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出エジプト記

出エジプト記

1 さて,これらはヤコブと共にエジプトに来たイスラエルの子らの名である*。それぞれその家の者たちも共に来た+。2 すなわち,ルベン+,シメオン+,レビ+,そしてユダ+,3 イッサカル+,ゼブルン+,そしてベニヤミン+,4 ダン+とナフタリ+,ガド+とアシェル+。5 そして,ヤコブの上股+から出た魂は全部で七十の魂*であった。ヨセフはすでにエジプト+にいた。6 ついにヨセフは死に+,また彼のすべての兄弟とその世代のすべての者たちも[死んだ]。7 そしてイスラエルの子らは子を多く生んで群れをなすようになった。彼らは殖えつづけ,普通をはるかに超えた勢いで強大になってゆき,その地は彼らで満たされるようになった+。

8 やがて,ヨセフのことを知らない新しい王がエジプトの上に立った+。9 そして彼は自分の民にこう言うようになった。「見よ,イスラエルの子らの民は我々より数が多くて強大だ+。10 さあ,あの者たち*を抜かりなく扱って+,彼らが殖えないようにしよう。戦争でも起きた場合,彼らはきっと我々を憎む者たちに加わって我々と戦い,この国から出て行ってしまうだろう」。

11 それで彼らは,この人々に重荷を負わせて圧迫するため,その上に強制労働の長たちを立てた+。彼らはファラオのために,貯蔵所となる都市,すなわちピトムとラアムセス+を建てていった。12 しかし圧迫すればするほど彼らは殖え,それだけよけいに増え広がっていった。それで,イスラエルの子らのためにむかつくような怖れを感じるのであった+。13 そこでエジプト人はイスラエルの子らを奴隷にして圧制の下に置いた+。14 そして,粘土モルタル+やれんが*を扱う厳しい奴隷労働,また野におけるあらゆる奴隷労働+をもって彼らの生活をつらいものにしていった。まさにあらゆる形の奴隷労働であり,彼らを圧制下の奴隷としてそれに用いたのである+。

15 後にエジプトの王はヘブライ人の産婆たち+に言った。その一方の者の名はシフラ,他方の者の名はプアといったが,16 彼はまさにこう言ったのである。「ヘブライ人の女を助けて出産させる際,その者が産み台の上にいるのをよく見て,それがもし男の子であれば必ず死なせるのだ。だが,女の子であれば,生かしておくように」。17 しかし産婆たちは[まことの]神を恐れた+。そのためエジプトの王が話したとおりには行なわず+,男の子たちも生かしておくのであった+。18 やがてエジプトの王はその産婆たちを呼んでこう言った。「どうしてそのようなことをして男の子まで生かしておいたのか+」。19 それに対し産婆たちはファラオに言った,「ヘブライ人の女たちはエジプト人の女のようではないからです。活気があって,産婆が行き着く前に,もう産み終えているのです」。

20 このため神はその産婆たちに良くされた+。そしてこの民は一層多くなり,非常に強大になっていった。21 また,産婆たちが[まことの]神を恐れる者であったため,[神]は後に彼女たちにも家族を授けるのであった*+。22 ついにファラオは自分の民すべてに命じて言った,「生まれて来る男の子はみなナイル川に投げ込み,女の子はすべて生かしておくのだ+」。

2 そうしたころにレビの家のある人が行ってレビの娘をめとった+。2 そしてその女は妊娠し,男の子を産んだ。その子がいかにも麗しいのを見て,彼女は太陰月三月のあいだ+これを隠しておいた+。3 もはや隠しきれなくなった時+,彼女はその子のためにパピルスのひつ*を取り,それに歴青とピッチを塗り+,子供をその中に入れてナイル川の岸辺の葦+の間に置いた。4 さらに,その姉はその子がどうなるかを見ようとして少し離れた所に身を置いた+。

5 しばらく後,ファラオの娘がナイル川で水浴びをするために下りて来て,その侍女たちはナイル川のほとりを歩いていた。そして彼女は葦の茂みの中にあるそのひつを見つけた。すぐに彼女は自分の奴隷女をやってそれを取って来させた+。6 それを開けて彼女が見たのは子供であった。しかも,男の子が泣いているのであった。それを見た彼女は,「これはヘブライ人の子供です」と言いながらも,その子に対して同情を覚えた+。7 その時,その子の姉がファラオの娘に言った,「行って,あなたのためにヘブライ人の女の中から特別に乳母を呼んで来ましょうか。その人があなたのためこの子供に乳を飲ませるのです」。8 するとファラオの娘は言った,「行っておいで!」 乙女は直ちに行って,その子供の母親+を呼んで来た。9 するとファラオの娘は彼女に言った,「この子供を連れて行って,わたしのためにこれに乳を飲ませてください。わたしがあなたにその報酬を取らせますから+」。そこで女はその子供を連れて行って乳を与えた。10 そして子供は成長した。それで彼女はその子をファラオの娘のところに連れて行き,こうして彼はその息子となった+。そののち彼女はその子の名をモーセ*と呼んで,こう言った。「わたしはこの子を水の中から引き出したからです+」。

11 さて,そのころのこと,モーセは次第にたくましくなっていたが,自分の兄弟たちの負っている重荷を見ようとしてそのもとに出て行った+。そして彼は,自分の兄弟の中のあるヘブライ人にひとりのエジプト人が殴りかかっているのを見た+。12 それで彼はあたりを見回し,そこにだれもいないのを見てから,そのエジプト人を打ち倒し,これを砂の中に隠した+。

13 ところが,彼がその翌日に出て行くと,今度は二人のヘブライ人の男がつかみ合いをしているのであった。それで彼は間違っているほうの者にこう言った。「どうしてあなたは自分の仲間を殴ったりするのか+」。14 するとその者は言った,「だれがあなたを我々の上に君また裁き人として任命したのか+。あのエジプト人を*殺したように,わたしも殺すつもりなのか*+」。それを聞いてモーセは恐れ,「あの事はきっと知られてしまったに違いない」と言った+。

15 後にファラオはその事について聞き及び,モーセを殺そうと図った+。しかしモーセはファラオのもとから逃げて行き+,ミディアン+の地に住もうとした*。そして彼はある井戸のそばに腰を下ろした。16 さて,ミディアンの祭司+には七人の娘がいたが,彼女たちはいつものようにやって来て水をくみ,溝に満たして父の羊の群れに水を飲ませるのであった+。17 するとまた,羊飼いたちがいつものようにやって来て,彼女たちを追い散らした。これを見てモーセは立ち上がり,女たちを助け出して*その羊の群れに水を飲ませた+。18 そのため,彼女たちが家に戻って来たとき,その父レウエル+は叫ぶようにして言った,「どうして今日はこんなに早く帰って来たのか」。19 そこで彼女たちは言った,「ひとりのエジプト人+がわたしたちを羊飼いたちの手から救い出してくれたのです。その上わたしたちのために水までくんで,群れに水を飲ませてくれました」。20 すると彼は娘たちに言った,「だが,その人はどこにいるのか。どうしてその人を置いて来たのか。お呼びして,パンを食べていただきなさい+」。21 その後モーセはこの人のもとにとどまりたいという気持ちを示し,彼は自分の娘チッポラ+をモーセに与えた。22 後に彼女は男の子を産み,彼はその名をゲルショム*+と呼んだ。「わたしは異国の地で外人居留者となった+」と彼は言ったのである。

23 こうして多くの日がたつうちにエジプトの王はついに死んだ+。しかしイスラエルの子らはその奴隷状態*のゆえになおも嘆息し,苦情の叫びを上げ続けた+。そして,奴隷状態ゆえに助けを求めるその叫びが終始[まことの]神のもとに上った+。24 やがて神は彼らのうめき+を聞き+,神はアブラハム,イサク,ヤコブに対するご自分の契約を思い起こされた+。25 そして神はイスラエルの子らをご覧になり,神はそれに意を留められた*。

3 さてモーセは,ミディアンの祭司であるエテロ+の羊の群れの牧者となった。彼はその娘婿であった*+。荒野の西側に群れを追っているうち,彼はついに[まことの]神の山+,ホレブ+に来た。2 その時,エホバ*のみ使いが,いばらの茂みの中,火の炎のうちにあって彼に現われた+。彼が見ていると,そこでは,いばらの茂みが火で燃えているのに,そのいばらの茂みは燃え尽きてしまわないのであった。3 そこでモーセは言った,「少し立ち寄って,なぜいばらの茂みが燃えてしまわないのか,この大いなる現象を調べてみよう+」。4 エホバ*は,彼が調べようとして立ち寄ったのをご覧になり,神はすぐにそのいばらの茂みの中から彼に呼びかけて,「モーセ,モーセよ」と言われた。それで彼は言った,「はい,私はここにおります+」。5 すると,こう言われた。「ここに近づいてはいけない。あなたの足からサンダルを脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる地だからである+」。

6 そしてさらにこう言われた。「わたしはあなたの父*の神,アブラハムの神,イサクの神,ヤコブの神である+」。その時モーセは自分の顔を覆い隠した。[まことの]神*を見ることを恐れたためである。7 するとエホバはなおもこう言われた。「わたしは,エジプトにいるわたしの民の苦悩を確かに見た。彼らを駆り立てて働かせる者たちゆえのその叫びを聞いた。わたしは彼らの忍ぶ苦痛をよく知っているのである+。8 それでわたしは下って行って彼らをエジプト人の手から救い出し+,彼らをその地から携え出して,良い広やかな地,乳と蜜の流れる地へ上ろうとしている+。すなわち,カナン人,ヒッタイト人,アモリ人,ペリジ人,ヒビ人,エブス人のいる所へ+。9 そこで今,見よ,イスラエルの子らの叫びはわたしのもとに達した。わたしはエジプト人が彼らを圧迫しているその圧迫も見た+。10 それで今,さあ,わたしはあなたをファラオのもとに遣わそう。あなたは,わたしの民であるイスラエルの子らをエジプトから導き出すのである+」。

11 しかしモーセは[まことの]神に言った,「一体この私が何者だというのでファラオのもとに行ったり,イスラエルの子らをエジプトから導き出したりすることになるのでしょうか+」。12 するとこう言われた。「わたしがあなたと共にいるからである+。そして,わたしがあなたを遣わしたという,あなたのためのしるしはこれである+。すなわち,あなたが民をエジプトから導き出した後,あなた方はこの山で+[まことの]神に仕えるであろう*」。

13 それでもモーセは[まことの]神に言った,「わたしが今イスラエルの子らのもとに行って,『あなた方の父祖の神がわたしをあなた方のもとに遣わした』と言うとしても,『その方の名+は何というのか』と彼らが言うとすれば,わたしはこれに何と言えばよいでしょうか」。14 すると神はモーセに言われた,「わたしは自分がなるところのものとなる*+」。そしてさらに言われた,「あなたはイスラエルの子らにこう言うように。『わたしはなるという方がわたしをあなた方のもとに遣わされた+』」。15 そののち神はもう一度モーセに言われた,

「あなたはイスラエルの子らにこう言うように。『あなた方の父祖の神,アブラハムの神+,イサクの神+,ヤコブの神+エホバがわたしをあなた方のもとに遣わされた』。これは定めのない時に至るわたしの名*+,代々にわたるわたしの記念*+である。16 あなたは行って,イスラエルの年長者たち*をぜひ集め,その人々に必ずこう言いなさい。『あなた方の父祖の神,アブラハム,イサク,ヤコブの神エホバがわたしに現われて+,言われました,「わたしはあなた方と,エジプトであなた方になされている事柄とに必ず注意を向ける+。17 そしてわたしは言う,わたしはあなた方をエジプト人による苦悩+の中から携え出して,カナン人,ヒッタイト人,アモリ人+,ペリジ人,ヒビ人,エブス人+の地,乳と蜜の流れる地+に上る」』。

18 「そうすれば彼らは必ずあなたの声に聴き従うであろう+。それであなたは,すなわちあなたとイスラエルの年長者たちとは,エジプトの王のもとに行き,彼に必ずこう言わなければならない。『ヘブライ人の神エホバ+はわたしたちと接触を持たれました+。それで今,お願い致します,わたしたちは荒野へ三日の旅をして,わたしたちの神エホバに犠牲をささげたいのです+』。19 だが,強い手をもってするのでなければエジプトの王はあなた方に行く許しを与えないことを,わたしはよく知っている+。20 それでわたしは自分の手を伸べ+,そのただ中で行なうあらゆる不思議な業をもってエジプトを打たねばならない。その後に彼はあなた方を送り出すであろう+。21 そしてわたしはこの民がエジプト人の目に好意を得るようにする。あなた方が出て行く時,むなし手で出るようなことはない+。22 それで,女はそれぞれ自分の隣り人から,また自分の家に外国人として住んでいる女から,銀の品,金の品,またマントを求め,あなた方はそれを自分の息子や娘に着けさせることになる。あなた方はエジプト人からはぎ取るのである+」。

4 しかしモーセは答えて言った,「ですが,彼らがわたしを信じず,わたしの声に聴き従わないならばどうでしょうか+。『エホバがあなたに現われたはずはない』と彼らは言うでしょうから」。2 するとエホバは言われた,「あなたの手にあるそれは何か」。それで彼は言った,「杖+です」。3 その後こう言われた。「それを地に投げよ」。そこで彼が地に投げたところ,それは蛇となった+。モーセはそれから逃げようとするのであった。4 次いでエホバはモーセに言われた,「手を出してその尾をつかみなさい」。そこで彼が手を出してつかむと,それは彼の手のひらで杖となった。5 「これは,彼らの父祖+の神エホバ,アブラハム+の神,イサクの神+,ヤコブの神+があなたに現われた+ことを彼らが信じるためである」と言われた。

6 それからエホバはもう一度彼に言われた,「さあ,あなたの手を衣の上ひだに差し入れなさい」。それで彼は手を衣の上ひだに差し入れた。そしてそれを引き抜いてみると,その手はらい病に打たれて雪のようになっているのであった+。7 その後こう言われた。「あなたの手を衣の上ひだの中に戻しなさい」。それで彼は手を衣の上ひだの中に戻した。そして衣の上ひだの中から引き抜いてみると,それは元どおりになり,ほかの肉と同じようになっているのであった+。8 こう言われた。「それで,彼らがあなたを信じず,最初のしるしの声に聴かないとしても,後のしるしの声には必ず聴くことになろう+。9 だが,彼らがこれら二つのしるしをさえ信じず,あなたの声に聴き従わないならば+,その時あなたはナイル川の水を幾らか取って,それを乾いた陸地に注ぎ出さねばならない。あなたがナイル川から取ったその水は必ず,乾いた陸地の上にあってまさに血となるのである+」。

10 その時モーセはエホバに言った,「お許しください,エホバ*よ,私は流ちょうに話せる者ではございません。それは昨日からでも,その前からでも,あなたがこの僕に話されてからのことでもありません。私は口が重く,舌の重い者なのです+」。11 するとエホバは言われた,「だれが人のために口を設けたのか。だれが口のきけない者や耳の聞こえない者を,視力のさえた者や盲目の者を設けるのか。それはわたし,エホバではないか+。12 だから今,出かけて行きなさい。わたしがあなたの口にあって,どう言うべきかを教えよう+」。13 しかし彼は言った,「お許しください,エホバ*,どうか,あなたが遣わそうとしておられる者の手によってお遣わしになりますように」。14 するとエホバの怒りはモーセに対して燃えた。しかし,こう言われた。「レビ人アロンはあなたの兄弟+ではないか。わたしは,彼がよく話すことのできる者であることを知っている。しかも,彼はいまあなたに会おうとして出かけて来ている。本当にあなたを見たなら,その心はまさに歓ぶことであろう+。15 そしてあなたは彼に話して,言葉をその口に置くのである+。わたしがあなたの口,また彼の口にあって+,あなた方の行なうべきことを教える+。16 それで彼があなたに代わって民に話すことになる。彼があなたに対して口となり+,あなたは彼に対して神の*役をするのである+。17 そして,この杖をあなたの手に取り,それをもってしるしを行なうように+」。

18 そこでモーセは行ってしゅうとエテロ*+のもとに戻り,こう言った。「お願いです,わたしは行って,エジプトにいるわたしの兄弟たちのところに戻りたいのです。彼らがなお生きているかどうかを見るためです+」。するとエテロはモーセに言った,「安心して行きなさい+」。19 その後エホバはミディアンでモーセにこう言われた。「行って,エジプトに戻りなさい。あなたの魂*をつけねらっていた者はみな死んだからである+」。

20 そこでモーセは妻と息子たちを連れ,それらの者をろばに乗せて,エジプトの地へ戻って行った。さらにモーセは[まことの]神の杖もその手に携えて行った+。21 そしてエホバはモーセにさらにこう言われた。「行ってエジプトに戻った後,あなた方は,わたしがあなたの手にゆだねたすべての奇跡をファラオの前で実際に行なうように+。わたしは,彼の心をかたくなに*ならせる+。そのため彼は民を去らせないであろう+。22 それであなたはファラオに言わねばならない,『エホバはこのように言われました。「イスラエルはわたしの子,わたしの初子である+。23 ゆえにわたしはあなたに言う,わたしの子を去らせて,わたしに仕えさせよ*。だが,もしこれを去らせることを拒むようであれば,見よ,わたしはあなたの子,あなたの初子を殺すことになろう+」』」。

24 さて,道の途中,宿り場+でのこと,エホバ*は彼に会い+,これを死に至らせるすべをしきりに求められた+。25 ついにチッポラ+は火打ち石を取り,息子の包皮を切り取って+,それを彼の両足に触れさせ,こう言った。「あなたはわたしにとって血*の花婿だからです*」。26 それでその者は彼を放して行かせた。このとき彼女が「血の花婿」と言ったのは,割礼*のゆえであった。

27 それからエホバはアロンにこう言われた。「荒野に行ってモーセに会いなさい+」。それで彼は進んで行き,[まことの]神の山+で[モーセ]に会い,これに口づけした。28 それからモーセは,自分を遣わされたエホバのすべての言葉をアロンに告げ+,自分が行なうように命じられた*すべてのしるしについても[話した+]。29 その後モーセとアロンは行って,イスラエルの子らのすべての年長者を集めた+。30 そしてアロンはエホバがモーセに話されたすべての言葉を話し+,[モーセ]は民の目の前でそのしるしを行なった+。31 これを見て民は信じた+。エホバがイスラエルの子らに注意を向けられ+,彼らの苦悩をご覧になった+ことを聞くと,彼らは身をかがめて平伏した+。

5 その後モーセとアロンはファラオのもとに行って,こう言った+。「イスラエルの神エホバはこのように言われました。『わたしの民を去らせ,荒野でわたしのために祭りを行なわせよ+』」。2 しかしファラオは言った,「エホバが何者だ+というので,わたしはその声に従って*イスラエルを去らせなければいけないのか+。わたしはエホバなど知らない+。まして,イスラエルを去らせるようなことはしない+」。3 しかし彼らはなおも言った,「ヘブライ人の神はわたしたちと接触を持たれました+。お願い致します,わたしたちは荒野へ三日の旅をし,わたしたちの神エホバに犠牲をささげたいのです+。そうしなければ,疫病*で,あるいは剣でわたしたちをお打ちになるかもしれません+」。4 するとエジプトの王はふたりに言った,「モーセとアロン,どうしてお前たちは民を仕事から離れさせるのか*+。行って自分たちの荷を負え+!」5 ファラオはさらに言った,「見よ,今この地の民は多い+。それでお前たちは彼らが荷を負うことをやめさせ*ようというのだ+」。

6 直ちにその日,ファラオは,民を駆り立てて働かせる者と[民]のつかさたち+に命じてこう言った。7 「あなた方はれんがを作る+ためのわらをこれまでのように集めて民に与えてはならない。彼らに行かせて自分たちでわらを集めさせよ。8 それでも,彼らがこれまで作っていた要求量のれんがは,今後も彼らに課するのだ。少しも減らしてはならない。彼らはたるんでいる+。だから,『わたしたちは行きたい。自分たちの神に犠牲をささげたい+!』などと叫んでいるのだ。9 この者たちに対しその労役を重くして,その仕事に当たらせよ。偽りの言葉+に注意を向けさせないようにせよ」。

10 それで民を駆り立てて働かせる者+と[民]のつかさたちは出て行って,民にこう言った,「ファラオはこのように言われた。『わたしはお前たちにもうわらを与えない。11 お前たちが行って,どこであれそれの見つかる所で自分たちでわらを得るように。お前たちの労役は少しも減らされることはない+』」。12 そのため民はエジプトの全土に散って,わらを得るための刈り株を集めた。13 そして,彼らを駆り立てて働かせる者たちはしきりにせき立てて+こう言った。「お前たちは各々自分の仕事を,わらが手に入った時と同じように日ごとにやり終えよ+」。14 後に,ファラオの職長たち*がイスラエルの子らの上に立てた[民]のつかさたち+は,「どうしてお前たちは,これまでと同じようにれんがを作る+という自分たちの規定の仕事を,昨日も今日も+やり終えなかったのか」と言って打ちたたかれた+。

15 そのため,イスラエルの子らのつかさたち+はファラオのもとに行き,こう叫ぶようになった。「どうして僕どもをこのようにあしらわれるのでしょうか。16 僕どもにわらは与えられておりません。それなのに彼らはわたしどもに,『れんがを作れ!』と言っております。ご覧ください,とがめはあなたの民にありますのに,この僕どもが打ちたたかれております+」。17 しかし彼は言った,「お前たちはたるんでいる,たるんでいるのだ+! だから,『わたしたちは行きたい。エホバに犠牲をささげたい+』などと言っているのだ。18 さあ,行って,働け! お前たちにわらは与えられないが,それでも定めの量のれんがは納めるのだ+」。

19 それで,イスラエルの子らのつかさたちは自分たちが苦しい立場にいることを知った。「お前たちのれんがは,だれの日ごとの割り当てからも,一片たりとも減らしてはならない+」と言われたからである+。20 そののち彼らはモーセとアロン+に出会った。ふたりは,ファラオのもとから出て来る彼らを迎えるため,そこに立っていたのである。21 すぐに彼らは言った,「エホバがあなた方をご覧になって裁きを下されるように+。あなた方はわたしたちをファラオの前またその僕たちの前で不快なにおいの者+にならせて*,わたしたちを殺す剣を彼らの手に置いているのです+」。22 それでモーセはエホバに向かって+こう言った。「エホバ*よ,なぜこの民をつらいめに遭わせられたのですか+。どうしてわたしをお遣わしになったのですか+。23 わたしがファラオの前に出てあなたのみ名において語ってからというもの+,彼はこの民をつらいめに遭わせており+,あなたはご自分の民を救い出してなどおられません+」。

6 するとエホバはモーセに言われた,「今あなたは,わたしがファラオに対して行なう事柄を見るであろう+。強い手のゆえに彼はこの[民]を去らせ,強い手のゆえにこれを自分の土地から追い立てることになるからである+」。

2 そして神*はモーセにさらに話してこう言われた。「わたしはエホバである+。3 そしてわたしは,アブラハム+,イサク+,ヤコブ+に対し常に全能の神として*現われたが+,わたしの名エホバ+に関しては*自分を彼らに知らせなかった*+。4 またわたしは,カナンの地,すなわち彼らが外国人として居留したその外人居留の地を与えるため,彼らに対してわたしの契約を立てた+。5 そしてこのわたしは,エジプト人が奴隷にしているイスラエルの子らのうめきを聞いて+わたしの契約を思い起こした+。

6 「それゆえ,イスラエルの子らにこう言いなさい。『わたしはエホバである。わたしは必ずあなた方をエジプト人の課する重荷の下から携え出し,その奴隷状態から救い出す+。わたしはまさに,伸ばされた腕と大いなる裁きとをもってあなた方を取り戻す+。7 そしてわたしは必ずあなた方をひとつの民としてわたしのために取り*+,あなた方に対してまさしく神と*なる*+。あなた方は,わたしがあなた方の神エホバであり,あなた方をエジプトの重荷の下から携え出している者であることを確かに知るであろう+。8 そしてわたしは,アブラハム,イサク,ヤコブに与えるためわたしが誓いの手を上げた+その土地へあなた方を必ず携え入れる。それをあなた方の所有物として与えるのである+。わたしはエホバである+』」。

9 後にモーセはこのとおりのことをイスラエルの子らに話したが,彼らは失意*のため,また厳しい奴隷状態のゆえにモーセ[の述べること]を聴かなかった+。

10 その時エホバはモーセに話して言われた,11 「行って,エジプトの王+ファラオに,イスラエルの子らをその地から去らせるように+と言いなさい」。12 しかしモーセはエホバのみ前に話してこう言った。「ご覧ください,イスラエルの子らはわたし[の述べること]を聴きませんでした+。どうしてファラオがわたし[の言葉]を聴き入れたりするでしょうか+。わたしは唇に割礼のない*者なのです+」。13 しかしエホバはなおもモーセとアロンに話し,イスラエルの子らとエジプトの王ファラオに対する命令をそれらふたりによってさらに発せられた。イスラエルの子らをエジプトの地から携え出すためであった+。

14 これが彼らの父の家の頭たちである。すなわちイスラエルの長子ルベン+の子はハノクとパル,ヘツロンとカルミ+。これらがルベンの諸家族である+。

15 また,シメオンの子はエムエル,ヤミン,オハド,ヤキン,ツォハル,それにカナン人の女の子シャウル+。これらがシメオンの諸家族である+。

16 また,これがその家筋ごとに[示した+]レビの子らの名である+。すなわち,ゲルション,コハト,メラリ+。そして,レビの生きた年数は百三十七年であった。

17 ゲルションの子は,その家族ごとに[挙げれば+],リブニとシムイであった+。

18 また,コハトの子はアムラム,イツハル,ヘブロン,ウジエル+。そして,コハトの生きた年数は百三十三年であった。

19 また,メラリの子はマフリとムシであった+。

これらがその家筋ごとに[挙げた+]レビ人の諸家族であった。

20 さて,アムラムは自分の父の姉妹ヨケベドを妻としてめとった+。彼女は後にアロンとモーセを彼に産んだ+。そして,アムラムの生きた年数は百三十七年であった。

21 また,イツハルの子はコラ+,ネフェグ,ジクリであった。

22 また,ウジエルの子はミシャエル,エルザパン,シトリであった+。

23 さて,アロンは,アミナダブの娘でナフション+の姉妹であるエリシェバを妻としてめとった。彼女は後に,ナダブとアビフ,エレアザルとイタマルを彼に産んだ+。

24 また,コラの子はアシル,エルカナ,アビアサフ+。これらがコラ人の諸家族であった+。

25 また,アロンの子エレアザル+はプティエルの娘の一人を妻としてめとった。彼女は後にピネハスを彼に産んだ+。

これらが,その家族ごとに[示した+],レビ人の父たちの頭である。

26 これが,「イスラエルの子らをその軍にしたがってエジプトの地から携え出すように+」とエホバが言われたアロンとモーセである+。27 これらが,イスラエルの子らをエジプトから携え出すため,エジプトの王ファラオに話した者たちであった+。これがモーセとアロンである。

28 そして,エジプトの地でエホバがモーセに話された日のこと+,29 エホバはモーセにさらに話してこう言われた。「わたしはエホバである+。わたしがあなたに話すすべてのことをエジプトの王ファラオに話しなさい」。30 その時モーセはエホバのみ前に言った,「ご覧ください,わたしは唇に割礼のない者ですのに,どうしてファラオがわたし[の言葉]を聴き入れたりするでしょうか+」。

7 そのためエホバはモーセにこう言われた。「見なさい,わたしはあなたをファラオに対して神*とした+。そして,あなたの兄弟アロンがあなたの預言者となる+。2 あなたが,わたしの命ずるすべてのことを話す+。そしてあなたの兄弟アロンがファラオに話をする+。それで彼はイスラエルの子らを自分の土地から去らせなければならない+。3 わたしとしてはファラオの心をかたくなにならせて*+,わたしのしるしと奇跡をエジプトの地に必ず多くする+。4 それでもファラオはあなた方[の述べること]を聴かないであろう+。ゆえにわたしは自分の手をエジプトに置き,大いなる裁きをもって+,わたしの軍隊+,わたしの民+,イスラエルの子ら+をエジプトの地から携え出すことになる。5 そして,わたしがエジプトに対して手を伸ばす時,エジプト人は,わたしがエホバであることをまさに知るであろう+。こうしてわたしはイスラエルの子らを彼らの中から携え出すのである+」。6 それでモーセとアロンはエホバが命じたとおりに行なっていった+。まさにそのとおりに行なった+。7 そして,ふたりがファラオに話した時,モーセは八十歳,アロンは八十三歳であった+。

8 次いでエホバはモーセとアロンにこう言われた。9 「ファラオがあなた方に話して,『自分たちのために奇跡を示せ+』と言う場合,あなたは必ずアロンに向かって,『あなたの杖+を取ってファラオの前に投げなさい』と言うように。それは大へびとなるであろう*+」。10 それでモーセとアロンはファラオのもとに行って,エホバの命じたそのとおりに行なった。そしてアロンが自分の杖をファラオとその僕たちの前に投げると,それは大へびとなった。11 ところがファラオもまた賢人や呪術者たち+を呼び出した。そして魔術を行なうエジプトの祭司たちも,自分たちの魔術によって同じ事を行ないはじめた+。12 そして彼らが各々自分の杖を投げると,それらも大へびとなった。しかし,アロンの杖が彼らの杖を呑み込んだ。13 それでもファラオの心はかたくなになり+,彼ら[の言葉]を聴き入れなかった。エホバの語られたとおりであった。

