世界展望
ダイナマイト爆発による惨事
◆ 昨年11月11日午後9時30分,韓国の裡里<イリ>で約30㌧のダイナマイトが爆発し,町は激しく揺さぶられた。その爆薬を積載していた貨車は,人口12万の同市中心部の駅に停車していた。ザ・コリア・ヘラルド紙によると,9,530戸の家屋が倒壊し(そのうち675戸は全壊),死者58人,行方不明1人,負傷者1,341人が出た。
● 地元のエホバの証人の王国会館は窓を吹き飛ばされ,証人の家3軒が全壊し,他の証人たちの家屋も少なくとも半壊した。あるエホバの証人の場合,家の中に大きな金属片が飛び込んできたとき,自分はそこからほんの30㌢しか離れていなかった,と語っている。12家族のエホバの証人に影響が及んだが,死者は一人もいなかった。この惨事で家を失ったエホバの証人の家族のために,仲間の信者の家に仮の宿舎が準備され,ものみの塔協会の支部事務所によって緊急に必要な物資や基金が供給された。
宇宙に新しく発見された天体
◆ 米国カリフォルニア州パサデナにあるヘール天文台の天文学者チャールズ・カウォルによって最近公表された写真は,これまで観察されたことのない天体が土星と天王星の間の軌道を回っていることを裏付けている。これは,他の天文学者によっても確認されている。その物体は直径約480㌔とされているが,実際の大きさを確かめるにはさらに研究が必要であろう。しかし,それはすい星や小惑星(アスタロイド)や衛星ではないと考えられている。カウォルは新しく発見された天体を小惑遊星(プラネトイド)と呼ぶことを提唱している。
テレビの魅力
◆ 全米教育協会(NEA)の会長ジョン・ライアーは,最近,同組織による一調査に言及し,米国の子供は親や教師と過ごすよりもテレビを見ることに多くの時間を費やしている,と述べた。ライアーの見解に関してAP特電はこう述べている。「米国の子供は,高校を卒業するまでに1万4,000時間から1万5,000時間テレビを見るが,彼らが親と水入らずで過ごしたり,教師から学んだりする時間は1万4,000時間に満たない」。
ベスト・セラーズ
◆ グッド・ハウスキーピング誌に掲載された「最高販売・頒布数を記録した10冊の本」(「ブック・オブ・リスト」より引用)の中で第一位は,1816年から1975年の間に24億5,800万部頒布された聖書だった。第二位は8億の部「毛沢東語録」で,第三位は5,000万ないし1億部のノア・ウェブスター著「アメリカン・スペリングブック」だった。第四位には,頒布数7,400万部として「とこしえの命に導く真理」が挙げられた。(ただし,これは現在までに101の言語で8,900万部印刷されている。)1968年にペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会から出版されたこの聖書研究の手引書は,エホバの証人によって配布されている。
新たに発見された部族
◆ 科学者たちは,アマゾン川流域の未開の地域で,収益の多い金鉱を持つインディアンの一部族を発見し,その金鉱を「50人の囚人たちが働く地下の都市」と描写した。新たに発見されたそのニアワ族は「また,高価な宝石を持ち,人間の犠牲をささげ,子供たちを6歳で結婚させ,15文字のアルファベットから成る言語を誇りとしている」と,パレード誌は伝えている。
致命的な音の衝撃
◆ 岡山大学の大森正樹講師は,ネズミが超音波の影響を受け,そのために死ぬ場合さえあることを発見した。同講師は,偶然にも,試験管洗浄用の器具から発した35から50キロヘルツの音響振動のために,そばのおりの中のネズミが突然走り回ったことに気付いた。これら異なった二種類のネズミはその後ほどなくして死んだ。その種のネズミには,音の衝撃に敏感にさせるような遺伝子が備わっているらしい,と大森博士は考えている。音波の力はネズミの毛を通して吸収され,神経によりネズミの神経系統に伝達されて,その結果致命的な衝撃になると考えられている。しかし大森博士は,その結論が人間に多少なりとも当てはまるかどうかについて述べるのはまだ早いと考えている。
喫煙による流産の増加
◆ ニューヨークにあるコロンビア大学の科学者たちの行なった新しい研究によって,妊娠中の喫煙は流産の危険をほぼ倍加することが確証された。以前の研究では,喫煙のために赤子の死亡率が高くなることや,出産時の体重が標準以下となり重病にかかる率が高くなることなどが明らかにされた。また新しい研究の中で顕著な点は,たばこを少量吸う人がヘビースモーカーとほぼ同じくらい流産をしているということである。流産の率の著しい相違は喫煙家と全く喫煙をしない人との間に見られる。
気球の返り咲き
◆ 熱気球の人気が急上昇している。1963年当時米国に六個しかなかったものが,今では約1,000個もある。高さが21㍍ほどもあるこれらの気球は,プロパンガスなどの燃料によって熱せられた空気でふくらんでいる。冷たい空気に囲まれている気球は,中の温かい空気の作用で,上昇する。さらに上昇させたい場合には,気球の燃焼器によって飛行中に再び空気を熱することができる。気球の上下運動は操作できるが,方向を操作することはできない。気球のかじ取りは全く気流まかせなのでよく事故が起きる。気球に乗る人は大抵,150㍍以下の高度で飛行しようとする。低空飛行をすれば,地上の動きをすべて観察でき,鳥の声,山を流れる小川のせせらぎ,木々の間をふく風の音,地上での人々の話し声などを聞けるからである。
