世界展望
失業者の数
◆ 国連の一機関である国際労働機構(ILO)は,1975年12月に23か国で1,800万人の失業者がいたことを伝えている。調査の対象となったのは,オーストラリア,カナダ,日本,ニュージーランド,米国,それにソ連圏を除くヨーロッパの18か国であった。同年12月の失業率は,1930年代以来最高であった。
危険な職業
◆ 米国では,消防が最も危険な職業とされている。パレード誌は国際消防士協会による最新の年次調査に基づいて,1974年に殉職した消防士は10万人につき84人であることを伝えている。二番目に死亡率が高いのは鉱山業で,10万人につき71人の割合であった。警官は第三位で,10万人につき51人が殉職した。
変化しなかった血球
◆ 米国ミシガン州デトロイトのウェーン州立医科大学と共同研究する一研究チームによって,最近エジプトのミイラの解剖が行なわれた。白血球がそのままミイラの中に見いだされたのは,今回が初めてであった。赤血球は,以前にもミイラの体内で観察されたことがあった。その上研究員たちは,約2,200年前のものと言われるこのミイラの体内で,赤血球と白血球が組織上変化せずに残っているのを発見した。しかもこれらの血球は,今生きている人間のものと異なってはいなかった。病理学の準教授ジャンヌ・M・リドル博士は次のように語っている。「今日これらの血球を見て,自分の血液中の血球の型を見分けるのに用いるのと同じ組織基準でそれらを判別することができる」。
より耐久性のある泥のれんが
◆ 伝えられるところによると,地球上の人間の半数は,大抵日光で乾燥させたれんがなど泥を用いて自分で作った家に住んでいる。しかしこれらの家は,れんががすり減り,やがては雨に洗い流されるため,余り耐久性のあるものではない。ところが最近,英国の技師は,雨風に極めて強い泥のれんがを作った。彼らは,アジア産とアフリカ産の土に石灰を混ぜると,はるかに耐久性のある泥のれんがができることを発見した。その新しいれんがによって,開発途上国における住宅不足は恐らく緩和され,しかもそれによって建築費が大幅に増すこともないであろうと言われている。
ミツバチどろぼう
◆ 米国西部のある地域では,ミツバチの盗難がひん発するようになった。どろぼうは,幾千匹も群がるハチを巣箱ごと持って行く。近年,はちみつの価格が急騰しているので,ミツバチを盗めばもうかるという訳である。また,ある種の作物の受粉を促すためにも,ミツバチの需要は大きい。カリフォルニア州の場合1972年には300のミツバチの巣箱が盗まれたのに対し,昨年はほぼ3,000の巣箱が持ち逃げされたことからも,ミツバチどろぼうが急増したことが分かる。
子供の犯罪
◆ ロンドン警視庁による一調査は,英国の学童がますます重罪,特に強盗を働くようになっていることを示している。1975年にロンドンで起きた強盗の半数以上は,11歳から15歳までの子供によるものであった。ロンドンのデーリー・メール紙はこう書いている。「それらの子供たちが成長して,現在の犯罪率など取るに足りないものとするほどの無法状態を作り出すことをロンドン警視庁は恐れている」。学齢期の子供たちの間に見られるこの犯罪の波に,英国中の警察署長は悩まされているようだ。
死後の命
◆ 西ドイツのアレンスバッヘル世論協会の行なった調査によると,同国では,死後に何らかの形で生命が残ると信じる人の割合が20年前に比べて低くなっている。20年前には全体の42%がそうした考えを持っていたが,現在その数字は36%に減少した。また同調査は,西ドイツでは死後の命を信じる男性が女性に比べて少ないことを示している。
有害なカニ
◆ 大抵のカニは,食用になり健康を損なう危険はない。しかし,米国南カリフォルニア大学のジョン・S・ガースは,食べられない非常に有害なカニを六種ほど発見した。これらはすべて太平洋のはるか沖合に生息すると言われており,色は明るく,斑点がある。それ以外の場所に住む人々は,自分の献立から一切カニを除く必要はない。それでも,ガースは新聞紙上で注意を促しており,バイオサイエンス誌は彼の次の言葉を引用している。「砂洲の沖で生活する,漁師,船乗り,墜落飛行機や難波船の乗組員など,食用として魚類を捕える人々に,これまで知られていなかったこの危険について知らせねばならない」。
潰瘍とコーヒー
◆ 潰瘍患者にとっては,カフェインを除いたコーヒーも普通のコーヒーと同じく余り安心できないかもしれない。米国のペンシルバニア大学で行なわれたある研究から,このことが明らかになった。そのどちらのコーヒーも胃酸の分泌を促すことが分かった。しかし,カフェインだけを普通のコーヒーに含まれるのと同量与えた場合,胃酸の分泌は少なかった。これは,潰瘍のできている人の胃酸がコーヒー中のまだ知られていない成分によって増えることを示唆している。
だれが決定するか?