14 その時エホバはモーセにこう言われた。「ファラオの心は鈍い*+。彼は民を去らせることを拒んだ+。15 朝,ファラオのところに行くように。見よ,彼は水辺に出て行く+。それであなたはナイル川の縁で彼を迎える位置に立たねばならない+。蛇に変わったさきの杖を手に携えて行くように+。16 そしてあなたは彼にこう言わねばならない。『ヘブライ人の神エホバはわたしをあなたのもとに遣わして+,「わたしの民を去らせて荒野でわたしに仕え*させよ+」と言われましたが,見なさい,あなたは今なお従っていません。17 エホバはこのように言われました+。「これによってあなたは,わたしがエホバであることを知るであろう+。今わたしは,わたしの手にあるこの杖でナイル川の水+の上を打つ。それは必ず血に変わるであろう+。18 そして,ナイル川にいる魚は死に+,ナイル川はまさに悪臭を放ち+,エジプト人はナイル川からの水を飲む気を全く起こさなくなるであろう+」』」。

19 エホバはさらに続けてモーセに言われた,「アロンにこう言いなさい。『あなたの杖を取り,エジプトの水の上,その河川の上,ナイルの運河の上,葦の茂る池+の上,すべての溜まり水*の上に手を伸べて+,それらを血にならせなさい』。そうすれば,エジプトの全土に,また木の器の中にも石の器の中にも必ず血が生じるであろう」。20 直ちにモーセとアロンはそのとおり+,エホバの命じた+とおりに行なった。彼がファラオとその僕たちの目の前で杖を振り上げてナイル川の水を打つと+,ナイル川の水はすべて血に変わった+。21 そして,ナイル川にいた魚は死に+,ナイル川は悪臭を放つようになった。それでエジプト人はナイル川からの水を飲むことができなくなった+。血はエジプトの全土に生じた。

22 しかしながら,魔術を行なうエジプトの祭司たちもその秘術によって同じ事を行ないはじめた+。そのためファラオの心は依然かたくなであり+,彼ら[の言葉]を聴き入れなかった。エホバの語られたとおりであった+。23 こうしてファラオは身を翻して自分の家に入り,この事にも心を留めなかった+。24 だがエジプト人はみな,飲む水を求めてナイル川の周りを掘り回った。ナイル川の水は全く飲めなかったからである+。25 そして,エホバがナイル川を打たれてから七日が満ちた。

8* その時エホバはモーセにこう言われた。「ファラオのもとに行き,彼に必ずこう言うように。『エホバはこのように言われました。「わたしの民を去らせてわたしに仕えさせよ+。2 そして,もしあなたが彼らを去らせることを拒みつづけるなら,見よ,わたしはあなたの全領地にかえるをもって災厄を下す+。3 そしてナイル川はかえるがまさに充満し,それは必ず上って来て,あなたの家の中,奥の寝室の中に入り込み,あなたの寝いすに上り,僕たちの家々に入り,民の上に上り,あなたのかまどの中,こね鉢の中に入るであろう+。4 こうしてあなたの上,あなたの民の上,あなたのすべての僕たちの上にかえるが上って来るであろう+」』」。

5* 後にエホバはモーセに言われた,「アロンにこう言いなさい。『杖+を持ってあなたの手を川の上,ナイルの運河の上,葦の茂る池の上に差し伸べ,かえるをエジプトの地に上って来させなさい』」。6 そこでアロンが手をエジプトのもろもろの水の上に差し伸べると,かえるが上って来てエジプトの地を覆うようになった。7 ところが魔術を行なう祭司たちもその秘術によって同じ事を行ない,かえるをエジプトの地に上って来させた+。8 やがてファラオはモーセとアロンを呼んで,こう言った。「かえるをわたしとわたしの民のところから取り除くようエホバに懇願せよ+。わたしは民を去らせてエホバに犠牲をささげさせたいのだ+」。9 そこでモーセはファラオに言った,「あなたとあなたの家々からかえるを断つよう,あなたとあなたの僕や民のためにわたしがいつ懇願すべきかを,どうかお申し付けください*。ナイル川の中にだけそれは残ることになるでしょう」。10 これに対して彼は言った,「明日だ」。それで言った,「あなたの言葉のとおりになります。わたしたちの神エホバのような方がほかにはいないことをあなたがお知りになるためです+。11 かえるはあなたとあなたの家々,あなたの僕たちと民から必ず離れるでしょう。ナイル川の中にだけそれは残ることになります+」。

12 そこでモーセとアロンはファラオのもとから出た。そしてモーセはエホバに対し,ファラオの上に置かれたかえるのことで叫んだ+。13 するとエホバはモーセの言葉のとおりにされ+,かえるは家々,中庭,畑から死に絶えていった。14 そして人々はそれを山また山と積み上げてゆき,その地は悪臭を放つようになった+。15 だが,安どが得られたのを見ると,ファラオはその心を鈍くして*+,彼ら[の言葉]を聴き入れなかった。エホバの語られたとおりであった+。

16 次いでエホバはモーセに言われた,「アロンにこう言いなさい。『あなたの杖+を差し伸べて地の塵を打ちなさい。そうすれば,それはエジプト全土にわたって必ずぶよになるであろう』」。17 それで彼らはそれを行なうことになった。そしてアロンが杖を持ってその手を差し伸べ,地の塵を打つと,ぶよ*が出て人と獣に付くようになった。エジプト全土にわたり地のすべての塵がぶよになったのである+。18 そして,魔術を行なう祭司たちもその秘術により同じ事を行なって+ぶよを生じさせようとしたが,それができなかった+。こうして,ぶよが出て人と獣に付いた。19 そのため,魔術を行なう祭司たちは,「これこそ神+の指+です!」とファラオに言った。しかしファラオの心は依然かたくなであり+,彼ら[の言葉]を聴き入れなかった。エホバの語られたとおりであった。

20 そこでエホバはモーセに言われた,「朝早く起きて,ファラオの前に立ちなさい+。見よ,彼は水辺に出て来る。それであなたは彼に必ずこう言うように。『エホバはこのように言われました。「わたしの民を去らせてわたしに仕えさせ*よ+。21 しかし,もしわたしの民を去らせないのであれば,今わたしは,あなたとあなたの僕や民の上,またあなたの家々の中にあぶ*を送り込む+。エジプトの家々はまさにあぶで満ち,人々のいる地面もそうなるであろう。22 またその日,わたしの民の立つゴシェンの地を必ず区別し,そこにはあぶがいないようにする+。地のただ中にあってわたしがエホバであることを*,あなたが知るためである+。23 こうしてわたしはまさに自分の民とあなたの民との間に境を設ける+。明日このしるしは起きる」』」。

24 それからエホバはそのとおりに行なわれた。あぶの大群がファラオの家,その僕たちの家々,またエジプトの全土に押し寄せて来た+。その地はあぶのために損なわれるようになった+。25 ついにファラオはモーセとアロンを呼んで,こう言った。「さあ,この地でお前たちの神に*犠牲をささげるがよい+」。26 しかしモーセは言った,「それはできません。わたしたちは,エジプト人が忌まわしく思うものをわたしたちの神エホバに犠牲としてささげるからです+。エジプト人が忌まわしく思うものをその目の前で犠牲としてささげるとすればどうなるでしょうか。彼らはわたしたちを石打ちにするのではないでしょうか。27 わたしたちは荒野へ三日の旅をして,わたしたちの神エホバに,どうしてもその言われたとおりに犠牲をささげるのです+」。

28 するとファラオは言った,「わたしは,お前たちを去らせることにしよう+。お前たちは確かに荒野で自分たちの神エホバに犠牲をささげるがよかろう+。ただしお前たちの行くのがあまり遠くならないようにせよ。わたしのためにも懇願せよ+」。29 そこでモーセは言った,「今わたしはあなたのもとから出て行って,確かにエホバに懇願します。あぶはファラオ,その僕たち,またその民から明日必ず離れるでしょう。ただファラオは,エホバに犠牲をささげさせるために民を去らせることをやめて再び軽くあしらったりされませんように+」。30 その後モーセはファラオのもとを出て,エホバに懇願した+。31 それでエホバはモーセの言葉のとおりにされ+,あぶはファラオ,その僕たち,またその民から離れた+。一匹も残らなかった。32 しかしファラオは今度もその心を鈍くして民を去らせなかった+。

9 そのためエホバはモーセに言われた,「ファラオのもとに行って,必ずこう述べるように+。『ヘブライ人の神エホバはこのように言われました。「わたしの民を去らせてわたしに仕えさせよ。2 しかし,もしあなたが彼らを去らせることを拒みつづけ,彼らをなおもとらえ続けるのであれば+,3 見よ,エホバの手+は野にいるあなたの畜類の上に臨む+。馬,ろば,らくだ,牛,羊に非常に重い疫病が臨むであろう+。4 そしてエホバはイスラエルの畜類とエジプトの畜類との間に必ず区別を設けるため,イスラエルの子らに属するすべての物の中に一つとして死ぬものはないであろう+」』」。5 さらにエホバは時を定めてこう言われた。「明日エホバはこの事をこの地で行なう+」。

6 こうしてエホバはその翌日にこの事を行なわれた。そしてエジプトのあらゆる畜類が*死にはじめた+。しかしイスラエルの子らの畜類は一頭も死ななかった。7 その時ファラオは使いを出したが,見よ,イスラエルの畜類はただの一頭も死んでいなかった。それでもファラオの心は依然鈍く+,彼は民を去らせなかった。

8 その後エホバはモーセとアロンにこう言われた。「あなた方のため,窯+のすすを両手いっぱいに取りなさい。モーセはファラオの見るところでそれを必ず天に向かってまき上げるように。9 そうすれば,それはエジプト全土の上に粉となり,エジプト全土の人と獣に付いて水ぶくれを伴って生じるはれ物+となるのである」。

10 それで彼らは窯のすすを取ってファラオの前に立った。モーセが天に向かってそれをまき上げると,それは水ぶくれを伴うはれ物となった+。それは人と獣に生じた。11 そして,魔術を行なう祭司たちもそのはれ物のためにモーセの前に立つことができなかった。はれ物は魔術を行なう祭司たちとすべてのエジプト人の上にできていたのである+。12 しかしエホバはファラオの心をかたくなにならせられた。そのため彼は,エホバがモーセに述べられたとおり,彼ら[の言葉]を聴き入れなかった+。

13 そこでエホバはモーセにこう言われた。「朝早く起きて,ファラオの前に立ちなさい+。そして,必ずこう言うように。『ヘブライ人の神エホバはこのように言われました。「わたしの民を去らせてわたしに仕えさせよ+。14 この度わたしは,わたしのすべての打撃をあなたの心に向け,あなたの僕と民の上にそれを下そうとしているからである。それは,全地にわたしのような者のいないことをあなたが知るためである+。15 わたしはすでに手を突き出してあなたとあなたの民を疫病で撃ち,それによってあなたを地からぬぐい去ることもできたであろう+。16 だが,実際には,この目的のためにあなたを存在させておいた*+。すなわち,あなたにわたしの力を見させるため,こうしてわたしの名を全地に宣明させるためである*+。17 あなたはわたしの民を去らせず,彼らに対してなおもごう慢に振る舞う*のか+。18 見よ,明日の今ごろ,わたしは非常に激しい雹を降らせる。それは,その建てられた日から今に至るまでエジプトに臨んだことがないほどのものである+。19 ゆえに今,人をやって,あなたのすべての畜類と野にあるあなたのすべてのものを避け所に入らせるがよい。野に見いだされ,家の中に集め入れられていない人や獣がいれば,その上に必ず雹+が落ちて,それは死ぬことになる」』」。

20 ファラオの僕たちでエホバの言葉を恐れた者は,自らの僕や畜類を家の中に逃げさせたが+,21 エホバの言葉に心を向けなかった者は自分の僕や畜類を野に残しておいた+。

22 次いでエホバはモーセにこう言われた。「あなたの手を天に差し伸べ+,エジプトの全土に,すなわちエジプトの地の人と獣と野にあるすべての草木の上に雹+を臨ませよ」。23 それでモーセは自分の杖を天に向けて差し伸べた。するとエホバは雷と雹を送り+,火が地に走り下るのであった。そしてエホバはエジプトの地に雹を降らせつづけられた。24 こうして雹が臨み,その雹の中で火がきらめいていた。それは非常に激しく,エジプトが国となってこのかたその全土に臨んだことのないほどのものとなった+。25 そして雹はエジプトの全土を打ちつづけた。雹は人から獣まで野にあるすべてのものを,また野のあらゆる草木*を打った。それは野のあらゆる樹木を*打ち砕いた+。26 ただゴシェンの地,イスラエルの子らのいた所にだけは雹が臨まなかった+。

27 ついにファラオは使いをやってモーセとアロンを呼び,そのふたりにこう言った。「今回わたしは罪をおかした+。エホバは義にかなっており+,わたしとわたしの民は間違っている*。28 神の雷と雹が臨むのはもうこれだけでよいように,エホバに懇願してほしい+。そうしたらわたしは進んでお前たちを去らせよう。お前たちはもうとどまらなくてよいことになる」。29 それでモーセは言った,「市の外へ出たらすぐ,わたしは両手をエホバのほうに広げましょう+。雷はやみ,雹もこれ以上続きません。これは,地がエホバのものであることをあなたが知るためです+。30 しかし,あなたとあなたの僕たちはその時になってもエホバ神のみ前に恐れを示さないであろうことを,わたしは今すでに知っています+」。

31 さて,亜麻と大麦とが打たれた。大麦は穂を出し,亜麻は花のつぼみを付けていたためである+。32 しかし,小麦とスペルト小麦*+は打たれなかった。これらはその季節が遅いからであった。33 さてモーセはファラオのもとから市の外へ出,エホバに向かってその両手を広げた。すると雷と雹はやみはじめ,雨も地に降り注がなくなった+。34 雨と雹と雷がやんだのを見ると,ファラオはまたもや罪をおかしてその心を鈍くした+。彼もその僕たちもであった。35 こうしてファラオの心は依然かたくなであり,エホバがモーセによって*述べられたとおり+,彼はイスラエルの子らを去らせなかった。

10 そこでエホバはモーセにこう言われた。「ファラオのもとに行きなさい。わたしは,彼の心とその僕たちの心を鈍くならせたからである+。それは,これらわたしのしるしを彼の面前に*置くため+,2 そして,わたしがエジプトに対して厳しい処置を取ったことと,わたしが彼らの間に置いた数々のしるしとについてあなたが自分の子や子の子*の耳に告げ知らせるためである+。あなた方は,わたしがエホバであることを必ず知るであろう+」。

3 それでモーセとアロンはファラオのもとに行って,こう言った。「ヘブライ人の神エホバはこのように言われました。『あなたはわたしに服することをいつまで拒まねばならないのか+。わたしの民を去らせてわたしに仕えさせよ。4 もしあなたがわたしの民を去らせることを拒み続けるなら,見よ,わたしは明日,あなたの境界内にいなごを来させることにする+。5 それらは地の見える表面を*まさに覆い尽くし,地を見ることさえできなくなるであろう。それらは,生き延びた残りのもの,すなわち雹があなた方に残したものをすっかり食い尽くし,新芽の出ているあなた方の樹木を野からことごとく食い尽くしてしまうであろう+。6 そして,あなたの家,あなたのすべての僕たちの家,全エジプトの家々は[いなごに]埋め尽くされ,あなたの父も父の父たちも*その地に長らえるようになった日から今日まで見たことがないまでになるであろう+』」。こう言ってから彼は身を転じてファラオのもとを出た+。

7 その後ファラオに対してその僕たちは言った,「いつまでこの男はわたしたちのわなとなるのでしょうか+。この者たちを去らせて,その神エホバに仕えさせてください。エジプトが滅びてしまったことをまだご存じでないのですか+」。8 そのためモーセとアロンはファラオのもとに連れ戻された。彼はふたりに言った,「行って,お前たちの神エホバに仕えるがよい+。行くのは特にどんな者たち*なのか」。9 そこでモーセは言った,「年若い者も年老いた者もわたしたちは連れてまいります。息子や娘たち+,羊や牛も一緒に行きます+。わたしたちにはエホバに対する祭りがあるからです+」。10 すると彼は言った,「わたしがお前たちも幼い者たちも去らせるときにはエホバがお前たちと一緒にいてくださると,このようになればよいことだ+。いや,違う,よこしまな事をお前たちは目ざしている*のだ+。11 そうではなく,強健な男子だけが行ってエホバに仕えるようにしてくれ。それがお前たちの特に求めていることなのだから」。こうして彼らはファラオの前から追い出された+。

12 次いでエホバはモーセにこう言われた。「いなごのためにあなたの手をエジプトの地の上に差し伸べ+,それがエジプトの地に上って来て,この地のすべての草木,雹が残したすべてのものを食い尽くすようにせよ+」。13 直ちにモーセは杖をエジプトの地の上に差し伸べた。するとエホバは東風*+をその日一日また夜通しその地の上に吹かせられた。朝になると,東風はいなごを運んで来た。14 そしていなごがエジプト全土の上に上り,エジプトの全領地に降りて来た+。それは極めて重苦しいものであった+。以前にそれほどのいなごがこうして現われたことはなく,こうして現われることはその後にもないであろう。15 そして,それらはその全土の見える表面を覆ってゆき+,地は暗くなった+。それらは,雹が残したその地のすべての草木と木々のすべての実を食い尽くしていった+。エジプトの全土にわたり,樹木にも野の草木にも緑のものは何も残らなかった+。

16 そのためファラオは急いでモーセとアロンを呼んで,こう言った。「わたしはお前たちの神エホバに対し,またお前たちに対しても罪をおかした+。17 それで今,わたしの罪を,どうか今回だけ赦してほしい+。そしてこの死の災厄*だけはわたしの上から払いのけてくれるよう,お前たちの神エホバに懇願してもらいたい+」。18 それで彼はファラオのもとを出て,エホバに懇願した+。19 するとエホバは非常に強い西風に変え,それがいなごを運び去って紅海*に追い入れた。エジプトの全領地に一匹のいなごも残されなかった。20 しかしエホバはファラオの心をかたくなにならせたため+,彼はイスラエルの子らを去らせなかった。

21 次いでエホバはモーセにこう言われた。「あなたの手を天に差し伸べて+,エジプトの地の上に闇を生じさせ,人が闇を感じるようにせよ」。22 モーセがすぐその手を天に向けて差し伸べると,陰うつな闇がエジプト全土に生じて三日にわたった+。23 人々は互いを見ることができず,三日の間だれも自分の所から立ち上がらなかった。しかしイスラエルの子らすべてには,その住んでいる所に光があった+。24 その後ファラオはモーセを呼んで,こう言った。「行って,エホバに仕えるがよい+。ただし,お前たちの羊と牛はとどめておかれるだろう。お前たちの幼い者たちも一緒に行ってよい+」。25 しかしモーセは言った,「そうしますと,あなたご自身がわたしたちの手に犠牲のものと焼燔の捧げ物とを与えてくださることになります。わたしたちは,自分たちの神エホバにそれをささげなければならないからです+。26 ですから,わたしたちの畜類も一緒に参ります+。ひづめ一つといえども後に残ることは許されません。わたしたちはその中のあるものを取ってわたしたちの神エホバを崇拝する*からです+。そこに着くまでは,エホバへの崇拝のために何をささげるのか,わたしたちも知らないのです+」。27 すると,エホバはファラオの心をかたくなにならせたため,彼はその人々を去らせることに同意しなかった+。28 そしてファラオは彼にこう言った。「わたしのところから出て行け+! よく気を付けて,二度とわたしの顔を見ようとするな。わたしの顔を見るその日にお前は死ぬことになるからだ+」。29 これに対してモーセは言った,「あなたはそのように言われました。わたしはもはやあなたの顔を見ようとは致しません+」。

11 それからエホバはモーセにこう言われた。「あと一つの災厄をわたしはファラオとエジプトに下す。その後に彼はあなた方をここから去らせるであろう+。あなた方をすべて去らせる時,彼はあなた方をここからまさに追い立てんばかりにするであろう+。2 さあ,民の耳に話しなさい。男はそれぞれ自分の友に,女もそれぞれ自分の友に銀の品や金の品を求めるように,と+」。3 それでエホバはその民がエジプト人の目に好意を得るようにされた+。モーセその人も,エジプトの地で,ファラオの僕たちの目や民の目には非常に大いなる者であった+。

4 それからモーセはこう言った。「エホバはこのように言われました。『真夜中ごろわたしはエジプトのただ中に出て行く+。5 そして,エジプトの地にいるすべての初子+は,その王座に座するファラオの初子から手臼を回すはしための初子,さらには獣の初子に至るまでことごとく死ぬことになる+。6 そしてエジプト全土に大きな叫びが必ず起きる。そのようなことはかつてなく,そのようなことは二度と起きないであろう+。7 しかし,すべてイスラエルの子らに対しては,人にも獣にも,犬がその舌をはやらせることすらない*であろう+。エホバはエジプト人とイスラエルの子ら*との間に区別を設けることができるということをあなた方が知るためである+』。8 それで,これらあなたの僕たちは皆わたしのもとに下って来て平伏し+,『出て行ってください,あなたもあなたの歩みに従う民もみな』と言うことでしょう。その後にわたしは出て行きます」。こうして彼は怒りに燃えながらファラオのもとを出た。

9 それからエホバはモーセにこう言われた。「ファラオはあなた方[の言葉]を聴き入れない+。それは,エジプトの地でわたしの奇跡が増し加えられるためである+」。10 こうしてモーセとアロンはこれらのすべての奇跡をファラオの前で行なった+。しかし,エホバはファラオの心をかたくなにならせるのであった。そのため彼はイスラエルの子らを自分の土地から去らせなかった+。

12 次いでエホバはエジプトの地でモーセとアロンにこう言われた。2 「この月はあなた方にとって始めの月となる。これはあなた方にとって一年の最初の月となる+。3 イスラエルの全集会に話してこう言いなさい。『この月の十日に,彼らは各々自分のため,父祖の家のために一頭の羊*+,家ごとに一頭の羊を取る。4 しかし,もし一家がその羊に対しては小さすぎるのであれば,その者とそのすぐ近くの隣り人とは,魂*の数に応じてそれを自分の家に持って行くように。その羊を,各自の食べるところに応じて割り振るべきである。5 あなた方のために,その羊はきずのない+一歳の雄であるべきである+。若い雄羊*から,あるいはやぎの中から選んでもよい。6 そして,この月の十四日+までそれをあなた方の下に守っておき,その後イスラエルの集会の者たちの全会衆は二つの夕方の間に*それをほふらねばならない+。7 また彼らはその血を幾らか取り,自分がそれを食べる家の二本の戸柱*とその戸口の上部に*それを掛け*ねばならない+。

8 「『そして彼らはその夜にその肉を食べなければならない+。それを火で焼いて無酵母パン*+と共に,また苦菜を添えて食べる+。9 その幾らかにせよ生で*,あるいはゆでて,つまり水で煮て食べてはいけない。火で焼く,その頭もすねや内臓も共に。10 また,その幾らかでも朝まで残しておいてはならない。朝まで残るものは火に入れて焼き捨てるべきである+。11 そしてこのようにしてそれを食べる。あなた方の腰に帯をし+,足にサンダルをはき+,手に杖を持つ。それを急いで食べなければならない。それはエホバの過ぎ越し*である+。12 そしてわたしはこの夜にエジプトの地を通り+,人から獣に至るエジプトの地のすべての初子を必ず打つ+。エジプトのすべての神々に対して*わたしは裁きを執行する+。わたしはエホバである+。13 そして,その血はあなた方のいる家の上にあってあなた方のしるしとなるのである。わたしは必ずその血を見てあなた方を過ぎ越す+。それで,わたしがエジプトの地を打つ時,その災厄があなた方に臨んで滅びをもたらすことはない。

14 「『そして,この日はあなた方のための記念となり,あなた方はエホバに対する祭りとして*これを代々祝わなければならない。定めのない時に至る法令としてこれを祝うように。15 七日の間あなた方は無酵母パンだけを食べる。初めの日にあなた方の家から酸い練り粉*を取り除く。初めの日から七日目までの間にパン種の入った物を食べる者がいれば+,その魂はイスラエルのうちから断たれなければならないからである+。16 そして,初めの日にはあなた方のために聖なる大会が開かれ*,七日目にも聖なる大会が[開かれる+]。それら[の日]には何の仕事もしてはいけない+。ただしすべての魂が食べるべきもの,それに関してだけは自分のために行なってよい+。

17 「『こうしてあなた方は無酵母パンの祭り+を守らねばならない。実にその日にわたしはあなた方の軍隊をエジプトの地から携え出すからである。そしてあなた方は定めのない時に至る法令としてこの日を代々守らなければならない。18 第一の月,その月の十四日,その夕方にあなた方は無酵母パンを食べ,月の二十一日,その夕方にまで及ぶ+。19 七日の間あなた方の家に酸い練り粉があってはならない。パン種の入った物を味わう者がいれば,外人居留者であってもその地に生まれた者であっても+,その魂はイスラエルの集会の中から断たれなければならないのである+。20 パン種の入った物はいっさい食べてはいけない。あなた方はその住むすべての所で無酵母パンを食べる』」。

21 直ちにモーセはイスラエルのすべての年長者を呼んで+,こう言った。「あなた方のために,その家族に応じて小さな家畜*を選んで取り,過ぎ越しのいけにえをほふりなさい+。22 また,ヒソプ+の束を取って水盤に入れた血に浸し*,その水盤の血の幾らかを戸口の上部と二本の戸柱にはたき付けなければならない。そして,朝になるまであなた方のだれも自分の家の入口から出てはならない。23 そうすれば,エホバがエジプト人に災厄を下すために通られて戸口の上部と二本の戸柱に付いた血をご覧になる時,エホバは必ずその入口を過ぎ越し,滅びがあなた方の家に入ってあなた方に災厄をもたらすことがないようにされるであろう+。

24 「それであなた方はこの事を,自分と自分の子らのための,定めのない時に至る+規定として守らなければならない+。25 そして,エホバの与えてくださる地に,その述べられたとおりに入るときにも,あなた方はこの務め*を守らなければならないのである+。26 また,あなた方の子らが,『この務めにはどういう意味があるのですか』と言うとき+,27 あなた方は,『これはエホバに対する過ぎ越しの犠牲+であって,[神]はエジプト人に災厄を下された際,エジプトにいたイスラエルの子らの家々を過ぎ越して,わたしたちの家々を救い出してくださったのだ』と言わなければならない」。

すると,民は身を低くかがめて平伏した+。28 その後イスラエルの子らは行って,エホバがモーセとアロンに命じたとおりに行なった+。まさにそのとおりに行なった。

29 そして,真夜中のこと,エホバは,王座に座するファラオの初子から獄の穴*にいる捕らわれ人の初子まで,エジプトの地のすべての初子を打ち+,また獣の初子をもことごとく[打たれた+]。30 それでファラオは,すなわち彼もそのすべての僕や[他の]すべてのエジプト人も夜中に起き上がった。そしてエジプト人の間に大きな叫びが起こりはじめた+。死人の出ない家はなかったからである。31 すぐ,夜のうちに,彼はモーセとアロンを呼んで+,こう言った。「立て,お前たちもイスラエルの[他の]子らもわたしの民の中から出て行け。行って,お前たちの言うとおりエホバに仕えるがよい+。32 お前たちの言ったとおり,羊も牛も連れて行け+。そして,わたしのことも祝福するのだ」。

33 そして,エジプト人はこの民をその地から急いで去らせようとしてせき立てるようになった+。「我々はみな死んだも同然なのだ+!」と言うのであった。34 そのため民はパン種を入れる前の練り粉を抱え,こね鉢をマントにくるんで肩に負った。35 そしてイスラエルの子らはモーセの言葉どおりに行ない,エジプト人に銀の品や金の品やマントを求めるのであった+。36 そしてエホバはその民がエジプト人の目に好意を得るようにされたので+,彼らはその求められる物をこれに与えた+。こうして[民]はエジプト人からはぎ取った+。

37 それからイスラエルの子らはラメセス+をたってスコトに向かうことになったが+,幼い者たちを別にして,徒歩で行く強健な男子は六十万人に上った+。38 そして入り混じった大集団*+も彼らと共に上って行き,加えて羊の群れと牛の群れ,おびただしい数の家畜が一緒であった。39 そして彼らはエジプトから携えて来た練り粉を焼いて丸い菓子,つまり無酵母パンにした。それはパン種を入れてなかったからである。エジプトから追い立てられてゆっくりひまを取ることができず,また自分たちのための食糧を用意してもいなかったのである+。

40 そして,エジプトに住んだ*+イスラエルの子ら*のその居住[の期間+]は四百三十年であった+。41 そして,四百三十年の終わったちょうどその日に,エホバの全軍はエジプトの地を出たのであった+。42 それは,彼らをエジプトの地から携え出されたゆえにエホバに対して守るべき夜である。この夜はイスラエルのすべての子らが代々エホバに対して守るべきものである+。

