記念式 ― クリスチャンの祝い
1 西暦33年のニサン14日に,イエスは記念式を制定され,使徒たちに対して「わたしの記念としてこれを行ないつづけなさい」と命じられました。(ルカ 22:19)使徒パウロは,そうすることによって「あなた方は主の死をふれ告げてゆくのであり,それは彼が到来する時にまで及ぶのです」と説明しました。(コリント第一 11:26)贖いの犠牲はまさしくわたしたちの信仰の基盤であり,将来の生活に対する希望を与えるものです。
2 クリスチャン会衆が設立されて以来,弟子たちはイエスの死の記念式を忠実に祝ってきました。日本では34万近くの人々がこの年に一度の祝いに出席することが見込まれています。
長老たちに求められる準備
3 この行事の重要性や,大勢の出席者が見込まれることを考えるとき,会衆が事前の準備を行なうのは当を得たことです。(コリント第一 14:40)儀式ばった堅苦しい形式のものにならないようにすべきです。むしろマタイ 26章26節から30節で,この非常に重要な祝いがイエスによって制定されたときに見られた簡素さに注目することができるでしょう。(コリント第一 11:23-26)しかし記念式が正しく祝われるようにするには,幾つかの重要な点を思いに留めておかねばなりません。それにはどのようなことが含まれているでしょうか。
4 とりわけ長老たちは,ふさわしい表象物を用いることによって,主の晩さんに対する敬意を示すよう注意を払えます。小麦粉と水だけで作った,調味料の添加されていない,ユダヤ人の用いるマッツオーなどの,パン種の入っていないパンを用いることができます。また,キャンティ,ブルゴーニュ,クラレットなど,不純物の入っていない赤ぶどう酒だけを用いるべきです。
5 さらに長老たちは,表象物を手渡すため,模範的で十分に資格のある兄弟たちを選ぶことができます。それらの兄弟たちは長老か奉仕の僕であるのが望ましいでしょう。それらの兄弟たちはよく組織され,自分たちの割り当てに関連した事柄を正確に理解しておくべきです。案内係として奉仕する人々には,会館を出入りする人々を案内したり,普段より多い車の往来を整理したりするといった務めについて必要な指示を与えておくべきです。特にこうしたことは,幾つかの会衆が同じ王国会館や連結した王国会館を使用するような場合に,重要となってきます。―記念式の準備に関連して留意すべき付加的な事柄については,「ものみの塔」1985年2月15日号19ページや1990年2月15日号16-18ページ,「王国宣教」1989年3月号3ページをご覧ください。
個人として行なう準備
6 わたしたちすべてはこの最も神聖な祝いから十分の益を得るよう努めるべきです。とりわけ,エホバの証人の1990年カレンダーに記されている,4月5日から10日までの聖書朗読の予定にしっかり付き従うことにより,自分自身の思いを整えることができます。さらに,この特別な行事に出席するようできるだけ大勢の人々を招待し,援助を差し伸べる計画を立てるべきです。そして出席した人々が歓迎されていると感じるようにすることができます。
7 事前の周到な準備を行なうことによって,わたしたちは,記念式に出席するのが特権であり,キリストの犠牲に感謝を表わす機会とみなしていることを示すことができるでしょう。今年の記念式の祝いがエホバの僕たちすべてにとって築き上げられ,鼓舞される時となりますように。また,イエスの表明された確信に満ちた精神が,わたしたちすべてに注ぎ込まれますように。エホバを信頼することにより,わたしたちは世を征服し,一人一人がその報いを得るよう助けられるでしょう。―ヨハネ 16:33。ペテロ第二 1:10。啓示 7:9,10,14。