたの門の内で食べるのである+。22 ただしそれは,ガゼルや鹿を食べるときと同じようにして食べる+。すなわち,汚れた+者も清い者も共にそれを食べてよい。23 ただ,血を食べることはしないように堅く思い定めていなさい+。血は魂であり+,魂を肉と共に食べてはならないからである。24 それを食べてはならない。それを水のように地面に注ぎ出すべきである+。25 それを食べてはならない。こうしてエホバの目に正しいことを行なうことによって+,あなたにとってもあなたの後の子らにとっても物事が良く運ぶためである+。26 ただ,あなたのものとなるあなたの聖なるもの+と誓約の捧げ物+だけは運んで来るべきである。あなたはエホバの選ばれる場所に来なければならない+。27 こうしてあなたの焼燔の捧げ物+,その肉と血+を,あなたの神エホバの祭壇上にささげるのである。またあなたの犠牲の血を,あなたの神エホバの祭壇に向けて注ぎ出す+。そして,その肉は食べてよい。
28 「気を付けて,わたしが命じるこれらのすべての言葉に必ず従うように+。あなたの神エホバの目に善しとされ,正しいとされることを行なうことにより+,定めのない時に至るまであなたにもあなたの後の子らにとっても物事が良く運ぶためである+。
29 「あなたの神エホバが諸国民を,すなわちあなたが行って立ち退かせようとしているその[民]をあなたの前から断たれるときには+,あなた自らもそれを立ち退かせてその地に住むようにしなければならない+。30 自分に気を付けて,彼らがあなたの前から滅ぼし尽くされた後にその[歩み]に倣ってわなに掛かることのないようにしなさい+。また,彼らの神々について尋ね求めて,『これらの諸国民はその神々にどのように仕えていたのか*。このわたしも同じようにしてみよう』などと言うことのないように。31 あなたの神エホバに対してそのようにしてはならない+。すべてエホバにとって忌むべきこと,まさにその憎まれる事柄を,彼らはその神々に対して行なってきた。自分たちの息子や娘たちをさえ,いつも火で焼いてその神々にささげるのである*+。32 わたしの命じるすべての言葉,それをあなた方は注意深く行なうべきである+。それに付け加えても,それから取り去ってもならない+。
13 「預言者+または夢見る者+があなたの中に起こってしるしや異兆を見せ+,2 『あなたの知らなかったほかの神々に従って歩み,それに仕えよう』と言って示したしるしや異兆がそのとおり真実になったとしても+,3 あなたはその預言者の言葉にもその夢を見た者にも聴き従ってはならない+。あなた方の神エホバは,心をつくし魂をつくしてあなた方の神エホバを愛しているかどうか+を知るために,あなた方を試みておられるのである+。4 あなた方は,あなた方の神エホバに従って歩み,これを恐れ,そのおきてを守り,その声に聴き従い,これに仕え,これに固く付くべきである+。5 そして,その預言者+またその夢見る者は死に処せられるべきである+。その者は,あなた方の神エホバ,すなわちあなた方をエジプトの地から携え出し,あなたを奴隷の家から請け戻された方に対する反抗のことばを語り,あなたの神エホバが命じて歩ませる道からあなたをそれさせようとしたからである+。こうしてあなたのうちから悪を除き去らねばならない+。
6 「あなたの母の子であるあなたの兄弟,またはあなたの息子,娘,あなたの慈しむ妻*,またあなた自身の魂のような友+がひそかにあなたを誘おうとして,『行ってほかの神々に仕えよう』と言う場合+,それがあなたもあなたの父祖たちも知らなかった[神々]で,7 その地の一方の端からその地の他方の端まで,あなたに近いものでも遠いものでも,あなた方の周囲にいる民の神々のいずれかであるならば,8 あなたはその者の願いに応じたりその者に聴き従ったりしてはならない+。あなたの目はその者を哀れむべきではなく,同情したり+,その者をかばったりしてもならない。9 その者を必ず殺すべきである+。その者を死に処するためにあなたの手が最初に当てられ,後に民全員の手が[当てられる]べきである+。10 こうしてあなたはその者を石で石打ちにし,その者は死ななければならない+。あなたの神エホバ,あなたをエジプトの地,奴隷の家から携え出した方+からあなたを離れさせようとしたからである。11 そうすれば,全イスラエルは聞いて恐れ,彼らはそのような悪事を二度とあなたの中で行なわないであろう+。
12 「あなたの都市,すなわちあなたの神エホバがあなたに与えて住まわせる所の一つで,13 『どうしようもない者たち*があなたの中から出て+その都市に住む者たちをそれさせようとし+,「行ってほかの神々に仕えよう」と言っている。それはあなたの知らなかった[神々]だ』と言われるのを聞くならば,14 あなたは徹底的に捜し,調べ,問いたださなければならない+。そして,もしその事の真実が立証されるなら,この忌むべき事柄があなたのうちでなされたのであり,15 あなたはその都市に住む者を必ず剣の刃で討つべきである+。その[都市]とそこにあるすべての物,またその家畜を,剣の刃によって滅びのためにささげるように+。16 また,そのすべての分捕り物をそこの公共広場の真ん中に集めるべきである。そして,その都市とそのすべての分捕り物をあなたの神エホバに対する全焼の捧げ物として火で焼かねばならない+。それは廃虚の山となって定めのない時に至るのである+。それは決して再建されるべきではない。17 また,禁令によって神聖にされたもの*は何一つあなたの手にとどまっているべきではない+。エホバがその燃える怒りから翻り+,まさにあなたに憐れみを示し,必ずあなたを憐れんで+あなたを殖えさせ,父祖たちに誓われたとおりにしてくださるためである+。18 あなたは,あなたの神エホバの声に聴き従い,わたしが今日命じるそのすべてのおきてを守り+,こうしてあなたの神エホバの目に正しいことを行なうべきなのである+。
14 「あなた方は,あなた方の神エホバの子らである+。あなた方は,死人のために自分の身に切り傷をつけたり+,額*をそってはげにしたりしてはならない+。2 あなたは,あなたの神エホバにとって聖なる民であり+,エホバは地の表にいるすべての民の中からあなたを選んでご自分の民とし,特別な所有物とされたからである+。
3 「あなたは忌むべきものをいっさい食べてはならない+。4 これがあなた方の食べてよい獣である+。すなわち,牛,羊とやぎ,5 鹿,ガゼル,のろじか+,野やぎ,れいよう*,野羊,シャモア*。6 また,獣のうち,ひづめが分かれて二つのひづめに裂け,反すうする*すべての獣+。それをあなた方は食べてよい。7 ただし,反すうしたりひづめが分かれて裂けていたりするもののうち,次のものは食べてはならない。すなわち,らくだ+と野うさぎ+と岩だぬき+。これらは反すうするが,ひづめが分かれていないからである。これらはあなた方にとって汚れたものである。8 また豚+も同様である。それはひづめが分かれているが,反すうしないからである。それはあなた方にとって汚れたものである。それらの肉はいっさい食べてはならない。その死がいに触れてもならない+。
9 「水の中にいるすべてのもののうち,次のものをあなた方は食べてよい。すなわち,ひれとうろこのあるものはすべて食べてよい+。10 そして,ひれとうろこのないものは食べてはならない+。それはあなた方にとって汚れたものである。
11 「清い鳥はすべて食べてよい。12 しかし,これらはあなた方が食べてはならないものである。すなわち,鷲・みさご*・くろはげわし+,13 あかとび*・くろとび+・とび*の類*,14 すべて渡りがらす+の類,15 だちょう*+・ふくろう*・かもめ・はやぶさの類,16 小さいふくろう・とらふずく+・白鳥*,17 ペリカン+・はげわし・鵜,18 こうのとり・さぎの類,やつがしら・こうもり+。19 また,すべて翼があって群がる生き物はあなた方にとって汚れたものである+。それを食べてはいけない。20 飛ぶ生き物で清いものはすべて食べてよい。
21 「あなた方は,何にせよ死んでいたもの*を食べてはならない+。あなたの門の内にいる外人居留者にそれを与えてもよい。その者がそれを食べるのである。あるいは,それは異国の者に売られるかもしれない*。あなたは,あなたの神エホバにとって聖なる民なのである。
「あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない+。
22 「あなたの種からのすべての産物,すなわち畑から年ごとに生ずるものの十分の一*をあなたは必ず納めるべきである+。23 そして,あなたの神エホバの前,[神]*が選んでそのみ名をとどまらせる場所で,あなたは,自分の穀物,新しいぶどう酒と油の十分の一+,また牛や羊の初子+を食べるのである。これは,あなたの神エホバを常に恐れることを学ぶためである+。
24 「さて,その旅路があなたにとってあまりに長い場合+,あなたの神エホバが選んでそのみ名を置かれる場所+があまりに遠く,あなたがそれを運んで行けないのであれば(これはあなたの神エホバがあなたを祝福されたからなのである+),25 あなたはそれを金に換えなければならない。その金を包んで手に取り,あなたの神エホバの選ばれる場所まで旅行するのである。26 そしてその金を,何にせよあなたの魂の渇望するもの+,牛,羊,やぎ,ぶどう酒,酔わせる酒+,またすべてあなたの魂があなたに求めるものと引き換えに与えるのである。その所において,あなたも,家の者たちも,あなたの神エホバの前で食べて,歓び楽しむように+。27 そして,あなたの門の内にいるレビ人,あなたはこれを見捨ててはならない+。彼は受け分や相続分をあなたと分け合ってはいないからである+。
28 「三年の終わりに,その年のあなたの産物の十分の一をそっくり携えて来る+。それをあなたの門の内側に置かなければならない。29 そしてレビ人+,それは受け分や相続分をあなたと分け合っていないからであるが,そしてあなたの門の内にいる外人居留者+と父なし子とやもめたち+が来るように。彼らは食べて満ち足りるのである。こうして,あなたの行なうその手のすべての業+をあなたの神エホバが祝福してくださるようにするのである+。
15 「七年の終わりごとにあなたは免除を与えるべきである。2 そして,これがその免除の仕方である+。すなわち,すべての債権者*により,その者が自分の仲間に負わせた債務の免除が行なわれる*。その者は自分の仲間や兄弟に支払いを迫るべきではない+。エホバに対する免除が告げられるのである*+。3 異国の者+に対しては支払いを迫ることもできる。しかし,あなたのものであるいかなるものが兄弟のもとにあるとしても,あなたの手はこれを免除するように。4 とはいえ,あなたの間ではだれも貧しくなることはないはずである。あなたの神エホバが相続分として与えて取得させてくださる地において+,エホバは必ずあなたを祝福されるからである+。5 ただあなたがあなたの神エホバの声に必ず聴き従い,よく注意してわたしが今日命じるこのすべてのおきてを守るならばよいのである+。6 あなたの神エホバはその約束のとおり確かにあなたを祝福してくださるからであり,あなたは必ず多くの国の民に質物を取って貸し+,あなた自身は借りることはないであろう。あなたは多くの国の民を支配することになり,彼らがあなたを支配することはない+。
7 「あなたの神エホバが与えてくださる地において,あなたの兄弟のだれかが,あなたの中,あなたの都市*の一つで貧しくなるならば,あなたはその貧しい兄弟に対して自分の心を固くしたり,手を閉じたりしてはならない+。8 その者に対して寛大に手を開き+,その入り用のものを必要なだけ,質物を取って是非とも貸し与えるべきである。9 自分に気を付けて,『七年目の免除の年*が間近い+』などと,さもしい言葉*が心+に上ることのないようにしなさい。また,あなたの目が貧しい兄弟に対して狭量になり+,あなたが何も与えず,その者があなたのゆえにやむなくエホバに呼ばわり+,それがあなたの罪となってしまうことのないようにしなさい+。10 あなたは是非ともその者に与えるべきであり+,あなたの心はその者に与えることを惜しむようであってはならない。その事のために,あなたの神エホバは,すべての業またすべての営みにおいてあなたを祝福してくださるからである+。11 貧しい者がその地の中から絶えることはないのである+。そのためにわたしは,『あなたの地で苦しむ貧しい兄弟に対して*あなたの手を寛大に開くように+』と命じているのである。
12 「あなたの兄弟であるヘブライ人の男またはヘブライ人の女があなたのもとに売られた場合+,その者が六年間仕えたならば,七年目にはこれを自由にされた者としてあなたのもとから送り出すべきである+。13 そして,自由にされた者としてあなたのもとから送り出す場合,その者をむなし手で送り出してはならない+。14 あなたの羊の群れ,脱穀場,油やぶどうの搾り場から幾らかを取ってその者に必ず支度を整えさせるべきである。あなたの神エホバが祝福してくださったとおりに,あなたもその者に対して与えるべきである+。15 そしてあなたは,自分がエジプトの地で奴隷となり,あなたの神エホバがあなたを請け戻してくださったことを覚えていなければならない+。そのためにわたしはこのことを今日あなたに命じているのである。
16 「また,その者があなたとあなたの家の者を真に愛し,あなたのもとにいた間が良かったので,『わたしはあなたのところから出てまいりません!』と言うのであれば+,17 あなたは突きぎりを取り,それをその者の耳に刺して戸口のところに通さねばならない。こうしてその者は定めのない時まであなたの奴隷となるのである+。また,あなたの女奴隷に対してもそのようにすべきである。18 その者を自由にされた者としてあなたのもとから送り出すとき,それはあなたの目にとって難しいことではないはずである+。雇われた労働者+の二倍の値の者として彼はあなたに六年仕え,あなたの神エホバはその行なうすべての事においてあなたを祝福されたからである+。
19 「あなたの牛の群れまた羊の群れに生まれるすべての雄の初子を,あなたの神エホバに対して神聖なものとするように+。あなたの牛の初子を用いて労役を行なってはならず,あなたの羊の初子の毛を刈ってはならない+。20 あなたも,家の者たちも,あなたの神エホバの前,エホバの選ばれる場所において,年ごとにそれを食べるべきである+。21 そして,それに欠陥があり,足なえであったり盲であったりして何かの悪い欠陥がある場合,それをあなたの神エホバに犠牲としてささげてはならない+。22 あなたの門の内で,汚れた者も清い者も共に,ガゼルや鹿と同じようにして+それを食べるべきである+。23 ただしその血を食べてはならない+。地の上に,それを水のように注ぎ出すべきである+。
16 「アビブの月+を守るように*。あなたは,あなたの神エホバに対して過ぎ越しを執り行なわなければならない+。アビブの月に,あなたの神エホバは,あなたを夜の間にエジプトから携え出されたからである+。2 そしてあなたは,エホバが選んでそのみ名をとどまらせる場所+で,羊の群れと牛の群れの中から+あなたの神エホバに過ぎ越しの犠牲をささげなければならない+。3 七日の間,パン種の入った物をそれと共に食べてはならない+。無酵母のパン,苦悩のパンをそれと共に食べるべきである。これはあなたがエジプトの地を急いで出たからであり+,あなたの命の日の限りエジプトの地を出た日のことを覚えているためである+。4 そして,七日の間,あなたの領地のどこにおいても,酸い練り粉*があなたのもとに見いだされてはいけない+。また,最初の日の夕方にあなたが犠牲にしたものの肉が多少といえ朝まで夜通しとどまっていてもいけない+。5 あなたの神エホバが与えてくださる都市*のどこででも過ぎ越しの犠牲をささげる,ということは許されないであろう。6 むしろ,あなたの神エホバが選んでそのみ名をとどまらせる場所において+,夕方,日が沈んですぐ+,あなたがエジプトを出たその定めの時に,過ぎ越しの犠牲をささげるべきである。7 そして,煮ることも食べることも+あなたの神エホバが選ばれた場所+で行ない,朝には身を巡らして自分の天幕に戻るように。8 六日の間あなたは無酵母パンを食べる。そして七日目にはあなたの神エホバに対する聖会*が行なわれる+。あなたは何の仕事も行なってはならない。