43 次いでエホバはモーセとアロンにこう言われた。「これが過ぎ越しに関する法令である+。すなわち,異国の者*はだれもそれを食べてはいけない+。44 しかし,金で買い取られた奴隷の男がいる場合,あなたはこれに割礼を施さねばならない+。こうして後に,その者はそれにあずかってよい。45 移住者*と雇い入れられた労働者とはそれを食べてはいけない。46 それを一軒の家の中で食べる。その肉の幾らかにせよ家から外のどこかへ持ち出してはならない。また,あなた方はその骨を折ってはならない+。47 イスラエルの集会のすべての者がこれを執り行なう+。48 そして,外人居留者があなたのもとに外国人としてとどまっていて,その者がエホバへの過ぎ越しを執り行なうという場合には,その者に属するすべての男子に割礼が施される*ように+。こうして後に,その者は近くに来てそれを行なってよい。その者はその地で生まれた者のようにならなければならない。しかし,割礼を受けていない者はだれもそれを食べてはならない。49 そこで生まれた者にもあなた方の中に外国人としてとどまる外人居留者にも,同一の律法が存在することになる+」。

50 それで,イスラエルのすべての子らは,エホバがモーセとアロンに命じたとおりに行なった。まさにそのとおりに行なった+。51 そして,ちょうどこの日に,エホバはイスラエルの子らをその軍隊と共に+エジプトの地から携え出されたのであった。

13 そしてエホバはモーセにさらに話してこう言われた。2 「イスラエルの子らの中にあってそれぞれの胎を開く男子の初子は,人についても獣についても,それをすべてわたしに対して神聖なものとしなさい。それはわたしのものである+」。

3 次いでモーセは民に向かってこう言った。「あなた方がエジプトから,奴隷の家から出たこの日を覚えておくように*+。エホバ*はみ手の力によってあなた方をここから携え出されたからである+。それでパン種の入った物を食べてはいけない+。4 アビブ*の月のこの日にあなた方は出て行く+。5 そして,エホバがあなたをカナン人,ヒッタイト人,アモリ人,ヒビ人,エブス人の地+,すなわちあなたに与えるため父祖たちに誓われたところ+,乳と蜜の流れるその地+に携え入れてくださったなら,その時あなたはこの月にこの務め*を果たさなければならない。6 七日の間あなたは無酵母パンを食べ+,七日目にはエホバへの祭りを行なう+。7 無酵母パンを七日のあいだ食べる+。パン種の入った物があなたのもとに見いだされることがなく+,その全境界内で酸い練り粉があなたのもとに見いだされることのないように+。8 そしてあなたはその日,自分の子に告げてこう言わなければならない。『これは,わたしがエジプトから出た時エホバがわたしにしてくださった事のゆえだ』と+。9 そして,これはあなたにとって手の上のしるし,目の間の記念とならなければならない+。こうしてエホバの律法があなたの口にあるようにするのである+。エホバは強いみ手によってあなたをエジプトから携え出されたからである+。10 それであなたはこの法令を年々*その定めの時に守らなければならない+。

11 「そして,エホバがあなたとあなたの父祖たちに誓われたとおり+カナン人の地に携え入れてくださり+,それをまさしく与えてくださったなら,12 その時あなたは,胎を開くすべての者をエホバに*ささげなければならない+。また,すべての初子,すなわち獣の子も+,あなたのものとなるものは[そのようにする]。雄はエホバのものである+。13 そして,ろばの初子はすべてこれを羊で請け戻す。もし請け戻さないのであれば,その首を折らなければならない+。また,あなたの子らのうち,人の初子もすべてこれを請け戻すように+。

14 「そして,後にあなたの子が尋ねて+,『これはどういう意味ですか』と言う場合,あなたはこう言わなければならない。『み手の力によってエホバはわたしたちをエジプトから+,奴隷の家から携え出してくださった+。15 そして,ファラオはわたしたちを去らせることについてかたくなな態度を示したので+,エホバ*はエジプトの地のすべての初子+,すなわち人の初子から獣の初子に至るまでを殺された+。だからわたしは胎を開くすべての雄をこうしてエホバに犠牲としてささげ+,わたしの子のうちの初子をみな請け戻すのだ+』と。16 そしてこれはあなたの手の上のしるし,目の間の額帯とならなければならない+。み手の力によってエホバはわたしたちをエジプトから携え出してくださったからである+」。

17 そして,ファラオが民を去らせた際,神はフィリスティア人の地が近いというだけの理由で彼らをその道に導くことはされなかった。「戦いを見て民は後悔し,エジプトに戻って行くことになるかもしれない+」と神は言われたのである。18 ゆえに神は民をう回させて紅海の荒野の道に進ませた+。とはいえ,イスラエルの子らは戦闘隊形を組んで*エジプトの地から上って行ったのである+。19 そしてモーセはヨセフの骨を携えていた。彼がイスラエルの子らに厳粛に誓わせて,「神は必ずあなた方に注意を向けてくださるので+,あなた方はぜひともわたしの骨を携えてここから上って行くようにしてください」と言ったからであった+。20 そののち彼らはスコトをたって,荒野の端のエタムに宿営を張った+。

21 そしてエホバは彼らの前方を行かれ,昼は雲の柱のうちにあってその道を導き+,夜は火の柱のうちにあって彼らに光を与え,こうして昼も夜も進めるようにされた+。22 昼は雲の柱が,夜は火の柱が民の前から離れなかった+。

14 次いでエホバ*はモーセに話してこう言われた。2 「イスラエルの子らに話しなさい。引き返して,ミグドルと海との間,バアル・ツェフォンを望むピハヒロトの手前に宿営を張るように+,と。その正面,海のほとりにあなた方は宿営を張る。3 その時ファラオはイスラエルの子らに関して必ずこう言うであろう。『彼らはあの地でまごついている。荒野が彼らを封じ込めた』と+。4 こうしてわたしはファラオの心をまさにかたくなにならせる+。彼は必ずその跡を追い,わたしはファラオとそのすべての軍勢とによって自らに栄光を得るのである+。エジプト人は,わたしがエホバであることを必ず知るであろう+」。そこで彼らはそのとおりに行なった。

5 後に,民の逃げ去ったことがエジプトの王に報告された。するとすぐ,その民についてファラオおよびその僕たちの心は変わった+。そしてこう言った。「我々が行なったこの事はどういうことなのか。イスラエルを去らせて,我々の奴隷として仕えるのをやめさせるとは+」。6 それから彼は戦車を整え,民を自分のもとに集めた+。7 次いでより抜きの兵車+六百両とエジプトの他のすべての兵車とを集め,そのすべてに戦士*を乗らせた。8 こうしてエホバ*はエジプトの王ファラオの心をかたくなにならせたため+,彼はイスラエルの子らの跡を追いはじめた。ときにイスラエルの子らは,手を高く掲げて出て行くところであった+。9 そしてエジプト人は彼らの跡を追って行き,ファラオのすべての兵車の馬と騎兵+と軍勢とは,彼らが海のほとり,バアル・ツェフォンを望むピハヒロトのそばで宿営しているところに追い迫って行った+。

10 ファラオがすぐそばに来た時に,イスラエルの子らは目を上げた。見ると,エジプト人が自分たちの後を行進して来るのであった。そのためイスラエルの子らはひどく恐れ,エホバに向かって叫びだした+。11 そしてモーセにこう言った。「エジプトに埋葬場所が全くないために,わたしたちをここに連れて来て,荒野で死なせようとするのですか+。わたしたちをエジプトから導き出したりして,何ということをしてくれたのです。12 エジプトであなたに話してこう言ったではありませんか。『わたしたちのことはほっておいて,このままエジプト人に仕えさせてほしい』と。わたしたちにとっては,荒野で死ぬよりエジプト人に仕えているほうがましなのです+」。13 その時モーセは民に言った,「恐れてはいけない+。しっかり立って,エホバの救いを見なさい。それをあなた方のために今日成し遂げてくださるのです+。あなた方が今日見るこのエジプト人を,あなた方は二度と,そうです,二度と再び見ることはありません+。14 エホバ自らあなた方のために戦われます+。あなた方は黙していればよいのです」。

15 その時エホバはモーセに言われた,「なぜあなたはわたしに向かって叫びつづけているのか+。イスラエルの子らに話して,宿営を解かせよ。16 そしてあなたは,杖+を掲げて手を海の上に差し伸べ,それを二つに分けよ+。イスラエルの子らが乾いた陸地を通って海の中を行くためである+。17 わたしは,見よ,エジプト人の心をかたくなにならせている+。それは,彼らがその後を追って中に入り,こうしてわたしが,ファラオとそのすべての軍勢,その戦車と騎兵たちとによって自らに栄光を得るためである+。18 そして,わたしがファラオにより,その戦車と騎兵たちとによって自らに栄光を得る時,エジプト人は,わたしがエホバであることを必ず知るであろう+」。

19 その時,イスラエルの陣営の前を進んでいた[まことの]神のみ使い+はそこを離れて後方に回り,雲の柱も彼らの先頭を離れて後方に立った+。20 こうしてそれはエジプト人の陣営とイスラエル人の陣営との間に入った+。一方においてそれは闇を伴う雲となった。他方においては夜を明るく照らしつづけた+。そして,夜通し,この群れはかの群れに近づかなかった。

21 さて,モーセは手を海の上に差し伸べた+。するとエホバは強い東風によって夜通し海を退かせ,その海を乾いた地面に変えてゆかれた+。水は二つに分かれていった+。22 ついにイスラエルの子らは乾いた陸地を通って海の中を行き+,その間水は彼らの右と左に壁となっていた+。23 次いでエジプト人は追跡を開始し,ファラオのすべての馬,その戦車と騎兵たちとは彼らの後を追って+海の中に入って行った。24 そして,朝の見張り時*のころ,エホバは火と雲の柱のうちからエジプト人の陣営をご覧になり+,エジプト人のその陣営を混乱させてゆかれた+。25 そして,彼らの兵車から次々に車輪を外されたため,彼らはそれを進ませるのに難渋するのであった+。そのためエジプト人はこう言いだした。「イスラエルにかかわるのはやめて逃げようではないか。確かにエホバが彼らのためにエジプト人と戦っているのだ+」。

26 ついにエホバはモーセに言われた,「あなたの手を海の上に差し伸べて+,水をエジプト人の上,その戦車と騎兵たちの上に戻らせよ」。27 モーセが直ちに手を海の上に差し伸べると,朝になりかけるころ,海はいつもの状態に戻っていった。一方エジプト人はそれにぶつからぬように逃げようとしていたが,エホバはエジプト人を海の中に払い落とされた+。28 そして水はどんどんと戻って行った+。ついにそれはファラオのすべての軍勢に属する戦車と騎兵たち,[民]を追って海に入った者たちを覆った+。その一人として残された者はいなかった+。

29 一方イスラエルの子らは海底の乾いた陸地を進み+,水は彼らのためその右と左に壁となっていた+。30 こうしてその日,エホバはイスラエルをエジプト人の手から救われた+。イスラエルはエジプト人が海辺に死んでいるのを見た+。31 イスラエルはまた,エホバがエジプト人に対して行使された大いなるみ手を見た。そして,民はエホバに対して恐れを抱き,エホバとその僕モーセに信仰を置くようになった+。

15 その時モーセとイスラエルの子らはエホバに向かってこの歌を歌い,次のように言いはじめた+。

「エホバに向かってわたしは歌う。[神]はまことに高められたから+。

馬とその乗り手とを海の中に投げ入れられた+。

 2 わたしの力,[わたしの]偉力*はヤハ*+。わたしの救いとなってくださるからだ+。

これがわたしの神,わたしはこの方をたたえよう+。わたしの父の神+,わたしはこの方を高めよう+。

 3 エホバは雄々しい戦人+。エホバがその方のみ名+。

 4 ファラオの兵車とその軍勢を海の中に投げ込まれ+,

そのえり抜きの戦士は紅海の中に沈められた+。

 5 逆巻く水*は彼らを覆い+,彼らは石のように深みに下った+。

 6 エホバよ,あなたの右手はその働きの強力なことを示す+。

エホバよ,あなたの右手は敵をみじんに砕く+。

 7 また,満ちあふれる優越性によって,あなたは逆らい立つ者たちを打ち倒す+。

あなたは燃える怒りを送り出し,それは彼らを刈り株のように食い尽くす+。

 8 そして,あなたの鼻孔*の一息によって*+水は盛り上げられ,

せき止められた洪水の水のように静止した。

逆巻く水が海のただ中で固まった。

 9 敵は言った,『わたしは追跡する+。追いつくのだ+。

わたしは分捕り物を分かつ+。わたしの魂は彼らによって満たされるのだ。

わたしは剣を抜く。わたしの手は彼らを追い散らす*のだ+』と。

10 あなたはご自分の息を吹きかけ+,海は彼らを覆った+。

彼らは荘厳な水の中に鉛のように沈んだ+。

11 エホバよ,神々の中に*だれかあなたに並ぶ者がいるでしょう+。

神聖さにおいて強大なことを示されるあなたに並ぶ者がいるでしょうか+。

賛美の歌をもって+恐れかしこむべき方+,驚くべき事を行なわれる方+。

12 あなたが右の手を差し伸べると+,地は彼らを呑み込んでいった+。

13 あなたはご自分が取り戻した*民を愛ある親切*をもって導かれた+。

あなたは力をもって彼らをご自分の聖なる住まいに必ず導いて行かれる+。

14 もろもろの民は必ず聞いて+動揺する+。

産みの苦しみ+がフィリスティアに住む者たちを必ずとらえる。

15 その時エドムの首長たちはまさしくかき乱される。

モアブの君王たちは,おののきがこれをとらえる+。

カナンに住む者は皆まさにうち沈む+。

16 非常な怖れとおじけとが彼らを襲う+。

あなたのみ腕の偉大さゆえに彼らは石のように動かなくなる。

エホバよ,あなたの民+が通り過ぎるまで,

あなたの生み出された*民+が通り過ぎるまでは+。

17 あなたは彼らを携えて行って,ご自分の相続地*の山に植えられる+。

エホバよ,ご自分が住むためにご自身で整えられた定めの場所*に+。

エホバ*よ,あなたのみ手が定めた聖なる所+の中に。

18 エホバは定めなく,まさに永久に王として支配される+。

19 ファラオの馬+がその戦車や騎兵と共に海の中に入ったとき+,

その時エホバは海の水を彼らの上に引き戻させた+。

しかしイスラエルの子らは海の中の乾いた陸地を歩いた+」。

20 そしてアロンの姉である女預言者ミリアム+はその手にタンバリンを取り+,またすべての女たちもタンバリンを持って踊りながら*彼女と共に出て行った+。21 そしてミリアムは男たち*にこたえてこう[歌い]つづけた+。

「エホバに向かって歌え*+。[神]はまことに高められたから+。

馬とその乗り手とを海の中に投げ入れられた+」。

22 後にモーセはイスラエルを紅海から出発させた。彼らはシュル+の荒野へ出て行き,荒野を三日間行進したが,水を見つけることができなかった+。23 やがてマラに来たが+,マラの水は苦くて飲むことができなかった。そのために彼はそこの名をマラ*と呼んだのである+。24 そして民はモーセに対してつぶやきはじめ+,「わたしたちは何を飲んだらよいのか」と言った。25 そこで彼はエホバに向かって叫んだ+。するとエホバは彼に一本の木を指示され,彼がそれを水の中に投げ入れると,その水は甘くなった+。

その所で[神]は彼ら*のために規定を,また裁きのための事例を設け,またその所で彼らを試みられた+。26 そうしてこう言われた。「あなたの神エホバの声に固く聴き従い,その目に正しいとされることを行ない,そのおきてに確かに耳を向け,そのすべての規定を守るなら+,わたしは,わたしがエジプト人に加えた疾病を一つもあなたに加えない+。わたしはエホバ,あなたをいやしている者だからである+」。

27 そののち彼らはエリムに来た。そこには十二の水の泉と七十本のやしの木があった+。それで彼らはそこの水のそばに宿営を張ることにした。

16 後に彼らはエリムを出発した+。そして,イスラエルの子らの全集会はついにシンの荒野に来た+。それはエリムとシナイの間にあり,エジプトの地を出たのち第二の月の十五日のことであった。

2 そして,イスラエルの子らの全集会はその荒野でモーセとアロンに対してつぶやくようになった+。3 そしてイスラエルの子らは彼らに向かってしきりにこう言った。「エジプトの地で肉のなべのそばに座り+,パンを満ち足りるまで食べていたころにエホバの手にかかって死んでいたほうがましであった+。あなた方はわたしたちをこんな荒野に連れ出して,この全会衆を飢え死にさせようというのだ+」。

4 その時エホバはモーセにこう言われた。「いまわたしはあなた方のために天からパンを降らせる+。民は必ず出て行って,各自自分の量を一日分ずつ拾うように+。これは,わたしの律法のうちを歩むかどうかについて,わたしが彼らを試みるためである+。5 そして六日目には+,自分たちが運び入れたものの準備をしなければならない。それは日ごとに拾った分の二倍となるはずである+」。

6 それでモーセとアロンはイスラエルのすべての子らにこう言った。「夕方には,あなた方をエジプトの地から携え出されたのがエホバであることを,あなた方は必ず知るでしょう+。7 そして朝には,まさしくエホバの栄光を見ることでしょう+。エホバはご自分に対するあなた方のつぶやきをお聞きになったからです。それで,あなた方はわたしたちにつぶやいていますが,このわたしたちが何者なのでしょう」。8 モーセはさらに言った,「それは,エホバが夕方あなた方に肉を与えて食べさせ,朝にはパンを満ち足りるまで[お与えになる]時に起きます。エホバは,ご自分に対してあなた方がつぶやいているそのつぶやきをお聞きになったのです。それで,わたしたちが何者なのでしょう。あなた方のつぶやきは,わたしたちに対してではなく,エホバに対してなのです+」。

9 次いでモーセはアロンに言った,「イスラエルの子らの全集会にこう言ってください。『エホバのみ前に近づきなさい。あなた方のつぶやきをお聞きになったからです+』」。10 それでアロンがイスラエルの子らの全集会に話すと,彼らはすぐに荒野のほうを向いた。すると,見よ,エホバの栄光が雲の中に現われた+。

11 そして,エホバはモーセにさらに話してこう言われた。12 「わたしはイスラエルの子らのつぶやきを聞いた+。彼らに話して言いなさい,『あなた方は二つの夕方の間に*肉を食べ,朝にはパンに満ち足りるであろう+。そしてあなた方は,わたしがあなた方の神エホバであることを必ず知るであろう+』」。

13 こうして夕方にはうずら+が上って来て宿営を覆うようになり,朝には宿営の周りに露の層が生じているのであった+。14 やがて露の層は蒸発し*,見ると,荒野の表面には細かい薄片状の*もの+,細かくて,地におりた白い霜+のようなものができていた。15 それを見た時,イスラエルの子らは,「これは何だろう*」と言い合った。それが何だか分からなかったのである。そこでモーセは彼らに言った,「これはエホバが食物としてあなた方にお与えになったパンです+。16 エホバが命じて言われた言葉はこうです。『各自その食べるところに応じて幾らかを拾いなさい。あなた方はそれぞれ自分の天幕内にいる魂の数に応じ,一人*に一オメル*+の割で取るように』」。17 それでイスラエルの子らはそのとおりにしはじめた。彼らはそれを拾っていき,ある者は多く集め,ある者は少なく集めた。18 それをオメル升で量ってみると,多く集めた者にも余りはなく,少なく集めた者にも不足はなかった+。各自その食べるところに応じてそれを拾ったのである。

19 その後モーセは彼らに言った,「だれもそれを朝まで残しておいてはいけない+」。20 しかし彼らはモーセ[の言うこと]を聴かなかった。ある人々がそれを少し朝まで残しておくと,それは虫がわいて臭くなっているのであった+。そのためモーセは彼らに対して憤然とした+。21 こうして彼らは朝ごとに+,各自その食べるところに応じてそれを拾った。太陽が熱くなると,それは溶けた。

22 そして六日目には,二倍のパンを+,つまり一人に二オメルずつを拾った。それで集会の長たち*全員はモーセのところに来てそのことを報告した。23 そこで彼は言った,「これはエホバの話されたことです。明日はエホバに対する聖なる安息として安息日*が守られます+。焼くことのできるものは焼き,煮ることのできるものは煮て+,余っているものはみな朝まで保存すべきものとして自分たちのために取って置きなさい」。24 そこで彼らはモーセが命じたとおりそれを朝まで取って置いた。それは臭くならず,その中にうじが生じることもなかった+。25 それでモーセは言った,「それを今日食べなさい。今日はエホバに対する安息日だからです+。今日はそれを野で見つけることはできません。26 六日の間あなた方はそれを拾いますが,七日目は安息日です+。その日には少しも生じません」。27 それにもかかわらず,七日目にも民の中のある者たちは[それを]拾おうとして出て行くのであった。しかし少しも見いだせなかった。

28 このためエホバはモーセに言われた,「いつまであなた方はわたしのおきてと律法を守ることを拒まねばならないのか+。29 エホバがあなた方に安息日を与えたことに注目せよ+。そのゆえに六日目には二日分のパンを与えているのである。各々自分の所に座しているように+。七日目にはだれも自分の場所から出てはいけない」。30 それで民は七日目に安息を守ることになった*+。

31 やがてイスラエルの家はその物の名を「マナ*」と呼ぶようになった。そして,それは白くて,コエンドロの種に似ており,その味は蜜を入れた平焼き菓子のようであった+。32 その後モーセは言った,「エホバが命じて言われた言葉はこうです。『それをオメル升に一杯取り,あなた方が代々守り置くものとしなさい+。エジプトの地からあなた方を携え出した際にわたしが荒野であなた方に食べさせたパンを彼らが見るためである+』」。33 そうしてモーセはアロンに言った,「つぼを取り,その中にマナを一オメル入れ,あなた方が代々守り置くべきものとしてそれをエホバのみ前に置きなさい+」。34 エホバがモーセに命じたとおり,アロンは守り置くべきものとしてそれを証*+の前に置くことになった。35 そして,イスラエルの子らは人の住む地に来るまで+四十年の間マナを食べた+。カナンの地の国境+に来るまで彼らが食べたものはこのマナであった。36 ところで一オメルは一エファ*の十分の一である。

17 その後イスラエルの子らの全集会はシンの荒野を出発して+,一行程ずつ[進んで行った]。それはエホバの命令*にしたがって進んだものである+。こうして彼らはレフィディムに宿営することになった+。ところが,そこには民の飲む水がなかった。

2 それで民はモーセと言い争うようになって+,「わたしたちに水を与えて飲ませてほしい」と言った。しかしモーセは彼らに言った,「なぜあなた方はわたしと言い争うのですか。どうしてエホバを試みつづけるのですか+」。3 しかし民はそこでしきりに水を渇望し,民は幾度もモーセにつぶやいてこう言った。「わたしたちをエジプトから連れ出して来て,わたしたち*も子らや畜類も共に渇きのために死なせるとはどういうわけなのか+」。4 ついにモーセはエホバに叫んで言った,「わたしはこの民をどうすればよいのでしょうか。もう少しすれば,彼らはわたしを石打ちにすることでしょう+」。

5 するとエホバはモーセにこう言われた。「民の前を通って+イスラエルの年長者のうちから幾人かを連れて行き,またあなたがナイル川を打った杖+を[取り]なさい。それを手に取って進んで行くように。6 見よ,わたしはそこの,ホレブ*の岩の上であなたの前に立つ。そしてあなたはその岩を必ず打つように。すると水がそこから出て,民はそれを飲むことになる+」。その後モーセはイスラエルの年長者たちの見るところでそのとおりに行なった。7 それで彼はその場所の名をマッサ*+,またメリバ*+と呼んだ。イスラエルの子らが言い争ったため,また彼らが,「エホバはわたしたちの中におられるのかおられないのか+」と言ってエホバを試みたためである+。

8 その後アマレク人*+がやって来て,レフィディムでイスラエルに戦いをしかけた+。9 そこでモーセはヨシュア*+に言った,「わたしたちのために人を選び,出て行って+アマレク人と戦いなさい。明日わたしは[まことの]神の杖を手にして+丘の頂に立ちます」。10 それでヨシュアは,アマレク人と戦うために,モーセの言ったそのとおりに行なった+。そしてモーセ,アロン,それにフル+は丘の頂に上った。

11 そして,モーセが手を掲げるとイスラエル人が優勢になり+,その手を下ろすとアマレク人が優勢になるのであった。12 モーセの手が重くなった時,ふたりは石を取って彼の下に置き,彼はその上に座った。アロンとフルは彼の両手を,一人はこちら側,他の一人は向こう側で支えた。そのため彼の手は太陽が沈むまでしっかりとしていた*。13 こうしてヨシュアは剣の刃でアマレクとその民を制圧した+。

14 その時エホバはモーセに言われた,「これを記録として書の中に記し+,またヨシュアの耳にも説き聞かせよ。『わたしはアマレクに関する記憶を天の下から全くぬぐい去る』と+」。15 その後モーセは祭壇を築き,その名をエホバ・ニシ*と呼んで,16 こう言った。「手がヤハ+のみ座+に向けられるゆえに,エホバは代々にわたってアマレクと戦いをされる*+」。

18 さて,ミディアンの祭司でモーセのしゅうと+である*エテロは,神がモーセとその民イスラエルのために行なわれたすべての事,すなわちエホバがどのようにしてイスラエルをエジプトから携え出されたかを聞いた+。2 それで,モーセのしゅうとエテロは,送り返されていたモーセの妻*チッポラと,3 彼女の二人の子+を連れて行った。その一方の名はゲルショム*+といった。「わたしは異国の地で外人居留者となったから」と彼は言ったのである。4 他方の者の名はエリエゼル*+といった。「わたしの父の神はわたしをファラオの剣から救い出して,わたしの助け手となってくださったから+」ということであった。

5 こうしてモーセのしゅうとエテロ,およびその子らと妻とはモーセのもとへ,すなわち彼が宿営していた,[まことの]神の山+の荒野へ来た。6 そして彼はモーセのもとにこう言い送った。「あなたのしゅうとであるわたし*エテロ+は*あなたのところにやって来た。あなたの妻とその二人の息子たちも一緒だ」。7 直ちにモーセは出て行って自分のしゅうとを迎え,これに平伏し,また口づけした+。そして彼らは,どのように過ごしているかを互いに尋ね合った。そののち彼らは天幕に入った。

8 そしてモーセは,エホバがイスラエルに関してファラオとエジプトに行なわれたすべての事についてしゅうとに話していった+。また,途中で臨んだすべての辛苦について+,それでもエホバが彼らを救い出してくださっていることについても[話した+]。9 するとエテロは,エホバがイスラエルをエジプトの手から救い出して彼らのために*行なわれたすべての良い事柄について喜ぶのであった+。10 そうしてエテロは言った,「エホバがほめたたえられるように。あなた方をエジプトの手から,またファラオの手から救い出し,この民をエジプトの手の下から救い出されたのだ+。11 彼らが[民]に*せん越に振る舞ったこの事から,今わたしは,エホバが[他の]すべての神々*に勝って偉大な方であることをよく知った+」。12 その後モーセのしゅうとエテロは神への焼燔の捧げ物と犠牲を手に取った+。そしてアロンおよびイスラエルのすべての年長者たちもやって来て,モーセのしゅうとと共に[まことの]神の前でパンを食べた+。

13 そして翌日のこと,モーセは民のために裁き人として仕えるためいつものように腰を下ろした+。民は朝から夕方までモーセの前に立つのであった。14 そしてモーセのしゅうとは,彼が民のために行なっているすべてのことを見た。それでこう言った。「あなたが民のためにしているこの仕事は一体どういうことなのか。どうしてあなた独りがずっと座り,民がみな朝から夕方まであなたの前に立つのか」。15 そこでモーセはしゅうとに言った,「神に尋ねようとして民がわたしのところに絶えずやって来るからです+。16 彼らに何か問題が起きる場合+,それはどうしてもわたしのところに持ち出され,わたしはこれと彼との間を裁いて,[まことの]神の決定と律法とを知らせなければなりません+」。

17 それに対しモーセのしゅうとは言った,「あなたがしているそのやり方は良くない。18 あなたは,そうだ,あなたも一緒にいるこの民もきっと疲れ果ててしまう。この仕事はあなたにとって重すぎる荷なのだ+。あなた独りでこれを果たすことはできない+。19 さあ,わたしの声を聴き入れなさい+。わたしはあなたに忠告しよう。そして神はあなたと共にいてくださるだろう+。あなた自身は[まことの]神の前にあって民の代表となり+,あなたが種々の問題を[まことの]神のもとに持って行くのだ+。20 またあなたはどのような規定と律法があるかについて彼らに警告し+,彼らの歩むべき道となすべき業とを知らせなければならない+。21 だがあなたは,民全体の中から,有能な男子+,神を恐れる+,信頼できる*人々+,不当な利得を憎む者たち+を選び出すべきだ。あなたはそれを,千人の長**+,百人の長*,五十人の長,十人の長*として人々の上に立てるように+。22 そしてその人たちがすべてふさわしい時に民を裁くことになる。大きな問題はすべてあなたのところに持って来るが+,小さな問題はみなその人たちが裁き人となって扱うことになる。こうしてあなたの分を軽くし,その人たちがあなたと一緒に荷を負うようにしなければいけない+。23 もしこのとおりにするなら,神がお命じになったことでもあり,あなたは必ずそれに堪えることができ,この民のほうも全員無事に自分たちの場所に行き着けるであろう+」。