同棲者の増加
◆ 米国の国勢調査局は,同棲する未婚の人々の急増を伝えている。現在,およそ100万組の男女が同棲しており,過去七年間にそうした家庭は83%増加した。同調査局はまた,近年になって米国の結婚率が急激に低下していると述べた。
騒音レベル
◆ 約70ホンの騒音の中に長くいると,耳が聴こえなくなることがある。ある種の音の典型的な騒音レベルは次の通りである。ジェット機の離陸,120ホン; ゴミトラックの積込み,100ホン; 都市の往来,90ホン; 目覚まし時計,80ホン; 電気かみそり,75ホン; 騒々しいレストラン,70ホン; 冷暖房装置,60ホン; 混んでいない自動車交通,40ホン; 静かな事務所,40ホン。騒音のレベルは,10ホンごとに二倍になる。
宗教の機械化
● 振舞いに関して細部にわたる決定を求める敬虔なユダヤ教徒は,律法を第一に守って神を敬おうとして大変苦労してきた。それは,1,200年にわたって律法学者の見解を編集した2,500巻におよぶレスポンサを調べることを意味していた。しかし現在では,テルアビブの近くにある強力なコンピューターが,わずか50㌦(約1万2,500円)で,「法にかなったホテル経営者は非ユダヤ人の客を扱う際にどんな食物規定に従うべきか」といった質問の答えとなる資料を即座に提出してくれる。実験によると,コンピューターは,答えに必要な資料をタルムード学者の一団よりも多く提出することができた。
● 改革派ユダヤ教は,最近,今まで25年間使用してきた祈とう書に代わる新しい祈とう書を発行した。新しい祈とう書には,生活上のより多くの状況が含まれており,敬虔なユダヤ教徒は養子縁組から大学入学に至るまですべての事柄に関する祈りを読み上げることができる。
絶滅にひんする動物
◆ トゥ・ザ・ポイント・インターナショナル誌は,国際自然保護連盟による情報に言及し,アフリカで最も絶滅の脅威にさらされている動物として以下のものを挙げている。白サイ,ジェンティンクズ・ダイカー(レイヨウ),スウェインズ・ハーテビースト,グレビイズ・シマウマ,ケープ・マウンテン・シマウマ,山ゴリラ,チータ,黒サイ,バーバリー・マカク(サル),ヒョウ。
強くなった,フィンランド人の心臓
◆ ある期間,フィンランド東部の北カレリア州には,心臓病で死亡する人の数が世界の他のどの場所よりも平均して多いという特徴があった。しかし,伝えられるところによると,五年間にわたる特別の予防計画が実施されてから,男性の心臓発作発生率が40%減少した。フィンランドは依然として先進国の中で心臓病の割合が最も高いが,北カレリア州は同国の州の中では五位に下がった。そうした事態の改善は,新鮮な野菜をとることを勧め,喫煙や食物内の脂肪分の摂取を非とした,調整計画に負うところが大きい。
疑われる催眠術
◆ イスラエル国会の一小委員会は,「代表が催眠術師から術をかけられた可能性の有無」を調べるよう依頼された,とニューヨークのデーリー・ニュース紙は報じている。ヘブライ語を知らないある代表が催眠術師の用いる学習法によってヘブライ語を学び,ヘブライ語で国会演説を行なった後に,そうした問題が生じたと伝えられている。同紙によると,連合ブロックのモーシェ・シャハルは,「催眠術をかけられた代表は自分の意見ではなく,[催眠術師によって]植え込まれた考えを述べる危険に直面する」と警告している。いずれにせよ,そうした可能性がきっかけとなって調査が始まった。
「酔った社会」?
◆ 上院議員六名から成るオーストラリアの一委員会は,最近,「オーストラリアの麻薬問題 ― 酔った社会」と題する255ページの報告書を発表した。同報告書によると,オーストラリアの人口約1,400万のうち,アルコール中毒患者はおよそ25万人いる。さらに,12歳から17歳までの学童のうち約一割は,少なくとも月に一度は「ひどく酔う」とされている。AP通信によると,同委員会の報告書は,オーストラリア人は月に平均28億本のたばこを吸うと述べている。また,鎮痛剤の乱用のために,この国の腎臓病発生率は世界最高とされている。そこで同委員会は,アルコール飲料とたばこの宣伝に対する新しい法律を制定し,鎮痛剤の販売を厳重に規制するよう勧告した。
お腹を空かせた動物たち
◆ 米国の家庭には,現在ネコが2,500万匹,イヌが4,500万匹,合計約7,000万匹のペットがいると推定されている。しかも,あるペット用食品製造業者の話によると,その数は年に3%の割合で増加し続けている。家庭で飼われているイヌとネコが1976年に消費した食品は26億㌦(約6,500億円)に相当するが,1977年にはそれをさらに上回るとされている。
学校における破壊行為
◆ 全米教育協会(NEA)の最近の報告によると,1976年中,米国の学校は必需品や書籍の購入に対するより,破壊された所有物の修理に対して多額の費用を費やしている。『破壊行為に対する修理費』は6億㌦(約1,500億円)にも達した。
チベットの海生生物
◆ 中国人の科学者たちは,平均海抜約4,900㍍という,世界で標高が最も高い国チベットを探検している。ところが,パレード誌によると,そうした高地においても「岩塊の中に海生生物の化石が発見され,その地域がかつて水に覆われたことが明らかにされた」。