世界展望
珍しい鳥
◆ アメリカに産するひれあし科の水鳥の一種がからだについている袋にひなを入れて運ぶ事実が最近発見され,鳥類学者を大いに驚かせた。その一つはメキシコの人里離れた所で観察された。巣に近づくと,巣を守っていた雄は飛び立つや,近くの川の中に飛び込み,水中を泳いで逃げようとした。船頭がその鳥をつかまえていると,鳥のわき腹の左右に翼にかくれてひとつづつ袋があり,その中にひながいた。親鳥が水中を泳いでも,ひなはなんともなかった。
事前の地震警報
◆ 明らかに,大きな地震の起きる前には間欠泉の噴出の頻度が増すようである。アメリカのイエローストーン国立公園では,その地方で大きな地震が起きる2年ないし4年前から,オールド・フェイスフルという間欠泉で噴出度数の増加が観察された。はるか遠方の地震のひずみでさえその間欠泉に影響するようであり,1964年にアラスカを襲った大地震の前がそうであった。
大学卒の就職難
◆ 最近アメリカでは,就職できない大学卒業生のあいだで問題が深刻化している。約19年間学校に行って博士号を得たひとりの化学者の場合はその良い実例である。彼が250通の就職申込書を出したところ,そのほとんどの返事は雇わないというものだった。大学の教職の空席23を埋めるため,昨年6月に化学者を求人したところ,819人の申込者があり,そのすべては博士号を持っていた。
ロック音楽の影響
◆ 最近,ローマのある祭りで14の楽団がロック音楽を演奏したところ,付近のニワトリ5,000羽が狂乱しておりの棚に殺到し,200羽が下敷きになって死んだ。
食糧をくさらせても損をしない
◆ カナダの,1971年10月2日付トロント・デーリー・スター紙の報道によれば,カナダの大草原の農夫たちは,「何千トンものばれいしょを畑で凍って腐るままにしておいて損をしない」のだという。その理由が生産過剰であることはいうまでもない。地球の他の土地では何百万もの人々が飢えている時に,食物をそのようにして腐らせるのは残念なことだ。これは,現在の経済体制の悪影響の一つである。
乗客審査の驚くべき結果
◆ 最近アメリカでは,飛行機の乗取りを図りそうな人物を発見するため,乗客の審査が行なわれている。そのため昨年1年間に,他の理由で1,500名が逮捕されるという驚くべき結果が出た。その中には,法律で禁じられている麻薬の保持者,けんじゅうやナイフを持ち込もうとした者,密入国者,逃亡者などがいた。
霊媒からの警告
◆ 最近,ある英国人の霊媒は,おもちゃとして市販されている霊応盤に注意するよう英国民に警告した。それによれば,霊応盤遊びは「悪い霊的実在者」と交信する道を開き,「回復不可能な脳障害」を引き起こすという。その霊媒が警告を出すことにしたのは,霊応盤による体験を憂慮する親や子どもたちからひんぱんに電話を受け取ったためである。
姿を消す,カトリック系の刊行物
◆ 1971年10月31日付のニューヨーク・サンデー・ニュース紙の報道によれば,1965年以来180種のカトリック系刊行物が発行を停止していることが注目されている。残りの刊行物の多くは発行部数の減少に直面しながらなんとか発行されているにすぎない。
司祭職を望むスペイン人の減少
◆ スペインのバルセロナの新聞,エル・ノチシェロ・ユニバーサル紙1971年11月2日付は,スペインの神学者の平均数が実質的には減少していると報じた。1962年から1971年にかけて,司祭になることを希望するスペイン人は48%減少した。司教管区によっては,80%ないし90%も減少したところがある。
喫煙は殺し屋
◆ 英国の,保健および社会安全局の医療担当主任,ジョージ・ゴドバーによれば,45歳から64歳のあいだで死亡した英国の男性の4分の1の死因は喫煙であるという。「英国の,喫煙が関係した病気による死亡者数は世界で最も高い部類にはいる」と同氏は語った。
ドイツにおける麻薬
◆ 1971年8月26日付のジャーマン・トリビューン紙に掲載されたある報告によれば,17歳から19歳までの若者20人につきひとりは,少なくとも一度,大麻をためしたことがあるという。大麻をためす気持ちがあるかとの問いに,ドイツのこの年齢層の若者のうち63%は,ためしてみたいと思うと答えた。
教会会議で確認された童貞制
◆ 聖書はどこにおいてもクリスチャンに童貞を課していないという事実を無視して,最近バチカンにおいて開かれた第3回司教会議は,司祭の童貞制の教理を再確認した。これに反して,聖書は,「終わりの日」に「虚偽をいふ者」があらわれ,『良心を焼金にて烙かれ,婚姻するを禁じ,食を断つことを命ず。されど食は神の造り給へる物にして,感謝して受くべきものなり』と予告している。―テモテ前 4:2,3。
「死の接吻」
◆ 19歳と21歳の,フィリピンのふたりの少女にとって,輸血は,フィリピン総合病院血液銀行主任のいう,「死の接吻」になった。このふたりの少女は簡単な手術を受けて出血しはじめた。ふたりは輸血が施されるとただちに,拮抗する血液のためにふつう見られる症状があらわれて死亡した。
光線療法
◆ 黄胆の退治に光線がきくことを認めはじめる医師はふえている。医学雑誌CMDの1971年10月号に掲げられた一記事の中で,J・エドムンド・ブラッドレー教授はこう語っている。「おとなばかりでなく,人間の幼児に対する光線とその影響に関する研究はほとんど,皮膚や眼など,我々が見える部分に限られていた。そうした光線は,表われている皮膚ばかりでなく体組織のずっと内部にまで重大な影響を及ぼすことが,動物実験によって示されている」。特に興味深いのは,光線が赤ん坊のおおだんにきくことである。同記事は,青い光がおおだんにかかった赤ん坊のビリルビンの量を低めるのに高い効果を持つことについて解説し,人工的な青い光より明かるい太陽光線の方がいっそう効果的であると述べている。