24 すぐにモーセはしゅうとの声を聴き入れ,その述べたところをすべて行なった+。25 こうしてモーセはイスラエル全体の中から有能な男子を選び,千人の長,百人の長,五十人の長,十人の長として,民の頭としての地位をその人々に与えた+。26 そしてその人々がすべてふさわしい時に民を裁いた。難しい問題はモーセのところに持って来た+が,小さい問題はみなそれらの者が裁き人となって扱った。27 その後モーセはしゅうとを見送り+,彼は自分の土地へ戻って行った。

19 エジプトの地を出た後,第三の月+のその同じ日に,イスラエルの子らはシナイの荒野+に入った。2 すなわち彼らはレフィディム+をたってシナイの荒野に入り,その荒野に宿営を張った+。イスラエルはそこで,山を前にして宿営したのである+。

3 そしてモーセは[まことの]神のもとに上って行った。するとエホバは山の中から彼に呼びかけて*+こう言われた。「これはあなたがヤコブの家に話し,イスラエルの子らに告げるべきことである。4 『あなた方は,わたしがエジプト人に対して行なった事柄を見た+。それは,あなた方を鷲の翼に乗せてわたしのところに連れて来るためであった+。5 それで今,もしわたしの声に固く従い*+,わたしとの契約をほんとうに守るなら+,あなた方はあらゆる民の中にあって必ずわたしの特別な所有物となる*+。全地はわたしのものだからである+。6 そしてあなた方は,わたしに対して祭司の王国,聖なる国民となる+』。これが,イスラエルの子らにあなたの言うべき言葉である」。

7 それでモーセは戻って来て民の年長者たちを呼び+,エホバの命じたこれらのすべての言葉をその前で述べた+。8 すると民は全員一致して答えて言った,「エホバの話されたすべてのことをわたしたちは喜んで行ないます+」。直ちにモーセは民の言葉を携えてエホバのもとに戻った+。9 するとエホバはモーセにこう言われた。「見よ,わたしは暗い雲のうちにあってあなたに臨む+。わたしがあなたと話す時に民が聞くため+,そして彼らがあなたに対しても定めのない時まで信仰を置くためである+」。それからモーセは民の言葉をエホバに報告した。

10 次いでエホバはモーセにこう言われた。「民のもとに行きなさい。そしてあなたは,今日と明日,彼らを神聖なものとしなければならない。彼らは必ず自分のマントを洗うように+。11 こうして彼らは三日目のために備えをしていなければならない。三日目に,エホバは民すべての目の前でシナイ山に下るからである+。12 そしてあなたは民のために周囲に必ず境を定めて,こう言うように。『山の中に上って行くことのないよう気を付けなさい。その端に触れてもいけない。この山に触れる者はみな必ず死に処せられる+。13 だれの手もその者に触れてはならない。その者は必ず石打ちにされ,あるいは必ず射通されることになるからである。獣であれ人であれ,その者は生きていることはできない+』。雄羊の角笛*+を吹き鳴らす時,彼らは山に上って来てよい」。

14 そこでモーセは山を下りて民のもとに行き,民を神聖なものとすることに取りかかった。そして彼らは自分のマントを洗いはじめた+。15 それで彼は民に言った,「三日のうちに用意をしなさい+。男子は女に近づいてはいけない+」。

16 そして,三日目,その朝になると,雷と稲妻が生じ+,厚い雲+が山にかかり,角笛の非常に大きな音がした+。そのため宿営にいた民は皆おののくのであった+。17 その時モーセは,[まことの]神に会わせるため民を宿営の中から出し,こうして彼らは山のふもとに立った+。18 するとシナイ山はその全山が煙った+。エホバが火のうちにあってそこに下って来られたためである+。その煙は窯の煙のように立ち上り+,山全体が激しく震動した+。19 角笛の音がいよいよ大きくなった時,モーセは話しはじめ,[まことの]神も声をもってこれに答えはじめられた+。

20 こうしてエホバはシナイ山に,その山の頂に下って来られた。その後エホバはモーセを山の頂に呼び,モーセは上って行った+。21 のちにエホバはモーセに言われた,「下って行って,民に警告しなさい。見ようとしてエホバのほうに押し進み,彼らの多くが倒れることのないように+。22 また,常々エホバに近づく祭司たちも自分の身を神聖なものとしなさい+。エホバがにわかに彼らに臨むことのないためである+」。23 そこでモーセはエホバに言った,「民はシナイ山に上って来ることができません。あなたが既にわたしたちに警告なさり,『山に境を定めて,そこを神聖な所とせよ*』と言われたからです+」。24 それでもエホバはこう言われた。「さあ,下って行きなさい。そしてまた必ず上って来なさい,あなたとアロンとが共に。しかし,祭司たちと民はエホバのもとに上ろうとして押し進んで来てはいけない。[神]がにわかにその者たちに臨むことのないためである+」。25 それでモーセは下って行って民に告げた+。

20 それから神はこれらのすべての言葉*を話してこう言われた+。

2 「わたしはあなたの神エホバ*+,あなたをエジプトの地から,奴隷の家から携え出した者である+。3 あなたはわたしの顔に逆らって*他のいかなるものをも神としてはならない*+。

4 「あなたは自分のために,上は天にあるもの,下は地にあるもの,また地の下の水の中にあるものに似せたいかなる彫刻像や形も作ってはならない+。5 それに身をかがめてはならず,さそわれてそれに仕えてもならない*+。あなたの神であるわたしエホバは全き専心を要求する神*であり+,わたしを憎む者については父のとがに対する処罰を子*にもたらして三代,四代に及ぼし*+,6 わたしを愛してわたしのおきて*を守る者については愛ある親切*を千代にまで*施すからである+。

7 「あなたの神エホバの名をいたずらに*取り上げてはならない*+。その名をいたずらに取り上げる者をエホバは処罰せずにはおかないからである+。

8 「安息日を覚えて*それを神聖なものとするように+。9 あなたは六日のあいだ務めをなし*,自分のすべての仕事をしなければならない+。10 しかし,七日目はあなたの神エホバに対する安息日*である+。どんな仕事もしてはならない。あなたもあなたの息子や娘も,あなたの男奴隷や女奴隷も,あなたの家畜,そしてあなたの門の内にいる外人居留者も+。11 エホバは六日の間に天と地[と]海とその中のすべてのものを造り+,そののち七日目に休みに入った*からである+。それゆえにエホバは安息日を祝福して,それを神聖なものとしている*のである+。

12 「あなたの父と母を敬いなさい+。それはあなたの神エホバの与える地においてあなたの[命の]日が長くなるためである+。

13 「あなたは殺人をしてはならない*+。

14 「あなたは姦淫を犯してはならない*+。

15 「あなたは盗んではならない*+。

16 「あなたは仲間の者*に対する証人となるとき偽りの証言をしてはならない+。

17 「あなたは仲間の者の家を欲してはならない*。仲間の者の妻を+,またその男奴隷,女奴隷,牛,ろば,仲間の者に属するどんなものも欲してはならない+」。*

18 さて,民は皆,雷,稲妻のひらめき,角笛の音,煙る山を見て*いた。それを見て民はわななき,離れた所に立っていた+。19 そしてモーセに向かってこう言いだした。「あなたがわたしたちに話して,[それを]わたしたちが聴くようにさせてください。神がわたしたちに話されることのないようにしてください。そうしないとわたしたちは死んでしまいます+」。20 それでモーセは民に言った,「恐れてはいけません。あなた方を試みるために[まことの]神は来られたのです+。またそれは,[神]への恐れが常にあなた方の顔の前にあって,あなた方が罪をおかさないようにするためなのです+」。21 それで民は離れた所にずっと立っていたが,モーセは[まことの]神のおられる暗い雲塊に近づいて行った+。

22 次いでエホバはモーセにこう言われた+。「これはあなたがイスラエルの子らに言うべきことである。『わたしが天からあなた方と話すのを,あなた方自身が見た+。23 あなた方はわたしに並べて銀の神々*を作ってはならない。自分のために金の神々を作ってもならない+。24 土の祭壇+をわたしのために作るように。その上にあなたの焼燔の捧げ物と共与の犠牲*,羊と牛を犠牲としてささげなければならない+。わたしが自分の名を銘記させるすべての所で,わたしはあなたのもとに来て必ずあなたを祝福する+。25 また,もし石の祭壇をわたしのために作るのであれば,それを切り石にして築いてはならない。のみをそれに振るう際に,それを汚すことになるであろう+。26 また,踏み段によってわたしの祭壇に上ってはならない。あなたの隠し所*がその上であらわにされることのないためである』。

21 「また,これらはあなたが彼らの前に置くべき司法上の定め*である+。

2 「あなたがヘブライ人の奴隷を買う場合+,その者は六年のあいだ奴隷であるが,七[年]目には無償で自由にされた者として出て行く+。3 もし彼が自分独りで来るのであれば,自分独りで出て行く。妻を持つ者であれば,必ずその妻も共に出て行く。4 もしその主人が彼に妻を与え,彼女が息子や娘を産んだのであれば,妻とその子供たちは彼女の主人のもの*となり+,彼は自分独りで出て行く+。5 しかしもしその奴隷が,『わたしは主人*を,妻と子らを本当に愛している。自由にされた者として出て行くことは望まない』と,あくまでも言うのであれば+,6 その主人は彼を[まことの]神のそばに連れて行き,戸または戸柱に向かわせなければならない。そして,その主人は彼の耳を突きぎりで突き通し,こうして彼は定めのない時までその者の奴隷となるのである+。

7 「また,人が自分の娘を女奴隷として売る場合+,彼女は男奴隷が出て行くようにして出て行くのではない。8 彼女が主人の目には不満足であるためにその[主人]がこれをそばめ+として定めず,彼女が請け戻されるようにするのであれば,その者はこれに対して不実な扱いをするのであるから,彼女を異国の民に売ることは許されない。9 また,もし彼女を自分の息子のためのものと定めるのであれば,娘たちが持つ当然の権利にしたがってこれに行なうように+。10 もし彼が別の妻をめとるとしても,彼女の糧と衣服+と結婚の分+とを減らしてはならない。11 これら三つのものを彼が与えないのであれば,彼女は金銭の支払いなく無償で出て行くことになる。

12 「人を打って死なせた者は必ず死に処せられる+。13 しかし,待ち伏せしていたのではなく,[まことの]神がそのことを彼の手に生じさせた*場合であれば+,わたしはあなたのために,彼が逃げることのできる場所を必ず設ける+。14 だが,人が自分の仲間に対して激こうし,悪巧みをもってこれを殺すに至った場合には+,わたしの祭壇のところにいようともその者を捕らえて死に至らせるように+。15 また,自分の父や母を打つ者は必ず死に処せられる+。

16 「また,人を誘拐して+これを売り渡した者+,あるいはその手にこれの見いだされた者は必ず死に処せられる+。

17 「また,自分の父や母の上に災いを呼び求める者は必ず死に処せられる+。

18 「また,人が言い争いをして,一方がその相手を石またはくわ*で打ち,その者が死ぬことはなかったが床に就かざるを得なくなった場合,19 もしその者が起き上がり,何かの支えによって戸外を歩き回れるようになるならば,これを打った者は処罰を受けないことになる。彼は,その者を完全にいえさせるまで,その者の仕事から失われた時間に対してだけ償いをする。

20 「また,人が自分の男奴隷または女奴隷を棒で打ち+,その者が彼の手の下で死んだ場合,その者のために必ず復しゅうがなされる+。21 しかし,その者が一日か二日生き延びる*ならば,その者のための復しゅうはなされない。その者は彼の金銭*だからである。

22 「また,人と人とがつかみ合いをして,妊娠している女を傷つけ,その子供+が出てしまう*が致命的な事故には至らない場合,その者はその女の所有者が負わせるところにしたがって必ず損害の賠償を課せられる。裁く者たち+を通してそれを払わねばならない。23 しかし,もしも致命的な事故に至ったならば,魂には魂*+,24 目には目,歯には歯,手には手,足には足+,25 焼き印には焼き印,傷には傷,殴打には殴打を与えなければならない+。

26 「また,人が自分の男奴隷の目または女奴隷の目を打ってそれを損なった場合,彼はその目に対する償いのため,これを自由にされた者として去らせるように+。27 また,男奴隷の歯や女奴隷の歯を折った場合にも,その歯に対する償いのため,これを自由にされた者として去らせるように。

28 「また,牛が男または女を突いてその者が死んだ場合,その牛は必ず石打ちにされる+。そしてその肉を食べてはならない。その牛の所有者は処罰を受けない。29 しかし,牛が以前から突きぐせがあって,その所有者に警告が出されていたにもかかわらず監守しておかず,それが男または女を死なせたのであれば,その牛は石打ちにされ,その所有者もまた死に処せられる。30 もし贖い*が課せられるのであれば,その者はすべて課せられるところにしたがって自分の魂の請け戻しの価を払わねばならない+。31 男の子を突いた場合にも女の子を突いた場合にも,彼に対しこの司法上の定めにしたがって行なわれる+。32 その牛の突いたのが男奴隷または女奴隷であれば,彼は三十シェケルの代価+をその主人に払い,牛は石打ちにされる。

33 「また,人が坑をうがち,あるいは人が坑を掘り抜いてそれに覆いをせずにおき,牛またはろばがその中に落ちた場合+,34 その坑の所有者は償いをする+。代価をその所有者に返すべきであるが,死んだ動物は彼のものとなる。35 また,ある人の牛が他の人の牛を傷つけてそれが死んだ場合,ふたりはその生きている牛を売って,それに支払われた代価を分けなければならない。また死んだものも分けるべきである+。36 しかし,牛が以前から突きぐせのあることが知られていたのに,所有者がそれを監守しておかなかったのであれば+,彼は必ず牛に牛をもって償いをするべきである+。その死んだものは彼のものとなる。

22 「人が牛または羊を盗んで,それをほふるか売るかした場合,その者はその牛に対して五頭の牛,その羊に対して四頭の羊をもって償う*+。

2 (「もし盗人+が押し入るところを見つけられ+,打たれて死ぬことがあっても,その者に対する血の罪*はない+。3 太陽がその上に照り出ていたのであれば,その者に対する血の罪はある。)

「その者は必ず償いをする。何も持っていないのであれば,その者は自分が盗んだもののために身を売られることになる+。4 牛にせよろばや羊にせよ,盗んだものが紛れもなくその者の手に生きて見いだされるならば,その者は二倍の償いをする。

5 「人が畑あるいはぶどう園に放牧して[そこの作物]を食べさせ*,また自分の駄獣を放って別の畑を食い尽くさせてしまったならば,その者は自分の畑の最良のもの,または自分のぶどう園の最良のものをもって償いをする+。

6 「火が広がっていばらに燃えうつり,穀物の束や刈り取っていない穀物や畑が焼け尽きた場合+,その火事を起こした者は[燃えたものに対して]必ず償いをする。

7 「人が自分の仲間に金銭または品物を渡して管理させ+,それがその人の家から盗まれた場合,もし盗人が見つかるなら,その[盗人]が二倍の償いをする+。8 もし盗人が見つからないのであれば,その家の所有者を[まことの]神のそばに連れて行き+,彼が仲間の貨財に手を掛けなかったかどうかを見なければならない。9 どんな違犯+の申し立てにせよ,すなわち牛,ろば,羊,衣など,すべて失われたもので当人が『これがそれだ』と言うものに関しては,両人の申し立てが共に[まことの]神*のもとに出されるように+。邪悪であると神*が宣告する*者は,自分の仲間に対して二倍の償いをする+。

10 「人が自分の仲間にろば,牛,羊,または何かの家畜を渡して管理させ,それが死ぬか,不具になるか,だれも見ていない間に連れ去られるかした場合,11 仲間の資産には手を掛けなかったという誓い+が,その両人の間でエホバにかけてなされるべきである+。その所有者*はこれを受け入れなければならず,もう一方の者は償いをしなくてよい。12 しかし,もしそれが現に彼の手もとから盗まれたのであれば,その者はその所有者に*償いをする+。13 もしそれが現に野獣に引き裂かれたのであれば+,その者は証拠としてそれを持って来るように+。野獣に引き裂かれたものに対しては償いをしなくてよい。

14 「しかし,人が自分の仲間に何かを請い求め+,その所有者が共にいない間にそれが不具になるか死ぬかした場合,その者は必ず償いをするように+。15 その所有者が共にいたのであれば,償いをしなくてよい。賃借りしたものであれば,それは賃借り料の中に含まれることになる。

16 「また,人が婚約していない処女をたぶらかしてこれと寝た場合+,その者は買い取りの代価を払って彼女を必ず自分の妻とするように+。17 その父が彼女を与えることをきっぱり拒むなら,彼は処女の買い取り金に応じた金を支払うように+。

18 「女呪術者を生かしておいてはならない+。

19 「だれでも獣と寝る者は必ず死に処せられる+。

20 「ただひとりエホバ以外の神に犠牲をささげる者は滅びのためにささげられる*+。

21 「また,外人居留者*を虐待したり圧迫したりしてはならない+。あなた方もエジプトの地で外人居留者となったからである+。

22 「あなた方はどんなやもめや父なし子も苦しめてはならない+。23 もしこれを苦しめるようなことがあって,その者がわたしに向かって叫ぶことになれば,わたしは間違いなくその叫びを聞く+。24 そしてわたしの怒りはまさに燃え+,わたしは必ず剣をもってあなた方を殺し,あなた方の妻はやもめとされ,あなた方の子らは父なし子とされるであろう+。

25 「もしわたしの民に,すなわちあなたの傍らの苦しむ者に金を貸すのであれば+,その者に対して金貸しのようになってはならない。あなた方はその者に利息を課してはならない+。

26 「もしあなたが仲間の衣を質に取ることがあるなら+,日の沈むころにはそれを返すように。27 それはその者にとって身を覆うただ一つのものだからである+。それは彼の膚のためのマントである。彼は何にくるまって寝るだろうか。そして,彼はわたしに向かって叫ぶことになり,わたしは必ずそれを聞く。わたしは慈しみある者だからである+。

28 「神*の上に災いを呼び求めたり+,あなた方のうちの長たる者*をのろったりしてはならない+。

29 「あなたの満ち満ちた産物と搾り場からあふれ出るものとを惜しみつつささげてはならない+。あなたの子らのうち初子はわたしにささげるように+。30 あなたの牛また羊に関して行なうべきことはこうである+。七日の間それはその母のもとにとどまる+。八日目に,あなたはそれをわたしにささげる。

31 「また,あなた方はわたしに対して聖なる者となるべきである+。野にある,野獣に裂かれた肉を食べてはならない+。それは犬に投げ与えるべきである+。

23 「あなたは真実でない報告を取り上げてはならない+。邪悪な者に荷担して暴虐をたくらむ証人となってはいけない+。2 よこしまな事柄のために群衆*に従ってはならない+。論争に関する証言に際し,群衆と共にそれて行って公正を曲げようと*してはならない+。3 立場の低い者に関しては,その者の論争のさいに偏った好意を示してはならない+。

4 「あなたに敵する者の牛やろばが迷っているのに出会うことがあれば,必ずこれをその者のもとに帰らせるように+。5 あなたを憎む者のろばが荷の下でうずくまっているのを見ることがあれば,その者を見捨てるようなことをしてはならない。彼と共になって必ずそれを解いてやるように+。

6 「あなたの貧しい者の論争において,その者に対する司法上の決定を曲げてはいけない+。

7 「偽りの言葉からは遠く離れているように+。そして,潔白な者や義なる者を殺してはならない。わたしは邪悪な者を義と宣することはしないからである+。

8 「わいろ*を受け取ってはいけない。わいろは視力のさえた者を盲目にし,義人の言葉をゆがめさせるからである+。

9 「また,外人居留者を虐げてはならない+。あなた方自身,外人居留者*の魂*を知っており,エジプトの地で外人居留者となったからである+。

10 「また,六年の間あなたの土地に種をまいてその産物を取り入れるように+。11 しかし,七年目には,それを耕作しないでおく。それを休閑させておかなければならない+。そして,あなたの民のうちの貧しい人々がそこから食べることになる。また,彼らの残したものは野の野獣が食べる+。あなたのぶどう園やオリーブ畑についてもそのようにする。

12 「六日の間あなたは自分の仕事をする+。しかし七日目にはそれを行なわない*。あなたの牛やろばが休み,あなたの女奴隷の子や外人居留者が身をさわやかにするためである+。

13 「そして,わたしがあなた方に述べたすべてのことについて注意しているように+。あなた方は他の神々の名を唱えてはならない。それがあなたの口から聞かれることがあってはならない+。

14 「年に三回,あなたはわたしに対して祭りを行なうように+。15 あなたは無酵母パンの祭りを守る+。わたしが命じたとおり,アビブの月の定めの時に+七日のあいだ無酵母パン+を食べる。その[月]にあなたはエジプトを出たからである。そして,[民]は*むなし手でわたしの前に出てはならない+。16 また,あなたの勤労すなわちあなたが畑にまいたものの熟した初物+の収穫の祭り+,さらに,年が去って行くころ,あなたの勤労を畑から取り入れる時期に行なわれる取り入れの祭り+。17 年に三度,あなたのすべての男子は[まことの]主*であるエホバ*の顔の前に出る+。

18 「あなたはわたしへの犠牲の血を,パン種の入った物と共にささげてはならない。また,わたしの祭りの脂肪を朝まで夜通しとどめておいてはいけない+。

19 「あなたの土地の熟した初物のうちその最良のもの*を,あなたの神エホバの家に携えて来るように+。

「あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない+。

20 「今わたしはあなたの前に使い+を送ってその道であなたを守らせ,わたしが備えた場所にあなたを導き入れさせる+。21 その者のゆえに自らに注意し,その声に従うように。彼に対して反逆の行為をしてはならない。彼はあなた方の違犯を容赦しないからである+。それは,わたしの名が彼*の内にあるからである。22 しかし,あなたがその声に固く従って,わたしの話すすべてのことを真に行なうならば+,わたしは必ず,あなたに敵する者に敵対し,あなたを悩ます者を悩ませる+。23 わたしの使いはあなたに先立って行き,まさしくあなたを,アモリ人,ヒッタイト人,ペリジ人,カナン人,ヒビ人とエブス人のところに至らせるからである。わたしは彼らを必ずぬぐい去る+。24 彼らの神々に身をかがめたり,さそわれてそれに仕えたりしてはならない。また,彼らが作るものと似たものを作ってはならない+。むしろ,必ずそれを打ち倒し,必ずその聖柱を打ち崩すように+。25 こうしてあなた方は,あなた方の神エホバに仕えなければならない+。そうすれば,あなたのパンと水を必ず祝福するであろう+。そしてわたしはまさに,あなたの中から疾病を離れさせる+。26 あなたの地には流産をする*女もうまずめもいないであろう+。わたしはあなたの日数を満ちさせる+。

27 「またわたしは,わたしに対する恐怖をあなたの前方に送り+,あなたが入って行く民のすべてを必ず混乱に陥れる。そして,あなたに敵するすべての者のうなじを必ずあなたに与える*であろう+。28 またわたしは,失意の気持ち*をあなたの前方に送り+,それがまさに,ヒビ人,カナン人,ヒッタイト人をあなたの前から追い立てるであろう+。29 わたしは彼らをあなたの前から一年のうちに追い立てることはしない。その地が荒れ果てた所となり,野の野獣がまさに殖えてあなたを害することのないためである+。30 わたしは彼らをあなたの前から少しずつ追い立ててゆき,ついにあなたは子を多く生んでその地を全く所有することになるであろう+。

31 「そしてわたしは,あなたの境界を,紅海からフィリスティア人の海まで,荒野から川*までとする+。わたしはその地に住む民をあなた方の手に与えるからである。あなた*は彼らを自分の顔の前から必ず追い立てるであろう+。32 あなたは彼らまた彼らの神々と契約を結んではならない+。33 彼らはあなたの土地に住んではならない。彼らがあなたに,わたしに対する罪をおかさせることのないためである。あなたが彼らの神々に仕える*ことになれば,それはあなたにとってわなとなるであろう+」。

24 またモーセに対してこう言われた。「あなたとアロン,ナダブとアビフ+,それにイスラエルの年長者のうち七十人+は,エホバのもとに上りなさい。そして,あなた方は離れた所で身をかがめるように*。2 そして,モーセ独りがエホバに近づくように。彼らは近づいてはいけない。民は彼と共に上ってはいけない+」。

3 それでモーセは来て,エホバのすべての言葉とすべての司法上の定めとを民に語り告げた+。すると民はみな声をそろえて答えて言った,「エホバの話されたすべての言葉をわたしたちは喜んで行ないます+」。4 そこでモーセはエホバのすべての言葉を書き記した+。それから彼は朝早く起き,山のふもとに,祭壇と,イスラエルの十二部族に対応する十二本の柱とを建てた+。5 その後,イスラエルの子らの若者たちを遣わし,その者たちは焼燔の捧げ物をささげ,また犠牲すなわちエホバへの共与の犠牲+として雄牛をささげた。6 次いでモーセはその血の半分を取って鉢に入れ+,血の半分を祭壇に振り掛けた+。7 最後に彼は契約の書*を取り+,それを民の耳に読み聞かせた+。すると彼らは言った,「エホバの話されたすべてのことをわたしたちは喜んで行ない,また[それに]従います+」。8 そこでモーセはその血を取り,それを民に振り掛けて+,こう言った。「さあ,これらのすべての言葉に関してエホバがあなた方と結ばれた契約+の血です」。

9 それからモーセとアロン,ナダブとアビフ,それにイスラエルの年長者のうちの七十人は上って行った。10 そうして彼らはイスラエルの神を見た+。すると,その足の下には,サファイアの板石でこしらえたように,また清純さにおいては天そのもののように見えるものがあった+。11 そして[神]はこれらイスラエルの子らのうちの目立った人々に対して手を下されることはなかった+。彼らは[まことの]神の幻を見て+,食べまた飲んだのである+。

12 次いでエホバはモーセにこう言われた。「山の中のわたしのもとに上って来て,そこにとどまりなさい。わたしは石の書き板と律法とおきてとをあなたに与えたいのである。それは,彼らを教えるためにわたしが書き記さねばならないものである+」。13 それでモーセとその奉仕者*ヨシュア*は身を起こし,モーセは[まことの]神の山の中に上って行った+。14 しかし,年長者たちに対して彼はこう言った。「わたしたちが戻って来るまで,あなた方はここで待っていてください+。そして,ご覧なさい,アロンとフル+があなた方と共にいます。だれでも訴え事のある人は*彼らに近づきなさい+」。15 こうしてモーセは山の中に上って行ったが,雲がその山を覆っていた+。

16 そして,エホバの栄光+がずっとシナイ山の上にとどまり*+,雲は六日の間そこを覆ったままであった。ついに七日目になって,[神]は雲の中からモーセに呼びかけられた+。17 そして,イスラエルの子らの目に,エホバの栄光は山頂にあってむさぼり食う火のように見えた+。18 次いでモーセは雲の中に入り,山をさらに上って行った+。そしてモーセは四十日四十夜山の中にとどまった+。

25 それからエホバはモーセに話して+こう言われた。2 「イスラエルの子らに話して,わたしのための寄進物*を取らせなさい。すなわち,心に鼓舞されるすべての者から,あなた方はわたしへの寄進物を受け取るように+。3 そして,あなた方が受け取るべき寄進物は次のとおりである。金+,銀+,銅+,4 青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻,やぎの毛+,5 赤く染めた雄羊の皮,あざらしの皮*,アカシア材+,6 明かりのための油+,そそぎ油+および薫香+のためのバルサム油+,7 エフォド*+および胸掛け+のためのしまめのうとはめ込み石。8 そして,彼らはわたしのために聖なる所を造らねばならない。わたしは彼らの中に幕屋を張るのである+。9 幕屋*の型またそのすべての備品の型としてわたしが示すすべての事柄にしたがい,そのとおりにあなた方はこれを造るように+。

10 「それで彼らはアカシアの木で箱*を造らねばならない+。その長さは二キュビト*半,その幅は一キュビト半,その高さは一キュビト半。11 そして,あなたはそれに純金をかぶせるように+。内側にも外側にもかぶせる。その上の周囲には金の縁飾りを造るように+。12 また,それのために金の輪四つを鋳造し,その四つの足の上方に,すなわち二つの輪をその一方の側,二つの輪を他方の側に付けるように+。13 また,アカシアの木でさおを造り,それに金をかぶせるように+。14 そして,そのさおを箱の両側の輪に通すように。それによってその箱を運ぶためである。15 そのさおは箱の輪の中にとどめておく。それを外してはならない+。16 そして,その箱の中に,わたしがあなたに与える証を入れておかねばならない+。

17 「また,あなたは純金の覆い*を造らねばならない。その長さは二キュビト半,その幅は一キュビト半+。18 また,金のケルブ二つを造るように。打ち物細工で,それを覆いの両端に造る+。19 そして,一つのケルブを一方の端,一つのケルブを他方の端に造りなさい+。あなた方はそのケルブを,覆いの上,その二つの端に造る。20 そして,ケルブはその二つの翼を上方に広げて,覆いの上方を翼で仕切り,その顔は互いのほうに向かっているように+。ケルブの顔は覆いのほうに向いているべきである。21 そして,その覆い+を,箱の上方,その上に置くように。その箱の中には,わたしが与える証を入れる。22 そして,わたしはそこであなたに臨み,覆いの上方から+,証の箱の上にある二つのケルブの間からあなたに話す。すなわち,イスラエルの子らのためにわたしがあなたに命じるすべての事柄を[話す+]。