9 「あなたは自分のために七週を数えるべきである。刈り取っていない穀物に最初に鎌を入れる時から七週を数え始める+。10 こうしてあなたの神エホバに対して[七]週の祭りを行なわなければならない+。あなたの献じる,あなたの手の自発的な捧げ物に応じ,あなたの神エホバが祝福してくださるところにしたがって[それを行なう+]。11 そしてあなたは,すなわちあなたも,あなたの息子や娘も,男奴隷や女奴隷も,あなたの門*の内にいるレビ人も,またあなたの中にいる外人居留者+や父なし子+ややもめ+も,あなたの神エホバの前,あなたの神エホバが選んでそのみ名をとどまらせる場所で+歓び楽しむように+。12 こうしてあなたは,自分がエジプトで奴隷となったことを覚え+,これらの規定を守ってそれを履行しなければならない+。
13 「あなたの脱穀場また油やぶどうの搾り場からの取り入れを行なう時,あなたは自分のために七日のあいだ仮小屋の祭り+を行なうべきである。14 そしてあなたは,すなわちあなたも,あなたの息子や娘も,男奴隷や女奴隷も,あなたの門の内にいるレビ人,外人居留者,父なし子,やもめも,その祭りのあいだ歓び楽しむように+。15 七日の間,エホバの選ばれる場所で,あなたの神エホバに対して祭りを行なう+。あなたの神エホバは,あなたのすべての産物,またあなたの手のすべての業を祝福されるからである+。あなたはただ喜びに満ちるように+。
16 「年に三度,あなたに属するすべての男子は,あなたの神エホバの選ばれる場所でそのみ前に出るべきである+。すなわち,無酵母パンの祭り+,[七]週の祭り+,そして仮小屋の祭り+の時である。だれもむなし手でエホバの前に出てはいけない+。17 各人の手の供え物は,あなたの神エホバが与えてくださった祝福に応じたものであるべきである+。
18 「あなたは自分のため,あなたの神エホバが部族ごとに与えてくださるすべての門の内に裁き人+とつかさたち+を立てるべきである。それらの者が義の裁きをもって民を裁くように。19 あなたは裁きを曲げてはならない+。不公平であったり+,わいろを受け取ったりしてはならない。わいろは賢い者の目を盲目にならせ+,義なる者の言葉をゆがめさせるからである。20 公正,公正こそあなたの追い求めるべきものである+。それはあなたが生きつづけるため,あなたの神エホバが与えてくださる土地を実際に取得するためである+。
21 「あなたは,自分のために造るあなたの神エホバの祭壇の近くに,自分の聖木*としての木をいっさい植えてはならない+。
22 「また,自分のために聖柱を立ててもいけない+。それは,あなたの神エホバがまさに憎まれるものである+。
17 「あなたは,欠陥のある牛や羊,何にせよ悪いところのあるものを,あなたの神エホバに犠牲としてささげてはならない。それはあなたの神エホバにとって忌むべきものだからである+。
2 「あなたの中,すなわちあなたの神エホバの与えてくださる都市のいずれかに,あなたの神エホバの目に悪とされる事柄を習わしにしてその契約を踏み越える男または女が見いだされる場合+,3 その者が行って他の神々を崇拝し,それらに,また日や月や天の全軍に身をかがめて+わたしの命じなかったことを行ない+,4 その事があなたに告げられ,あなたがそれを聞いて,徹底的に調べてみると,見よ,その事の真実が立証され+,この忌むべきことがイスラエルにおいてなされていたのであれば,5 あなたはこの悪を行なったその男または女,すなわちそのような男や女をあなたの門のところに引き出し,その者を石で石打ちにしなければならない。その者は死ぬのである+。6 二人の証人または三人の証人の口*によって+,その死ぬべき者は死に処せられるべきである。一人の証人の口によって死に処せられることはない+。7 その証人たちの手がまず付けられ,後に民すべての手が[付けられて]彼は死に処せられるべきである+。こうしてあなたの中から悪を除き去らなければならない+。
8 「司法上の決定をすべき問題があなたにとっては普通を超えており+,血が流されたとか+,法的な請求がなされたとか+,暴虐行為が犯されたとか*の論争+があなたの門の内に生じる場合,あなたは立って,あなたの神エホバの選ばれる場所に上り+,9 祭司+つまりレビ人たちのもと,またその時期に務めを行なっている裁き人+のもとに行って問い尋ねるように。こうして彼らが司法上の決定の言葉をあなたに言い渡すのである+。10 そしてあなたは,エホバの選ばれる場所から彼らが言い渡すその言葉のとおりに行なわなければならない。よく注意してすべて彼らが教え諭すとおりに行なうように。11 彼らが指摘する律法に従い,彼らが述べる司法上の決定のとおりに行なうべきである+。彼らが言い渡す言葉から右にも左にもそれてはならない+。12 そして,そこに立ってあなたの神エホバに仕える祭司や裁き人に聴き従わずにせん越に振る舞う者+,その者は死ななければならない+。こうしてあなたはイスラエルから悪を除き去るのである+。13 そうすれば,民のすべては聞いて恐れ+,もはやせん越に行動することはないであろう。
14 「あなたがついにあなたの神エホバの与えてくださる土地に入り,それを取得してそこに住むようになってから+,『周りの諸国民すべてと同じようにわたしも自分の上に王を立てよう』と言うようになったなら+,15 必ずあなたの神エホバの選ばれる者を王として自分の上に立てるべきである+。あなたの兄弟の中から自分の上に王を立てるように。あなたの兄弟でない異国の者を王としてあなたの上に据えることは許されない。16 ただしその者は,自分のために馬を多くするべきではなく+,また馬を多くするために民をエジプトに戻らせてもいけない+。エホバはあなた方に,『二度とこの道を戻ってはならない』と言われたのである。17 彼はまた自分のために妻たちを増やしてはいけない。その心がそれることのないためである+。また,自分のために銀や金を多く増し加えるべきでもない+。18 そして,彼がその王国の王座につくときには,祭司つまりレビ人たちが保管するものからこの律法の写しを*自分のために書に書き取らなければならない+。
19 「そしてそれは常にそのもとに置かれ,彼は命の日の限りそれを読まなければならない+。それは,自分の神エホバを恐れることを学び,この律法のすべての言葉とこれらの規定とを守ってそれを行なうため+,20 その心が兄弟たちの上に高ぶることなく+,おきてから右にも左にもそれることのないため+,こうしてその王国の上,イスラエルの中にあって,彼もその子らも自分の[命の]日を長くするためである+。
18 「イスラエルと分かち合う受け分もしくは相続分が,祭司,レビ人,すなわちレビの全部族に帰することはない+。エホバへの火による捧げ物を,すなわち自分*が受ける相続分を彼らは食べるべきである+。2 それで,その兄弟たちの中にあって相続分が彼のものとなることはない。その語られたとおり,エホバが彼の相続分なのである+。
3 「さて,これが,民から,すなわち牛にせよ羊にせよいけにえを犠牲としてささげる者たちから祭司が当然受ける権利として保たれるべき分である。すなわち,祭司に対して,肩甲骨と両あごと胃を与えなければならない。4 あなたの穀物の初物,新しいぶどう酒と油,羊の群れから刈り取った羊毛の初物もこれに与えるべきである+。5 彼は,すなわち彼とその子らとは,あなたの神エホバ*があなたのすべての部族の中から選び,立って常にエホバ*の名において仕えるようにさせた者だからである+。
6 「また,レビ人が,全イスラエル内のあなたの都市の一つから,すなわちそのしばらくとどまっていた所+から出る場合,その魂の何かの渇望のために,エホバの選ばれた場所+に来るのであれば,7 その者は,自分のすべての兄弟,すなわちそこでエホバの前に立つレビ人たちと同じように,その神エホバ*の名において奉仕しなければならない+。8 彼も同等の受け分を食べるべきであるが+,自分の先祖の貨財の中から売って得るものについては別である*。
9 「あなたの神エホバの与えてくださる土地に入ったとき,あなたはそれら諸国民の行なう忌むべき事柄を見習ってはならない+。10 あなたの中に,自分の息子や娘に火の中を通らせる者+,占いに頼る者+,魔術を行なう者+,[吉凶の]兆しを求める者+,呪術を行なう者+,11 また,まじないで他の人を縛る者+,霊媒*に相談する者+,出来事の職業的予告者+,死者に問い尋ねる者+などがいてはいけない。12 すべてこうした事を行なう者はエホバにとって忌むべきものであり,これら忌むべき事柄のゆえにあなたの神エホバは彼らをあなたの前から打ち払われるのである+。13 あなたは,あなたの神エホバに対してとがのない者となるべきである+。
14 「あなたが立ち退かせるこれらの諸国民は,魔術を行なう者+や占いをする者たち+に聴き従っていたのである。しかし,あなたに対して,あなたの神エホバはそのようなものを何一つお与えに*ならなかった+。15 あなた自身の中,あなたの兄弟たちの中から出るわたしのような預言者を,あなたの神エホバ*はあなたのために起こされる ― その者にあなた方は聴き従うべきである+ ― 16 これは,あの会衆の日に+あなたがホレブであなたの神エホバ*に行なったすべての求めに応ずることなのである。あなたはこう言った。『わたしの神エホバの声を二度とわたしに聞かせないでください。この大いなる火をもはやわたしに見させないでください。わたしが死なないようにするためです+』。17 これに対しエホバはわたしにこう言われた。『彼らがそのように話したことは良い+。18 わたしは彼らのためにその兄弟たちの中からあなたのような預言者を起こす+。わたしは自分の言葉をまさに彼の口に置き+,彼はわたしが命じるすべてのことを必ず彼らに話すであろう+。19 そして,彼がわたしの名において話すわたしの言葉に聴き従わない者には,わたしがその者に言い開きを求めることになる+。
20 「『しかし,話すようにとわたしが命じたのではない言葉をあえてわたしの名において話し+,あるいは他の神々の名において話す預言者+,その預言者は死ななければならない+。21 そして,あなたが心の中で,「エホバが話されたのではない言葉をどのようにして知るのか」と言う場合であるが+,22 もし預言者がエホバの名において話しても,その言葉が実現せず,そのとおりにならなければ,それはエホバが話されなかった言葉である。その預言者はせん越にそれを話したのである+。あなたはその者に恐れ驚いてはならない+』。
19 「あなたの神エホバが諸国民を断ち滅ぼして+,その土地をあなたの神エホバが与えてくださり,あなたが彼らを立ち退かせてその都市や家に住むようになった時+,2 あなたは,あなたの神エホバが与えて取得させてくださる土地の中で三つの都市を自分のために取り分ける+。3 あなたは自分のために道を整える。そして,あなたの神エホバが所有地として与えてくださった土地の領地を三つの部分に分けなければならない。それは,だれでも人を殺した者が逃れる所となるのである+。
4 「そしてこれは,人を殺した者がそこに逃れて生きるべき場合である。すなわち,知らずに自分の仲間を打ち,それ以前にその者を憎んではいなかったとき+,5 また,まきを集める*ため仲間の者と共に森に入り,斧で打って木を切ろうとその手を挙げたところ,鉄の部分が木の柄から外れ+,それが仲間の者に当たって彼が死んだとき,その当人はこれらの都市の一つに逃れて生きなければならない+。6 そうしなければ,血の復しゅう者*+は,その心が熱するゆえに,その殺人者の跡を追い,その者に追いつくことになるかもしれない。その道は長いからである。そうして,彼の魂を打って死なせる*ことになるかもしれない。しかし,その者に対して死の宣告はないのである+。以前からその人を憎んでいたのではないからである。7 そのために,『あなたは自分のために三つの都市を取り分ける+』とわたしは命じているのである。
8 「そして,あなたの神エホバ*が,父祖たちに誓われたとおりにあなたの領地を広げ+,父祖たちに与えることを約束されたそのすべての土地を与えてくださったなら+,9 それは,わたしが今日命じるこのすべてのおきてをあなたが守ってそれを行ない,あなたの神エホバを愛して常にその道を歩むからであるが+,その時あなたは,自分のため,これら三つのほかにさらに三つの都市を加えなければならない+。10 あなたの神エホバが相続地として与えてくださるあなたの土地の中で罪のない血+が流されることのないためである。血の罪*があなたに帰せられてはならないのである+。
11 「しかし,仲間の者を憎んでいる者+がいて,その者が待ち伏せしていてこれに躍りかかり,その魂に致命的な打撃を加えたために彼が死に+,当人はこれらの都市の一つに逃れたのであれば,12 その者の都市の年長者たちは人をやって彼をそこから連れて来させ,これを血の復しゅう者*の手に引き渡さなければならない。その者は死ななければならない+。13 あなたの目はこれを哀れむべきではない+。あなたは罪のない血に対する罪科をイスラエルから除き去らねばならない+。これはあなたが幸いを得るためである。
14 「あなたの神エホバ*が与えて取得させてくださる土地であなたが相続するその相続地の境界を先祖たちが定めたなら,あなたは仲間の者の境界標をずらしてはならない+。
15 「人の犯すどんな罪の場合であれ,何かのとがまた罪に関しただ一人の証人が立ってこれを責めるべきではない+。二人の証人の口または三人の証人の口によってその件は定められるべきである+。16 暴虐をたくらむ証人がある人に敵して立ち,これに背きの責めを負わせようとする場合+,17 論争にかかわるその両人は,エホバの前,その時期に務めを果たしている祭司と裁き人たちの前に立たねばならない+。18 そして裁き人たちは徹底的に調べなければならない+。もしその証人が偽りの証人で,自分の兄弟に偽りの責めを負わせたのであれば,19 あなた方は,その者が自分の兄弟にたくらんだとおりのことをその者に対して行なわなければならない+。こうしてあなたの中から悪を除き去るのである+。20 それにより,残りの者たちも聞いて恐れ,そのような悪事を二度とあなたの中で行なわないであろう+。21 そして,あなたの目は哀れみ見てはいけない+。魂には魂,目には目,歯には歯,手には手,足には足である+。
20 「あなたが自分の敵に対する戦闘に出,馬と戦車を,あなたより数の多い民を見たとしても+,あなたはこれを恐れてはならない。あなたの神エホバ,あなたをエジプトの地から携え出された方+が共におられるからである+。2 そして,あなた方が戦闘に近づいた時には,祭司もまた近くに来て民に話さねばならない+。3 そして彼はこう言うのである。『イスラエルよ,聞きなさい。あなた方は今日,あなた方の敵に対する戦闘に近づいている。心をおじけさせてはならない+。彼らのために恐れたり,慌てたり,おののいたりしてはならない+。4 あなた方の神エホバ*が共に行進し,あなた方のため,あなた方に敵する者と戦ってあなた方を救われるからである+』。
5 「つかさたち+も民に話してこう言わなければならない。『新しい家を建ててそれを奉献していない人はだれか。その人は行って自分の家に帰るように。戦闘で死んで別の人がそれを奉献することのないためである+。6 また,ぶどう園を設けてそれを用いはじめていない人はだれか。その人は行って自分の家に帰るように。戦闘で死んで別の人がそれを用いはじめることのないためである+。7 また,女と婚約していてまだめとっていない人はだれか。その人も行って自分の家に帰るように+。戦闘で死んで別の人が彼女をめとることのないためである』。8 そして,つかさたちは民に話してさらにこう言わなければならない。『恐れて小心になっている者はだれか+。その者は行って自分の家に帰るように。兄弟たちの心を自分の心と同じように溶け入らせることのないためである+』。9 そして,民に話し終えたなら,つかさたちはまた,軍隊の長たち*を民の先頭に立たせなければならない*。