◆ 米国オハイオ州クリーブランドにあるナショナル・シティ・バンクの首席副頭取,ジェームズ・ドーソンは,大抵の家庭では妻が買物の決定権を持っていると述べた。しかし,例外がある。生命保険,自家用車,アルコール飲料,たばこ等の購入を決める場合がそれである。
ネコ“たたり”
◆ 南日本にある小さな屋久島では,住民一人当たり二匹の割合で野良ネコがいると伝えられている。魚を焼くにおいでもしようものなら,幾十匹ものネコが,魚を盗もうとしてその家にやって来る。それでも迷信に対する恐れから,野良ネコの数を減らす処置は何ら講じられていない。島の人々は,「ネコを殺すと,一生その霊にたたられる」と言う。他の国々では牛やサルが神聖視されており。そのため,非常に大勢の人間が飢えているというのに,それらの動物は好きなだけ食べることを許されている。これは道理にかなっているだろうか。
長寿者の習慣
◆ 米国カリフォルニア大学の一調査は,長生きをする人にはある共通の習慣が見られることを示している。チェンジング・タイムズ誌に次のような例が挙げられている。「男性は八時間,女性は七時間の睡眠を取ること,毎日きちんとした朝食を取り,決まった時間に栄養のある食事をあと二回すること,間食をしないこと,スポーツなどによって定期的に運動すること,アルコール類に節度を保つこと,喫煙しないこと,体重をよく制限すること」。
馬肉のために盗む
◆ 昨年中,米国テキサス州の当局は,馬泥棒に用心するよう馬の所有者たちに注意を促してきた。当局の話によると,盗まれた馬は畜殺場へ売られ,馬肉にされてヨーロッパの国々へ売られる。ヨーロッパのある国々で普通に食用とされる馬肉のステーキは,500㌘で2㌦(約600円)以上もする。ヒューストンの郊外の牧草地から盗まれた一頭の馬は,非常に高価なサラブレッドだった。畜殺場では,それが盗まれたものとはつゆ知らず,この特別な馬を買うために500グラムにつき22セント(約70円)しか払わなかった。畜殺場側は,毎週買う1,300頭の馬のうちどれが盗まれたものかを知る方法はないと述べている。ヨーロッパでの需要があるため,米国からの馬肉の輸出は二年間で六倍に増加した。
妥協しない
◆ 現在,共産国のソ連で宗教はどうなっているのだろうか。1976年3月1日付ニューヨーク・タイムズ紙は「ロシア正教会とバプテスト派全連盟協議会は,国家の監視の下で静かに活動している」と報じ,さらにこう伝えている。「しかしエホバの証人のように認可されていない宗派は……兵役を良心的に拒否するなどして服従することを拒んでいるため苦しめられている。先月,白ロシアの政府機関紙は,西側の出版物である「ものみの塔」から記事を写したり,秘密の礼拝堂を維持していたりしたかどで数人のエホバの証人が有罪とされ,禁固刑を言い渡されたことを報道した」。
科学の宗教
◆ 学校の子供たちが使用している科学の教科書は,どれほど事実に基づいているだろうか。最近,サイエンティフィック・アメリカン誌の一記事は次のような点を認めた。「特に教科書には,専門家でない人々に確実な情報を伝える役目がある。……事実と解釈の区別を強調し,また,直観と推測が実際に科学的概念を発展させるという点を注意深く示唆している教科書は少ない」。「自分の専門外の人々からの挑戦や,批評を望まない科学者」に関してその記事は次のように記している。「そうした科学者たちには,いわば科学上の信仰をもって,批評に答える傾向がある」。
敏速な郵便配達
◆ 近代的な電子装置があっても,ある先進国では郵便の配達は遅い。カナダ,トロントのグローブ・アンド・メイル紙は,中国の大都市の一つ,天津での郵便配達は『アメリカの標準から見れば見事なものである。配達は一日に数回,それも一週間毎日行なわれる』と報じた。街路の郵便ポストに,正午までに投函された手紙は,当日配達されると言われる。午後に郵送されれば,翌朝配達される。約110㌔離れた北京への郵便は,夜行便で郵送される。天津のある郵便局員は次のように述べた。「手紙が人々のところへ遅れずに着くよう,配達員は一日に二回ではなく,現在では三回区域を回る」。もちろん,この都市における郵便の量は,西洋の諸都市に比べてはるかに少ない。
ファシストとの条約
◆ 教皇ピオ十一世とファシスト独裁者ベニト・ムッソリーニ間のラテラン条約締結47周年記念における最近の一般謁見で,教皇パウロ六世は同条約の改正交渉をする用意があると述べた。しかし,ローマ・カトリックの宗教を保護する条項はそのままにしておくべきだとも語った。同教皇は,ムッソリーニと結ばれたラテラン条約によって,「政府とカトリック教会,またイタリア国家と教皇庁との間の関係は明確なものになった」と,感謝の念をもって述べた。
銃から逃れる
◆ 「全米ライフル協会は本部をワシントンから移すことを考慮している」とニューヨーク・タイムズ紙は報じた。なぜだろうか。「一つには,同協会従業員に対する銃と関連のある犯罪のためである」。しかし,銃愛好会の広報担当理事は,「銃の所持を強力に取締れば犯罪が減少するという証拠はだれからも提出されたことがない」と,主張している。一方日本(個人でけん銃を所有することは禁じられている)から寄せられた報告によると,1974年中に1億1,100万人の人々の間で,けん銃が使用されて起きた殺人は37件,同様の強盗は2件であった。約2億1,100万人のアメリカ人の場合をこれと比較してみると,けん銃の使用された殺人が1万1,000件,同様の強盗が16万件にも上った。