23 「また,あなたはアカシアの木で食卓+を造らねばならない。その長さは二キュビト,その幅は一キュビト,その高さは一キュビト半。24 そして,それには純金をかぶせ,それのため周囲に金の縁飾りを造るように+。25 また,それのため周囲に一手幅*のへりを造り,そのへりのため周囲に金の縁飾りを造るように+。26 また,それのために金の輪四つを造り,その輪を四つの足のための四つの隅に取り付けるように+。27 その輪は,食卓を運ぶためのさおの支えとしてへりのすぐ近くに来るべきである+。28 また,アカシアの木でそのさおを造り,それに金をかぶせるように。それをもってその食卓を運ぶのである+。

29 「また,あなたはそれに伴う皿と杯,および[献酒を]注ぐための*水差しと鉢とを造らねばならない。それらを純金で造る+。30 そして,わたしの前,食卓の上に絶えず供えのパン*を置かねばならない+。

31 「また,あなたは純金の燭台を造らねばならない。打ち物細工でその燭台を造る+。その台座*,枝,がく,節,花がそれから生じるようにする。32 そして,六つの枝がその両側から出る。すなわち,燭台の三つの枝は一方の側から,燭台の三つの枝は他方の側から[出る+]。33 アーモンドの花の形をした三つのがくが一方の組の枝にあって,節と花とが交互になり,アーモンドの花の形をした三つのがくがもう一方の組の枝にもあって,節と花とが交互になる+。燭台から出る六つの枝をこのようにする。34 そして,燭台にはアーモンドの花の形をした四つのがくがあり,その節と花とが交互になる+。35 また,二つの枝の下の節がそれから出,別の二つの枝の下の節がそれから出,あと二つの枝の下の節がそれから出る。六つの枝がその燭台から出るからである+。36 その節と枝とがそれから生じる。そのすべては一つの打ち物細工であり,純金である+。37 また,そのために七つのともしび皿を造るように。ともしび皿に火をともして,それらがその前方一帯を照らすようにするのである+。38 また,その心切りばさみと火取り皿も純金である+。39 一タラント*の純金でそれを,これらのすべての器物と共に造るように。40 そして,あなたは山で示されたその型どおりにこれらを造るように注意しなさい+。

26 「また,幕屋*を,天幕布十枚で造る+。それは,上等のより亜麻,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物でつくられる+。刺しゅう師の仕事であるケルブ+を付けてそれらを造る。2 各天幕布の長さは二十八キュビト,各天幕布の幅は四キュビトである。すべての天幕布の寸法は同一である+。3 五枚の天幕布がそれぞれ他とつなぎ合わされて一連となり,また五枚の天幕布がそれぞれ他とつなぎ合わされて一連となる+。4 そして,一連の終わりの一枚の天幕布の端には青糸の環を造るように。また,他方のつなぎ目にある一番外側の天幕布の端にも同じようにする+。5 一方の天幕布に五十の環を造り,さらに五十の環を他方のつなぎ目にある天幕布の末端に造り,環がそれぞれ向き合うようにする+。6 また,金の留め金五十を造り,その留め金によって天幕布を互いにつなぎ合わせるように。こうしてそれは一つの幕屋となる+。

7 「また,あなたは幕屋の上の天幕としてやぎの毛で布を造らねばならない+。十一枚の天幕布を造る。8 各天幕布の長さは三十キュビト+,各天幕布の幅は四キュビトである。十一枚の天幕布の寸法は同一である。9 そして,五枚の天幕布だけをつなぎ合わせ,また六枚の天幕布を別にして[つなぎ合わせ+],六枚目の天幕布は天幕の最前部で折り返すように。10 また,一枚の天幕布,すなわち一連のうち一番外側にあるものの端に五十の環を造り,さらに五十の環を他方のつなぎ目にある天幕布の端に[造る]。11 また,銅+の留め金五十を造り,その留め金を環にはめて天幕をつなぎ合わせるように。こうしてそれは一つとなる+。12 そして,天幕の布の残る部分は垂れ下がる分となる。残る天幕布の半分は幕屋の後ろに垂れ下がる。13 また,天幕の布の丈で,残っているこちら側の一キュビトと向こう側の一キュビトとは,幕屋の両側で余分に垂れ下がる分となり,こちら側と向こう側でこれを覆う。

14 「また,あなたはその天幕のために,赤く染めた雄羊の皮で覆いを,さらにあざらしの皮の覆いをその上に造らねばならない。

15 「また,あなたは幕屋のために,まっすぐに立つ区切り枠*+をアカシアの木で造らねばならない。16 十キュビトが区切り枠の長さであり,一キュビト半がそれぞれの区切り枠の幅である。17 それぞれの区切り枠には二つのほぞがあって,互いにつなぎ合わされる。幕屋のすべての区切り枠についてそのようにする。18 こうして幕屋のための区切り枠を造り,ネゲブにすなわち南に向かう側のために二十の区切り枠を[造る]ように。

19 「また,あなたはその二十の区切り枠の下に銀の受け台+四十を造る。二つのほぞのある一つの区切り枠の下に二つの受け台,二つのほぞのある他の一つの区切り枠の下に二つの受け台である。20 そして,幕屋の他方の側,北側のためにも,二十の区切り枠+と,21 そのための銀の受け台四十を[造る]。一つの区切り枠の下に二つの受け台,他の一つの区切り枠の下に二つの受け台である+。22 また,西側,つまり幕屋の後ろの部分のために六つの区切り枠を造る+。23 そして,幕屋の隅柱として,後ろの両部分に二つの区切り枠を造る+。24 そして,それらは底部において対をなし,合わせると,第一の輪のあるそれぞれの頂のところまで対をなすように。その二つはそのようになるべきである。それが二つの隅柱となる。25 それで八つの区切り枠と,そのための銀の受け台,十六の台座があるように。一つの区切り枠の下に二つの受け台,他の一つの区切り枠の下に二つの受け台である。

26 「また,あなたはアカシア+の木で横木を造らねばならない。幕屋の一方の側の区切り枠のために五本,27 幕屋の他方の側の区切り枠のために五本の横木,そして西側,幕屋の後ろの両部分がある側の区切り枠のために五本の横木+。28 そして,区切り枠の中央を通る真ん中の横木は端から端に渡される。

29 「また,あなたは区切り枠に金をかぶせ+,それらに付く輪を横木の支えとして金で造る。横木にも金をかぶせるように。30 そして,あなたは山で示されたその仕法にしたがって幕屋を組み立てなければならない+。

31 「また,あなたは青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻で垂れ幕+を造らねばならない。刺しゅう師の仕事であるケルブ+をそれに付ける。32 そしてそれを,金をかぶせたアカシアの四本の柱に掛けるように。それらに付ける掛けかぎは金である。それらは四つの銀の受け台の上に載る。33 そして,その垂れ幕を留め金の下に掛け,証の箱+をそこへ,垂れ幕の内側へ携え入れるように。こうしてその垂れ幕は,あなた方のために聖所+と至聖所*+とを区分することになる。34 そしてあなたは至聖所の証の箱の上に覆いを置かねばならない。

35 「そしてあなたは垂れ幕の外側に食卓を,また食卓の向かい,幕屋の南のほうの側に燭台+を据えねばならない。その食卓は北側に置く。36 また,天幕の入口のために,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻で仕切り幕+を造るように。織物師の仕事である。37 そして,その仕切り幕のためにアカシアの柱五本を造り,それに金をかぶせるように。その掛けかぎは金である。また,それらのために銅の受け台五つを鋳造するように。

27 「また,あなたはアカシアの木で祭壇を造らねばならない。その長さは五キュビト,幅は五キュビトである。その祭壇+は真四角にすべきであり,高さは三キュビトである。2 また,角+をその四隅の上に造るように。その角がそれから出る。それに銅をかぶせるように+。3 また,その脂灰*を除き去るための缶,およびそのシャベル,鉢,肉刺し,火取り皿を造るように。そのすべての器具を*銅で造る+。4 また,そのために格子,すなわち銅の網細工+を造るように。その網に,すなわちその四つの突端に銅の輪四つを造るように。5 そして,それを祭壇のへりより下,内側の下方に掛けるように。その網は祭壇の中央のほうに来なければならない+。6 また,祭壇のためにさおを造るように。そのさおはアカシアの木でつくられる。それに銅をかぶせるように+。7 そして,そのさおを輪に差し込み,その祭壇を運ぶさいにさおがその二つの側に来るようにしなければならない+。8 あなたはそれを厚板で空洞の大箱の形に造る。山であなたに示されたとおりに*,彼らはこれを造る+。

9 「また,あなたは幕屋の中庭+を造らねばならない。中庭には,ネゲブにすなわち南に向かう側に上等のより亜麻の掛け布+があり,その一方の側の長さは百キュビトである。10 そして,その二十本の柱とそのための二十の受け台とは銅である。柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手*とは銀である+。11 北側のためにも長さは同様で,掛け布は長さ百キュビトにわたり,その二十本の柱とそのための二十の受け台とは銅,柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手とは銀である+。12 中庭の幅については,その西側で掛け布は五十キュビト,その柱は十本,その受け台は十である+。13 また,日の出の方向の東側においても,中庭の幅は五十キュビトである+。14 そして,一方の側*に十五キュビトの掛け布があり,その柱は三本,その受け台は三つである+。15 また,他方の側にも十五キュビトの掛け布があり,その柱は三本,その受け台は三つである+。

16 「そして,中庭の門として,長さ二十キュビトの仕切り幕がある。青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻による,織物師の仕事である+。その柱は四本,その受け台は四つ+。17 中庭の周囲のすべての柱には銀の締め金があり,それに付ける掛けかぎは銀,その受け台は銅である+。18 中庭の長さは百キュビト+,幅は五十キュビト*,高さは五キュビトで,上等のより亜麻でつくられ,その受け台は銅である。19 そして,そのすべての奉仕に用いる幕屋のすべての器具*,およびその天幕用留め杭のすべてと中庭のすべての留め杭は銅である+。

20 「またあなたは,イスラエルの子らに命じて,明かりのために,つぶして採った純粋のオリーブ油を持って来させるように。ともしびを絶えずともすためである+。21 会見の天幕の中,証のそばの垂れ幕+の外側で,アロンとその子らが夕方から朝までエホバの前にそれを整える+。これは,幾世代も定めのない時にまで至る法令であり+,イスラエルの子らが守るべきものである+。

28 「またあなたは,あなたの兄弟アロンを,そしてその子らをも共にイスラエルの子らの中からあなたの近くに来させて,彼がわたしに対して祭司の務めを行なうようにしなさい+。アロン+,アロンの子らのナダブとアビフ+,エレアザルとイタマル+である。2 そして,あなたの兄弟アロンのため,栄光と美のために,あなたは聖なる衣を作らねばならない+。3 それであなたは,わたしが知恵の霊+を満たした賢い心の者すべてに話し,その者たちが,アロンを神聖なものとするためのその衣を作るように。彼がわたしに対して祭司の務めを行なうためである+。

4 「そして,これらは彼らが作る衣である。すなわち,胸掛け+,そしてエフォド+とそでなしの上着+と格子じまの長い衣,ターバン+と飾り帯*+。彼らはあなたの兄弟アロンとその子らのためにこの聖なる衣を作らねばならない。彼がわたしに対して祭司の務めを行なうためである。5 それで彼らは,金,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻を取る。

6 「そして彼らはエフォドを,金,青糸と赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物と上等のより亜麻で作らねばならない。刺しゅう師の仕事である+。7 そして,それには二つの肩ひもが付いて,その二つの先端で合わさる。それは合わさるのである+。8 また腰帯+,すなわち[エフォド]の上にあってそれをしっかり結ぶものも,それの作り方に倣い,同じ素材,つまり金,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻でつくられるべきである。

9 「また,あなたはしまめのう*+二つを取って,それにイスラエルの子らの名+を彫り込むように+。10 その名のうち六つを一方の石に,残る六人の名を他方の石に,その出生の順に[彫る+]。11 石の職人の作業により,印章の彫り込みをもって,その二つの石にイスラエルの子らの名を彫り込む+。金のはめ込み台にはめ込んでそれを作る+。12 そして,その二つの石を,イスラエルの子らのための記念の石として,エフォドの肩ひもに付けるように+。こうしてアロンは彼らの名を記念としてその二つの肩ひもに付け,エホバの前に担って行くのである。13 それで,金のはめ込み台と,14 純金の鎖二本を造るように+。それを縄の作り方で細綱のように造る。その縄のような鎖をはめ込み台に取り付けるように+。

15 「また,あなたは裁きの胸掛け+を刺しゅう師の技法で作らねばならない。エフォドと同様の作り方でそれを作る。金,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻でそれを作る+。16 それは二つにたためば真四角になるべきで,その長さは一手尺*,その幅も一手尺とする+。17 そして,それに石の詰め物を詰めて,石を四列にするように+。ルビー+,トパーズ+,エメラルド+の列が第一列。18 そして第二列は,トルコ玉+,サファイア+,碧玉+。19 また第三列は,レシェム石*,めのう*+,紫水晶+。20 そして第四列は,貴かんらん石*+と,しまめのう+,ひすいである。金の受け具がその詰め物の中に入る+。21 そして,これらの石はイスラエルの子らの名に応じ,その十二個が彼らの名に対応する+。それらに印章の彫り込みが施され,十二の部族のためにそれぞれがその名に対応する+。

22 「また,あなたはその胸掛けの上に,より合わせた鎖を縄の作り方によって純金で造らねばならない+。23 また,胸掛けの上に金の輪二つを造り+,その二つの輪を胸掛けの二つの突端に付けるように。24 そして,二本の金の縄を胸掛けの突端にある二つの輪に通すように+。25 そして二本の縄の二つの端を二つのはめ込み台に通す。それらをエフォドの肩ひもの上,その前面に付けるように+。26 また,金の輪二つを造り,それを胸掛けの二つの突端,内側のエフォドのほうの側のへりにはめるように+。27 さらに,金の輪二つを造り,下のほうからエフォドの二つの肩ひもに,その前面,合わせ目の近く,エフォドの腰帯より上のところにそれを付けるように+。28 そして,胸掛けをそれの輪によってエフォドの輪に青ひもで縛り,それがエフォドの腰帯より上にとどまって,胸掛けがエフォドの上からずれないようにする+。

29 「こうしてアロンは,聖所の中に入る時,イスラエルの子らの名をその心臓の上に当てた裁きの胸掛けに載せ,記念として絶えずエホバの前に担って行くのである。30 そしてあなたは,ウリム+とトンミム*を裁きの胸掛けの中に入れ,アロンがエホバの前に入る時それらが彼の心臓の上にあるようにしなければならない。アロンはイスラエルの子らに対する裁き*+をエホバの前にあって絶えずその心臓の上に担うのである。

31 「また,あなたはエフォドのそでなしの上着をすべて青糸だけで作らねばならない+。32 そして,その上端の真ん中に開き口を*設けるように。その開き口には周囲に縁飾りが付く。これは機織り人の製作である。それは小札かたびらの開き口のようになるべきで,それが裂けることのないようにする+。33 また,そのすそべりに青糸と赤紫に染めた羊毛とえんじむし緋色の物でざくろを作って,そのすそべりにぐるりと付け,それらの間に金の鈴+をぐるりと付けるように。34 金の鈴とざくろ,金の鈴とざくろがそでなしの上着のすそべり*にぐるりと付く+。35 こうして,アロンが奉仕をするために,それが彼の身に着けられていなければならない。聖なる所*に入ってエホバの前に行く時,また出て来る際に,彼から出る音が聞こえるようにするのである。彼が死ぬことのないためである+。

36 「また,あなたは輝く純金の平板を造り,その上に,印章の彫り込みをもって,『神聖さはエホバのもの』と彫り込まねばならない+。37 そして,それを青ひもでくくり付けて,それがターバンの上に来るようにする+。ターバンの前面にそれは来るべきである。38 こうしてそれはアロンの額の上に来る。そしてアロンは,聖なる事物,イスラエルの子らが神聖にする物,すなわちそのすべての聖なる供え物に対して犯されたとがに対する責めを負うのである+。彼らのためにエホバの前で是認を得るため+,それは常にその額の上にとどまらねばならない。

39 「また,あなたは上等の亜麻で長い衣を格子じまに織り,また上等の亜麻でターバンを作らねばならない+。さらに,飾り帯を作る+。織物師の仕事である。

40 「また,あなたはアロンの子らのためにも長い衣を作る+。彼らのために飾り帯も作るように。また,彼らのため,栄光と美のために+,頭包みを作る+。41 そしてこれらを,あなたの兄弟アロンおよびそれと共なるその子らに着せ,彼らに油をそそぎ+,その手に力を満たし*て+,彼らを神聖なものとするように。こうして彼らはわたしに対して祭司の務めを行なうのである。42 また,彼らのため,その裸の肉を覆うために,亜麻の股引きを作るように+。それは腰から股にまで達する。43 そして,聖なる場所で奉仕するためアロンとその子らが会見の幕屋に入る時,また祭壇に近づく際には,それを身に着けているように。彼らがとがを来たらせて死ぬことのないためである。これは,彼とその後の子孫とに対する定めのない時に至る法令である+。

29 「また,これは,彼らを神聖なものとしてわたしに対して祭司の務めを行なわせるために,あなたが彼らに行なうべき事である。すなわち,一頭の若い雄牛と二頭の雄羊+,きずのないもの+を取りなさい。2 また,無酵母のパンと,油で湿らせた輪型の無酵母パンと,油を塗った無酵母の薄焼きを[取りなさい+]。上等の小麦粉でそれらを作る。3 そして,それらをかごに載せ,かごに入れてこれを供えるように+。また,雄牛と二頭の雄羊も[ささげる]。

4 「また,あなたはアロンとその子らを会見の天幕の入口+に立たせる。そして,彼らの身を水で洗わねばならない+。5 次いで衣[の一式+]を取り,長い衣とエフォドのそでなしの上着,エフォドと胸掛けをアロンに着けさせ,エフォドの腰帯でそれを彼の身にしっかり結び付けるように+。6 また,その頭にターバンを巻き,献納の聖なるしるし*をそのターバンの上に付けるように+。7 そして,そそぎ油+を取り,それをその頭に注いで彼に油そそぎを行なわねばならない+。

8 「次いであなたは彼の子らを近くに来させ,これにその長い衣をまとわせねばならない+。9 また,彼らに飾り帯を締めさせるように。アロンにもその子らにもである。また,頭包みを彼らに巻き付けるように。定めのない時に至る法令として,祭司職は彼らのものとなるのである*+。それであなたはアロンの手,またその子らの手に力を満たさねばならない+。

10 「今あなたは雄牛を会見の天幕の前に立たせるように。アロンとその子らは手をその雄牛の頭の上に置かねばならない+。11 次いでその雄牛をエホバの前,会見の天幕の入口でほふるように+。12 そして,雄牛の血+の幾らかを取り,それを指で祭壇の角+に付けるように。血の残りはみな祭壇の基部に注ぎ出す+。13 また,腸+を覆うすべての脂肪+,および肝臓の付属物+,二つの腎臓とそれに付いた脂肪を取り,それを祭壇の上で焼いて煙にするように+。14 しかし,雄牛の肉およびその皮と糞とは宿営の外で火で焼く+。これは罪の捧げ物である。

15 「それからあなたは一方の雄羊を取る+。アロンとその子らは手をその雄羊の頭の上に置かねばならない+。16 次いでその雄羊をほふり,その血を取って,祭壇の上の周囲に振り掛けるように+。17 またその雄羊を各部分に切り分ける。その腸とすねを洗い+,各部分を向き合わせに並べていって頭にまで至るように。18 そして,その雄羊全体を祭壇の上で焼いて煙にしなければならない。これはエホバへの焼燔の捧げ物+,安らぎの香り+である。これはエホバへの火による捧げ物*である。

19 「次にあなたはもう一方の雄羊を取るように。アロンとその子らは手をその雄羊の頭の上に置かねばならない+。20 次いでその雄羊をほふり,その血を幾らか取って,アロンの右の耳たぶとその子らの右の耳たぶ,また彼らの右手の親指と右足の親指に付け+,またその血を祭壇の上の周囲に振り掛けるように。21 また,祭壇上の血とそそぎ油+の幾らかを取り,それをアロンとその衣,また彼と共なるその子らとその子らの衣とにはね掛けるように。こうして彼とその衣,またそれと共にいるその子らとその子らの衣とは真に聖なるものとなる+。

22 「また,あなたはその雄羊から,脂肪と脂尾+と腸を覆う脂肪,肝臓の付属物,二つの腎臓とそれに付いた脂肪,そして右脚+を取るように。これは任職*の雄羊+だからである。23 また,丸いパンと油を入れた輪型のパン菓子と薄焼きを,エホバの前にある無酵母パンのかごから[取るように+]。24 そして,このすべてをアロンの手のひらとその子らの手のひらに載せ+,それを振揺の捧げ物としてエホバの前に揺り動かすように+。25 次いでそれを彼らの手から取り,祭壇の上,焼燔の捧げ物の上に載せ,エホバの前での安らぎの香りとして焼いて煙にするように+。これはエホバへの火による捧げ物である+。

26 「また,あなたはアロンのためのものである任職の雄羊の胸を取り+,それを振揺の捧げ物としてエホバの前に揺り動かすように。それはあなたの受け分となるのである。27 こうしてあなたは振揺の捧げ物の胸+と神聖な分*としてのその脚を神聖なものとして取り分けなければならない。それは揺り動かされたものであり,また任職の雄羊+から,すなわちアロンのためのもの,またその子らのためのものから寄進された分である。28 そしてこれは,イスラエルの子らの守るべき,定めのない時に至る規定によって,アロンおよびその子らのものとなるのである。それは神聖な分+だからである。それはイスラエルの子らの納めるべき神聖な分となる。彼らの共与の犠牲+の中からの*,エホバのための彼らの神聖な分なのである。

29 「また,アロンのものであるその聖なる衣+は彼の後の子らのためのものとなり+,彼らにそれを着せて油をそそぎ+,それを着せてその手に力を満たす+。30 その子らのうち彼の跡を継ぎ,会見の天幕に入って聖なる場所で奉仕する祭司は,七日の間+それを身に着ける。

31 「また,あなたは任職の雄羊を取る。次いでその肉を聖なる場所で煮なければならない+。32 そして,アロンとその子らはその雄羊の肉とかごにあるパンを会見の天幕の入口で食べる+ように。33 こうして彼らは,贖罪*を行なってその手に力を満たし,彼らを神聖なものとするために用いられた物を食べるのである+。しかし,よそ人*はそれを食べてはいけない。それは聖なるものだからである+。34 そして,もし任職の犠牲の肉およびパンの幾らかが朝まで残ることがあれば,その残っているものは火で焼かねばならない+。それを食べてはならない。それは聖なるものだからである。

35 「そして,あなたはすべてわたしが命じたところにしたがってアロンとその子らにそのとおりに行なわねばならない+。あなたは彼らの手に力を満たすために七日をかける+。36 そして,罪の捧げ物の雄牛を贖罪のため日ごとにささげる+。祭壇の上で贖罪を行なうことによってそれを罪から浄め,また油をそそいで+それを神聖なものとするのである。37 祭壇の上で贖罪を行なうために七日をかける。あなたはそれを神聖なものとして+,それが極めて聖なる祭壇となるようにしなければならない+。祭壇に触れる者はみな聖なる者*であるべきである+。

38 「また,これはあなたがその祭壇の上にささげるものである。すなわち,それぞれ一歳の若い雄羊を,絶えず一日二頭ずつ+。39 そして,一方の若い雄羊*を朝にささげ+,もう一頭の若い雄羊を二つの夕方の間に*ささげる+。40 また,つぶして採ったオリーブ油四分の一ヒン*で湿らせた上等の麦粉十分の一エファ*+,それに飲み物の捧げ物+として四分の一ヒンのぶどう酒が,初めの若い雄羊のために添えられる。41 次いで,第二の若い雄羊を二つの夕方の間にささげる。朝と同様の穀物の捧げ物+,また同様の飲み物の捧げ物を添えてそれを安らぎの香りとしてささげ,エホバへの火による捧げ物とする。42 これは,エホバの前,会見の天幕の入口で,あなた方が代々[ささげる]常供の+焼燔の捧げ物である。その所でわたしはあなた方に臨み,そこであなたに話すであろう+。

43 「それでわたしはそこにおいてイスラエルの子らに臨み,そこ*はわたしの栄光によってまさに神聖にされるであろう*+。44 またわたしは会見の天幕と祭壇とを神聖にする。さらに,アロンとその子らを神聖なものとし+,わたしに対して祭司の務めを行なわせる。45 そしてわたしはイスラエルの子らの中に幕屋を張り,わたしは彼らの神となる+。46 そして彼らは,わたしが彼らの神エホバ,その中に幕屋を張るため彼らをエジプトの地から携え出した者であることを必ず知るであろう+。わたしは彼らの神エホバである+。

30 「また,あなたは香をたく所として祭壇を造らねばならない+。アカシアの木でそれを造る。2 長さ一キュビト,幅一キュビトで,それは真四角とする。その高さは二キュビト。その角がそれから出る+。3 そして,それに,すなわちその上面と周囲の側面*と角に純金をかぶせるように。また,その周囲に金の縁飾りを造るように+。4 またそれのために金の輪二つを造る。その縁飾りの下方,その二つの側面,二つの向き合う側にそれを造る。それらは,それを運ぶためのさおの支えとなるのである+。5 また,アカシアの木でさおを造り,それに金をかぶせるように+。6 そしてそれを,証の箱の近くにある垂れ幕の前+,証の上の覆いすなわちわたしが自分を示す所の前に置くように+。

7 「そして,アロンはその上で薫香+をくゆらせるように+。毎朝,ともしび+を整える際にそれをくゆらせる。8 また,二つの夕方の間にともしびをともす際にも,アロンはそれをくゆらせる。これは,あなた方が代々絶えずエホバの前に[たく]香である。9 あなた方はその上に,適法でない*香+,また焼燔の捧げ物や穀物の捧げ物*をささげてはならない。その上に飲み物の捧げ物を注いでもならない。10 また,アロンは年に一度その角の上で贖罪を行なわねばならない+。贖罪のための罪の捧げ物+の血の幾らかをもって,あなた方の代々にわたり,年に一度ずつそれのために贖罪を行なう。それはエホバに対して極めて聖なるものである」。

11 エホバはなおもモーセに話してこう言われた。12 「イスラエルの子らの人口調査のため*あなたがその合計を調べる時には+,その人口調査に当たって*彼らは各々自分の魂*のための贖い*をエホバに納めねばならない+。こうしてその人口調査のさい彼らに災厄が臨まないようにするのである+。13 これは数えられた人々の側に移るすべての者が納める分である。すなわち,聖なる場所のシェケル*で*+半シェケル。二十ゲラ*が一シェケルに相当する。半シェケルがエホバに対する寄進である+。14 二十歳およびそれより上で登録された人々の側に移る者は皆エホバへの寄進をする+。15 富んだ者もそれより多く納めるべきでなく,立場の低い者も半シェケルより少なく納めてはならない+。こうしてエホバへの寄進物を納め,それによってあなた方の魂のための贖罪を行なうのである+。16 それであなたはイスラエルの子らから贖罪のための銀子を受け取り,それを会見の天幕における奉仕のために納めなければならない+。それがまさにイスラエルの子らのためエホバの前での覚えとなり,あなた方の魂のための贖罪を行なうためである」。

17 エホバはさらにモーセに話してこう言われた。18 「また,あなたは洗うために銅の水盤*とそのための銅の台とを造らねばならない+。それを会見の天幕と祭壇との間に置いて,その中に水を入れるように+。19 そしてアロンとその子らはそこで手と足を洗わねばならない+。20 会見の天幕に入る時,彼らは水で洗って死ぬことのないようにする。また,エホバへの火による捧げ物を焼いて煙にするため祭壇に近づいて奉仕する時にも[そのようにする+]。21 こうして彼らは手と足を洗って死ぬことのないようにしなければならない+。これは彼らのため,すなわち彼とその子孫のため,代々定めのない時に至る規定となる+」。

22 エホバは引き続きモーセに話してこう言われた。23 「あなたは,最上の香物を自分のもとに取り寄せなさい+。没薬+,滴り落ちて固まったもの*を五百単位,香り良い肉桂+をその半量の二百五十単位,香り良いしょうぶ+を二百五十単位,24 カシア+を聖なる場所のシェケルで+五百単位,オリーブ油を一ヒン+。25 そしてそれをもって聖なるそそぎ油を作るように。塗り油,すなわち塗り油作りの手によって混ぜ合わされたものである+。これは聖なるそそぎ油+となる。

26 「そして,あなたはそれをもって会見の天幕と証の箱とに油そそぎを行なわねばならない+。27 また食卓とそのすべての器具,燭台とその器具,香の祭壇,28 焼燔の捧げ物の祭壇とそのすべての器具,洗盤とその台にも[そそぐ]ように。29 こうしてあなたはそれらを神聖にし,それらが極めて聖なるものとなるようにしなければならない+。すべてそれらに触れる者も聖なる者*であるべきである+。30 それであなたはアロンとその子ら+にも油そそぎを行ない+,わたしに対して祭司の務めを行なわせるため彼らを神聖なものとしなければならない+。

31 「そして,あなたはイスラエルの子らに話してこう言う。『これはあなた方の代々にわたり,わたしに対して聖なるそそぎ油として保たれる+。32 これは人の肉にすり込むべきものではない。またその配合をもってこれに似たものを作ってはならない。これは聖なるものである。それはあなた方にとって聖なるものとして保たれる。33 それに似た塗り油を作り,それをよそ人*に用いる者はその民の中から絶たれねばならない+』」。