10 「一つの都市に近づいてそれに対して戦おうとする場合,あなたはそれに対して和平の条件をも告げなければならない+。11 そして,もしそれが平和な答えをし,あなたに対して[門を]開くのであれば,そこにいるすべての民は強制労働のためあなたのものとなり,あなたに仕えなければならない+。12 しかし,もしそれが和平せず+,あなたと戦って,あなたがこれを攻囲しなければならないのであれば,13 あなたの神エホバ*は必ずそれをあなたの手にお与えになるであろう。あなたはそこにいるすべての男子を剣の刃で討たねばならない+。14 ただし,女と幼子+と家畜+,またその都市にあるすべての物,そのすべての分捕り物をあなたは奪って自分のものとする+。あなたの神エホバが与えてくださるあなたの敵からの分捕り物をあなたは食べるのである+。
15 「あなたがこのようにするのは,遠く離れたすべての都市に対してであり,これら諸国民の都市[に対して]ではない。16 これらの民の都市についてのみ,あなたの神エホバはそれを相続分としてあなたにお与えになり,あなたは息あるものをいっさい*生かしておいてはならないのである+。17 あなたの神エホバが命じたとおり,あなたは彼らを,すなわちヒッタイト人とアモリ人,カナン人とペリジ人,ヒビ人とエブス人を必ず滅びのためにささげるべきなのである+。18 それは,彼らがその神々に対して行なったすべての忌むべき事柄をあなた方に教えて行なわせ,あなた方が自分の神エホバ*に対して罪をおかすことのないためである+。
19 「あなたが一つの都市を幾日も攻め囲み,それと戦って攻略しようとする場合,そこの樹木に斧を振るってこれを損なってはならない。あなたはそれから食物を得るはずであり,それを切り倒してはならないのである+。野の木があなたの攻囲すべき*者だろうか。20 ただ,食物とならないことが分かっている木のみ,それをあなたは打ち倒すべきである。あなたはそれを切り倒して,あなたと戦う都市に対する攻囲柵+を築かねばならない。ついにそれは落ちる*ことになる。
21 「あなたの神エホバ*が与えて取得させてくださる地でだれかが殺害され,野に倒れているのが見つかった場合,だれがこれを打ち殺したかが分からないのであれば+,2 あなたの年長者と裁き人たち+は出て行って,その殺害された者の周囲の都市までを測らなければならない。3 それは,殺害された者に一番近かった都市となるのである。そして,その都市の年長者たちは,群れの中から若い雌牛,使役されたことも*,くびきを引いたこともないものを取るように。4 その都市の年長者たちは,水の流れている奔流の谷,平素耕作も種まきもされていない所にその若い雌牛を引いて下り,そこの奔流の谷でその若い雌牛の首を折らなければならない+。
5 「それからレビの子らの祭司たちが近づくように。彼らは,あなたの神エホバが選んでご自分に仕えさせ+,エホバの名において祝福を述べさせる者であり+,その口によってあらゆる暴虐行為をめぐるいっさいの論争*は処理されるべきだからである+。6 次いで,その都市のすべての年長者,すなわち殺害された人に最も近い者たちは,奔流の谷で首を折られたその若い雌牛の上で自分の手を洗う+べきである。7 そして彼らは答えてこう言わなければならない。『わたしたちの手はこの血を流したのではない。わたしたちの目は[それが流されるのを]見ることもなかった+。8 エホバ*よ,あなたが請け戻されたあなたの民イスラエル+にこれをお負わせになりませんように。罪のない血+に対する罪科をあなたの民イスラエルのうちにお置きになりませんように』。それによって血の罪は彼らに負わせられないことになる。9 こうしてあなたとしては,罪のない血に対する罪科をあなたのうちから除くのである+。エホバの目に正しいことを行なうからである+。
10 「あなたが敵に対する戦闘に出て,あなたの神エホバがこれをあなたの手に与え+,あなたがそれをとりこにして連れて来た場合+,11 そのとりこの中に姿の美しい女を見,その女に愛着を抱いて+それを自分の妻としてめとるのであれば,12 あなたはその女を自分の家の中に連れて行くように。そして彼女は自分の頭をそり+,爪の手入れをし,13 捕囚のマントを身から除いてあなたの家に住み,自分の父と母のために太陰月まる一月のあいだ*泣かねばならない+。こうして後にあなたは彼女と関係を持つように。あなたはこれを花嫁として得,彼女はあなたの妻となるのである。14 そして,もしあなたがその女に喜びを見いださないのであれば,あなたはこれを去らせて+,その魂の望みどおりに*させなければならない。しかし,決して彼女を金銭で売ってはならない。彼女を辱めたのであるから,これを横暴にあしらってはならない+。
15 「人が二人の妻を持つようになり,一方は愛される者,他方はうとまれる者で,その愛されるほうの者もうとまれるほうの者も彼に息子を産み,長子はうとまれるほうの者の子であった場合+,16 その人が自分の持っている物を息子たちへの相続分として与える日になった時,そのうとむほうの者の子,つまり長子である者を差し置いて,愛するほうの者の子を自分の長子とすることは許されない+。17 うとむほうの者の子を長子として認め,自分のもとに見いだされるすべての物について,その二つの分をこれに与えるべきなのである+。その者が自分の生殖力の始め+だからである。長子の地位に伴う権利は彼のものなのである+。
18 「人に強情で反抗的な息子がいて+,その者が父の声にも母の声にも聴き従わず+,[親]が正してもそれに聴こうとしない場合+,19 父と母はこれをとらえてその都市の年長者たちのもとへ,その場所の門のところに連れ出さなければならない+。20 そして,その都市の年長者たちに対してこう述べるように。『わたしたちのこの息子は強情で反抗的です。わたしたちの声に聴き従いませんし+,大食いで*+,大酒飲みです+』。21 その後,その都市のすべての者はこれを石撃ちにし,彼は死ななければならない。こうしてあなたの中から悪を除き去り,全イスラエルは聞いて恐れを持つのである+。
22 「また,ある人に死の宣告に価する罪があってその者が死に処せられ+,あなたがこれを杭*に掛けた場合+,23 その死体は夜通し杭の上にとどめられるべきではない+。その日のうちに是非とも葬るべきである。[杭に]掛けられるのは神にのろわれた者だから*である+。あなたの土地,あなたの神エホバが相続分として与えてくださるところを汚してはならない+。
22 「あなたの兄弟の牛または羊が迷い出ているのを見ながら,故意にそれから身を引いては*ならない+。是非ともあなたの兄弟のもとにそれを連れ戻すべきである+。2 また,もしその兄弟が近くにおらず,あなたがその者を知らないのであれば,それを連れ帰ってあなたの家に入れるように。あなたの兄弟がそれを捜し求めて来るまで,それはあなたのもとにとどまるのである。こうしてそれを彼に返すように+。3 彼のろばについてもそのようにし,マントについてもそのようにし,すべてあなたの兄弟が失った物,その人が失ってあなたが見つけたものについてそのようにする。あなたが[それから]身を引くことは許されない。
4 「あなたの兄弟のろばまたは牛が路上で倒れるのを見ながら,故意にそれから身を引いてはならない。是非とも彼を助けて,これを起き上がらせるべきである+。
5 「強健な男子の衣装を女に着せるべきではない。強健な男子もまた女のマントを身に着けるべきではない+。だれにせよこうしたことを行なう者は,あなたの神エホバにとって忌むべきものとなるのである。
6 「鳥の巣が道であなたの前,何かの木の中か地の上にあって,ひな+や卵がそこにある場合,母鳥がひなや卵の上に座しているならば,あなたは母鳥をその子と共に取ってはならない+。7 是非ともその母鳥を飛び去らせるように。しかし,その子は取ってもよい。これは,あなたにとって物事が良く運ぶため,あなたが自分の[命の]日を長くするためである+。
8 「新しい家を建てる場合,あなたは屋根+のために欄干も造らなければならない。転ぶ者がそこから落ちて,あなたが自分の家に血の罪をもたらすことのないためである。
9 「あなたのぶどう園に二種類の種をまいてはならない+。あなたのまく種のいっぱいの実りとぶどう園からの産物とが聖なる所のために没収される*ことのないためである。
10 「あなたは牛とろばを一緒にしてすき返してはならない+。
11 「あなたは羊毛と亜麻を織り交ぜたものを身に着けてはならない+。
12 「あなたは自分のため,その身を覆う衣服の四隅に飾り房を作るべきである+。
13 「人が妻をめとり,それと関係を持った後にこれを嫌うようになり+,14 その女について悪行のとがめをし,その女に悪名+を着せて,『これはわたしがめとった女で,わたしはこれに近づいたが,処女の証拠を見なかった』と言った場合+,15 その娘の父と母はその娘の処女の証拠を手に取り,その都市の門のところにいる年長者たちに提出しなければならない+。16 そして,娘の父親は年長者たちにこう述べるように。『わたしは自分の娘をこの男の妻として与えましたが,彼はこれを嫌う*+ようになりました。17 そして今,彼女について悪行+のとがめをし,「あなたの娘には処女の証拠のないことが分かった+」と言っています。ですが,これがわたしの娘の処女の証拠です』。そして彼らはそのマントを都市の年長者たちの前に広げるように。18 次いで,その都市の年長者たち+はその男を捕らえてこれを懲らしめなければならない+。19 そして,その者に銀百シェケル*を科して,それを娘の父親に与えるように。彼はイスラエルの処女に悪名を負わせたからである+。そして彼女は引き続きその者の妻としてとどまる。その者は[命の]日の限り彼女と離婚する*ことを許されない。
20 「だが,もしそれが真実であると判明し,その娘に処女の証拠が見いだされないのであれば+,21 彼らはその娘をその父の家の入口のところに連れ出すように。その都市の人々はこれを石撃ちにしなければならず,彼女は死ななければならない。彼女は父の家で売淫を行ない+,イスラエルにおいて恥ずべき愚行を犯したからである+。こうしてあなたは,自分の中から悪を除き去らねばならない+。
22 「人が所有者に所有される*女+と寝ているところを見いだされた場合,その両人は,すなわち女と寝ていた男もその女も共に死ななければならない+。こうしてあなたはイスラエルから悪を除き去るのである+。
23 「ある人と婚約した処女の娘がいて+,[別の]男が市内でこれに出会って共に寝た場合+,24 あなた方はその両人をその都市の門のところに連れ出して,これを石撃ちにしなければならない。そのふたりは死なねばならない。娘は市内にいたのに叫ばなかったため,男のほうは仲間の者の妻を辱めたためである+。こうしてあなたは自分の中からよこしまな事を除き去らねばならない+。
25 「しかし,男が婚約しているその娘を見つけたのが野原であり,その男が彼女をつかまえてこれと寝たのであれば,彼女と寝たその男のほうだけが死ななければならない。26 そして,その娘に対しては何も行なってはならない。その娘には死に価する罪はない。この場合は,人が仲間の者に立ち向かい,これを,すなわち魂を殺害+した場合と同じだからである。27 その者が彼女を見つけたのは野であったのである。婚約していたその娘は叫んだが,これを救い出す者がいなかった。
28 「人がある娘,すなわち婚約していない処女を見つけ,これをとらえて共に寝+,その者たちが見いだされた場合+,29 彼女と寝たその男はその娘の父に銀五十シェケル*を与えなければならない+。そして,その者が彼女を辱めたゆえに,彼女はその者の妻となる。その者は[命の]日の限り彼女と離婚することを許されない*+。
30 「だれも自分の父の妻をめとってはいけない。父のすそをあらわにすることのないため*である+。
23 「睾丸を打ち砕いて+去勢された者+,また陰茎を切り取った者は,エホバの会衆に*入ることを許されない。
2 「庶出の+子はエホバの会衆に入ることを許されない。それに属する者は,十代目に至るまでもエホバの会衆に入ることを許されない。
3 「アンモン人とモアブ人*はエホバの会衆に入ることを許されない+。それに属する者は,十代目に至るまで,定めのない時に至るまでも,エホバの会衆に入ることを許されない。4 あなた方がエジプトから出て来た時+,彼らはパンと水を携えて来てその道であなた方を助けることをしなかった+ため,またあなたに対してベオルの子バラムをメソポタミア*のペトルから雇い,あなたの上に災いを呼び求めようとしたからである+。5 だが,あなたの神エホバ*はバラム[の願い]を聴き入れようとはされなかった+。あなたの神エホバは,あなたのために,その呪いを祝福に変えられた+。あなたの神エホバはあなたを愛されたからである+。6 あなたは,[命の]日の限り,定めのない時に至るまで,彼らの平和と繁栄のために働いては*ならない+。
7 「あなたはエドム人*をいとい憎んではならない。それはあなたの兄弟だからである+。
「あなたはエジプト人をいとい憎んではならない。あなたはその国で外人居留者となったからである+。8 三代目に彼らに*生まれる子らは,自らのためエホバの会衆に入ることを許される。
9 「敵に対する陣営に出て行くとき,あなたはあらゆる悪から自分の身を守らなければならない+。10 あなたのうちに,夜に生じる汚れ+のために清さを保っていない者がいるなら,その者は陣営の外に出なければならない。その者は陣営の中に入ってはいけない+。11 そして,夕方になったら水で身を洗い,日が沈んでから陣営の中に入ってよい+。12 また,陣営の外に人目につかない場所を*設けて使えるようにし,あなたはそこに出て行くようにしなければならない。13 そして,あなたの用具類にそえて*小べらを使えるようにしておき,外でかがむ時にはそれで穴を掘り,向き直って自分の糞便を覆うようにしなければならない+。14 あなたの神エホバは,あなたを救い出し,あなたの敵を渡すために+,あなたの陣営の中を歩いておられるからである+。あなたの陣営は聖なるところでなければならない+。あなたの中にみだりなものをご覧になり*,あなたに伴うのをやめて引き返してしまわれることのないためである+。
15 「奴隷がその主人*のもとから逃れて来たとき,あなたはこれをその主人に引き渡してはならない+。16 その者は,あなたの中,あなたのいずれかの都市*でどこでもその選ぶ所,その好む所で,あなたと共に住むことになる+。あなたはこれを虐待してはならない+。
17 「イスラエルの娘はだれも神殿娼婦となってはいけない+。また,イスラエルの息子たちのだれも神殿男娼*となってはいけない+。18 いかなる誓約のためにせよ,娼婦*の賃銀+や犬*+の代価をあなたの神エホバの家に携えて来てはならない。それらは,そのどちらも,あなたの神エホバにとって忌むべきものだからである。
19 「あなたは自分の兄弟に利息を払わせてはならない+。金銭に対する利息も,食物に対する利息も+,人が利息を要求するどんなものに対する利息も。20 異国の者には利息を払わせてもよい+。しかし,あなたの兄弟には利息を払わせてはならない+。あなたが行って取得する地において,あなたの神エホバがあなたのどんな営みをも祝福してくださるようにするためである+。
21 「あなたの神エホバに対して誓約を立てる場合+,あなたはそれを果たす点で遅くあってはならない+。あなたの神エホバは必ずそれをあなたに求め,それはまさにあなたの罪となるからである+。22 しかし,誓約を控えるのであれば,それがあなたの罪となることはない+。23 あなたの唇から出ることばを守るべきであり+,あなたの神エホバに誓約したことを,自分の口で語った自発的な捧げ物としてそのとおりに行なわなければならない+。
24 「仲間の者のぶどう園に入る場合,あなたは自分の魂を満足させる量だけ*食べ,決して自分の入れ物の中に入れてはならない+。
25 「仲間の者の刈っていない穀物[の畑]に入る場合,あなたは熟した穂をただ手でむしり,仲間の者の刈っていない穀物の上に鎌を振るようなことをしてはならない+。
24 「人が女をめとり,これを妻にして自分のものとした場合でも,その女に何かみだりな点*を見つけたためにこれに好意を持たないのであれば+,その者は彼女のために離婚証書をしたためて+その手に持たせ,こうして彼女を家から去らせるように+。2 そして彼女はその人の家を出,行って別の男のものとされることになる+。3 もし後の男も彼女を嫌うようになり,彼女のために離婚証書をしたためてその手に持たせ,これを自分の家から去らせたとしても,あるいは彼女を妻としてめとったその後の男が死んだ場合でも,4 彼女を去らせたその最初の所有者は,すでに汚されたその女を再びめとって自分の妻にならせることは許されない+。それはエホバの前にあって忌むべきことだからであり,あなたは,あなたの神エホバ*が相続分として与えてくださる土地を罪に導き入れてはならない。
5 「人が新しい妻をめとった場合+,その者は軍隊に出るべきではない。また他のどんな事もこれに課すべきではない。彼は一年間自分の家にいて免除を受けるべきであり,こうして彼は自分のめとった妻に歓びを得させるのである+。
6 「だれも手臼もしくはその上部のひき石を質物として取るべきではない*+。魂を質物として取っていることになるからである*。
7 「人が自分の兄弟であるイスラエルの子らに属する魂を誘拐する+ところを見いだされた場合,これを非道に扱って売り渡したのであれば+,その誘拐者は死ななければならない。こうしてあなたの中から悪を除き去るのである+。
8 「らい病の災厄+については用心し,よく注意して,すべて祭司すなわちレビ人たちがあなた方に教え諭すとおりに行ないなさい+。あなた方は注意し+,わたしが彼らに命じたとおりに行なうべきである。9 あなた方がエジプトから出た際にあなたの神エホバ*がその道でミリアムに行なわれた事を覚えておくように*+。
10 「仲間の者に何かの貸し付けをする場合+,あなたはその家の中に入って彼が質物としたものを取ってはならない+。11 あなたは外に立ち,あなたが貸し付けを行なうその相手が自分の質物をあなたのもとに出して来るようにすべきである。12 そして,もしその人が困っているなら,あなたはその質物を預ったまま床に就いてはならない+。13 日が沈んだらすぐ是非ともその質物を彼に返すべきであり+,こうして彼は自分の衣を身に着けて床に就き+,あなたを祝福することになる+。それは,あなたの神エホバの前であなたの義となるであろう+。
14 「雇われた労働者で,困苦にある貧しい者からだまし取ってはならない。それがあなたの兄弟であっても,あるいはあなたの土地,あなたの門の内に住む外人居留者であっても+。15 その[働いた]日のうちに彼の賃金を渡すべきであり+,それらの者の上にそのまま太陽が沈むことがあってはいけない。彼は困苦にあり,自分の賃金に向かってその魂をもたげているのである。こうするのは,その者があなたを責めてエホバに叫ぶことのないためである+。それはあなたの罪となるのである+。
16 「父は子供のゆえに死に処されるべきではなく*,子供もまた父のゆえに死に処されるべきではない+。各人は自分の罪のために死に処せられる*+。
17 「あなたは,外人居留者+や父なし子+に対する裁きを曲げてはならない。また,やもめの衣を質に取ってはならない+。18 そしてあなたは,自分がエジプトで奴隷となったことを覚えていなければならない。後にあなたの神エホバはあなたをそこから請け戻してくださった+。そのためにわたしは,この事を行なうようにと命じているのである。
19 「あなたが畑で自分の収穫物を刈り取る場合+,その畑に束をひとつ置き忘れたとしても,それを取りに戻ってはならない。外人居留者のため,父なし子のため,またやもめのために,それはそのままにしておかれるべきである+。こうして,あなたの神エホバがあなたの手のすべての業を祝福してくださるようにするのである+。
20 「あなたがオリーブの木をたたいて[実を取る]場合,自分がした後の大枝をもう一度見回しては*ならない。外人居留者のため,父なし子のため,またやもめのために,それはそのままにしておかれるべきである+。
21 「あなたが自分のぶどう園からぶどうを取る場合,自分がした後に残っているものを取り集めてはならない。外人居留者のため,父なし子のため,またやもめのために,それはそのままにしておかれるべきである。22 そしてあなたは,自分がエジプトの地で奴隷となったことを覚えていなければならない+。そのためにわたしは,この事を行なうようにと命じているのである+。
25 「人の間に論争が起き+,それらの者が裁きを求めてやって来た場合+,その者たちについて裁きをし,義なる者を義と宣告し,邪悪な者を邪悪であると宣告しなければならない+。2 そして,もしその邪悪な者が打ちたたかれるべき者であれば*+,裁き人はその者を平伏させ,その邪悪な行為に応じた数だけこれを自分の前でむち打たせなければならない+。3 四十回のむち打ちをこれに加えてよい。それにさらに付け加えてはいけない。それに加えてさらに幾度ものむち打ちを加えてゆき+,あなたの兄弟があなたの目に辱められるようなことがあってはいけない。
4 「あなたは,脱穀している牛にくつこを掛けてはならない+。
5 「兄弟たちが共に住み,その一人が息子を持たずに死んだ場合,その死んだ者の妻は外部のよそ人のものとなるべきではない。その義理の兄弟が彼女のもとに行き,これを自分の妻としてめとって,これと義兄弟結婚を行なわ*なければならない+。6 そして,彼女が産む初子はその死んだ兄弟の名を受け継ぐことになる+。これは,彼の名がイスラエルの中からぬぐい去られることのないためである+。
7 「しかし,もしその人が自分の兄弟の残したやもめをめとることを喜びとしないのであれば,その兄弟のやもめは門のところへ,年長者たちのもとへ行って+,『わたしの夫の兄弟は自分の兄弟の名をイスラエルの中に保つことを拒みました。わたしと義兄弟結婚を行なうことに応じませんでした』と言わなければならない。8 そして,その都市の年長者たちはその人を呼んでこれに話し,その人は立って,『わたしは彼女をめとることを喜びとしなかった』と言わなければならない+。9 それに対して彼の兄弟のやもめは,年長者たちの目の前でこれに近づき,彼のサンダルをその足から脱がせ+,その顔につばを吐きかけ+,答えてこう言うように。『自分の兄弟の家を築こうとしない男に対してはこうされるように+』。10 こうしてその人の名は,イスラエルにおいて,『サンダルを脱がされた者の家』と呼ばれることになる。
11 「男どうしがつかみ合いをすることがあり,一方の者の妻が近くに来て自分の夫を,それを打つ者の手から救い出そうとし,手を出してその者の陰部+をつかんだ場合,12 あなたは彼女のその手*を切断しなければならない。あなたの目は哀れんではならない+。
13 「あなたは自分の袋の中に二種類の分銅*+を,すなわち大きなものと小さなものとを持っていてはならない。14 自分の家の中に二種類のエファ升*+を,すなわち大きなものと小さなものとを持っていてはならない。15 正確で公正な分銅をいつも持つべきである。正確で公正なエファ升を常に持つべきである。これは,あなたの神エホバ*が与えてくださる土地においてあなたの[命の]日が長くなるためである+。16 すべてそうした事を行なう者,不正を行なうすべての者は,あなたの神エホバ*にとって忌むべきものだからである+。
17 「あなた方がエジプトから出て来た時アマレクがその道であなたに行なった事を覚えているように*+。18 彼がその道でどのようにあなたを迎え,あなたが疲れ果ててへとへとになっていた際,あなたの後方,すなわちあなたの後ろで落伍しかけていた者たちみんなをいかに打ったかを。彼は神を恐れなかった+。19 ゆえに,あなたの神エホバが相続分として与えて取得させてくださる土地で,あなたの神エホバが周囲のすべての敵からの休みを与えてくださった時には+,アマレクについて述べることを天の下からぬぐい去るように+。あなたは忘れてはならない。
26 「それで,あなたの神エホバが相続分として与えてくださる土地についに入り,それを取得してそこに住んだならば+,2 その時あなたは,その地のすべての実り,すなわちあなたの神エホバが与えてくださる土地からあなたが取り入れる物について,その初なりの幾らかを取り+,それをかごに入れて,あなたの神エホバ*が選んでそのみ名をとどまらせる場所に行かねばならない+。3 そして,その時期に務めを果たしている祭司のもとに来て+,こう言うように。『わたしたちに与えることを,エホバが父祖たちに誓われた土地+にそのとおり入ったことを,わたしは今日あなたの*神エホバに報告しなければなりません』。
4 「すると祭司はあなたの手からかごを取り,あなたの神エホバの祭壇の前にそれを置くのである。5 そしてあなたは答えて,あなたの神エホバの前でこう言わなければならない。『わたしの父は滅びゆこうとするシリア人でした*+。エジプトに下って行き+,ごく少数の者+と共に外国人としてそこにとどまりました。しかしそこで彼は大きな国民,強大で数の多い民となりました+。6 するとエジプト人はわたしたちに対してひどい扱いをするようになり,わたしたちを苦しめて,厳しい奴隷労働を課しました+。7 それでわたしたちは,わたしたちの父祖の神エホバ*に向かって叫ぶようになり+,エホバはわたしたちの声を聞き+,わたしたちの苦悩と難儀と圧迫とをご覧になりました+。8 最後にエホバ*は,強い手+と伸ばされた腕+をもって,また大いなる恐れ+としるしと奇跡+とをもってわたしたちをエジプトから携え出してくださいました。9 そしてこの場所に連れて来て,この土地を,乳と蜜の流れる地を与えてくださったのです+。10 それで今,わたしは,エホバが与えてくださった土地の実りの初なりを携えてまいりました+』。
「そしてあなたはそれをあなたの神エホバの前に置き,あなたの神エホバの前に身をかがめなければならない+。11 そして,あなたの神エホバがあなたとあなたの家の者たちに与えてくださったすべての良いものについて歓び楽しむのである+。あなたも,レビ人も,あなたのうちにいる外人居留者も+。
12 「三年目+すなわち什一の年*にあなたの産物の十分の一を什一+としてすべて取り分けたなら,あなたはそれをレビ人,外人居留者,父なし子,そしてやもめに与えなければならない。彼らはあなたの門の内でそれを食べて満ち足りるのである+。13 そしてあなたは,あなたの神エホバの前でこう言わなければならない。『わたしは聖なるものを家からすべて出し,それをレビ人と外人居留者,父なし子とやもめに与えて+,あなたがお命じになったすべてのおきてのとおりに致しました。わたしはあなたのおきてを踏み越えず,それを忘れてもおりません+。14 わたしは自分の嘆きの間も*そこからは食べず,汚れにある間もそこから取り除かず,死んだ者のためにその一部を与えることもしませんでした。わたしは自分の神エホバ*の声に聴き従いました。あなたがお命じになったすべてのことに従い,そのとおりに行ないました。15 どうか,あなたの聖なる住まいである天からご覧になり+,あなたの民イスラエルとわたしたちにお与えくださった土地とを祝福してください+。父祖たちにお誓いになったとおりに+,この乳と蜜の流れる地を+』。
16 「今日この日に,あなたの神エホバは,これらの規定と司法上の定めを履行するよう,あなたに命じておられる+。あなたは心をつくし+魂をつくして+それを守り,それを履行しなければならない。17 あなたは今日エホバにこう言わせた。すなわち,あなたがその道を歩み,その規定+とおきて+と司法上の定め+とを守り,その声に聴き従うかぎり+あなたの神になると。18 またエホバも,今日あなたにこう言わせた。約束してくださったとおりに+その民,その特別な所有物+となり,そのすべてのおきてを守りますと。19 また,あなたが自分の神エホバに対して聖なる民となるかぎり+,あなたをそのお造りになったあらゆる国民の上に高めて+,賛美と名声と美とし,その約束のとおりにすると」。
27 モーセはイスラエルの年長者たちと共になおも民に命じてこう言った。「わたしが今日あなた方に命じるすべてのおきてを守るように*+。2 そして,あなた方がヨルダンを渡って+あなたの神エホバ*の与えてくださる土地に入った日,あなたは自分のために大きな石を立て,それを石灰で白く塗り上げなければならない。3 そして,渡り終えた時に+,この律法のすべての言葉をその上に記すように+。これは,あなたの神エホバ*の与えてくださる土地,乳と蜜の流れる地に入って行って,父祖たちの神エホバが話されたとおりになるためである+。4 そして,ヨルダンを渡った時,あなた方はそれらの石を,わたしが今日命じるとおりにエバル*山+に立て,それを石灰で白く塗り上げるように+。5 あなたはまた,そこにあなたの神エホバへの祭壇,石の祭壇を築かねばならない。その上に鉄の道具を振るってはならない+。6 自然のままの石であなたの神エホバの祭壇を築くべきであり,あなたの神エホバへの焼燔の捧げ物をその上にささげるように+。7 また共与の犠牲+を犠牲としてささげてその所でそれを食べ+,あなたの神エホバ*の前にあって歓び楽しむのである+。8 そしてあなたはこの律法のすべての言葉をそれらの石に記して+,それを非常に明りょうにしなければならない*+」。
9 次いでモーセと祭司たち,レビ人たちは,全イスラエルに話してこう言った。「イスラエルよ,静かにして聴きなさい。今日この日に,あなたは,あなたの神エホバの民となった*+。10 それであなたは,あなたの神エホバ*の声に聴き従い,わたしが今日命じているそのおきて+と規定+を履行しなければならない」。
11 モーセはその日なおも民に命じてこう言った。12 「あなた方がヨルダンを渡った時,次の者は立ってゲリジム山で民を祝福する+。すなわち,シメオン,レビ,ユダ,イッサカル,ヨセフ,ベニヤミン。13 また,次の者は呪い+のためにエバル山+に立つ。すなわち,ルベン,ガドとアシェルとゼブルン,ダンとナフタリ。14 そして,レビ人は答え,声を上げてイスラエルのすべての者にこう言わなければならない+。
15 「『彫刻像+や鋳物の像+,すなわちエホバ*にとって忌むべきもの+,木や金属の細工人の手になるもの+を作って,それを隠し場に置いた者はのろわれる』。(そして民はみな答えて,『アーメン!*』と言う+ように。)
16 「『自分の父や母を侮べつをもって扱う者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
17 「『仲間の者の境界標をずらす者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
18 「『盲人を道で迷わせる者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
19 「『外人居留者+,父なし子,またやもめ+に対する裁き+を曲げる+者はのろわれる』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
20 「『自分の父の妻と寝る者はのろわれる。自分の父のすそをあらわにしたからである+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
21 「『何であれ獣と寝る者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
22 「『自分の姉妹,すなわち自分の父の娘や母の娘と寝る者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
23 「『自分のしゅうとめと寝る者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
24 「『隠れ場から仲間の者を打って死なせる者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
25 「『わいろを受け取って,魂を,それが罪のない血であるのに打って死なせる*者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
26 「『この律法の言葉を守らず,それを実行しない者はのろわれる+』。(そして民はみな,『アーメン!』と言うように。)
28 「また,もしあなたが,あなたの神エホバ*の声に必ず聴き従い,よく注意して,わたしが今日命じるそのすべてのおきてを守るならば+,あなたの神エホバ*もまた,あなたを地にある他のすべての国民の上に必ず高めてくださるであろう+。2 そして,あなたの神エホバの声に常に聴き従うゆえに,このすべての祝福があなたに臨み,あなたに及ぶことになる+。
3 「あなたは都市において祝福され+,また野においても祝福される+。
4 「あなたの腹の実+,あなたの地の実,あなたの畜獣の実+すなわち牛の子と羊の子は祝福される+。