34 エホバはなおもモーセに言われた,「あなたのもとに香物+を取り寄せなさい。すなわちスタクテのしずくと,オヌカと,芳香を加えたガルバヌムと,純粋の乳香+を。その各々は同量とすべきである。35 そして,それらを合わせて香+を作るように。香料を混ぜ合わせたもの,すなわち塗り油作りの仕事で,塩を加えた+,純良で聖なるものである。36 そして,その幾らかをつき砕いて細かな粉末にし,その幾らかを会見の天幕の中の証,すなわちわたしが自分を示す所+の前に置くように+。それはあなた方にとって極めて聖なるものとされるべきである。37 また,この配合で作る香を,あなた方は自分のために作ってはならない+。あなたにとって,これはエホバのために聖なるものとして保たれる+。38 だれでもそのにおいを楽しむためこれと似たものを作る者は,その民の中から絶たれねばならない+」。

31 エホバは引き続きモーセに話してこう言われた。2 「見なさい,わたしはユダ族のフルの子であるウリの子+ベザレル+を名を挙げて呼ぶ。3 そして,知恵と理解力と知識とあらゆる技能とにおいて神の霊を彼に満たすであろう+。4 これは,さまざまな仕組みを考案するため,金・銀・銅の細工を行なうため+,5 また石の細工においてそれをはめ込み+,木の細工においてあらゆる品物を造るためである+。6 そしてわたしは,見よ,彼のもとに,ダン族のアヒサマクの子であるオホリアブ+を置く*。そして,心の賢いすべての者の心に知恵を置き,その者たちが,わたしがあなたに命じたすべてのものを造るようにする+。7 すなわち,会見の天幕+と証のための箱+とその上の覆い+,また天幕のすべての器具,8 食卓とその器具+,純金の燭台とそのすべての器具+,香の祭壇+,9 焼燔の捧げ物の祭壇とそのすべての器具+,水盤とその台+,10 また編み物細工の衣*,祭司アロンのための聖なる衣,その子らが祭司の務めを行なうための衣+,11 そして,そそぎ油と,聖なる所のための薫香を+。すべてわたしがあなたに命じたところにしたがって彼らは作業を行なう*」。

12 エホバはモーセにさらに言われた,13 「あなたは,イスラエルの子らに話してこう言いなさい。『とりわけわたしの安息日を,あなた方は守るように+。それはわたしとあなた方との間の代々にわたるしるしであり,わたしエホバがあなた方を神聖なものとしていることを*,あなた方が知るためのものだからである+。14 それであなた方は安息日を守らねばならない。それはあなた方にとって聖なるものなのである+。それを汚す者は必ず死に処せられる+。その日に仕事をする者がいれば,その魂はその民の中から絶たれねばならない+。15 六日のあいだ仕事をしてよい。しかし七日目は全き休みの安息*である+。それはエホバに対して聖なるものである。安息日に仕事をする者はみな必ず死に処せられる。16 ゆえにイスラエルの子らは安息日を守り,代々にわたって安息を実行しなければならない。これは定めのない時に至る契約である+。17 それはわたしとイスラエルの子らとの間の定めのない時に至るしるしである+。エホバは六日のうちに天と地を造り,七日目に休んで*休息に入ったからである+』」。

18 さて,シナイ山の上で彼と話すことを終えると,[神]は証の書き板二枚をモーセにお与えになった+。神の指によって書き記された石の書き板であった+。

32 ところで民のほうは,モーセが山から下りて来るのに長くかかっているのを見た+。それで民はアロンの周りに集合して,こう言った。「立って,わたしたちの前を行く神*を作ってください+。わたしたちをエジプトの地から導き上った人であるこのモーセについては+,彼がどうなったのか全く分からないからです」。2 するとアロンは彼らに言った,「あなた方の妻,息子や娘の耳にある金の耳輪+を外し取って,わたしのところに持って来なさい」。3 それで民はみなその耳にあった金の耳輪を外し取って,それを次々にアロンのところに持って来た。4 そこで彼は人々の手から[その金]*を受け取り,それを彫り道具で形造って+子牛の鋳物の像に仕上げた+。すると彼ら*は言いだした,「イスラエルよ,これがあなたをエジプトの地から導き上ったあなたの神*だ+」。

5 アロンはこれを見て,その前に祭壇を築きはじめた。最後にアロンは呼ばわって言った,「明日,エホバへの祭りがある」。6 それで次の日,人々は早くから起き,焼燔の捧げ物をささげ,また共与の犠牲を供えはじめた。そののち民は腰を下ろして食べたり飲んだりし,また立ち上がって打ち興じた+。

7 その時エホバはモーセに言われた,「さあ,下って行きなさい。あなたがエジプトの地から導き上ったあなたの民は滅びとなることを行なったからである+。8 彼らは早くも,わたしが命じた道からそれた+。自分たちのために子牛の鋳物の像を作り,それに身をかがめ,犠牲をささげては,『イスラエルよ,これがあなたをエジプトの地から導き上ったあなたの神*だ』と言っている+」。9 エホバはなおもモーセに言われた,「わたしはこの民を見たが,見よ,これはうなじのこわい民である+。10 ゆえに今,わたしのなすままにし,わたしの怒りが彼らに対して燃え,わたしが彼らを滅ぼし絶やすにまかせよ+。そして,あなたを大いなる国民となさせよ+」。

11 それでモーセは自分の神エホバの顔を和めようとして+こう言った。「エホバよ,なぜあなたの怒り+は,大いなる力と強いみ手とをもってエジプトの地から携え出されたご自分の民に対して燃えなければならないのでしょうか。12 どうしてエジプト人+が,『あれは悪意をもって彼らを連れ出し,山の中で殺して地の表から滅ぼし絶やそうとしたのだ』などと言ってよいでしょうか+。燃えるみ怒りから離れ+,あなたの民に臨む災いを思い返して+くださいますように。13 あなたの僕アブラハム,イサク,イスラエルを思い出してください。あなたはご自身にかけて彼らに誓われ+,『わたしはあなた方の胤*を殖やして天の星のようにし+,わたしが指定したこのすべての土地をあなた方の胤+に与え,定めのない時に至るまで彼らが確かにそれを所有するようにする』と言われたのです+」。

14 するとエホバはご自分の民に下すと言われた災いについて悔やまれるようになった+。

15 その後モーセは身を翻し,証の書き板二枚+を手にして山を下った+。それは,その両面に書き記した書き板であった。こちら側にも向こう側にも書き記してあった。16 そして,その書き板は神の作られたもの,その書は神の書かれたもので,その書き板の上に刻み込まれていた+。17 その後ヨシュア*は,叫びまわる民のざわめきを聞き,モーセに向かってこう言った。「宿営には戦闘のざわめき+があります」。18 しかし彼は言った,

「力ある業について歌う声+ではない。

敗北について歌う声でもない。

わたしに聞こえてくるのはほかの歌声だ」。

19 そして宿営に近づいて,子牛+と踊りとを見るや,モーセの怒りは燃え立ち,彼は直ちに書き板を自分の手から投げ,それを山のふもとでみじんに砕いた+。20 そして彼らの作った子牛を取り,それを火で焼き,粉々になるまで砕き+,次いで水の表にまき散らして+,それをイスラエルの子らに飲ませた+。21 その後モーセはアロンに言った,「この民があなたに何をしたというので,あなたはこれに大きな罪をもたらしたりしたのですか」。22 それに対してアロンは言った,「我が主の怒りが燃え立つことのないようにしてください。あなた自身この民をよく知っているはずです。彼らによこしまな傾向のあることを+。23 それで彼らはわたしに言いました,『わたしたちの前を行く神*を作ってほしい+。わたしたちをエジプトの地から導き上った人であるこのモーセについては,彼がどうなったのか全く分からないから』。24 そこでわたしは彼らに言いました,『だれか金を持つ者がいるか。その者たちはそれを自分の身から外し取って,わたしに渡すように』。そうしてわたしがそれを火の中に投げ入れると,この子牛が出て来たのです」。

25 そしてモーセは,民が気ままに振る舞っているのを見た。それは,アロンが彼らを気ままに振る舞わせ+,敵対する者たちの中にあって恥辱となることを行なわせたからであった+。26 そこでモーセは宿営の門のところに立って,こう言った。「エホバの側にいる者はだれか*。わたしのもとへ+!」 すると,レビの子らがみな彼のもとに集まって来た。27 そこで彼らに言った,「これはイスラエルの神エホバが言われたことです。『あなた方は各々剣を帯びよ。宿営の中を通り,門から門に戻って,各々自分の兄弟を,各々自分の仲間を,各々自分の近しい者を殺せ+』」。28 それでレビの子ら+はモーセの言ったとおりにしはじめた。そのため,その日に民のうちおよそ三千*人が倒れた。29 モーセは続いて言った,「エホバのため今日あなた方の手に力を満たしなさい*+。あなた方はそれぞれ自分の子や兄弟にさえ立ち向かったからです+。こうして[神]が今日あなた方に祝福を授けてくださるようにするのです+」。

30 次いでその翌日のこと,モーセは民に向かってこう言った。「あなた方は,大きな罪をおかしました+。今わたしはエホバのもとに上って行きます。あなた方の罪のための償いをすることができるかもしれません+」。31 それでモーセはエホバのもとに戻って,こう言った。「ああ,この民は大きな罪をおかしました。自分たちのために金の神*を作ったのです+。32 ですが今,もし彼らの罪を容赦してくださるのでしたら+ ― しかし,もしそうでないのでしたら,どうかわたしを,あなたのお書きになった書+の中からぬぐい去ってください+」。33 しかしエホバはモーセに言われた,「だれでもわたしに罪をおかした者,その者をわたしは自分の書の中からぬぐい去る+。34 それで今,さあ,わたしがあなたに話した所に民を導いて行きなさい。見よ,わたしの使いはあなたに先立って行く+。そしてわたしは処罰を下すべき日に彼らの罪に対して必ず処罰を下す+」。35 そしてエホバは,子牛を作ったことのゆえに民に災厄を下してゆかれた。アロンがそれを作ったのである+。

33 そしてエホバはモーセにさらにこう言われた。「さあ,ここから上って行きなさい。あなたも,あなたがエジプトの地から導き上った民も+,わたしがアブラハム,イサク,ヤコブに誓って*,『あなたの胤に与える』と言ったその土地へ+。2 そしてわたしはあなたに先立って使いを送り+,カナン人,アモリ人,ヒッタイト人とペリジ人,ヒビ人とエブス人を追い立てる+。3 乳と蜜の流れる地へと[向かいなさい*+]。わたしはあなたのうちにあって上って行くことはしないであろう。あなたはうなじのこわい民+だからであり,わたしが途中であなたを滅ぼし絶やすことのないためである+」。

4 この厳しい言葉を聞いて,民は嘆き悲しむようになった+。そして,だれひとり飾りを身に着けなかった。5 するとエホバはさらにモーセに言われた,「イスラエルの子らにこう言いなさい。『あなた方はうなじのこわい民である+。わたしは一瞬にして+あなたのただ中に上り行き,あなたをまさに滅ぼし絶やすこともできるであろう。それで今,あなたの飾りを身から外しなさい。わたしは,自分があなたに何を行なうことになるかを知りたいからである+』」。6 こうしてイスラエルの子らは,ホレブ山+のとき以後飾りを身から取り去るようになった。

7 モーセのほうは,自分の*天幕を移して,それを宿営の外,宿営から遠く離れた所に張るようになった。彼はそれを会見の天幕と呼んだ。そして,エホバに問い尋ねる者+は皆,宿営の外にあったその会見の天幕に出て行くのであった。8 また,モーセがその天幕に出て行くと,民はみな立ち上がり+,それぞれ自分の天幕の入口に立って,モーセが天幕に入るまでその後ろを見つめていた。9 さらにまた,モーセが天幕に入ると,雲の柱+が下って来てその天幕の入口にとどまり,[神]はモーセと話されるのであった+。10 そして民は皆,雲の柱+がその天幕の入口にとどまっているのを見た。民はみな立ち上がり,それぞれ自分の天幕の入口で身をかがめた+。11 そしてエホバは,人がその仲間に話しかけるように,顔と顔を向かい合わせて+モーセに話された。彼が宿営に戻る時には,その奉仕者+である,ヌンの子ヨシュア+が,従者*としてその天幕の中から去らなかった。

12 さて,モーセはエホバに言った,「ご覧ください,あなたは,『この民を導き上れ』とわたしに言っておられますが,ご自分では,だれをわたしと共に遣わしてくださるのか知らせてくださってはいません。それでもあなたは,『わたしは確かにあなたを名をもって知り+,あなたはわたしの目に恵みも得た』と言ってくださいました。13 ですから今,どうか,もしわたしがあなたの目に恵みを得ているのでしたら+,あなたの道をどうかわたしに分からせてください+。わたしがあなたを知り,こうしてあなたの目に恵みを得るためです。そして,この国民があなたの民であることをご考慮ください*+」。14 すると,こう言われた。「このわたし自身*が共に行き*+,必ずあなたに休みを得させる*+」。15 これに対して彼は言った,「あなたご自身*が共に行ってくださるのでなければ,わたしたちをここから導き上ることなどなさらないでください。16 そして今,わたしが,そうですわたしとあなたの民とがあなたの目に恵みを得ているということは何によって分かるでしょうか。それはただ,あなたがわたしたちと共に行ってくださることによるのではないでしょうか+。わたしとあなたの民とは,地の表にいる他のすべての民とは異なるものとされているのですから+」。

17 エホバはさらにモーセに言われた,「あなたの話したこのこともまたわたしは行なうであろう+。あなたはわたしの目に恵みを得,わたしはあなたを名をもって知ったからである」。18 それで彼は言った,「どうか,あなたの栄光+を私に見させてください」。19 しかしこう言われた。「わたしは,わたしのすべての善良さがあなたの顔の前を通るようにして+,あなたの前にエホバの名を宣明する*+。わたしは,自分が恵む者*を恵み,自分が憐れむ者に憐れみを示す+」。20 また,加えてこう言われた。「あなたはわたしの顔を見ることはできない。人*はわたしを見てなお生きていることはできないからである+」。

21 そしてエホバはさらに言われた,「さあ,わたしのところにひとつの場所がある。あなたはその岩の上に立つように。22 そして,わたしの栄光が通り行く際,わたしはあなたを岩の穴の中に置き,わたしが通り過ぎるまで,わたしの手のひらを仕切りとしてあなたの上に当てなければならない。23 その後わたしは自分の手のひらをのけ,あなたはまさにわたしの後ろ*を見るであろう。しかし,わたしの顔を見ることはできない+」。

34 次いでエホバはモーセにこう言われた。「あなたのために初めのものと同じような石の書き板二枚を切り出しなさい+。わたしはその書き板に,あなたがみじんに砕いた+初めの書き板にあった言葉*を書き記さねばならない+。2 それで,朝のために用意をしなさい。あなたは朝,シナイ山に上り,そこの山の頂でわたしの傍らに立つことになるからである+。3 しかし,だれもあなたと共に上って来てはならない。また,ほかのだれも,山のどこにいてもいけない+。さらに,羊も牛もその山の前で草をはんでいることのないように+」。

4 そこでモーセは初めのものと同じような石の書き板二枚を切り出し,朝早く起きて,エホバが命じたとおりシナイ山に上って行った。その手に石の書き板二枚を携えていた。5 するとエホバは雲のうちにあって下って来られ+,彼と共にそこに立ち,エホバの名を宣明された*+。6 そしてエホバは彼の顔の前を過ぎ行きつつ,こう宣明された*。「エホバ,エホバ,憐れみ+と慈しみに富み+,怒ることに遅く+,愛ある親切*+と真実*+とに満ちる神*,7 愛ある親切を幾千[代]までも保ち+,とがと違犯と罪とを赦す者+。しかし,処罰を免れさせることは決してせず+,父のとがに対する処罰を子や孫にもたらして,三代,四代に*及ぼす+」。

8 モーセは直ちに身を地に低くかがめて平伏した+。9 そしてこう言った。「もしいま私があなたの目に恵みを得ておりましたら,ああエホバ*,どうかエホバ*がわたしたちのうちにあって共に進んでくださいますように+。これはうなじのこわい民なのです+。あなたはどうしてもわたしたちのとがと罪を許し+,わたしたちをご自分の所有物としてくださらなければなりません+」。10 するとこう言われた。「いまわたしは契約を結ぶ。すなわち,あなたの民すべての前で,わたしは,全地においてまたあらゆる国民の中でいまだ造り出されたことのない,驚嘆すべき事柄を行なう+。あなたがその中にいる民は皆,まさしくエホバの業を見るであろう。畏怖の念を抱かせる事柄を,わたしはあなたと共に行なうからである+。

11 「あなたとしては,わたしが今日命じる事柄を守りなさい+。いまわたしは,アモリ人,カナン人,ヒッタイト人,ペリジ人,ヒビ人,エブス人をあなたの前から追い立てる+。12 あなたの行く地に住む民と契約を結ぶことのないように注意しなさい+。それがあなた方の中にあってわなとなることのないためである+。13 むしろ,あなた方は彼らの祭壇を取り壊し,聖柱をみじんに砕き,聖木*を切り倒すように+。14 あなたはほかの神に*平伏してはならないからである+。エホバは,その名をねたむといい*,ねたむ神*だからである+。15 あなたはその地に住む民と契約を結んではいけないのである。彼らはきまってその神々*と不倫な交わりを持ち*+,その神々に犠牲をささげ+,必ずだれかがあなたを招き,きっとあなたはその犠牲の一部を食べることになるであろう+。16 そのときあなたは自分の息子らのために彼らの*娘たちの中からめとることになり+,その娘たちはきっと自分の神々と不倫な交わりを持ち*,あなたの息子らにもその神々と不倫な交わりを持たせることであろう+。

17 「あなたは自分のために鋳物の偶像の神々を作ってはならない+。

18 「無酵母パンの祭りをあなたは守るように+。無酵母のパンを,わたしが命じたとおり,アビブ*の月の定めの時に七日のあいだ食べる+。アビブの月にあなたはエジプトを出たからである。

19 「胎を最初に開くものはすべてわたしのものである+。あなたのすべての畜類については,牛と羊の雄の初子が[わたしのもの]である+。20 また,ろばの初子は羊をもって請け戻す+。しかし請け戻さないのであれば,その首を折らなければならない。あなたの息子のうちの初子はすべて請け戻すように+。そして,彼らはむなし手でわたしの前に出てはならない+。

21 「六日の間あなたは働き*,七日目には安息を守る*+。すき返す時にも収穫の時にもあなたは安息を守る+。

22 「また,あなたは小麦の収穫の熟した初物をもって[七]週の祭り*を行なう+。そして,取り入れ*の祭りを年の変わり目に[行なう+]。

23 「年に三回,あなたのすべての男子は,[まことの]主であるイスラエルの神エホバ*の前に出るように+。24 わたしは諸国民をあなたの前から打ち払い+,あなたの領地を広くするからである+。年に三回あなたが自分の神エホバの顔を見るために上っている間は,だれもあなたの土地を欲することはないであろう+。

25 「あなたはわたしへの犠牲の血を,パン種の入った物と共にほふってはならない+。また,過ぎ越しの祭りの犠牲を朝まで夜通しとどめておいてはいけない+。

26 「あなたの土地の熟した初物のうちその最良のもの+を,あなたの神エホバの家に携えて来るように+。

「あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない+」。

27 エホバは続いてモーセに言われた,「あなたのためにこれらの言葉を書き記しなさい+。これらの言葉のとおりに,わたしはあなたおよびイスラエルと契約を結ぶからである+」。28 そして彼はエホバと共に四十日四十夜そこにとどまった。パンを食べることも,水を飲むこともしなかった+。そして[神]*は,契約の言葉,すなわち十の言葉*を書き板に記してゆかれた+。

29 さて,モーセがシナイ山から下りて来た時,山から下りて来るそのモーセの手には証の書き板二枚があった+。そしてモーセは,[神]と話したために自分の顔の皮膚が光を放っていることを知らなかった+。30 アロンおよびイスラエルのすべての子らがモーセを見ると,見よ,その顔の皮膚は光を放っており,そのため彼に近づくことを恐れるのであった+。

31 そこでモーセは彼らを呼んだ。それでアロンおよび集会の中のすべての長たち*は彼のもとに戻って来た。そしてモーセは彼らに話しはじめた。32 そののち初めてイスラエルのすべての子らも彼に近づいて来た。それで彼は,エホバがシナイ山で話されたすべてのことを彼らに命じていった+。33 彼らと話し終えると,モーセは自分の顔にベールを掛けるのであった+。34 しかしモーセは,エホバの前に入って話す時には,そこから出るまでベールを外しているのであった+。そののち彼は出て行って,自分の命じられたことをイスラエルの子らに話した+。35 そしてイスラエルの子らはモーセの顔を見たが,モーセの顔の皮膚は光を放っているのであった+。その後モーセは,入って行って[神]と話すまで自分の顔に再びベールを掛けた+。

35 後にモーセはイスラエルの子らの集会全体を呼び集めて,その者たちにこう言った。「これらは,[わたしたちが]行なうようにとエホバがお命じになった言葉*です+。2 六日のあいだ仕事をしてよい+。しかし七日目は,あなた方にとって聖なるもの,エホバに対する全き休みの安息となる。その日に仕事をする者はすべて死に処せられる+。3 安息日には,あなた方の住まいのどこにおいても火をたいてはならない」。

4 モーセはイスラエルの子らの集会全体に向かってさらにこう言った。「これはエホバが命じて言われた言葉です。5 『あなた方の中からエホバのための寄進物を取り集めなさい+。心から進んで行なう者+は皆,それをエホバへの寄進物として携えて来なさい。すなわち,金,銀,銅+,6 青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻,やぎの毛+,7 赤く染めた雄羊の皮,あざらしの皮,アカシアの木,8 明かりのための油,そそぎ油および薫香+のためのバルサム油,9 エフォドおよび胸掛け+のためのしまめのうとはめ込み石+である。

10 「『そして,あなた方のうち心の賢い者+は皆,来て,エホバの命じたすべての物を造るように。11 すなわち,幕屋,その天幕と覆い,その留め金と区切り枠*,その横木,その柱と受け台,12 箱+とそのさお+,覆い+と仕切りの垂れ幕+,13 食卓+およびそのさおとすべての器具,また供えのパン*+,14 明かりの燭台+,およびその器具とともしび皿と明かり*のための油+,15 香の祭壇+とそのさお,そそぎ油と薫香+,幕屋の入口のための入口の仕切り幕,16 焼燔の捧げ物の祭壇+とそのための銅の格子,そのさおとすべての器具,水盤*+とその台,17 中庭+の掛け布,その柱と受け台,中庭の門の仕切り幕,18 幕屋の天幕用留め杭と中庭の天幕用留め杭,およびその細綱+,19 聖なる所での奉仕のための編み物細工の衣*+,祭司アロンのための聖なる衣+と,祭司の務めを行なうためのその子らの衣である』」。

20 そこで,イスラエルの子らの集会の全員はモーセの前から出て行った。21 そののち彼ら,すべてその心に促された者たち+がやって来た。すべてその霊に鼓舞された者たちが,会見の天幕の仕事のため,またそのすべての奉仕と聖なる衣のための,エホバへの寄進物を携えて来た。22 そして男たち,また女たちも,すべて心から進んで行なう者たちが次々にやって来た。彼らは,ブローチ*,耳輪,輪,婦人の飾り,あらゆる金の品を携えて来た。すなわち,すべて振揺の捧げ物としての金をエホバにささげる者たちであった+。23 また,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻,やぎの毛,赤く染めた雄羊の皮,あざらしの皮のあった者は皆それを携えて来た+。24 銀や銅の寄進物を寄進する者も皆エホバへの寄進物を携え,奉仕のすべての仕事に用いるアカシア材のあった者は皆それを携えて来た。

25 さらに,心の賢い女たち+は皆その手で糸を紡ぎ,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻を,紡いだ糸にして携えて来るのであった。26 また,知恵をもってその心に促されたすべての女たちはやぎの毛を紡いだ。

27 さらに,長たちはエフォドおよび胸掛け+のためのしまめのうとはめ込み石を,28 またバルサム油,そして明かりとそそぎ油と薫香+のための油を携えて来た。29 エホバがモーセを通して行なうようにと命じたすべての仕事のために何かを携えて行こうとその心に鼓舞されたすべての男女がそのとおりに行なったのである。イスラエルの子らは自発的な捧げ物をエホバのもとに携えて来た+。

30 次いでモーセはイスラエルの子らに言った,「見なさい,エホバはユダ族のフルの子であるウリの子ベザレルを名を挙げて呼ばれました+。31 そして,知恵において,理解力と知識とあらゆる技能とにおいて神の霊を彼に満たされました。32 さまざまな仕組みを考案するため,金・銀・銅の細工をするため+,33 また石の細工においてそれをはめ込み,木の細工において工夫に富むあらゆる品物を造るためです+。34 そして[神]はそれを彼の心に入れ,彼が,すなわち彼とダン族のアヒサマクの子であるオホリアブ+とが[それを]教示するようにされました。35 彼らを心の知恵で満たして+,職人と刺しゅう師+,また青糸や赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物や上等の亜麻を扱う織物師,また機織り人,すなわちあらゆる仕事をし,さまざまの仕組みを考案する人々のすべての仕事を行なうようにされたのです。

36 「それでベザレルは仕事を行なうように。そしてオホリアブ+および心の賢いすべての者,すなわちエホバがこれらの事に関して知恵+と理解力+とを与えて,すべてエホバの命じたとおりに聖なる奉仕のすべての仕事を行なうその仕方を知るようにされた者たちもです+」。

2 それからモーセは,ベザレルとオホリアブ,またエホバがその心に知恵を置かれた心の賢いすべての者を呼んだ+。すべて心に促されてその仕事に近づき,それを行なおうとする者たちであった+。3 次いで彼らは,モーセの前から,聖なる奉仕の仕事のため,それを行なうようにとイスラエルの子らが携えて来たすべての寄進物を受け取った+。一方人々は,自発的な捧げ物をなおも朝ごとに彼のもとに携えて来るのであった。

4 それで,あらゆる聖なる仕事を行なっていたすべての賢い者たちが,一人また一人とそのしていた仕事を離れてやって来て,5 モーセにこう言うようになった。「民は,エホバが行なうようにと命じた仕事のための奉仕に必要な分よりはるかに多く携えて来ています」。6 それでモーセは宿営じゅうに発表を伝えるように命じてこう言った。「男も女も,聖なる寄進物のためのものはもう何も出さなくてよい」。これによって民がそれを携えて来ることはとどめられた。7 それでも,その資材はなすべきすべての仕事のために十分なもの,いや十分以上のものであった。

8 そして,その仕事に携わる人々のうち心の賢いすべての者+は幕屋+を,すなわち十枚の天幕布を,上等のより亜麻,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物で造っていった。刺しゅう師の仕事であるケルブを付けて彼*はそれを造った。9 各天幕布の長さは二十八キュビト,各天幕布の幅は四キュビトであった。すべての天幕布の寸法は同一であった。10 次いで彼は五枚の天幕布をそれぞれ他とつなぎ合わせ+,他の五枚の天幕布もそれぞれ他とつなぎ合わせた。11 その後,終わりのつなぎ目にある一枚の天幕布の端に青糸の環を造った。他方のつなぎ目にある一番外側の天幕布の端にも同じようにした+。12 一方の天幕布に五十の環を造り,他方のつなぎ目にある天幕布の末端にも五十の環を造り,環が互いに向き合うようにした+。13 最後に,金の留め金五十を造り,その留め金で天幕布を互いにつなぎ,それが一つの幕屋となるようにした+。

14 さらに彼は幕屋の上の天幕としてやぎの毛で天幕布を造った。十一枚の天幕布を造った+。15 各天幕布の長さは三十キュビト,各天幕布の幅は四キュビトであった。十一枚の天幕布の寸法は同一であった+。16 次いで五枚の天幕布だけを一緒につなぎ合わせ,また他の六枚の天幕布を別にして[つなぎ合わせた+]。17 次に,つなぎ目にある一番外側の天幕布の端に五十の環を造り,それとつなぎ合わさる他方の天幕布の端にも五十の環を造った+。18 その後,天幕をつなぎ合わせて一つにするために銅の留め金五十を造った+。

19 それから彼は,その天幕のために,赤く染めた雄羊の皮で覆いを造り,さらにあざらしの皮+の覆いをその上に[造った+]。

20 次いで彼は,幕屋のために,まっすぐに立つ区切り枠をアカシアの木+で造った。21 十キュビトが区切り枠の長さであり,一キュビト半がそれぞれの区切り枠の幅であった+。22 それぞれの区切り枠には二つのほぞがあって,互いに合わさった。幕屋のすべての区切り枠をそのようにした+。23 こうして幕屋のための区切り枠を造り,ネゲブにすなわち南に向かう側のために二十の区切り枠を[造った+]。24 また,その二十の区切り枠の下に置くために銀の受け台四十を造った。二つのほぞのある一つの区切り枠の下に二つの受け台,二つのほぞのある他の一つの区切り枠の下に二つの受け台である+。25 そして,幕屋の他方の側,北側のためにも,二十の区切り枠+と,26 そのための銀の受け台四十を造り,一つの区切り枠の下に二つの受け台,他の一つの区切り枠の下に二つの受け台とした+。