6 「あなたは入る時に祝福され,出て行く時にも祝福される+。
7 「エホバ*は,あなたに向かって立ち上がる敵をあなたの前に敗北させる+。彼らはあなたに敵して一つの道から出て来ても,七つの道に分かれてあなたの前を逃げて行く+。8 エホバ*はあなたのため,あなたの物資の蓄え+とあなたのすべての営みとの上に祝福を命じ+,あなたの神エホバの与えてくださる地において確かにあなたを祝福されるであろう。9 あなたがあなたの神エホバ*のおきてを守り続け+,その道を歩んでいるゆえに,エホバもその誓いのとおりに+あなたをご自分の聖なる民として確立させてくださるのである+。10 そして,地のすべての民は,あなたの上にエホバの名がとなえられているのを必ず見+,あなたについてまさに恐れを持つであろう+。
11 「エホバはまた,あなたに与えることをエホバが父祖たちに誓われた地+において,あなたの腹の実+,家畜の実,地の実り+を栄えさせ,まさにあなたを満ちあふれさせてくださるであろう。12 エホバはご自分の良い倉を,天をあなたに開き,その季節ごとにあなたの土地に雨を与え+,あなたの手のすべての業を祝福される+。あなたは必ず多くの国の民に貸し与え,自らは借りることはない+。13 そしてエホバは必ずあなたを頭に置き,末尾に[置かれる]ことはない。あなたはいつも首位となり+,下位に来ることはないのである。守って行なうようにとわたしが今日命じるあなたの神エホバ*のおきて+に,あなたが常に従うからである。14 それであなたは,わたしが今日あなた方に命じているすべての言葉から右にも左にもそれることなく+,他の神々に従って歩んで,それに仕える+ことのないようにしなければならない。
15 「また,もしあなたが,あなたの神エホバの声に聴き従わず,注意して,わたしが今日命じるそのすべてのおきてと法令とを守り行なわないならば,これらのすべての呪いが必ずあなたに臨み,あなたに及ぶことになる+。
16 「あなたは都市においてのろわれ+,野においてものろわれる+。
18 「あなたの腹の実+と地の実り+,あなたの牛の子と羊の子はのろわれる+。
19 「あなたは入る時にのろわれ,出て行く時にものろわれる+。
20 「あなたが成し遂げようとするすべての営みについて,エホバはのろい+を,混乱+と叱責+をあなたの上に送り,ついにあなたは滅ぼし尽くされて,速やかに滅びうせるであろう。あなたがわたしを捨てたその行ないの悪のゆえである+。21 エホバは疫病をあなたにまとい付かせ,あなたが行って取得する地からついにあなたを滅ぼし絶やされるであろう+。22 エホバは,結核+と,燃える熱病と,炎症と,熱病のような暑さと,剣*+と,立ち枯れ+と,白渋病+とをもってあなたを打ち,それらは必ずあなたを追い,ついにあなたは滅び絶えるであろう。23 また頭上にあるあなたの空は銅となり,あなたの下にある地は鉄となる+。24 エホバは微粉と塵とをあなたの土地の雨として与えるであろう。それは天からあなたの上に降り,ついにあなたは滅ぼし尽くされることになる。25 エホバはあなたを敵の前に敗北させる+。あなたは彼らに向かって一つの道から出て行くが,七つの道に分かれて彼らの前を逃げるであろう。あなたは地上のすべての王国にとって驚がくの的となる+。26 そして,あなたの死体は天のあらゆる飛ぶ生き物と野*の獣のための食物となり,[それらを]おののかせる者はだれもいない+。
27 「エホバはあなたを,エジプトのはれ物+と痔と湿疹と吹き出物で打ち,あなたはそれからいえることがない。28 エホバはあなたを,狂気+と失明+と心の困惑+とをもって打たれる。29 そしてあなたは真昼でも手探りする者となり,盲人が暗がりで手探りするようになる+。それでもあなたは自分の道を成功させることができない。あなたはただ一人,常にだまし取られ,奪い取られる者となり,だれ一人あなたを救う者はいない+。30 あなたが女と婚約しても,別の男がこれを強姦する+。あなたが家を建てても,自分はそれに住まない+。あなたがぶどう園を設けても,自分でそれを用いはじめることはない+。31 あなたの雄牛が目の前でほふられる ― それでもあなたがそれを食べることはない。あなたのろばがあなたの顔の前から奪い取られてゆく ― それはあなたのもとには戻らない。あなたの羊は敵たちに与えられてゆく ― それでもあなたを救う者はいない+。32 あなたの息子と娘は別の民に渡され+,あなたの目はそれを見て常に彼らに焦がれる ― それでもあなたの手*には力がない+。33 あなたの地の実りとすべての産物は,あなたの知らなかった民がこれを食べる+。あなたはただだまし取られ,常に打ち砕かれる者となる+。34 そしてあなたは,自分の目が見るその光景にただ狂気するであろう+。
35 「エホバはあなたの両ひざと両脚を悪性のはれ物で打ち,あなたはそれからいえることがない。それは足の裏から頭のてっぺんにまで至る+。36 エホバはあなたを,またあなたが自分の上に立てた王を+,あなたもあなたの父祖たちも知らなかった国民のもとに行進させる+。そこであなたは他の神々に,木や石でできたものに仕えることになる+。37 こうしてあなたは,エホバがそのもとに連れて行くすべての民の中にあって,驚きの的+,語りぐさ+,また嘲弄されるものとなるのである。
38 「あなたは沢山の種を野に携えて行くが,取り集めるところはわずかであろう+。いなごがそれをむさぼり食うからである+。39 あなたはぶどう園を設けてそれを耕作しはするが,ぶどう酒を飲むことも何かを集め入れることもないであろう+。虫がそれを食い尽くすからである+。40 あなたは自分の全領地にオリーブの木を持つようになるが,自分の身に油を塗ることはないであろう。あなたのオリーブの実は落ちてしまうからである+。41 あなたは息子や娘たちを生むが,それはあなたのものとしてはとどまらない。彼らは捕囚にされるからである+。42 あなたのすべての樹木と地の実りは,羽音を立てる虫*がそれを自分のものとする。43 あなたのうちにいる外人居留者はあなたより上へ上へと上がって行き,一方あなたは下へ下へと下がって行く+。44 彼があなたに貸し与える者となり,あなたがこれに貸し与えることはない+。彼が頭となり,あなたはその尾となるであろう+。
45 「それで,これらのすべての呪い+が必ずあなたに臨み,あなたの後を追ってあなたに追いつき,ついにあなたは滅ぼし尽くされることになる+。あなたの神エホバの声に聴き従わず,その命じたおきてと法令とを守らなかったためである+。46 そしてそれは,しるしまた異兆として,定めのない時まであなたとあなたの子孫の上にとどまることになる+。47 あなたが,すべての物に満ちあふれながら+,楽しみと心の喜び*とをもってあなたの神エホバに仕えなかったからである+。48 そしてあなたは,飢え+と渇きと裸とすべての物の乏しさとの中で,エホバがあなたに送る敵に仕えることになる+。[神]はあなたの首に鉄のくびきを掛け,ついにはあなたを滅ぼし尽くされるのである+。
49 「エホバは遠くの国民を地の果てからあなたに向かって立ち上がらせる+。それは,鷲が襲いかかるときのようであろう+。その国語をあなたが理解できない国民+,50 顔つきのどう猛な国民である+。老人をも顧みず,年少の者にも恵みを示さない者たちである+。51 そして彼らは必ずあなたの家畜の実と地の実りを食べ,ついにあなたは滅ぼし尽くされることになる+。穀物も,新しいぶどう酒や油も,牛の子や羊の子もあなたのために残さず,ついにあなたを滅ぼしてしまうであろう+。52 また,彼らはまさにあなたをすべての門の内に攻め囲み,あなたの依り頼む高く守り固められた城壁もあなたの全土で崩れ落ちることになる。あなたの神エホバの与えてくださったその全土において,彼らはあなたをすべての門の内に攻め囲むのである+。53 その時あなたは,自分の腹の実,すなわちあなたの神エホバが与えてくださった自分の息子や娘たちの肉を食べることになるであろう+。敵があなたを囲み込むその囲みの厳重さと圧迫とのためである。
54 「あなたのうちの非常に繊細で優美な男,そのような者の目+までが,自分の兄弟,自分の慈しむ妻,また自分のもとに残るその残りの子らに対してさえよこしまになり,55 その一人にすら自分の食らう自分の子たちの肉を与えようともしないであろう。敵があなたをそのすべての門の内に囲み込むその囲みの厳重さと圧迫とのため自分のもとに残るものが何もないからである+。56 あなたのうちの繊細で優美な女,その優美な習慣と繊細さのために地に足の裏を付けようともしなかった者+,そのような者の目までが,自分の慈しむ夫,自分の息子や娘,57 いや,自分の脚の間から出る胞衣にさえ,また自分が産んだ自分の子らに対してさえよこしまなものとなる+。敵があなたをその門の内に囲み込むその囲みの厳重さと圧迫とのゆえにすべてのものが欠乏するため,彼女はそれをひそかに食らうからである+。
58 「もしあなたが注意してこの書に記されるこの律法のすべての言葉を行なうようにせず+,この栄光ある+,畏怖の念を抱かせる+み名を,あなたの神エホバ+を恐れないのであれば,59 エホバも必ず,あなたの災厄とあなたの子孫の災厄をひときわ厳しくし,大きくて長く続く災厄+,また悪性で長く続く病とされるであろう+。60 そして,あなたがその前で恐れおののいたエジプトのすべての疾患をあなたの上にまさに呼び戻し,それらは必ずあなたにまとわり付くであろう+。61 また,この律法の書に記されていないどんな病気や災厄にせよ,エホバ*はそれをあなたの上にもたらし,ついにあなたは滅ぼし尽くされるであろう。62 こうしてあなた方は,天の星のように数多くなっていたとしても+,ごくわずかな者だけが残されることになる+。あなたの神エホバ*の声に聴き従わなかったためである。
63 「そしてエホバは,あなた方に良いことを行なってあなた方を多くならせることに歓喜されたが+,同じようにエホバは,あなた方を滅ぼし,滅ぼし尽くすことに歓喜されることになる+。あなた方は,自分たちが行って取得するその地から全く引き離されるであろう+。
64 「またエホバ*は必ずあなたをあらゆる民の中に散らして,地の果てから果てに至らせるであろう+。そこであなたは,あなたも父祖たちも知らなかった他の神々に,木や石に仕えることになる+。65 そして,それら諸国民の中にあってあなたに安らぎはなく+,あなたの足の裏を休める場所さえ見当たらないであろう。エホバ*はその所で,おののく心+を,また目の衰え+と魂の絶望とをあなたに与えるのである。66 そしてあなたは自分の命についてこの上ない危難のうちに置かれ*,夜昼非常な怖れを抱くことになる。自分の命についておぼつかなく思うであろう+。67 朝には,『ああ晩であったら!*』と言い,晩には,『ああ朝であったら!*』と言うであろう。あなたが非常な怖れを抱くその心の非常な怖れのため,またあなたの目が見るその光景のためである+。68 そしてエホバは必ず,『あなたは二度とそれを見ない』とわたしが言ったその道により,船であなたをエジプトに連れ戻されるであろう+。その所であなた方は,自分を奴隷男またはしためとして敵に売らねばならなくなる+。それでも買う者はいないであろう」。
29 これらは,エホバがモーセに命じてモアブの地でイスラエルの子らと結ばせた契約の言葉であり,ホレブにおいて彼らと結ばれた契約+とは別のものである*。
2 それからモーセは全イスラエルを呼んでこう言った。「あなた方は,エホバがエジプトの地においてファラオとそのすべての僕またその全土に対し,あなた方の目の前で行なったそのすべての事柄を見た者たちである+。3 それは,あなたの目が見た大いなる試み+,あの大いなるしるし+と奇跡+であった。4 それでもエホバ*は,今日この日に至るまで,知る心*と見る目と聞く耳とをあなた方にお与えにならなかった+。5 『わたしが荒野であなた方を導いた四十年の間+,あなた方の身に着けた衣はすり切れず,足にはいたサンダルはすり減らなかった+。6 あなた方はパンを食べず+,ぶどう酒も酔わせる酒も飲まなかった。わたしがあなた方の神エホバであることを,あなた方が知るためであった』。7 ようやくあなた方はこの場所に来た。その時,ヘシュボンの王シホン+とバシャンの王オグ+がわたしたちを迎え撃とうとして出て来たが,わたしたちはこれを撃ち破った+。8 その後わたしたちは彼らの土地を取り,それを相続分としてルベン人,ガド人,またマナセ人の半部族に与えた+。9 ゆえにあなた方はこの契約の言葉を守ってそれを行なわなければならない。あなた方が自分の行なうすべての事柄を成功させるためである+。
10 「今日,あなた方は皆,あなた方の神エホバ*の前に立っている。あなた方の部族の頭たち*,年長者とつかさたち,イスラエルのすべての男子+,11 あなた方の幼い者たち,妻たち+,またあなたの宿営の中にいる外人居留者+,あなたのまきを集める者*から水をくむ者+までが。12 これはあなたが,あなたの神エホバの契約+とその誓いとに入るためである。あなたの神エホバはそれを今日+あなたと結ばれるのである。13 それは,あなたに約束されたとおり,またあなたの父祖アブラハム+,イサク+,ヤコブに誓われたとおり+,あなたをご自分の民として今日確立し+,あなたの神となるためである+。
14 「さて,わたしはただあなた方とだけこの契約またこの誓い*を立てているのではない+。15 それは,今日わたしたちの神エホバの前でわたしたちと共にここに立つ者に加えて,今日わたしたちと共にここにいない者たちに対してもなのである+。16 (わたしたちがいかにエジプトの地に住み,あなた方が通ったその諸国民の中をいかに通過したか+は,あなた方自身がよく知っているのである。17 そしてあなた方は,彼らの持つ嫌悪すべきものや糞のような偶像+,木や石,銀や金など,彼らと共にあったものに見慣れていた。)18 これは,あなた方の中に,心が今日わたしたちの神エホバからそれて行き,行ってそれら諸国民の神々に仕えるような男,女,家族,また部族が出ることのないため+,あなた方の中に,毒草や苦よもぎの実を結ぶような根の出ることのないためである+。
19 「そして,この誓い+の言葉を聞きながら,心の中で自らを祝福し,『わたしは自分の心の強情さ+のままに歩んでも平安を持てるのだ』と言い+,よく潤された者も渇いた者たちも共にはらい去ろうとする意図を抱く者がいれば,20 エホバはその者を許そうとはされないであろう+。むしろ,エホバ*の怒り+と激情+はその人に対して煙を発し+,この書に記されるすべての誓い+が必ずその者の上に下るであろう。エホバはまさにその者の名を天の下からぬぐい去られる。21 それでエホバは,この律法の書に記される契約のすべての誓い*にしたがい,その者を災いのためにイスラエルのすべての部族から切り離されることになる+。
22 「そして,後の世代,すなわち後に起こるあなた方の子らは必ず言うであろう。また,遠くの土地からやって来る異国の者も[言うであろう]。その地の災厄を,またエホバがそこに被らせたその疾病+を見る[時],23 硫黄と塩+と炎焼+,それによってその全土が,種をまかれず,芽が出ず,何の草木も生え出ぬ所となり,エホバがその怒りと憤りのうちに覆された+ソドムとゴモラ+,アドマ+とツェボイイム+の覆しのようになっているのを[見るその時に]。24 確かに,すべての国の民は必ず言うであろう,『どうしてエホバはこの地に対してこのようにされたのか+。どうしてこれほど激しい怒りを』と。25 そのとき人々はこう言わねばならない。『それは,彼らが父祖たちの神エホバとの契約を捨てたためだ+。それは,彼らをエジプトの地から携え出した時に[神]が結ばれたものであった+。26 それなのに彼らは行って他の神々に仕え,それに身をかがめた。彼らが知らず,彼らに割り当てることもされなかった神々に+。27 それでエホバの怒りがこの地に対して燃え,この書に記される呪いをそっくりそこに臨ませられた+。28 こうしてエホバは,怒りと激怒と大いなる憤りのうちに彼らをその地から引き抜き+,今日見るとおり別の土地に追いやられたのだ+』。
29 「秘められている事柄+はわたしたちの神エホバ*に属しているが,啓示された事柄+は,定めのない時に至るまでわたしたちとわたしたちの子らとに属する*。わたしたちがこの律法のすべての言葉を果たし行なうためである+。
30 「そして,これらのすべての言葉,すなわちわたしがあなたの前に置いたこの祝福+と呪い+があなたに臨む時,あなたの神エホバがあなたを離散させたそのあらゆる国民の中にあって+それをあなたの心に思い返し+,2 あなたの神エホバのもとに立ち返り+,あなたもあなたの子らも,わたしが今日命じるすべてのことにしたがい,心をつくし魂をつくしてそのみ声に聴き従ったなら+,3 あなたの神エホバもまた必ずあなたの捕らわれ人たち*を連れ戻し+,あなたに憐れみを示し+,あなたの神エホバがあなたを散らしたそのあらゆる民のもとから再びあなたを集めてくださるであろう+。4 あなたの離散した民が天の果てにいるとしても,あなたの神エホバはそこからあなたを集め,そこから連れて来てくださる+。5 あなたの神エホバは父たちが取得したその地にあなたを携え入れてくださり,あなたは必ずそれを自分のものとする。[神]はあなたにまさに良いことを行ない,あなたを父たちよりも数多くしてくださるであろう+。6 そしてあなたの神エホバは,あなたの心とあなたの子孫の心+に割礼を施されることになる+。あなたが,自分の命のために,心をつくし魂をつくしてあなたの神エホバを愛するようになるためである+。7 そして,あなたの神エホバは,あなたに敵する者とあなたを憎む者,あなたに迫害を加えた者たちの上に,必ずこれらのすべての誓いをもたらされるであろう+。
8 「あなたのほうは,身を翻して必ずエホバの声に聴き従い,わたしが今日命じるそのすべてのおきてを行なうであろう+。9 また,あなたの神エホバは,あなたの手のすべての業,すなわちあなたの腹の実,家畜の実+,また地の実り+の点でまさに十二分に得させ+,繁栄を得させてくださるであろう+。エホバ*はあなたの父祖たちについて歓喜されたのと同じように,再びあなたについても歓喜されて,良くしてくださるからである+。10 それはあなたがあなたの神エホバの声に聴き従って,この律法の書に記されるそのおきてと法令とを守るからであり+,心をつくし魂をつくしてあなたの神エホバに立ち返るからである+。
11 「わたしが今日命じているこのおきては,あなたにとって難しすぎるものではない。遠くにあるものでもない+。12 それは天にあるために,『だれがわたしたちのため天に昇ってそれを受け,わたしたちに聞かせてそれを行なえるようにしてくれるのか』と言われるようなものではない+。13 またそれは海の向こうにあるために,『だれがわたしたちのため海の向こうに渡ってそれを受け,わたしたちに聞かせてそれを行なえるようにしてくれるのか』と言われるようなものでもない。14 その言葉はあなたに非常に近く,あなたの口の中,心の中にあって+,それを行なうことができるようにされているのである+。
15 「見なさい,わたしは今日,あなたの前に,命と善を,そして死と悪とを置く+。16 [もしあなたが,]わたしが今日命じている[あなたの神エホバのおきてに聴き従って*]あなたの神エホバを愛し+,その道を歩んでそのおきて+と法令と司法上の定め+とを守るなら,そのときあなたは必ず生きつづけて+,数多くなり,あなたの神エホバも,あなたが行って取得する地で必ずあなたを祝福してくださるのである+。
17 「しかし,もしあなたの心がそれて行き,あなたが聴き従わないで+まさにたぶらかされ,他の神々に身をかがめてこれに仕えることがあれば+,18 わたしは今日はっきり告げておくが,あなた方は必ず滅び尽きることになる+。あなた方は,ヨルダンを渡って行って取得するその地で自分の[命の]日を長くすることはないであろう。19 わたしは今日,天と地をあなた方に対する証人として立て+,あなたの前に命と死+,祝福+と呪い+を置いた。あなたは命を選び,あなたもあなたの子孫も+共に生きつづけるようにしなければならない+。20 すなわち,あなたの神エホバ*を愛し+,その声に聴き従い,これに堅く付くのである+。[神]はあなたの命,あなたの長い日々なのであり+,エホバがあなたの父祖アブラハム,イサク,ヤコブに与えることを誓われたその地+にあなたが住むためである」。
31 次いでモーセは行って,この言葉を全イスラエルに話して,2 こう言った。「わたしは今日百二十歳となった+。わたしは出入りすること+をもはや許されないであろう。『あなたはこのヨルダンを渡っては行かない』とエホバはわたしに言われたからである+。3 あなたの神エホバ*があなたの前を渡って行かれる+。ご自身がこれらの諸国民をあなたの前から滅ぼし尽くされるのである。それであなたは彼らを打ち払わなければならない+。エホバが話されたとおり,ヨシュア*があなたの前に立って渡って行く+。4 そしてエホバは,アモリ人の王シホン+とオグ+およびその土地に対しそれを滅ぼし尽くした際に+行なわれたと同じことを,彼らに対しても必ず行なわれる。5 それで,エホバは彼らをあなた方に渡された+。あなた方は彼らに対し,わたしが命じたそのすべてのおきてのとおりに行なわなければならない+。6 勇気を出し,強くありなさい+。彼らの前で恐れたり,うろたえたりしてはいけない+。あなたの神エホバが共に進んで行かれるからである。あなたを見捨てたり,全く見放したりはされない+」。
7 それからモーセはヨシュアを呼び,全イスラエルの目の前で彼にこう言った。「勇気を出し,強くありなさい+。あなたがこの民を,父祖たちに与えることをエホバが誓われたその土地に携え入れる*からである。あなたがそれを相続地として彼らに得させるのである+。8 そして,エホバがあなたの前を進んで行かれる。自ら常にあなたと共にいてくださる+。あなたを見捨てたり,全く見放したりはされない。恐れたりおびえたりしてはいけない+」。
9 次いでモーセはこの律法を書き記し+,それをレビの子らの祭司たち+,すなわちエホバの契約の箱を担う者たち+に,またイスラエルのすべての年長者たちに与えた。10 そしてモーセは彼らに命じてこう言った。「七年の終わりごと,その免除の年+の定めの時,仮小屋の祭りの際+,11 全イスラエルがあなたの神エホバの顔を見る*ためその選ばれた場所+に来る時に+,あなたは全イスラエルの前,その聞くところで*この律法を読み上げる+。12 民を,男も,女も,幼い者も,またあなたの門の内にいる外人居留者たちも集合させなさい+。彼らが聴くため,また学ぶためである+。彼らはあなた方の神エホバを恐れ+,注意してこの律法のすべての言葉を履行しなければならないのである。13 また,彼らの子らで[これを]知らない者たちも聴くように+。彼らは,あなた方がヨルダンを渡って行って取得する地で生きる日の限りあなた方の神エホバを恐れることを学ばなければならない+」。
14 その後エホバはモーセにこう言われた。「見よ,あなたの死ぬ日が近づいた+。ヨシュアを呼び,あなた方は会見の天幕の中に立ちなさい。わたしが彼を任命するためである+」。それでモーセとヨシュアは行って,会見の天幕+の中に立った。15 その時エホバは雲の柱のうちにあってその天幕に現われ,雲の柱が天幕の入口のそばに立つようになった+。
16 そうしてエホバはモーセにこう言われた。「見よ,あなたは父祖たちと共に横たわろうとしている+。この民は必ずや身を起こし+,その進み行く地の異国の神々と,まさにそのただ中に入って不倫な交わりを持ち*+,必ずやわたしを捨て+,わたしが彼らと結んだ契約を破るであろう+。17 その日,わたしの怒りは彼らに対してまさに燃え+,わたしは必ず彼らを捨て+,自分の顔を彼らから隠し+,彼らは食い尽くされるべきものとなる。多くの災いと苦難が必ず彼らに臨み+,彼らはその日にきっと言うであろう,『こうした災いが臨んだのはわたしたちの*神がわたしたちの中におられないからではないか』と+。18 それでもわたしは,その日に自分の顔を全く隠す。彼らの行なったすべての悪のため,彼らが他の神々に身を向けたためである+。
19 「ゆえに今,あなた方のためにこの歌+を書き留め,それをイスラエルの子らに教えなさい+。それを彼らの口に置いて,この歌がイスラエルの子らに対するわたしの証しとなるようにしなさい+。20 わたしは彼らを,その父祖たちに誓った*地,乳と蜜の流れる所+へと携えて行くからである+。彼らは必ずや食べて+満ち足り,肥え太って+他の神々に身を向け+,まさにそれに仕えてわたしに不敬な態度を取り,わたしの契約を破るであろう+。21 それで,多くの災いと苦難が彼らの上に臨む時+,この歌が彼らの前で証しとなって答えることになる。それは彼らの子孫の口から忘れられてはいけないのである。わたしは,自分が誓った*地へ携え入れる前の今日すでに彼らが現わしている性向をよく知っているのである+」。
22 それでモーセはその日にこの歌を書き記した。それをイスラエルの子らに教えるためであった+。
23 次いで[神]はヌンの子ヨシュアを任命して+こう言われた。「勇気を出し,強くありなさい+。あなたがイスラエルの子らを,わたしが彼らに誓ったその土地に携え入れるからである+。わたし自ら常にあなたと共にいる」。
24 そして,モーセはこの律法の言葉を書に記し終えてそれを完成したが+,25 すぐにモーセはレビ人すなわちエホバの契約の箱を担う者たち+に命じてこう言いはじめた。26 「あなた方はこの律法の書+を受け取って*,あなた方の神エホバ*の契約の箱+の傍らに置くように。それはそこにあってあなたに対する証しとなるのである+。27 このわたしは,あなたの反逆の傾向+とこわいうなじ+とをよく知っているからである。わたしが今日生きてまだ共にいる間にあなた方がエホバ*に対して反逆の振る舞いをしたのであれば+,わたしの死後にはなおさらであろう。28 あなた方の各部族からすべての年長者を,そしてあなた方のつかさたち+をわたしのもとに集合させなさい。わたしはこれらの言葉を彼らの聞くところで話し,天と地を彼らに対する証人とする+。29 わたしの死後あなた方がきっと滅びとなるような振る舞いをすることを+,わたしはよく知っているのである。あなた方はわたしが命じた道からそれてゆくに違いない。後の日に災い+があなた方に降り懸かることになる。あなた方がエホバ*の目に悪とされることを行ない,自分たちの手の業によって怒りを起こさせるからである+」。
30 それからモーセは,イスラエルの全会衆*の聞くところでこの歌の言葉を最後まで語った+。
27 そうしなかったのは,敵する者によるいら立たしさを恐れたためであった+。
彼らに敵対する者たちがそれを取り違えることのないため+,
エホバがこのすべてを行なったのではない+」などと言うことのないためであった。
29 ああ,彼らが賢かったなら+! そうしたら,彼らはこのことを熟考するであろう+。
後に来る自らの終わりについて考察するであろう+。
44 こうしてモーセは,すなわち彼とヌンの子ホシェア*+とは,来て,この歌のすべての言葉を民の聞くところで*語った+。45 モーセは,これらのすべての言葉を全イスラエルに語り終えて後,46 彼らに対してさらにこう言った。「わたしが今日警告として*話しているすべての言葉にあなた方の心を用いなさい+。あなた方が自分の子らに命じ,注意してこの律法のすべての言葉を守り行なわせるためである+。47 それは,あなた方にとって無価値な言葉ではない+。あなた方の命を意味し+,あなた方はその言葉により,ヨルダンを渡って行って取得する地で自分の[命の]日を長くするのである+」。
48 次いでエホバはその同じ日にモーセに話してこう言われた。49 「アバリム*+のこの山,ネボ山+に上りなさい。それはモアブの地にあって,エリコに面している。そして,わたしがイスラエルの子らの所有として与えるカナンの地+を見なさい。50 そしてあなたは,上って行くその山で死に,自分の民のもとに集められるように+。あなたの兄弟アロンがホル山で死んで+その民のもとに集められたのと同じように。51 これは,チンの荒野にあるカデシュのメリバの水+のところで,あなた方がイスラエルの子らの中にあってわたしへの忠順に背く行動をしたからである+。あなた方がイスラエルの子らの中でわたしを神聖なものとしなかった*からである+。52 あなたは遠くからその地を見るが,わたしがイスラエルの子らに与える地に行ってそこに入ることはないのである+」。
33 さて,これは,[まことの]神の人モーセ+が死ぬ前にイスラエルの子らを祝福したその祝福のことば+である。2 彼はこう言ったのである。
7 また,これはユダへの[祝福のことば*+]であり,彼は続いてこう言った。
「あなたのトンミム*とウリム+はあなたに忠節な人*+に属している。
あなたはその人をマッサにおいて試された+。
メリバの水のそばで彼と闘われるようになった+。
9 自分の父と母に,『わたしはそれを見なかった』と言った人。
自分の兄弟たちをさえ彼は認めず+,
自分の息子たちをも知らなかった。
彼らはあなたの言われたことを守り+,
あなたの契約を守り続けた+。
「彼の土地は絶えずエホバから祝福されるように+。
また下に横たわる水の深み+をもって。
またえり抜きのものである太陰の月々の産出物+をもって。
また定めなく保つ丘からのえり抜きのものをもって。
そして,いばらの茂みの中にとどまる方+からの是認をもって。
34 次いでモーセは,モアブの砂漠平原からネボ山へ+,ピスガの頂へ上って行った+。それはエリコに面する位置にある+。そしてエホバは彼にその全地を見せてゆかれた。すなわち,ギレアデをダン+に至るまで,2 また全ナフタリ,エフライムとマナセの地,そしてユダの全土を西の海に至るまで+,3 さらに,ネゲブ+と“[ヨルダン]地域*+”,やしの木の都市であるエリコ+の谷あい平原をゾアル+に至るまでである*。
4 そしてエホバは彼にこう言われた。「これが,わたしがアブラハム,イサク,ヤコブに誓って,『あなたの胤に与える+』と言ったその土地である。わたしはあなたが自分の目でそれを見るようにした。あなたはそこに渡っては行かないからである+」。
5 その後,エホバの僕*モーセ+は,エホバの指示のとおり,そのモアブの地で死んだ+。6 そして[神]は,ベト・ペオル+に面するモアブの地の谷にこれを葬った。今日に至るまで彼の墓を知っている者はいない+。7 そして,モーセは,死んだとき百二十歳であった+。その目はかすまず+,その生気は失われていなかった+。8 そしてイスラエルの子らは,モアブの砂漠平原で,モーセのために三十日泣き悲しんだ+。ようやくモーセのための喪の泣き悲しみの日々は終わった。
9 さて,ヌンの子ヨシュアは知恵の霊に満ちていた+。モーセが手を彼の上に置いたからである+。そして,イスラエルの子らは彼に聴き従い,エホバがモーセに命じたとおりに行なっていった+。10 しかし,エホバが顔と顔を合わせて知った+モーセのような預言者はいまだイスラエルに起きていない+。11 エホバが彼を遣わして,エジプトの地でファラオとそのすべての僕とその全土に対して行なわせたすべてのしるしと奇跡+,12 またモーセが全イスラエルの目の前で示したすべての強い手と大いに畏敬すべきすべての事柄の点で+[彼に並ぶ者はいなかった]。
「スフ」,マソ本,サマ五,シリ訳; 七十訳バグスター,ウル訳,「紅海」。七十訳バグスターとウル訳は,ヤーム(「海」)がスーフから脱落し,元々はヤーム スーフ(「紅海」)と読んだと理解したものと思われる。もしそうであれば,紅海の,アカバ湾として知られている部分を指していることになる。
または,「アラバ」。地溝の一部で,紅海のアカバ湾まで南に延びている地域。
「これは……言葉(事柄)である」。ヘ語,エーッレ ハッデヴァーリーム。モーセのこの5番目の書は,ヘブライ語では,これら冒頭の語をもってその書名としている。七十訳とウル訳はこの書の名称を「申命記<デュウトロノミー>」としている。(ギ語,デウテロノミオン,「二番目の律法」,すなわち,律法の説明という意味[5節参照]; ラ語,デウテロノミウム)17:18の脚注と比較。
または,「砂漠平原」。
または,「低地」。
または,「南」,すなわち,約束の地の南部。
または,「子孫」。
「の長」。ヘ語,サーレー。
「聴問を行なうとき」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
字義,「顔(複)を識別してはならない」,すなわち,偏り見てはならない。
字義,「エホシュア」,マソ本,サマ五; ギ語,Ἰησοῦς(「イエス」); シ語,エーシューア。創 49:18,「救いを」の脚注参照。