27 また,西*側,すなわち幕屋の後ろの部分のために彼は六つの区切り枠を造った+。28 そして,幕屋の隅柱として,後ろの両部分に二つの区切り枠を造った+。29 そして,それらは底部において対をなし,合わせると,第一の輪のあるそれぞれの頂のところまで対称になった。それら二つ,その二本の隅柱をそのようにした+。30 それで,合わせて八つの区切り枠,その銀の受け台は十六となり,二つの受け台の次にまた二つの受け台が[並んで],それぞれの区切り枠の下に置かれた+。

31 さらに彼はアカシアの木で横木を造った。幕屋の一方の側の区切り枠のために五本+,32 幕屋の他方の側の区切り枠のために五本の横木,そして西側,幕屋の後ろの両部分があるほうの区切り枠のために五本の横木である+。33 そして,真ん中の横木を,区切り枠の真ん中のところで一方の端から他方の端に渡るように造った+。34 そして,区切り枠に金をかぶせ,それらに付く輪を横木の支えとして金で造り,さらに横木にも金をかぶせた+。

35 それから彼は,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻で垂れ幕+を造った。刺しゅう師の仕事によってそれにケルブ+を付けた。36 次いで,そのためにアカシアの柱四本を造り,それに金をかぶせた。それらに付ける掛けかぎは金であり,またそのために銀の受け台四つを鋳造した+。37 さらに,天幕の入口のために,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻で仕切り幕を造った。織物師の仕事である+。38 またその五本の柱とそれらに付ける掛けかぎを[造った]。そして,それらの頂と継ぎ手には金をかぶせたが,その五つの受け台は銅であった+。

37 ベザレル+は次に,アカシアの木で箱+を造った。その長さは二キュビト半,その幅は一キュビト半,その高さは一キュビト半であった+。2 次いでそれに,内側にも外側にも純金をかぶせ,またそれのため周囲に金の縁飾りを造った+。3 その後,それのため,その四つの足の上方のために金の輪四つを鋳造し,二つの輪をその一方の側,二つの輪を他方の側に付けた+。4 次にアカシアの木でさおを造り,それに金をかぶせた+。5 次いで,そのさおを箱の両側の輪に通して,その箱を運ぶためのものとした+。

6 次いで彼は純金の覆い*+を造った。その長さは二キュビト半,その幅は一キュビト半であった+。7 さらに,金のケルブ二つを造った。打ち物細工でそれを覆いの両端に造った+。8 一方のケルブをそちらの端,他方のケルブをこちらの端にした。覆いの上,その両方の端にケルブを造った+。9 そして,それらは二つの翼を上方に広げて,覆いの上方をその翼で仕切るケルブとなり+,その顔は互いのほうに向かっていた。ケルブの顔は覆いのほうに向いていた+。

10 それから彼はアカシアの木で食卓を造った+。その長さは二キュビト,その幅は一キュビト,その高さは一キュビト半であった+。11 次いでそれに純金をかぶせ,それのため周囲に金の縁飾りを造った+。12 次に,それのため周囲に一手幅のへりを造り,そのへりのため周囲に金の縁飾りを造った+。13 さらに,それのために金の輪四つを鋳造し,その輪を四つの足のための四つの隅に付けた+。14 その輪はへりの近くにあり,食卓を運ぶためのさおの支えとなった+。15 次いで,アカシアの木でさおを造り,それに金をかぶせて食卓を運ぶためのものとした+。16 その後,食卓の上に置く器具,すなわちその皿と杯および[献酒を]注ぐ*ための鉢と水差しとを純金で造った+。

17 次いで彼は純金の燭台+を造った。打ち物細工でその燭台を造った。そのわきと枝,そのがく,その節と花がそれから生じていた+。18 そして,六つの枝がその両側から出ていた。すなわち燭台の三つの枝は一方の側から,燭台の三つの枝は他方の側から出ていた+。19 アーモンドの花の形をした三つのがくが一方の組の枝にあって,節と花とが交互になり,アーモンドの花の形をした三つのがくがもう一方の組の枝にもあって,節と花とが交互になっていた。燭台から出る六つの枝はこのようになっていた+。20 そして,燭台にはアーモンドの花の形をした四つのがくがあって,その節と花とが交互になっていた+。21 また,二つの枝の下の節がそれから出,別の二つの枝の下の節がそれから出,あと二つの枝の下の節がそれから出ていた。六つの枝がその燭台から出ていたのである+。22 その節と枝とがそれから生じていた。そのすべては一つの打ち物細工で,純金であった+。23 次いでその七つのともしび皿,および心切りばさみと火取り皿を純金で造った+。24 一タラントの純金で,それとそのすべての器具とを造った。

25 彼は次に,アカシアの木で香+の祭壇を造った+。その長さは一キュビト*,その幅は一キュビトで,真四角であり,その高さは二キュビトであった。その角がそれから出ていた+。26 次いでそれに,すなわちその上面と周囲の側面と角に純金をかぶせ,またそれのため周囲に金の縁飾りを造った+。27 また,それのため,その縁飾りの下方,その二つの側面,二つの向き合う側に,それを運ぶさおの支えとして金の輪二つを造った+。28 その後アカシアの木でさおを造り,それに金をかぶせた+。29 加えて,聖なるそそぎ油+と純良の薫香+を作った。塗り油を作る者の仕事であった。

38 さらに彼は焼燔の捧げ物の祭壇をアカシアの木で造った。その長さは五キュビト,その幅は五キュビトで,真四角であり,その高さは三キュビトであった+。2 次いで,その角+をその四隅の上に造った。その角がそれから出ていた。次に,それに銅をかぶせた+。3 その後,祭壇のすべての器具,すなわち缶とシャベルと鉢,肉刺しと火取り皿を造った。そのすべての器具を銅で造った+。4 さらに,祭壇のために,格子つまり銅の網細工を,そのへりより下,下方,その中央のほうに造った+。5 次いで,銅の格子の近く,四つの突端に,さおの支えとして四つの輪を鋳造した。6 その後,アカシアの木でさおを造り,それに銅をかぶせた+。7 次いで,そのさおを祭壇の両側の輪に差し込み,それで[祭壇]を運ぶようにした+。それを厚板で空洞の大箱の形に造った+。

8 次いで彼は銅の水盤*+とそのための銅の台とを造ったが,それは,会見の天幕の入口で組織的奉仕に携わっていた婦人たち*+の鏡*を用いて[造られた]。

9 それから彼は中庭+を造った。ネゲブにすなわち南に向かう側のために,中庭の掛け布が上等のより亜麻でつくられ,百キュビトあった+。10 その二十本の柱とそのための二十の受け台とは銅であった。柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手*とは銀であった+。11 また,北側のためにも百キュビトであった。その二十本の柱とそのための二十の受け台とは銅であった。柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手とは銀であった+。12 しかし,西側のために,その掛け布は五十キュビトであった。その柱は十本,そのための受け台は十であった+。柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手とは銀であった。13 そして,日の出の方向の東側のためにも五十キュビトであった+。14 その掛け布は,一方のそで*に十五キュビトであった。その柱は三本,そのための受け台は三つであった+。15 そして,中庭の門の他方のそでは,こちらも向こうと同じで,その掛け布は十五キュビトであった。その柱は三本,その受け台は三つであった+。16 中庭の周囲の掛け布はすべて上等のより亜麻でできていた。17 そして,柱の受け台は銅,柱に付ける掛けかぎとその継ぎ手とは銀,またその頂にかぶせるものも銀で,中庭のすべての柱のために銀のつなぎがあった+。

18 また,中庭の門の仕切り幕は織物師の仕事で,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻でできており+,二十キュビトがその長さで,高さは幅いっぱいにわたって中庭の掛け布と等しく五キュビトであった+。19 また,その四本の柱とそのための四つの受け台とは銅であった。それに付ける掛けかぎは銀,その頭にかぶせるものとその継ぎ手も銀であった。20 そして,幕屋および周囲の中庭のための天幕用留め杭はすべて銅であった+。

21 幕屋すなわち証+の幕屋に関して数量を調べられたものは以下のとおりである。それは,モーセの命令により,祭司アロンの子イタマル+の指導の下に,レビ人+の奉仕として数量が調べられたのである。22 そして,ユダ族のフルの子であるウリの子ベザレル+は,エホバがモーセに命じたすべての事柄を行なった。23 そして,彼と共にいたのは,ダン族のアヒサマクの子オホリアブ+で,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等の亜麻などを扱う職人,刺しゅう師,また織物師であった。

24 聖なる場所のすべての仕事においてその仕事のために用いられた金*の総量は振揺の捧げ物の金の量と同じであり+,聖なる場所の+シェケルで+二十九タラント七百三十シェケルであった。25 また,集会の登録された者たちからの銀は,聖なる場所のシェケルで百タラント一千七百七十五シェケルであった。26 一人*当たりの半シェケル*は聖なる場所のシェケルで一シェケルの半分であり,二十歳およびそれより上で登録された人々の側に移るすべての者に課された+。それは全部で六十万三千五百五十人であった+。

27 そして,百タラントの銀が聖なる場所の受け台と垂れ幕の受け台の鋳造に当てられた。百個の受け台が百タラントとなり,一つの受け台につき一タラントであった+。28 そして彼はあとの千七百七十五シェケル*で柱に付ける掛けかぎを造り,その頂にかぶせ,またそれらをつなぎ留めた。

29 また,振揺の捧げ物の銅は七十タラント二千四百シェケルであった。30 そして彼はこれをもって,会見の天幕の入口の受け台,銅の祭壇,それに付属する銅の格子,また祭壇のすべての器具,31 周囲の中庭の受け台,中庭の門の受け台,幕屋のすべての天幕用留め杭,および周囲の中庭のすべての天幕用留め杭+を造った。

39 また,青糸と赤紫に染めた羊毛とえんじむし緋色の物+で,彼らは,聖なる場所+での奉仕のための編み物細工の衣*+を作った。こうして彼らはアロンのための聖なる衣+を作って,エホバがモーセに命じたとおりにした。

2 そこで彼は,金,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻でエフォド+を作った。3 それで彼らは金の平板を打ち伸ばして薄板にし,彼は[それを]切って縫い糸とした。刺しゅう師の仕事として,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻の中に縫い込むためであった+。4 彼らはそれのために,互いに合わさる肩ひもを作った。それはその二つの先端で合わさった。5 また腰帯,すなわち[エフォド]の上にあってそれをしっかり結ぶものも,それの作り方に倣い,同じ素材で,つまり金,青糸,また赤紫に染めた羊毛とえんじむし緋色の物と上等のより亜麻でつくられ+,エホバがモーセに命じたとおりになった。

6 次いで彼らは,金のはめ込み台にはめ込まれたしまめのう+を作った。それには印章の彫り込みをもってイスラエルの子らの名のとおりの彫り込みがなされていた+。7 それで彼はイスラエルの子らのための記念+の石としてそれらをエフォドの肩ひもの上に置き,エホバがモーセに命じたとおりにした。8 次いで彼は刺しゅう師の技法によって胸掛け+を作った。エフォドと同様の作り方で,金,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物,上等のより亜麻でつくられた+。9 それは二つにたたむと真四角になった。彼らはその胸掛けを,二つにたたむとその長さが一手尺,その幅も一手尺となるように作った+。10 次いで彼らはそれに四列の石を詰めた。ルビー,トパーズ,エメラルドの列が第一列+。11 そして第二列+は,トルコ玉,サファイア+,碧玉+。12 また第三列+は,レシェム石*,めのう*,紫水晶。13 そして第四列+は,貴かんらん石*と,しまめのう+,ひすいであった。これらは金のはめ込み台をもってその詰め物の中にはめ込まれた。14 そして,これらの石はイスラエルの子らの名に対応した。それらは彼らの名に対応して十二個であり,印章の彫り込みが施され,十二の部族のためそれぞれがその名に対応した+。

15 それから彼らは,その胸掛けの上に,より合わせた鎖を縄の作り方によって純金で造った+。16 次いで,金のはめ込み台二つと金の輪二つを造り,その二つの輪を胸掛けの二つの突端に付けた+。17 その後,二本の金の縄を胸掛けの突端に付けた二つの輪に通した+。18 そして,二本の縄の二つの端を二つのはめ込み台に通した。次いでそれらを,エフォドの肩ひもの上,その前面に付けた+。19 次に,金の輪二つを造り,それを胸掛けの二つの突端,内側のエフォドのほうの側のへりにはめた+。20 次いで金の輪二つを造り,エフォドの二つの肩ひもに下のほうから,その前面,合わせ目の近く,エフォドの腰帯より上のところにそれを付けた+。21 最後に,胸掛けをそれの輪によってエフォドの輪に青ひもで縛り,それがエフォドの腰帯より上にとどまり,胸掛けがエフォドの上からずれないようにして,エホバがモーセに命じたとおりにした+。

22 次いで彼はエフォドのそでなしの上着+を作った。機織り人の製作で,すべて青糸であった。23 そして,そでなしの上着の開き口はその真ん中にあり,小札かたびらの開き口のようであった。その開き口には,それが裂けることのないように,周囲に縁飾りがしてあった+。24 次いで彼らは,そでなしの上着のすそべりに,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物をより合わせたざくろを作った+。25 さらに,純金の鈴を造り,その鈴をざくろ+の間に配してそでなしの上着のすそべりにぐるりと付けた。ざくろの間にである。26 鈴とざくろ,鈴とざくろがそでなしの上着のすそべりにぐるりと付いた+。奉仕の用のためであり,エホバがモーセに命じたとおりになった。

27 次に彼らは上等の亜麻で長い衣を作った+。機織り人の製作で,アロンとその子らのためであった。28 また,上等の亜麻でターバン+を,上等の亜麻で飾りの頭包み+を,上等のより亜麻で亜麻の股引き+を[作り],29 さらに,上等のより亜麻,青糸,赤紫に染めた羊毛,えんじむし緋色の物で飾り帯+を[作った]。織物師の仕事であり,エホバがモーセに命じたとおりになった。

30 最後に彼らは輝く平板,献納の聖なるしるし*を純金で造り,その上に,印章の彫り込みをもって,「神聖さはエホバのもの*」という銘の書き込みを行なった+。31 次いで,青糸のひもをそれに付けて,それをターバンの上,上方に付くようにし+,エホバがモーセに命じたとおりにした。

32 こうして,会見の天幕の幕屋のための仕事*はすべて完了した。イスラエルの子らはすべてエホバがモーセに命じたとおりにしていった+。彼らはまさにそのとおりに行なった。

33 それから彼らはその幕屋+をモーセのところに携えて来た。すなわち,天幕+とそのすべての器具+,留め金+,区切り枠+,横木+と柱と受け台+,34 赤く染めた雄羊の皮の覆い+と,あざらしの皮の覆い+と,仕切りの垂れ幕+,35 証の箱+とそのさお+と覆い*+,36 食卓+,そのすべての器具+と供えのパン*,37 純金の燭台+,そのともしび皿,すなわち一列のともしび皿+,そのすべての器具+と明かりの油+,38 金の祭壇+とそそぎ油+と薫香+,および天幕の入口のための仕切り幕+,39 銅の祭壇+とそれに付属する銅の格子+,そのさお+とすべての器具+,水盤+とその台+,40 中庭の掛け布+,その柱+と受け台+,および中庭の門のための仕切り幕+,その天幕綱+と天幕用留め杭+,および幕屋での奉仕のため,すなわち会見の天幕のためのすべての器具+,41 聖なる所での奉仕のための編み物細工の衣+,祭司アロンのための聖なる衣+と,祭司の務めを行なうためのその子らの衣+である。

42 すべてエホバがモーセに命じた事柄にしたがい,イスラエルの子らはそのとおりにすべての奉仕を行なった+。43 そしてモーセがすべての仕事を見ると,見よ,彼らはそれをエホバの命じたとおりに行なったのであった。そのとおりに彼らは行なったのである。そのためモーセは彼らを祝福した+。

40 その後エホバはモーセに話してこう言われた。2 「第一の月+のその日,すなわちその月の一日に,あなたは会見の天幕なる幕屋を立てる+。3 そしてあなたは証の箱+をその中に置き,垂れ幕をもってその箱への接近を断たねばならない+。4 そして,食卓+を運び入れてその配置を整え,燭台+を運び入れてそのともしびをともすように+。5 また,香+のための黄金の祭壇を証の箱の前に置き,幕屋のための入口の仕切り幕を取り付けるように+。

6 「またあなたは焼燔の捧げ物の祭壇+を会見の天幕なる幕屋の入口の前に置き,7 水盤を会見の天幕と祭壇との間に置いてその中に水を入れねばならない+。8 また,周囲に中庭を設け+,中庭の門の仕切り幕+を掛けるように。9 また,そそぎ油+を取って幕屋とその中のすべての物に油そそぎを行ない+,それとそのすべての器具とを神聖なものとするように。こうしてそれは聖なるものとなるのである。10 また,焼燔の捧げ物の祭壇とそのすべての器具にも油そそぎを行なって祭壇を神聖なものとするように+。こうしてそれは極めて聖なる祭壇となるのである+。11 また,水盤とその台にも油そそぎを行なってそれを神聖なものとするように。

12 「次いであなたはアロンとその子らを会見の天幕の入口の近くに来させ,その身を水で洗わねばならない+。13 そして,アロンに聖なる衣を着けさせ+,油そそぎを行なって+彼を神聖なものとするように。こうして彼はわたしに対して祭司の務めを行なうのである。14 そののち彼の子らを近くに来させる。そして彼らに長い衣を着けさせるように+。15 そして,その父に油そそぎを行なったのと同じように+彼らにも油そそぎを行なわねばならない。こうして彼らはわたしに対して祭司の務めを行なうのである。そして,彼らに対する油そそぎは,彼らにとって常に,代々定めのない時に至る祭司職のためのものとなるのである+」。

16 それでモーセはすべてエホバが命じたとおりにしていった+。彼はまさにそのとおりに行なった。

17 こうして,第二年目の第一の月,その月の一日に幕屋は立てられた+。18 幕屋を立てることに取りかかった際,モーセはその受け台+を据え,その区切り枠+をはめ,その横木+を通し,その柱+を立てていった。19 次いで,幕屋の上に天幕+を広げ,天幕の覆い+をその上に載せて,エホバがモーセに命じたとおりにした。

20 そののち彼は証+を取って箱+の中に入れ,さお+を箱にはめ,覆い+を箱+の上に載せた。21 次いでその箱を幕屋の中に運び入れ,仕切りの垂れ幕+を取り付けて証の箱への接近を断ち+,エホバがモーセに命じたとおりにした。

22 次に彼は食卓+を会見の天幕の中,すなわち幕屋の北側,垂れ幕の外に置き,23 並べ重ねたパン+をその上に,エホバの前に整えて,エホバがモーセに命じたとおりにした。

24 次いで彼は燭台+を会見の天幕の中,食卓の前に据えた。幕屋の南*側である。25 そうしてともしび+をエホバの前にともして,エホバがモーセに命じたとおりにした。

26 彼は次に黄金の祭壇+を会見の天幕の中,垂れ幕の前に据えた。27 その上で薫香をくゆらせるためである*+。エホバがモーセに命じたとおりにした。

28 最後に彼は幕屋の入口の仕切り幕+を取り付けた。

29 そして彼は焼燔の捧げ物の祭壇+を,会見の天幕なる幕屋の入口の前に据えた。その上で焼燔の捧げ物+と穀物の捧げ物をささげるためであり,エホバがモーセに命じたとおりにした。

30 次いで彼は水盤を会見の天幕と祭壇との間に据え,洗うための水をその中に入れた+。31 そしてモーセおよびアロンとその子らはそこで自分の手と足を洗った。32 会見の天幕に入る時,また祭壇に近づく時に彼らは洗うのである+。エホバがモーセに命じたとおりにした。

33 最後に彼は幕屋と祭壇との周囲に中庭を設け+,中庭の門の仕切り幕+を掛けた。

こうしてモーセは仕事を終えた。34 すると,雲+が会見の天幕を覆うようになり,エホバの栄光がその幕屋に満ちた。35 そして,モーセは会見の天幕の中に入ることができなかった。雲+がその上にとどまり,エホバの栄光が幕屋に満ちていたためである+。

36 そして,イスラエルの子らは,その旅程を進める間いつも,雲が幕屋の上から持ち上がると宿営を解くのであった+。37 しかし雲が上がらなければ,それが上がる日までは宿営を解かなかった+。38 その旅の全行程にわたり,昼はエホバの雲が幕屋の上にあり,夜は火がそこにとどまって,イスラエルの家のすべての者に見えたのである+。

「さて,これらは……名である」。ヘ語,ウェエーッレ シェモート。聖書のこの2番目の書は,ヘブライ語では,これら冒頭の語をもってその書名としており,時に簡略化して,シェモートとも呼ばれる。七十訳とウル訳はこの書の名称を「出エジプト記<エクソドス>」(ギ語,エクソドス; ラ語,エクソドゥス)としている。

「七十の魂」,マソ本,ウル訳; 七十訳,「七十五」。創 46:20,27の脚注参照。

「あの者たち」。字義,「彼」もしくは「それ」,すなわち,イスラエルの民。

「れんが」。すなわち,日干しれんが。

「[神]は後に彼女たちにも家族を授けるのであった」。字義,「そして彼はその者たちのために家を設けるのであった」。

または,「大箱」。ヘ語,テーヴァト。

「引き出された; 水から救い出された」の意。ヨセフスの「ユダヤ古代誌」,第2巻,9章,6節参照。

七十訳と使徒 7:28は「昨日」という語を付け加えている。

「わたしも殺すつもりなのか」。字義,「あなたはわたしも殺そうとして話しているのか」。ヘ語,ハルホルゲーニー アッター オーメール。

「に住もうとした」,マソ本; シリ訳,「に向けて出発した」。

または,「女たちを救って」。字義,「そして彼女たちを救って」。ヘ語,ワイヨーシアーン; この動詞が最初に出て来る箇所。ここではモーセに関して用いられている。

「そこでの外人居留者」の意。

または,「その苦役」。

「神は[それに]意を留められた」,マソ本; ウル訳,「[神]は彼らに意を留められた」; 七十訳,「[神]は彼らに知られるようになった」。

または,「祭司である,自分のしゅうとエテロの羊の群れの牧者となった」。

ヘ語,エホーワー。付録1イ参照。

「神」,サマ五; すなわち,エホバに代わって話したみ使い。2節参照。

「父」,マソ本,七十訳,シリ訳,ウル訳; サマ五,「父たち」。

付録1ヘ参照。

「あなた方は……仕える(崇拝する)であろう」。ヘ語,タアヴドゥーン; ギ語,ラトレウセテ,「あなた方は神聖な奉仕を行なうであろう」。KB,671ページ参照,そこには「神を崇拝する」という訳が挙げられている。また,マタ 4:10,「ならない」の脚注も参照。

「わたしは自分がなるところのものとなる」。ヘ語,אֶהְיֶֽה אֲשֶֽׁר אֶהְיֶֽה(エフエ アシェル エフエ),ご自分に対する神ご自身の呼称; リーサー訳,「わたしは自分がなるものになる」; ロザハム訳,「わたしは何であれ自分の望むものになる」。ギ語,エゴー エイミ ホ オーン,「わたしは存在者である」,または,「わたしは存在している者である」; ラ語,エゴ スム クウィー スム,「わたしは自分のあるとおりの者である」。エフエは,「なる; ……であることを示す」を意味するヘブライ語動詞ハーヤーに由来する。ここで,エフエは未完了態一人称単数形で,「わたしはなる」,または,「わたしは……であることを示す」という意味を持っている。これは神の自存に言及しているのではなく,神が他者に対してどのような者になることを意図しておられるかに言及している。創 2:4,「エホバ」の脚注と比較。そこでは,類縁だが別のヘブライ語動詞ハーワーが神のみ名の中に現われている。

「定めのない時に至るわたしの名」。ヘ語,シェミー レオーラーム。

「わたしの記念」。ヘ語,ジクリー; ラ語,メモリアーレ メウム。

または,「長老たち」。

書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。

10節の脚注参照。

「神の」。ヘ語,レーローヒーム(leʼ·lo·him'),複数形; ギ語,テオン; ラ語,デウム。

ヘ語,エテル。

「あなたの魂(命)」。ヘ語,ナフシェカー; ギ語,プシュケーン。

または,「固く」。

「わたしに仕えさせよ(わたしを崇拝させよ)」。ヘ語,ウェヤアヴデーニー; ギ語,ラトレウセーイ。3:12の脚注参照。

「エホバ」,マソ本,サマ五; タル,七十訳,「エホバのみ使い」。

「血」(複),マソ本。

「こう言った。『わたしの幼子の割礼の血は立ち止まり(止まり)ました』」,七十訳。

「割礼」(複),マソ本。

「自分が行なうように命じられた」,シリ訳; マソ本,七十訳,ウル訳,「(自分に)命じられた」。

または,「その声に聴き従って」。

または,「(腺)ペスト」。七十訳,「死(死の災厄)」。

または,「モーセとアロン,お前たちが民を仕事から離れさせるのはどうしてなのか」。

または,「お前たちは彼らを休ませ(彼らに安息を守らせ)」。

「職長たち」。または,「仕事に駆り立てる者たち」。

字義,「あなた方はわたしたちのにおいを……臭くならせて」。

書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。

「神」,マソ本,七十訳; サマ五,シリ訳,ウル訳,「エホバ」。

「全能の神として」。ヘ語,ベエール シャッダーイ; ギ語,テオス オーン アウトーン; ラ語,イン デオー オムニポテンテ。

「わたしの名エホバ[יהוה,YHWH]に関しては」。ヘ語,ウーシェミー エフワー; ラ語,エト ノーメン メウム アドナーイ。

または,「わたしの名エホバに関しても自分を彼らに知らせなかっただろうか」。ジェームズ・ワシントン・ワッツ訳(1977年),「わたしの名ヤハウェによってわたしを彼らに余すところなく理解させることはしていなかった」。

または,「あなた方をわたしの民として取り」。

字義,「神として」。ヘ語,レーローヒーム(lEʼ·lo·him'); ギ語,テオス。

または,「取り,まさしくあなた方の神となる」。

「失意」。字義,「霊[ヘ語,ルーアハ]の短さ」。

「唇に割礼のない」。唇にそれを覆う包皮があり,余りに長くまた厚くて,容易に話ができないかのように。

「神」。ヘ語,エローヒーム; ギ語,テオン; ラ語,デウム。

または,「ファラオの心をかたくなに(固く)して」。

「するとそれは……となるであろう」,サマ五,七十訳,シリ訳,ウル訳。

字義,「重い」。

3:12の脚注参照。

「すべての溜まり水」。字義,「彼らの水の集まりすべて」。

マソ本と七十訳はこれを7:26としている。

マソ本と七十訳はここから8章が始まっている。

「どうかわたしにご説明ください」と読むのかもしれない。

サマ五と一致して。マソ本の中でこの動詞は不定詞独立形で,時に関しては不定。

または,「蚊」。ヘ語,ハッキンナーム(複)。それほどの真実性はないが,歴史家ヨセフス(「ユダヤ古代誌」,第2巻,14章,3節)は,これをしらみを指す語と説明し,またタルムードもしらみを表わすのにキンニームという語形を用いている。

「わたしに仕えさせ(わたしを崇拝させ)」。ヘ語,ウェヤアヴドゥニー; ギ語,ラトレウソーシン,「神聖な奉仕を行なわせ」。3:12の脚注参照。

「いぬばえ」,七十訳。

または,「わたし,エホバが地(この土地)のただ中にいることを」。

「お前たちの神に」。ヘ語,レーローヘーケム(lEʼ·lo·heh·khem'); タルエ,七十訳バグスター,シリ訳,「お前たちの神エホバ」。

または,「エジプトの畜類すべてが」。

または,「あなたを生き長らえさせた; あなたをとどまらせておいた」。字義,「わたしはあなたを立たせてきた」。21:21,「生き延びる」の脚注と比較。

七十訳はこの節をこう読んでいる,「そして,あなたに関連してわたしが自分の強さを示すため,またわたしの名が全地で宣明されるため,この目的であなたは生き長らえるようにされた」。ロマ 9:17と比較。

「なおもごう慢に振る舞う」。ジェームズ・ワシントン・ワッツ訳(1977年),「まだ自分を高めている」。

または,「すべての草木」。

または,「すべての樹木を; 樹木をことごとく」。

または,「民は邪悪な者たちである」。

古代エジプトで栽培された,質の劣る小麦。

字義,「モーセの手によって」。

「これらの(これらわたしの)しるしを彼らの中に」,タルエ,シリ訳; 七十訳,「これらのしるしを彼らの上に」。

または,「自分の子や孫」。

字義,「地の目を」。

または,「あなたの父も祖父たちも」。

「特にどんな者たち」。字義,「だれとだれ」。

字義,「よこしまな事がお前たちの顔の前にある」。

「風」。ヘ語,ルーアハ; ギ語,アネモン; ラ語,ウェントゥム。創 1:2,「力」の脚注参照。

字義,「この死」。

字義,「雑草の多い海; 葦の海」。

「崇拝する(仕える)」。ヘ語,ラアヴォード; ギ語,ラトレウサイ,「神聖な奉仕を行なう」。3:12の脚注参照。

「犬がその舌でうなることすらない」,七十訳; ウル訳,「犬がほえることすらない」。ヨシュ 10:21と比較。

「イスラエルの子ら」。または,「イスラエル人」。

「羊」。ヘ語,セ; ギ語,プロバトン; ラ語,アグヌム,「子羊」。

または,「人」。ヘ語,ネファーショート,複数形; ギ語,プシュコーン,複数形。

「若い雄羊」。または,「雄の子羊」。

「二つの夕方の間に」。ある権威者たちおよびカライ派ユダヤ教徒やサマリア人によると,これは日没から実際に暗くなるまでの時間。パリサイ人とラビ信奉者たちはそれを他の意味に考えた。すなわち,太陽の傾きかけた時が第1の夕方で,実際の日没が第2の夕方。