「セイルに」,マソ本,サマ五; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「セイルから」。
または,「怖ろしい生き物」。
「道路」,マソ本,サマ五,七十訳; ウル訳,「公道」。
「子ら」,マソ本欄外,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳。
「シルヨン……セニル」。これらの名称はシリアのラス・シャムラで発見されたウガリット文書,およびトルコのボガズキョイから出た文書の中に出ている。
または,「黒玄武岩の石棺」。アラブ人は今でも玄武岩のことを鉄と言う。
1キュビトは44.5㌢に相当した。
「半分(を)」,マソ本,七十訳,シリ訳; ウル訳,「半分まで」。
「それらバシャンの村々を」。字義,「それら,バシャンを」。
「ヤイルの天幕村」(複)の意。
または,「砂漠平原」。
「勇士」。字義,「能力の子ら」。
「神」。マソ本,サマ五(ヘ語),エール; ギ語,テオス; ラ語,デウス。
または,「わたしに対して憤怒を抱かれ」。
「ペオルのバアル」。または,「バアル・ペオル」。
「神々」。ヘ語,エローヒーム。『近い』という意味の複数形の形容詞ケローヴィームが後に続いている(ウル訳も同じ); 七十訳,「神」,単数形の形容詞を伴っている。
字義,「息子たちとあなたの息子たちの息子たち」。
七十訳は,「あの集会[ギ語,エックレーシアス]の日に」を付け加えている。七十訳においてこの語が最初に出て来る箇所。
または,「集めよ」。ギ語,エックレーシアソン; ラ語,コングレガー。
字義,「天の心に」。
「十の言葉(デカローグ)」,一般に十戒と呼ばれている。ヘ語,アセレト ハッデヴァーリーム; ギ語,デカ レーマタ,「十のことば」; ラ語,デケム ウェルバ。10:4の脚注; 出 34:28,「言葉」の脚注参照。
「それらに仕え(それらを崇拝し)」。ヘ語,ワアヴァドターム; ギ語,ラトレウセーイス,「あなたは神聖な奉仕をささげ」。出 3:12の脚注参照。
または,「その相続の民」。
「全き専心を要求する神」。マソ本,サマ五(ヘ語),エール カンナー; ギ語,テオス ゼーローテース。
「あなた」,マソ本,七十訳; サマ五,シリ訳,古ラ訳,ウル訳,「あなた方」。
「人」。ヘ語,アーダーム。
「神」,マソ本,ウル訳; サマ五,七十訳,「生ける神」。
「その(彼らの)後の胤」,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳; マソ本,「その(彼の)後の胤」。
または,「諭し; 勧告」。
「シーオン」,マソ本,サマ五,七十訳,ウル訳; シリ訳,「シルヨン」。3:9の脚注参照。
「言葉」(単),マソ本; サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳,「言葉」(複)。
または,「わたしを無視して」。
「自分のために彫刻像を,すなわち……いかなる形も」,マソ本; サマ五,タルエ,七十訳,シリ訳,ウル訳,61のヘブライ語写本,および出 20:4,「自分のために……彫刻像や形も」。
または,「導かれてそれを崇拝したり; 導かれてそれに神聖な奉仕をささげたり」。ヘ語,トオヴデーム; ギ語,ラトレウセーイス。
「全き専心を要求する神」。または,「ねたむ(熱心な)神; 対抗するものを容認しない神」。4:24の脚注参照。
または,「子供に」。
「子に,(そして)三代,四代に」,マソ本; サマ五,タルエ,七十訳,シリ訳,ウル訳,57のヘブライ語写本,および出 20:5,「子にもたらして三代,四代に」。
字義,「第三,第四の[生まれた]者たちに至るまで」。創 50:23の脚注参照。
または,「忠節な愛」。
または,「偽りのために」,20節と同じように。または,「無駄に」。
または,「発音してはならない」,もしくは,「持ち上げて(担って)はならない」。
「守って」。ヘブライ語ではこれは命令法ではなく,動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
「あなたは……務めをなし」。または,「あなたは……働き」。ギ語,エルガーイ。
「あなたは……してもならない」,マソ本,ウル訳; サマ五,七十訳,シリ訳,および出 20:14-17,『あなたは……してはならない』。
「仲間の者」。または,「あなたの友」。七十訳,ウル訳,「あなたの隣人」。
「あなたは……欲しても[ヘ語,タハモード]……利己的に慕い求めては[ヘ語,ティトアッウェ]」。この10番目のおきての中ではヘブライ語の二つの異なった動詞が用いられているが,出 20:17では初めの動詞だけが用いられている。アウグスティヌスはこれら二つの異なった動詞に基づいてここを二つのおきてに分け,代わりに最初の二つのおきてを一つにまとめている。出 20:17の脚注参照。
または,「長老たち」。
「生ける神」。ヘ語,エローヒームの後に,「生ける」という意味の複数形の形容詞ハイイームが続いている; 王二 19:4,16およびイザ 37:4,17では,「神」の後に単数形の形容詞「ハイ」が続いている。これはこの称号が最初に出て来る箇所。
「彼らが……よいのである」。字義,「だれが与えようか。そして,彼ら……」。
「地に関し……あなたに」。字義,「地を……あなたに」,マソ本,サマ五; 七十訳,「地をあなたに与えると……」; シリ訳,「地をあなたに与えると……あなたに」。
または,「エホバはわたしたちの神,エホバはただひとりである[または,ただひとりのエホバがおられる」。字義,「わたしたちの神エホバはひとりのエホバ[である]」。ヘ語,エフワー エローヘーヌー エフワー エハード。
「の戸口の柱」。ヘ語,メズーゾート(複),現代のユダヤ語「メズーザ」の起こり。出 12:7,「戸柱」の脚注参照。
「仕え(崇拝し)」。ヘ語,タアヴォード; ギ語,ラトレウセイス,「あなたは神聖な奉仕をささげ」。出 3:12の脚注参照。
「試み; 試練」の意。
または,「アシェリム」。
「忠実な神」,マソ本(ヘ語,ハーエール ハンネエマーン),サマ五; ギ語,テオス ピストス; ラ語,デウス……フィデーリス。付録1ト参照。
または,「忠節な愛」。
「失意の気持ち」。出 23:28およびヨシュ 24:12の脚注参照。
「滅びのためにささげられたもの」。ヘ語,ヘーレム; ギ語,アナテーマ,ラ語,アナテマ,「のろわれたもの」。ガラ 1:8の脚注参照。
「や水の深み(大量の水)」。ヘ語,ウーテホーモート,複数形,サマ五も同じ。
または,「火の蛇; 炎症を起こさせる蛇」。七十訳,「刺す蛇; かむ蛇」; ウル訳,「息が火の(燃える)蛇」。
字義,「と戦士」。ヘ語,ウェアクラーヴ; ラ語,エト スコルピオ。
「会衆」。ヘ語,ハッカーハール; ギ語,エックレーシアス。4:10,「あなたが」の脚注参照。
七十訳,シリ訳,ウル訳による; マソ本,サマ五,「その上には……すべての言葉と[同じ]ものがあった」。
または,「考えられた」。
「主権者なる主エホバよ」。ヘ語,アドーナーイ エフウィ。付録1ホ参照。
または,「ご自分の相続財産」。
「その地」,単数形。しかし,ヘブライ語では「言う」という動詞の複数形を伴っている。サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳,「その地の住民」。
「十の言葉」,すなわち,命令の言葉,おきて。ヘ語,アセレト ハッデヴァーリーム; ギ語,デカ ログース,「十戒<デカローグ>」; ラ語,ウェルバ デケム。4:13の脚注; 出 34:28,「言葉」の脚注参照。
「とどまっていた」。字義,「立った」。出 9:16,「させておいた」の脚注と比較。
または,「こわく」。
「神の神」。または,「神々の神」。マソ本,サマ五(ヘ語),エローヘー ハーエローヒーム; ギ語,テオス トーン テオーン; ラ語,デウス デオールム。
「主の主」。または,「主たちの主」。ヘ語,ワアドーネー(卓越を表わす複数形)ハーアドーニーム; ギ語,キュリオス トーン キュリオーン; ラ語,ドミヌス ドミナンティウム,「支配している者たちの主」。
「神」。または,「[まことの]神」。マソ本,サマ五(ヘ語),ハーエール; ギ語,ホ テオス; ラ語,デウス。付録1ト参照。
または,「贈り物」。
「これこそあなたが賛美すべき方」。字義,「彼はあなたの賛美」。
または,「自分の足で水をやらねば」,すなわち,水揚げ車を踏み,あるいは水路を切り開くなど,何らかの形で足の力によって。
「わたし」,マソ本,シリ訳; サマ五,七十訳,ウル訳ク,「彼」。
字義,「早い(先の)雨と後の雨」。
「まで」。字義,「そして(レバノン)」,マソ本,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳。
字義,「後方の」,すなわち,東を向いたときの後ろ側。
サマ五は,「モレの大木林」の前に「シェケムの前にある」を加えている。
または,「彼らのアシェリム」。
「それをとどまらせる場所」。または,「ご自分の住まいとされる場所」。
または,「什一」。
または,「あなた方の手が得たすべてのものについて」。
「門」(複),マソ本,サマ五,七十訳; シリ訳,ウル訳,「諸都市」。
「あなたのすべての門」(複),マソ本,サマ五; 七十訳,「それぞれの都市」(単); シリ訳,ウル訳,「あなたの(すべての)都市」(複)。
または,「境界」。
または,「その神々をどのように崇拝していたのか」。4:19の脚注参照。
マソ本と七十訳はここで12章が終わっている。
字義,「あなたの懐の妻」。
「どうしようもない者たち」。字義,「人々,ベリアル(無価値)の子ら」。
「禁令によって神聖にされたもの」。ヘ語,ハヘーレム; ギ語,トゥー アナテマトス,「のろわれたもの」。ガラ 1:8の脚注参照。
字義,「あなた方の目の間」,すなわち,まゆをそって。
「れいよう」。ヘ語,ウェディーショーン。この動物をバイソンと同定する人々もいる。
「シャモア」。ヘ語,ワーザーメル。跳びはねる動物,多分ガゼルの一種。
字義,「食い戻しを吐く; 吐き戻す」。
字義,「砕く者」,猛きんの一種。
「あかとび」,サマ五,七十訳,およびレビ 11:14。ヘブライ語の用語は,その飛び方に急降下や突進という特色のある鳥,つまり猛きんを暗示している。
「とび」。ヘ語,ウェハッダイヤー。同定されていない汚れた鳥。
「の類」。ヘ語,レミーナーハ。創 1:11の脚注参照。
「だちょう」。ヘ語,バト ハイヤアナー。「貪欲な者の娘」または「不毛の地の娘」という意味に解されている。
「よたか」,七十訳,ウル訳。
「とき」,七十訳,ウル訳。
「死んでいたもの」,すなわち,死体で発見された動物。
「売られるかもしれない」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
または,「什一」。
字義,「彼」,マソ本,シリ訳,ウル訳; サマ五,七十訳,「あなたの神エホバ」。
字義,「自分の手の債務を所有するすべての者」。
「免除が行なわれる」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
字義,「免除を人(彼)は告げるのである」。
「都市」(複),七十訳,シリ訳; マソ本,サマ五,「門」(複); ウル訳,「あなたの都市の門(複)の内で」。
「免除の年」。ラ語,アンヌス レミッシオーニス。
または,「ベリアル(無価値)の言葉」。
または,「あなたの地にいるあなたの兄弟,苦しむ者,貧しい者に対して」。
「守るように」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
「酸い練り粉」。または,「イースト」。
「都市」,七十訳,シリ訳,ウル訳; マソ本,「門」。修辞的表現法の提喩で,部分(門)が全体(都市)を表わすために用いられている。
「聖会」。ギ語,エクソディオン; エジプトからの脱出を記念する祭りの日。
または,「都市」。ウル訳,「門」(複); 七十訳,シリ訳,「諸都市」。
「聖木」。または,「アシェラ」。
または,「証人の陳述」。
字義,「血と血の間,法的な請求と法的な請求の間,また暴虐行為と暴虐行為の間」。
字義,「祭司つまりレビ人たちの前からこの律法の写しを」,マソ本; 七十訳,「祭司つまりレビ人たちによる(から出る)このデウテロノミオン(二番目の律法)を」; ウル訳,「レビの部族の祭司たちから原本を取り(受け取り),この律法のデウテロノミウムを」。1:1,「言葉である」の脚注と比較。
「自分(彼)」,マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「自分たち(彼ら)」。
「エホバ」。ヘ語,エフワー。西暦前1世紀のパピルス断片,七十訳パピ写,ファド266号の中では,ギリシャ語本文中にヘブライ語の方形文字で記された四文字語<テトラグラマトン>が出ている。付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
字義,「自分が父祖たちにしたがって売るものについては別である」。
レビ 19:31の脚注参照。
または,「お許しに」。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
または,「切る」。
「血の復しゅう者(買い戻し人<ゴーエール>)」。ヘ語,ゴーエール ハッダーム; ウル訳,「血が流された者の隣人」。
「彼の魂を打って死なせる」。字義,「魂まで彼を打つ」,マソ本; 七十訳,ウル訳,「彼の魂を打つ」。
付録1ハ§1参照。
「血の罪」。字義,「血」(複)。ヘ語,ダーミーム。
6節,「復しゅう者」の脚注参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「の長たち」。ヘ語,サーレー。
「指導者たちが……話し終えたなら,戦闘を行なうために,各々が自分のくさび形の分隊を用意する」,ウル訳。
付録1ハ§1参照。
「息あるものをいっさい」,七十訳; マソ本,サマ五,シリ訳,「息をいっさい」。
付録1ハ§1参照。
「あなたの攻囲すべき」。字義,「あなたの前で攻囲の中に入るべき」。
または,「下る」。
付録1ハ§1参照。
次のように読むのかもしれない,「かけ合わせた(つがわせた; はらませた)ことも」,訂正により。VT,第2巻,1952年,356ページ参照。
「あらゆる暴虐行為をめぐるいっさいの論争」。字義,「あらゆる論争とあらゆる暴虐行為」。二詞一意の一形。創 3:16の脚注と比較。
付録1ハ§1参照。
「太陰月まる一月のあいだ」。字義,「日々の一太陰月」。
「その魂の望みどおりに」,マソ本(ヘ語,レナフシャーハ),サマ五,シリ訳。または,「彼女自身の望みどおりに; 彼女の願うところへ(行かせ)」。七十訳,ウル訳,「自由に」。
または,「乱費ぐせで」。
字義,「木」。
字義,「神の呪い[具象的な意味で]だから」。
または,「それから身を隠しては」。
「聖なる所のために没収される」。字義,「聖なるものとなる」,すなわち,聖なる所の分となる。ヘ語,ティクダシュ。
または,「軽んじる」。
「銀百シェケル」,ウル訳; マソ本,サマ五,「銀百枚」; 七十訳,「百シェケル」。価格の算定は付録8イ参照。
字義,「彼女を去らせる」。
「所有される」,すなわち,妻として。
「銀五十シェケル」,ウル訳; マソ本,「銀五十枚」; 七十訳,「銀五十ディドラクマ」。
マソ本,サマ五,七十訳はここで22章が終わっている。
または,「父の妻と寝ることのないため」。
「の会衆に」。ヘ語,ビクハル; ギ語,エックレーシアン; ラ語,エックレーシアム。
「アンモン人とモアブ人」,男性形。男子についてのみ言及しているのであろう。
「メソポタミア」,七十訳; ウル訳,「シリアのメソポタミア」; マソ本,サマ五,シリ訳,「アラム・ナハライム」。
付録1ハ§1参照。
または,「について尋ねては」。
または,「イドマヤ人」。
または,「ひ孫として彼らに」。
または,「陣営の外に屋外便所を」。
または,「あなたの道具類に付けて」,マソ本; 七十訳,ウル訳,「あなたの帯に付けて」。
字義,「あなたの中に裸をご覧になり」。
「その主人」。ヘ語,アドーナーウ。卓越を表わす複数形。
字義,「あなたの門の一つ」。
「神殿男娼」。または,「稚児」。性的倒錯のために囲われた少年。
または,「売春婦」。ギ語,ポルネース。
「男色者<ペデラスト>」; 特に少年を相手として肛門性交を行なう者のことかもしれない。
「自分の魂[自分自身]を……だけ」。マソ本,サマ五,(ヘ語),ケナフシェカー; ギ語,プシュケーン スー; シ語,ナフシャーク。
「何かみだりな点」。字義,「物の裸」。
付録1ハ§1参照。
「だれも……べきではない」,マソ本,サマ五; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「あなたは……てはならない」。
「魂(生計のもと)を……からである」。ヘ語,キー・ネフェシュ; ギ語,プシュケーン; ラ語,アニマム。
付録1ハ§1参照。
「覚えておくように」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
マソ本,サマ五,ウル訳による; 七十訳,シリ訳,「死ぬべきではなく」。
マソ本,サマ五による; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「死ぬべきである」。
または,「大枝から[オリーブを]たたき落としては」。
字義,「邪悪な者が打ちたたきの子であれば」。
「これと義兄弟(レビレート)結婚を行な(う)」。ヘ語,ウェイッベマーハ。
字義,「手のひら」。
字義,「自分の袋の中に分銅と分銅」。
字義,「自分の家の中にエファ升とエファ升」。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
24:9,「覚えておくように」の脚注参照。
付録1ハ§1参照。
「あなたの」,マソ本,サマ五,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「わたしの」。
字義,「わたしの父は滅びゆこうとするアラム人でした」,マソ本,サマ五; シリ訳,「わたしの父はアラムへ導かれて行きました」; 七十訳,「わたしの父はシリアを捨て去りました」。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「什一の年」,マソ本,サマ五,シリ訳,ウル訳; 七十訳はこれを「二番目の十分の一」とし,この句を「三年目にあなたの産物の十分の一を……たなら,あなたは二番目の十分の一をレビ人……に与える」と読んでいる。
または,「自分の禁忌の状態においても」。
付録1ハ§1参照。
「守るように」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「エバル」,マソ本,七十訳,シリ訳,ウル訳; サマ五,「ゲリジム」。
付録1ハ§1参照。
または,「それをよく説明しなければならない」; または,「それをよく説明することがなされるべきである」。ヘブライ語ではこの句は二つの動詞から成り,いずれも不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。
字義,「あなたは……となるようにされた」。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
または,「そうなるように!」 ヘ語,アーメーン。
字義,「受け取って,罪のない血の魂を打つ」,マソ本,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「剣」,マソ本,シリ訳; 母音符号を一つ変えることにより,「日照り; 干ばつ」; ウル訳,「暑さ」; 七十訳バチ写は省いている。
字義,「地」。
「手」(複),シリ訳,および46のヘブライ語写本; マソ本,サマ五,七十訳,ウル訳,「手」(単)。
または,「音を立てる軍勢」。七十訳,ウル訳,「さび」。
または,「楽しみと満足」。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
字義,「そしてあなたの命はあなたにとって必ずや向こう側につるされたものとなり」。
字義,「だれが晩を与えてくれるのか」。
字義,「だれが朝を与えてくれるのか」。
マソ本,サマ五,七十訳ではこの節が69節となっており,ここで28章が終わっている。
付録1ハ§1参照。
または,「知る知力」。
付録1ハ§1参照。
七十訳,シリ訳による; マソ本,サマ五,「あなた方の頭たち,あなた方の諸部族」; ウル訳,「あなた方の君たちと諸部族」。
または,「まきを切る者」。
創 24:41の脚注参照。
付録1ハ§1参照。
「誓い」。または,「誓いで固めたのろい」(単),ヘブライ語の修飾語「記される」は単数形。字義,「(誓いで固めた)のろい」(複)。
付録1ハ§1参照。
または,「秘められている事柄はわたしたちの神エホバに属しており,また啓示された事柄も。この律法のすべての言葉を果たし行なうことは定めのない時にわたってわたしたちとわたしたちの子らとに属している」。アレポ写とレニングラードB19Aでは「わたしたちとわたしたちの子らとに」の語の上に,またアレポ写ではそれに続くヘブライ語の前置詞の最初の子音字の上に特殊符号が付いている。ある人々は,それらの語を省く,ないしは強調しないという意味に理解している。しかし,これらの語は西暦前1世紀の七十訳パピ写,ファド266号の中には記されている。特殊符号が付いた15か所のうちの一つ。付録2イ参照。
または,「捕囚」,すなわち,捕らわれ人の一団。
付録1ハ§1参照。
「もしあなたが……あなたの神エホバのおきてに聴き従って」,七十訳; マソ本,サマ五,シリ訳,ウル訳は角かっこ内の言葉を省いている。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「ヨシュア」。ヘ語,エホーシュア,「エホシュア」; ギ語,Ἰησοῦς(「イエス」); シ語,エーシューア; ラ語,イオスエ。
「あなたがこの民を……に携え入れる」,サマ五,シリ訳,ウル訳,および五つのヘブライ語写本; マソ本,「あなたがこの民と共に……に入る」; 七十訳,「あなたがこの民の顔の前を行って……に入る」。23節と比較。
「見る」,マソ本の母音符号の打ち方を訂正することによる; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「(エホバの)み前に出る」。16:16と比較。
字義,「その耳に」(複)。
または,「入って淫行を犯し」。
字義,「わたしの」,マソ本,サマ五。
または,「誓いをもって約束した」。
「自分が誓った」,マソ本; 七十訳,シリ訳,「自分が彼らの父祖たちに誓った」; サマ五,「自分が彼の父祖たちに誓った」; ウル訳,「自分が彼に誓った」。
「受け取って」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
付録1ハ§1参照。
「の全会衆」。ヘ語,コル・ケハル; ギ語,エックレーシアス。
付録1ハ§1参照。
「岩なる方,そのみ業は完全」。ヘ語,ハッツール ターミーム ポオロー; 七十訳,「神,そのみ業は真実」; シリ訳,「そのみ業はきず(汚点)がないからである」; ウル訳,「神のみ業は完全」。
「神」,マソ本(ヘ語,エール),サマ五; ギ語,テオス; ラ語,デウス。
「彼らは」,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳; マソ本,「彼は」。
または,「彼らはその方に対して破滅的に行動した」。
「彼らは罪をおかした。責められるべき子供らはこの方のものではない」,七十訳。
付録1ハ§1参照。
「至高者が諸国民を分けておられた時」,七十訳,シリ訳,ウル訳。明らかにこれらの訳は,ヘブライ語動詞を,「ふるい分ける; ふるいに掛ける」という意味の,よく似た動詞の変化形と理解したものと思われる。それにしたがえば,マソ本はこう読める。「至高者が諸国民を[ふるいに掛けるようにして]振り分けられた時」。この考えは後続の句と並行関係もしくは詩的均衡を保っている。VT,第2巻,1952年,356,357ページ参照。
または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。
「人のいない」。または,「特色のない」。ヘ語,ウーヴェトーフー。創 1:2と同じヘブライ語の名詞。
「神」。マソ本,サマ五(ヘ語),エール; ギ語,テオス。
「それによって彼は……を食べた」。または,「そして彼は……を食べ続けた」,マソ本; ウル訳,「彼が……を食べるようにされた」; サマ五,「彼に……を食べさせた」; 七十訳,「彼らに……を食べさせた」。
または,「凝乳」。
「ぶどう酒」。ヘ語,ハーメル,すなわち,発酵中で,まだ泡立つぶどう酒。
「廉直な者」の意; イスラエルの名誉称号。ヘ語,エシュルーン。
「そしてヤコブは食べて満ち足り,その愛された者はけり足を挙げた」,七十訳(サマ五も同様); ウル訳,「その親愛な者は肥え太ってけり足を挙げた」。
「神」,マソ本,サマ五。ヘ語,エローアハ。エローヒームの単数形が最初に出て来る箇所; ギ語,テオン; ラ語,デウム。ヨブ 3:4の脚注参照。
「の岩」。ヘ語,ツール; 七十訳,ウル訳,「神」; シリ訳,「強い(強大な)方」。
「神にではなく」。ヘ語,ロー エローアハ; ギ語,ウー テオーイ; ラ語,ノーン デオー。
「悪霊(偶像)たちに」。ヘ語,ラッシェーディーム; ギ語,ダイモニオイス; ラ語,ダエモニブス。
「神々」。ヘ語,エローヒーム; ギ語,テオイス; ラ語,ディイース。
付録1ハ§1参照。
字義,「その(彼らの)むなしいもの」。
または,「それは最も低いシェオルにまでも」。七十訳,「下のハデスにまで」。
字義,「奥の部屋では」。
または,「彼らを細かに裂き」。
「我々の手」(単),サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳,および多くのヘブライ語写本; マソ本,「我々の手」(複),しかし単数形の動詞を伴う。
「それを引き渡し」,七十訳。
「それを閉じ込めた」,ウル訳。
「彼らの神々はわたしたちの神のようではない」,七十訳; ウル訳ク,「わたしたちの神は彼らの神々のようではない」。
「そしてわたしたちの敵が裁き人となっている」,ウル訳; 七十訳,「しかしわたしたちの敵は分別がない」。
または,「わたしの蓄えの中に」。
「支えとなるもの」。字義,「手」。
字義,「抑えられた者や去らせられた(見捨てられた)者だけ」。VT,第2巻,1952年,371-374ページ参照。
「彼らの神々」。マソ本,サマ五(ヘ語),エローヘーモー,複数形; ギ語,テオイ; ラ語,ディイー。
「言われる。『彼らが信頼を置いた彼らの神々はどこにいるのか』」,七十訳; ウル訳,「言われる。『彼らが確信を抱いていた彼らの神々はどこにいるのか』」。
または,「また生き長らえさせる」。
または,「永久に」。
「きらめく剣」。字義,「剣の稲妻」。
または,「捕囚」,すなわち,捕らわれ人の一団。
または,「敵の,髪の長い頭をもって」。
「天よ,[神]と共に喜べ。神のすべての使いたちは[神]を崇拝せよ。諸国民よ,[神]の民と共に喜べ。神のすべての子らは[神]にあって自らを強くせよ」,七十訳バグスター。ヘブ 1:6; 死海文書クム4申qと比較。
「ご自分の民の地のために」,サマ五,七十訳,ウル訳; マソ本,「ご自分の地のため,ご自分の民のために」; シリ訳,「ご自分の地のため,またご自分の民のために」。
「救い; 救出」の意; ヨシュアの元の名。
字義,「民の耳に」。
または,「今日証しとして」。
または,「境界地」。
「あなた方が……わたしを神聖なものとしなかった(神聖なものとみなさなかった; 聖なるものとして扱わなかった)」。ヘ語,ロー・キッダシュテム オーティー; ギ語,ヘーギアサテ; ラ語,サンクティフィカースティス。
または,「幾万もの聖なる者たちが」。
または,「そのもとにはカデシュの巨万[の軍]があり,その右にはその戦士たち[または,み使いたち]がいた」。JTS,第2巻,1951年,30,31ページ参照。七十訳,「カデシュの巨万[の軍]と共に。その右にはみ使いたちが共に[いた]」; ウル訳,「そのもとには幾千もの聖なる者たち。その右には火の律法[があった]」。マソ本欄外はヘブライ語を,エーシュ(火)とダート(律法)の二語に分けて,「律法の火」ないしは「火の律法」と読ませている。しかしこれは,ヘブライ語でほかにはエズラ記とエステル記の中にしか出てこないペルシャ語からの借用語ダート(律法)を五書<ペンタテューク>の中に入れることになる。エズ 8:36; エス 1:8参照。
「ご自分の民」,七十訳; マソ本,サマ五,シリ訳,ウル訳,「もろもろの民」,イスラエル人の諸部族またはその先祖たちを指す。
あるいは,「彼の」,集合的な意味で。「民」を指し,これはマソ本では複数形(ヘ語,アンミーム)。
「そして彼らは,あなたの足に従い」と読むのかもしれない。ここのヘブライ語動詞の意味は明確でない。七十訳,「そしてこれらはあなたの下にあり」; ウル訳,「そして彼の足に近づく彼らは」。
「モーセは律法を命令としてわたしたちの上に置いた」。これらの語を欄外注からのものとみなして削除しようとする人々もいる。
「廉直な者」の意; イスラエルの名誉称号。
「その数は満ちる(完全なものとなる)ように」,BHKとBHSの中に提案されている訂正により; 七十訳,「彼は数の点で大いなる者となるように」; ウル訳,「彼は数の点で小さな者となるように」。
「祝福のことば」。1節と一致させて意味をはっきりさせるための挿入。
または,「自分のために闘った」。
出 28:30,「トンミム」の脚注参照。
「あなたの,忠節な愛を抱く人」と読むのかもしれない。
「上なる天のえり抜きのものをもって」,二つのヘブライ語写本。タルオはこの行を,「上の天の露をもって」と読んでいる。創 49:25参照。
または,「バッファロー」。
「また砂の中の隠された宝を」,ウル訳; 七十訳,「また海岸地方に住む者たちとの通商を」。
「ライオンのように」。ヘ語,ケラーヴィー。アジアライオン。
字義,「そして彼は第一のところが自分のものであるのを見る」。ウル訳,「そして彼は最初の場所(優位さ)が自分のものであるのを見た」。
「そこに命令者の割り当て分(受け分)[そこに彼の定められた割り当て分,修正による]が覆われていたのだ。そして彼は民の頭たち[と共に]やって来た」,マソ本; ウル訳,「彼のところには教師がとどめられた(取り置かれた)。……」。
「海とその魚は彼の所有である」と読むのかもしれない。七十訳,シリ訳,ウル訳,「海(西)と南を彼は相続(取得)するであろう」。
「ゆったりした歩み」。または,「歩み方」。KB3199ページによると,「強さ」。
「の[まことの]神のような」。ヘ語,カーエール。ここで定冠詞「ハー」はヘブライ語の前置詞「ケ」(כ,「のような」)の下の母音符号によって示されており,両者が合わさって「カー」という形になっている。この形は名詞「神」に特別の強調を置くもので,ここでは「[まことの]神」と訳されている。ヘブライ語文法書の「前置詞」の項; 付録1ト参照。
「雲の空を進んでその卓逸性を示される」。七十訳,「また天空の荘厳な方」; ウル訳,「その荘厳さによって雲は揺れ動く」。
「の上に」,サマ五; マソ本,「に対して(のために)」。
または,「あなたに従順をよそおい」。
全イスラエルに対する祝福のことばの中にシメオンの部族は名を挙げられていないが,レビは名を挙げられ,またヨセフから出たエフライムとマナセの二部族も名を挙げられて,部族の数はやはり12となっている。
「“[ヨルダン]地域”」。または,「“盆地”」。創 13:10,「地域」の脚注と比較。
1節後半から3節までの「そしてエホバは彼に……ゾアルに至るまでである」の部分をサマ五はこう読んでいる。「そしてエホバは彼にその全地を見せてゆかれた。すなわち,エジプトの川から大川,ユーフラテス川まで,また西の海までを」。11:24; 創 15:18と比較。
または,「奴隷」。