「戸柱」。ヘ語,ハンメズーゾート。現代のユダヤ語である「メズーザ」は,申 6:4-9および申 11:13-21のヘブライ語の聖句を記した長方形の皮紙を指す。その皮紙は小さな容器に入れられ,正統派ユダヤ教徒の住まいの右側の戸柱に斜めに取り付けられる。申 6:9の脚注参照。

「戸口の上部に」。または,「楣に」。

字義,「与え」。

または,「イーストの入っていないパン; パン種を入れないパン」。

または,「生焼けで」。

字義,「跳び越えること; 過ぎ越すこと」。ヘ語,ペサハ。

「のすべての神々に対して」。ヘ語,ウーヴェコル・エローヘー。複数のエジプトの神々を指す複数形。

または,「エホバの祭りとして」。

「酸い練り粉」。または,「イースト; パン種」。

または,「聖なる召集がなされ」。

「小さな家畜」。または,「羊ややぎ」。

または,「漬け;(血で)バプテスマを施し」。ギ語,バプサンテス。

「務め」。または,「崇拝の特色」。ヘ語,ハーアヴォーダー; ギ語,ラトレイアン,「神聖な奉仕」。3:12の脚注と比較。

「獄の穴」。または,「牢獄」。字義,「水溜めの家」。創 40:15の脚注参照。

または,「そして大勢の外国人(よそ人たち)」。

「住んだ」。ヘブライ語でこの動詞は複数形。関係代名詞アシェルに導かれるこの部分は,「居住」にではなく,「イスラエルの子ら」にかかると思われる。七十訳,「しかし,イスラエルの子ら[七十訳アレ写は「およびその父たち」を付け加えている]がエジプトの地とカナンの地に住んだその居住[の期間]は四百三十年[であった]」; サマ五,「カナンの地とエジプトの地に」。同じくヨセフスも「ユダヤ古代誌」,第2巻,15章,2節でこう記している。「彼らはクサンティクスの月[マケドニアの月名で,ヨセフスはニサンの月に相当するとしている]の,月齢で数えて第15日にエジプトを去った。それは,我々の父祖アブラハムがカナンに来てから430年後であった」。(ローブ古典文庫,H・サッカレー訳,1967年,305ページ)イスラエルの子らは第1の月の15日にエジプトの地を出た。出 12:37; 民 33:3,5参照。サマ五,七十訳,およびヨセフスは,430年の期間が,アブラハムがカナンの地に入った時から,イスラエル人がエジプトを出た時までであることを示している。ガラ 3:17参照。

サマ五は「およびその父たち」を付け加えている。

字義,「異(国)の子」。

または,「よそ人; 移民」。

「割礼が施される」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。

20:8の脚注と比較。

ヘ語,エホーワー。付録1イ参照。

「アビブ」。「緑の穂」という意味。熟してはいるがまだ柔らかい穂のこと。アビブは3月の終わりから4月の初めに当たる。ユダヤ人のバビロン流刑後この月はニサンと呼ばれるようになった。付録8ロ参照。

「務め(崇拝の特色)」。ヘ語,ハーアヴォーダー; ギ語,ラトレイアン,「神聖な奉仕」。12:25の脚注と比較。

字義,「日々から日々へ」。

「エホバに」。ヘ語,ライホーワー。付録1イ参照。

ヘ語,エホーワー。付録1イ参照。

「戦闘隊形を組んで」。前衛,後衛,本隊,両翼の五つの部分に分かれた軍隊のようであったのであろう。

ヘ語,エホーワー。付録1イ参照。

「戦士」(複)。字義,「そして……第三の者たち」。ヘ語,ウェシャーリシム; ギ語,トリスタタス。エジプトの記念碑には普通は示されていないが,3人が1台の戦車に乗った。一人が馬を御し,他の二人が車上から戦った。アッシリアの浅浮彫りも,武具持ちまたはかさ持ちとして3人目の人が乗ったことを示している。

ヘ語,エホーワー。付録1イ参照。

「朝の見張り時」。ヘブライ人の習慣による3番目で最後の見張り時。午前2時ごろから同6時ごろまで。

「[わたしの]偉力」。あるいは,「[わたしの]調べ」と読むのかもしれない。ヘ語,ウェジムラート; サマ五および三つのヘブライ語写本は,「わたしの」を付け加えている; ラ語,ラウス メア,「わたしの賛美」。

「ヤハ」。ヘ語,ヤーハ;「エホバ」のみ名のこの省略形が最初に出て来る箇所。付録1イ参照。

「逆巻く水」。ヘ語,テホーモート; ラ語,アビュッシー。創 1:2,「深み」の脚注参照。

または,「あなたの怒り」。

「そして……一息によって」。ヘ語,ウーヴェルーアハ; ギ語,プネウマトス。創 1:2,「力」の脚注参照。

または,「彼らを立ち退かせる」。

「神々の中に」。ヘ語,バーエーリム。エールの複数形。

または,「請け戻した」。

または,「忠節な愛」。

または,「取得された」。

または,「ご自分の所有」。

「定められた場所」。または,「所」。

書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。

「踊りながら」。または,「円くなって踊りながら」。

「男たち」。字義,「彼ら」。

「歌え」,マソ本; 七十訳,ウル訳,「歌おう」。

「苦み」の意。

「彼ら」。「民」を指している。字義,「彼」もしくは「それ」。

または,「あなた方は夕方に」。12:6の脚注参照。

字義,「上って行き」。

「薄片状の」。または,「ぱりぱりした」。

「これ(それ)は何だろう」。ヘ語,マーン フー; シ語,マヌー。

字義,「頭蓋骨」。

約2.2㍑。

「長たち」。または,「ナーシーたち」。創 17:20の脚注と比較。

「安息日」。または,「安息日の祝祭」。

または,「七日目に休むことになった」。

「マナ」。シ語,マンナー; マソ本,サマ五,七十訳,ウル訳,「マーン」。

または,「諭し; 思い出させるもの」,すなわち,重要な文書を保管するための文庫。

1エファは22㍑に相当した。

「命令」。字義,「口」。

「わたしたち……わたしたち」。字義,「わたし……わたし」。「民」を指す。

「ホレブ」。ここでは,十のおきてが与えられた山ではなく,シナイ山周辺の山地のことで,シナイの荒野とも呼ばれている所。

「試み; 試練」の意。

「言い争い; 抗争; 口論」の意。

または,「アマレク」,集合的な意味で。

字義,「エホシュア」。「エホバは救い」という意味; ギ語,Ἰησοῦ(イエースー,「イエス」)。

字義,「手は……しっかりした様であった」。

「エホバ・ニシ」。ニシ(ニッスィー)がネース(旗ざお)から派生したのであれば,「エホバはわたしの旗[ざお]」という意味; 七十訳,「エホバはわたしの避難所」,ニッスィーをヌース(避難のために逃げる)から派生したものとしている; ウル訳,「エホバはわたしの高揚」,ニッスィーをナーサス(掲げる; 持ち上げる)から派生したものとしている。

「手がヤハのみ座に向けられるゆえに,エホバは……と戦いをされる」。七十訳,「秘められた手をもってエホバは……と戦いをされるからである」; ウル訳ク,「エホバのみ座の手のゆえであり,エホバの戦いは……に対してなされるであろう」。

または,「モーセがその娘婿であった」。

字義,「送り返された後のモーセの妻」。

「そこでの外人居留者」の意。

「わたしの神は助け手」の意。

または,「あなたがその娘婿となっているわたし」。

「それである人がモーセに言った,『ご覧なさい,あなたのしゅうとエテロは』」,サマ五,七十訳,シリ訳; ウル訳,「そして彼はモーセのもとに人を遣わしてこう言った,『あなたの親族であるわたしエテロは』」。

または,「エテロは,エジプトの手から救い出したイスラエルのためにエホバが」。

字義,「彼らに」。すなわち,イスラエル人に。

「[他の]……神々」。ヘ語,ハーエローヒーム; ギ語,トゥース テウース,複数形。

または,「真実の; 忠実な」。

「千人の長」。ギ語,キリアルクース(複),「千人隊長たち」。

「長」。ヘ語,サーレー(複)。

「百人の長」。ラ語,ケントゥリオーネース(複),「百人隊長たち」。

「十人の長」。ラ語,デカーノース(複),「十人隊の長たち; 執事たち」。

「エホバは……呼びかけて」; 出エジプト記でこの表現が最初に出て来る箇所。3:4; 19:20と比較。

または,「固く聴き従い」。

または,「民の中にあってわたしの特別な所有物となるはずである」。

「雄羊の角笛」。ヘ語,ハイヨーヴェール。レビ 25:10,「ヨベル」の脚注参照。

または,「それを神聖なものとせよ」。

または,「命令」。

または,「わたしエホバはあなたの神」。

または,「わたしを無視して」。

「他のいかなるものをも神(複)としてはならない」。ヘ語,ロー……エローヒーム アヘーリーム; ギ語,テオイ(複)。

「さそわれてそれに仕えてもならない」。ヘ語,ウェロー トオヴデーム; ギ語,メー ラトレウセーイス アウトイス,「あなたはそれに神聖な奉仕を行なわない」。3:12の脚注と比較。

「全き専心を要求する神」。または,「ねたむ(熱心な)神; 対抗するものを容認しない神」。ヘ語,エール カンナー; ギ語,テオス ゼーローテース。

または,「子供」。

字義,「第三,第四の[生まれた]者たちに至るまで」。創 50:23の脚注参照。

17節,2番目の「欲してはならない」の脚注参照。

または,「忠節な愛」。ヘ語,ヘセド。

または,「千番目の[生まれた]者たちにまで」。申 7:9; 詩 105:8参照。

または,「偽りのために」; もしくは,「無駄に」。

または,「発音してはならない」; もしくは,「持ち上げて(担って)はならない」。

「覚えて」。ヘ語,ザーコール。この動詞は命令法ではなく,不定詞独立形で,時に関しては不定。

「務めをなし」。または,「働き」。ギ語,エルガーイ。

ヘ語,シャッバート。

「そののち……休みに入った」。ヘブライ語動詞の未完了態によって示される進行的行為。付録3ハ参照。

「それを神聖なものとしている」。または,「それを神聖にした」。ヘ語,ワエカッデシェーフー; ラ語,エト サンクティフィカーウィト エウム。

「あなたは殺人をしてはならない」。ヘ語,ロー ティルツァーハ。ここで「殺(す)」を意味するヘブライ語の動詞タハローグが用いられていないことに注目。2:14,「つもりなのか」の脚注参照。

「あなたは姦淫を犯してはならない」。ヘ語,ロー ティンアーフ。

「あなたは盗んではならない」。ヘ語,ロー ティグノーヴ; ギ語,ウー クレプセイス。

または,「あなたの友」。七十訳,ウル訳,「あなたの隣人」。

「あなたは……欲してはならない」。ヘ語,ロー タハモード。申 5:21の脚注参照。

2-17節の十のおきての分け方としてはこれが自然。これは,西暦1世紀のユダヤ人の歴史家ヨセフス(「ユダヤ古代誌」,第3巻,5章,5節)や,1世紀のユダヤ人の哲学者フィロンとも一致する。この二人は,3節を第1のおきて,4-6節を第2のおきて,17節を,いっさいの貪りを非とする10番目のおきてとして区分している。アウグスティヌスを含む他の人々は,3-6節を一つのおきてとみなし,17節を二つのおきて,すなわち,仲間の者の家に対する貪りを非とする第9のおきて,および,その人の所有する人や動物に対する貪りを非とする第10のおきてに分けている。アウグスティヌスはその分け方の根拠を,十のおきてに関する,これより後の並行陳述である申 5:6-21に置いている。その箇所は21節で,仲間の者に属するものを貪欲に欲しがることを禁じるのに二つの異なるヘブライ語動詞を用いているのに対し,出 20:17は2回とも同じヘブライ語動詞を用いている。アウグスティヌスの分け方はローマ・カトリックの宗教制度によって採用されている。

「見て」。これは,くびき語法と呼ばれている修辞的表現法。つまり,文法的には第2の動詞が必要であるのに,ただ一つの動詞が不つり合いながら二つないしはそれ以上の目的語とつながれている。ここで『見る』は,稲妻のひらめきと煙る山に当てはまり,雷と角笛の音には聞くという語が本来なら求められる。

「の神々」。ヘ語,エローヘー; ギ語,テウース。

「共与の犠牲」。または,「平和の捧げ物」。

字義,「あなたの裸」。

「司法上の定め」。または,「規定; 命令」。

字義,「彼女の主人たちへ」。ヘ語,ラドーネイハー(laʼ·dho·ney'ha),卓越を表わす複数形; 神の律法は雇い主に言及している。

「(わたしの)主人」。ヘ語,アドーニー,単数形; 僕が自分の雇い主に言及している。

七十訳,ウル訳,「神がその人を彼の手に渡された」。

「くわ」。七十訳,ウル訳,「こぶし」。

「生き延びる」。字義,「立ちつづけている」。9:16,「させておいた」の脚注と比較。

または,「彼の金銭で買った者」。

「出てしまう」,つまり,月足らずで。

または,「命」。ヘ語,ネフェシュ; ギ語,プシュケーン; ラ語,アニマム。

または,「賠償」。字義,「覆うもの」。

マソ本と七十訳はここで21章37節が終わっている。

「血の罪」。字義,「血」(複)。

「人が畑あるいはぶどう園に放牧して[そこの作物]を食べさせ」。七十訳,「しかしもしもだれかが自分の牛の群れ(羊の群れ)に畑あるいはぶどう園の中で食べさせ」; ウル訳,「もしもだれかが畑あるいはぶどう園を損ない」。

「[まことの]神」。ヘ語,ハーエローヒーム; サマ五,「エホバ」。

「神」。ヘ語,エローヒーム; サマ五(ヘ語),ハーエローヒーム; ギ語,テウー。付録1ヘと比較。

「宣告する」。エローヒームが主語となっているこの動詞はマソ本では複数形になっているが,サマ五では単数形。

字義,「その所有者たち」。ヘ語,ベアーラーウ。敬意を表わす複数形で,その動詞は単数形; ギ語,キュリオス。

字義,「その所有者たちに」。ヘ語,リヴアーラーウ,敬意を表わす複数形; ギ語,キュリオーイ; ラ語,ドミノー。

「滅びのためにささげられる」。または,「禁令のもとに置かれる; 絶滅のためエホバにささげられる」。

「外人居留者」。または,「とう留者; 移民」。

「神」。マソ本,サマ五(ヘ語),エローヒーム; ギ語,テウース,「神々」; ラ語,ディイース,「神々」。

「長たる者」。または,「ナーシー」。

字義,「多くの者」。

「公正(裁き)を締め出そうと」,七十訳; マソ本は「公正」を省いている; ただし,申 24:17と比較。

または,「贈り物; 進物」。

「外人居留者」。ギ語,プロセーリュトゥー。

または,「生存状態」。ヘ語,ネフェシュ; ギ語,プシュケーン。

「それを行なわない」。または,「休む; 安息を守る」。

「あなたは」,七十訳,ウル訳。

「[まことの]主」。ヘ語,ハーアードーン; ギ語,キュリウー。付録1チ参照。

「エホバ」,マソ本,サマ五; 七十訳,シリ訳,ウル訳ク,「あなたの神」。

または,「そのえり抜きのもの; 主要なもの」。字義,「初め」。

すなわち,エホバの代理として,そのみ名において行動する「み使い」。

または,「その子を早産する」。

または,「あなたに敵するすべての者を必ずあなたの前から後ろ向きに逃げさせる」。

「失意の気持ち」。ギ語,スフェーキアス; ラ語,クラーブローネース,「すずめばち」(複)。ケーラーの「クライネ・リヒター」(チューリッヒ,1945年)は,ヘブライ語のハッツィルアーという語が,「失意; 落胆; 屈辱」を意味するアラビア語と対応することを示している。しかし,過去に,学者たちは,このヘブライ語が比喩的な意味で「病気や災い」を指すと理解していた。申 7:20およびヨシュ 24:12参照; マソ本でほかにこの表現が出て来るのはこの2か所だけ。

七十訳は「ユーフラテス川」としている。

「あなた」,マソ本,シリ訳; サマ五,七十訳,ウル訳,「わたし」。

または,「あなたが……を崇拝する」。ヘ語,タアヴォード。

または,「離れた所で崇拝するように」。

「契約の書」。これは20:22-23:33に述べられている制定法を収めていたに違いない。

「その奉仕者(従者; 給仕; 僕)」。ヘ語,メショルトー; ラ語,ミニステル。

17:9の脚注参照。

字義,「だれでも言葉(複)の所有者である人は」,すなわち,訴訟当事者,または論争者。

または,「の上に天幕のように広がり」。

または,「神聖な分; 揚挙の捧げ物」。

または,「タハシュの革」。ヘ語,テハーシーム。

前掛けに似た衣で,前の部分と後ろの部分から成り立っていたと思われる。

または,「居住の場所」。

「箱」。ヘ語,アローン; ラ語,アルカム。

1キュビトは約44.5㌢に相当した。

「覆い」。または,「憐れみの座; なだめ」。ヘ語,カッポーレト; ラ語,プロピティアートーリウム。ヘブ 9:5の脚注参照。

約7.4㌢。

字義,「およびそれが注がれるための」。

「供えのパン」。または,「み前のパン」。ヘ語,レヘム パーニーム; ウル訳,「供え物のパン」。

「台座」。または,「股; 脇腹」。

約34.2㌔。付録8イ参照。

または,「居住の場所」。

「区切り枠」。大きさや重量の点で取り扱いが困難であったから,中まで木質の厚板ではなかったと思われる。

「至聖所」。または,「聖の聖なる所」。字義,「聖(複)の聖」。ヘ語,コーデシュ ハッコダーシーム。

「脂灰」,すなわち,祭壇のまきの燃えかすで動物の脂がしみ込んだもの。

「そのすべての器具を」,七十訳,シリ訳; マソ本,「そのすべての器具は」。

「[神]があなたに示したとおりに」,マソ本,サマ五,シリ訳; 七十訳,「あなたに示されたところにしたがって」; ウル訳,「あなたに対して示されたとおりに」。

「継ぎ手」。または,「輪; 環; 帯; 条片」,取り付けるためのもの。

字義,「肩」。

「五十キュビト」,サマ五; マソ本,七十訳,シリ訳,「五十に五十」; ウル訳,「五十[キュビト]」。付録8イ参照。

「器具」。または,「調度; 備品」。

「飾り帯」。または,「帯; 腰帯」。

または,「紅玉髄」。

約22.2㌢。

「レシェム石」。ヘ語,レシェム。宝石の一種だが,どのようなものか確かめられていない; 七十訳,ウル訳,「リギュール」。

「めのう」,七十訳,ウル訳; ヘ語,シェヴォー。宝石の一種。

「貴かんらん石」,七十訳,ウル訳; ヘ語,タルシーシュ。

「ウリムとトンミム」。ヘ語,ハーウーリーム ウェエト・ハットゥンミーム; 七十訳,「解明(顕示)と真理」; シリ訳,「光と完全」; ウル訳,「教理と真理」。しかし,七十訳,シリ訳,ウル訳の訳し方はこのヘブライ語表現の意味に対する推測とみなされる。ウリムとトンミムは神聖な宣言を伝えるために用いられた。

「裁き」(複),七十訳,シリ訳; マソ本,ウル訳,「裁き」(単)。

または,「そして,その真ん中に彼の頭のための開き口を」。

「すそべり」。または,「すそ」。

または,「聖所」。ヘ語,ハッコーデシュ。

「その手に力を満たし」。または,「彼らに権能を付与し」。字義,「彼らの手を満たし」。

「献納の聖なるしるし」。または,「聖なる冠; 神聖さの冠」。39:30,「しるし」の脚注参照。

「彼らはわたしに対して祭司の職を永久に持つであろう」,七十訳。ヘブ 7:28と比較。

「火による捧げ物」。「火」を意味するエーシュ(ʼesh)から派生した語と見た普通の訳し方。ʼnshから派生した語(KB,70ページ)と見て,「神との友好関係を築くための手段」という意味に取る人もいる。

「任職」。字義,「満たすこと」,すなわち,手に力を満たすこと,権能を付与すること。

「神聖な分」。または,「揚挙の捧げ物; 寄進物」。

または,「彼らの平和の捧げ物の犠牲の中からの」。

字義,「覆い」。

または,「アロン人ではない人」,すなわち,アロンの家族ではない人。

または,「触れる物はすべて聖なるもの」。

「若い雄羊」。または,「雄の子羊」。

12:6の脚注参照。

1ヒンは3.67㍑に相当した。

「十分の一エファ」,七十訳,ウル訳の民 15:4による。字義,「十分の一」。付録8イ参照。

「そこ(それ)」,マソ本; ウル訳,「その祭壇」。

「そこは……まさに神聖にされる(神聖なものとみなされる; 聖なるものとして扱われる)であろう」。ヘ語,ウェニクダシュ; ラ語,サンクティフィカービトゥル; ギ語,ハギアステーソマイ,「わたしは神聖にされる」。マタ 6:9の脚注参照。

「側面」。字義,「壁」(複)。

「適法でない」。字義,「よその」。

「穀物の捧げ物」。字義,「贈り物」。

「人口調査のため」。または,「登録された者たちによって」。

または,「人口調査のゆえに」。

「自分の魂(命)」。ヘ語,ナフショー; ギ語,プシュケース。

または,「賠償」。字義,「覆うもの」。ギ語,リュトラ,複数形。

「シェケル」,マソ本,シリ訳; 七十訳,「ディドラクマ」。付録8イ参照。

または,「聖なるシェケルで」。幕屋で保管された標準分銅。あるいは,その目方が正確であるべきことを強調したものかもしれない。サム二 14:26,「おもり」の脚注と比較。

付録8イ参照。

または,「洗盤」。

「滴り落ちて固まったもの」。または,「真珠の没薬」,つまり,白い没薬が滴り落ちて固まり,暗赤色または黒色になったもの。

または,「触れる物も聖なるもの」。

「よそ人」,すなわち,アロン人ではない人。29:32,33参照。

または,「見よ,ダン族の……オホリアブを与えて彼と共にいさせる」。

「編み物細工の衣」。または,「公服としての衣」。七十訳,「公務のための衣」。

または,「彼らは作る」。

または,「わたしがあなた方を神聖なものとしているエホバであることを」。レビ 20:8の脚注参照。

「全き休みの安息」。または,「安息を守る安息」。

または,「[それを]やめて」。創 2:3,「休んでおられる」の脚注参照。

「神」。ヘ語,エローヒーム,(複)。卓越を表わす複数形であろう; 七十訳,ウル訳,「神々」; 使徒 7:40でも複数形になっているが,七十訳から引用したためと思われる。4節,「神」の脚注; 31節の脚注参照。

角かっこ内の語があるものと理解されており,同じ節の「それ」と対応している。

「彼ら」,マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「彼」。

字義,「これらが……あなたの神々」。ヘ語,エーッレ エローヘイカー。しかし,ネヘ 9:18はこの部分を,「これが……あなたの神」(ヘ語,ゼ エローヘイカー)という意味に説明している。そのヘブライ語の代名詞とそれに伴う動詞は単数形であるが,エローヒームは卓越を表わす複数形になっている。詩 106:19-21と比較。

4節,「神」の脚注参照。

または,「子孫; 後裔」。

17:9の脚注参照。

「神」。ヘ語,エローヒーム; ギ語,テウース,「神々」; ラ語,デオース,「神々」。1節の脚注参照。

または,「エホバを支持する者はだれか; エホバに属する者はだれか」。

「三千」,マソ本,七十訳,シリ訳; ウル訳ク,「二万三千」。

または,「今日あなた方自身に権能を付与しなさい」。

「神」。ヘ語,エローヘー。卓越を表わす複数形で,一つの黄金の子牛を指している; 七十訳,ウル訳,「神々」。

または,「誓いをもって約束して」。

「地へと[向かいなさい]」,マソ本; 七十訳,「地にわたしはあなたを導き入れよう」。

「自分の」,七十訳,シリ訳; マソ本,ウル訳,「その」。

または,「若者」。

「そして……をご考慮ください」,マソ本,シリ訳; 七十訳,「また……をわたしが知るためです」。

「このわたし自身」。字義,「わたしの顔」,マソ本(ヘ語,パーナイ),ウル訳。

「わたし自身があなたの前を行き」,七十訳; シリ訳,「わたしの前を歩きなさい」。

この重文を,「このわたし自身が共に行き,必ずあなたに休みを得させるのであろうか」という疑問文に読む人たちもいる。

字義,「あなたの顔」,マソ本; 七十訳,ウル訳,「あなた自ら」。

または,「宣べ伝える」。字義,「呼びかける」。

「者」,七十訳,ウル訳。または,「者たち」。

または,「地の人」。ヘ語,ハーアーダーム。

または,「後部」。

または,「命令」。

または,「宣べ伝えられた」。字義,「呼びかけられた」。

字義,「呼ばれた」。

「愛ある親切」。または,「忠節な愛」。

または,「忠実さ」。

「神」。ヘ語,エール; ギ語,テオス。

字義,「第三,第四の[生まれた]者たちまで」。

書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。

前項の脚注参照。

または,「アシェリム」。

「神に」。ヘ語,レエール。

字義,「ねたむ[というの]がその名」。ヘ語,カンナー シェモー。

「ねたむ神」。または,「全き専心を要求する神」。ヘ語,エール カンナー; ギ語,テオス ゼーローテース。20:5,「神」の脚注参照。

「その神々」。ヘ語,エローヘーヘム。

または,「神々と淫行を犯し」。

字義,「彼の」。しかし,集合的な意味で用いられている。

字義,「そして[その娘たちは]……と淫行を行ない」。ヘ語,ウェザーヌー; ギ語,カイ エクポルネウソーシン; ラ語,フエリント フォルニカータエ。

13:4の脚注参照。

または,「奉仕を行ない」。ギ語,エルガーイ。

または,「七日目には休む」。

「[七]週の祭り」。または,「ペンテコステ」,シワン6日。ニサン16日から50日目。付録8ロ参照。

または,「収穫」。

「[まことの]主……エホバ」。ヘ語,ハーアードーン エフワー; ウル訳,「全能の主」。付録1チ参照。

「[神]」(字義,「彼」)。1節参照。

「十の言葉」。ヘ語,アセレト ハッデヴァーリーム; ギ語,トゥース デカ ログース; すなわち,十の命令の言葉,行なうべき十の事柄,十戒<デカローグ>,十のおきて。申 4:13の脚注参照。

または,「ナーシーたち」。

または,「事柄」。

26:15の脚注参照。

「供えのパン」。または,「み前のパン」。ウル訳,「供え物のパン」。25:30参照。

または,「光るもの; ともしび」。

または,「洗盤」。

「編み物細工の衣」。または,「公服としての衣」。

または,「バックル」。

「彼」。ベザレルを指しているものと思われる。

字義,「海」,すなわち,地中海。

「覆い」。または,「憐れみの座; なだめ」,七十訳,ウル訳(ラ語,プロピティアートーリウム); ヘ語,カッポーレト。25:17の脚注参照。

字義,「およびそれをもってそれが注がれる」。

約44.5㌢。

または,「洗盤」。

字義,「入口[で]奉仕した奉仕する婦人たち」。ここで用いられている二つのヘブライ語動詞はツァーヴァーという同じ語根を持っており,これらの婦人たちが組になって,軍役のような組織的奉仕に従事したことを示唆している。

姿を映すようによく磨かれた金属の鏡。

「継ぎ手」。または,「環; 輪; 帯; 条片」,取り付けるためのもの。

「そで」。字義,「肩」。

金1トロイオンス350(米)㌦として,幕屋のために使用された金だけでも約1,126万9,000㌦に相当したであろう。代一 29:7,「タラント」の脚注と比較。

字義,「頭蓋骨」。人頭税のために数えられた頭。

「半シェケル」。字義,「[1]ベカ」,銀。七十訳,「1ドラクマ」。

「シェケル」,七十訳。

「編み物細工の衣」。または,「公服としての衣」。

「レシェム石」,マソ本; ウル訳,「リギュール」。

「めのう」,ウル訳; ヘ語,シェヴォー。宝石の一種。

「貴かんらん石」,ウル訳; ヘ語,タルシーシュ。

「献納の聖なるしるし(聖なる冠; 神聖さの冠)」。ヘ語,ネーゼル・ハッコーデシュ。

「神聖さはエホバのもの」。ヘ語,コーデシュ ライフワー。

または,「奉仕」。

「覆い」。または,「憐れみの座」。ウル訳,「なだめ」。25:17の脚注参照。

「供えのパン」。または,「み前のパン」。ウル訳,「供え物のパン」。25:30の脚注参照。

字義,「ネゲブ」。

または,「そしてその上で……くゆらせはじめた」。

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